ク「いやなげーよもう少しコンパクトにしろ」
ウォ「おや?本物を偽物呼ばわりしている勘違い君じゃないか」
ク「グハア!?」
ツク「ちょっとウォズ!?間を差されたからってそういう嫌みを言うのは―――」
ジカンガマキモドール
ク「―――いやなげーよもう少しコンパクトにしろ」
ウォ「おや?本物をムグォ!?」
ソ「はいウォズそこまで」
ツク「・・・ハッ!?何か編集の力らしきものでセリフを遮られた気がする・・・!?」
ソ「一々血を吐かれたらたまらないからね。というわけで、今回は俺たちと装者の戦いだよ。作者は土曜日、というか日付的には今日自動車学校の最終試験だから、かなり気合入れてるよ」
切「なぁんでオグリとテイオーばっか出るんデスかねぇ・・・」
響「一度出ると、何度もきちゃうよね・・・」
翼「お前たちは何の話をしているんだ」
未「ほんとにもう、どんなことになっても知らないよ?」
調「切ちゃん・・・」
マ「全く、そういうのはもう少し稼げるようになってからにしなさい」ハヤクチ
調「あれ?なんでそんなに早口なの?しかも結構顔赤いし汗もかいてるけど、何が・・・」
マ「別に何でも・・・ひぅっ・・・」
一同「ひぅ?」
マ「な、なんでもないわ!とにかく!シンフォギアビルド天羽々斬編第四話を見なさい!―――くふぅっ!!」
一同「くふぅ?」
マ「な、なんでもないわ!・・・くぅ、調子に乗らないでよね・・・!!」
翼「・・・なんだったんだ?」
未「さあ・・・」
―――その男は、生まれながらにして王となる運命をもっていた。
王の血に生まれ、王の素質を持ち、王の為の教育を受けた。
だが、その男が王になる前に、その男が納める筈だった国は、男に反旗を翻した。
その理由は、『■』。
『■』が、国民たちの心をかどわかし、男の一族へと刃を向けた。
故に男は国から追われた。そして、男は誓った。
―――自らを破滅へ追い込んだ『■』をもって、自分は『王』になると―――
カ・ディンギル跡地にて―――
響たちは一抹の警戒心を持ちながら、そこへ足を踏み入れていた。
「一体、誰があのメッセージを・・・」
「罠かもしれない・・・だけど、今の私たちには、一つでも情報が欲しい」
「故に、このような危険は百も承知だ」
調の言葉に、マリア、『風鳴翼』がそう答える。
その最中で、クリスが目の前に立つ人影を見つけた。
「おい、あれ!」
指さす先に、その男はいた。
「待っていたよ。シンフォギア装者諸君」
その男は、一言で言うなら純白であった。
服装、肌、髪、その全てが白。
眼も灰色で、下手をすれば三白眼に見えなくもないその男は、まさしく白の男と呼ぶに相応しい成り立ちだった。
「貴方が、私たちをここへ?」
「そうとも」
響の問いかけに、男は頷く。
「私の名は『カイン』。奴ら―――魔王『オーマジオウ』一向と敵対する者だ」
「オーマジオウ・・・?」
男―――カインの言葉に、響は首を傾げる。
「オーマジオウとは、君たちが戦った仮面の男の正体――――いずれ、この世界を支配し、人々を苦しめる『最低最悪の魔王』となる男のことだ。その力は絶大であり、何者をも触れることすら叶わず消失させるほどの力を有した男―――」
「そんなバケモンが存在すんのかよ・・・!?」
「無論・・・と、言いたいところだが、幸い今の彼にその力はないから安心したまえ」
その言葉にほっとしつつも、マリアは鋭く尋ねる。
「それで、そのオーマジオウと敵対する貴方が、私たちに一体何の用かしら?」
「奴らの行き先を教える」
「わ、分かるんですか!?」
「もちろん。そして、そこへの行き方も手段ももっている」
「それは一体なんなんデスか!?」
カインが手をあげ、彼らをいったん落ち着かせる。
「オーマジオウとは時の王者。故に彼らは時間を遡る・・・そして奴らは過去へと行き、歴史を変えるつもりでいるのだ」
「歴史を変えるって・・・そんなファンタジーみたいなことありえんのかよ!?」
「あり得るのだよ。我らは時を流れをかけて戦い、しのぎを削ってきた。そして奴らは卑劣にも過去を変える事で、我らの存在を消そうとしている」
さもありなん、とでもいう様に、カインは流暢に語る。
「過去を変えるって・・・」
「一体どうやって・・・」
「歴史には、その未来を変える大きなターニングポイントというものがある」
指を立て、カインは説明する。
「それは、歴史の転換期ともいえる時期、とある科学者がとある装置を発明した。戦争がおこるきっかけが起きた。そこに命が生まれた・・・そして、本来存在しない筈のものが現れた、とか」
「存在しないもの・・・?」
「例えば、風鳴翼の・・・いや、天羽々斬の偽物の登場、とか」
「「「っ!?」」」
一同が、その表情を強張らせる。
「お前、先輩の偽物について、何か知ってんのか!?」
「もちろん。あれは本来の用途は別の存在に適用されるものだが、この世界ではシンフォギアに使われている。君たちが回収したウォッチは通称『アナザーライドウォッチ』と呼ばれ、本来ある『力』を別の用途で生み出すことが出来るのだ。そうして生み出されたのが―――」
「私の偽物、と言うわけか」
『風鳴翼』が、忌々し気に呟く。
「その通り。そして彼らは時を飛び越える手段を持っている。あの人型マシーンがそれだ」
「つまり、あの人たちのいる場所っていうのは・・・」
「そう、過去だ」
であるならば、道理で見つからない筈だ。
時間を飛び越えたとなれば、それはこの世界にはすでに存在しないということの証左であり、今の時代のどこにもいないわけなのだから、どこのカメラにも映る訳がない。
「過去へ飛んで、歴史を変えて・・・それで一体、彼らになんの得があるというの?」
「歴史が変わるということは、そこから先の未来の何もかもが変わるという事・・・逆に、過去で何が起きたのかが分かれば、それを変えて自分たちの都合のいい未来に変えることも造作もない・・・ようはそういうことさ。この世界の歴史を変え、自分たちの都合のいい世界に変える・・・小日向未来のこともその布石さ」
「未来・・・未来に何かあるんですか!?」
「無論だとも。彼女だけが、
男は、そう語る。
「本来の歴史を知っている・・・?ならば、何故彼女は彼らと・・・」
「簡単な話だ。強力な洗脳をかけ、自分たちを味方だと思い込まされているのだよ。あの偽物を助けたのはその布石の一つだろうね」
それを聞いて、一同に衝撃が走る。
洗脳されている様子はなかった―――だが、それに気付かれぬほど、彼女は―――
「未来・・・!」
響が、心なしか拳を握り締めている。
「過去に変えるって言ったな」
クリスが、そう声を挙げた。
「ああ」
「だったらすぐに連れていけ。先輩の偽物含めてあいつら全員ぶっ飛ばして、あの子を取り戻してやる!」
そして続けてそう啖呵を切る。
「魔王の思い通りになんかさせないデス!」
「今ある私たちの日常を守るために・・・!」
「過去を変えるなんてこと、絶対にさせないわ」
切歌、調、マリアもそう叫ぶ。
「無論だ。そちらの上司が良いというのならばの話だが」
すかさず、通信が耳に入る。
『構わん。それに、過去を変えるなどと言う所業を行う輩を見過ごすわけにはいかん。それに、そういうのは我々の管轄でもある』
「良いそうよ」
「ならば重畳」
カインが指を鳴らせば、突如として上空の空間に謎の穴が開き、そこから巨大な何かが降りてくる。
「これに乗り、過去を取り戻すとしよう。そう、『過去』を」
そして、彼女たちは、翼の母が存命している2030年へと向かった。
そして、今―――
「逃げんな偽物ォ!!」
「ぐぅぅう!!?」
クリスから放たれる弾丸から、必死に逃げる翼。
「雪音、頼む、話しを・・・」
「話すことなんざ何もねえんだよ!」
降り注ぐミサイル。それを翼はRN式のなけなしの身体能力で躱して見せる。
だが、その躱した先でクリスの狙撃が肩を打つ。
「ぐあぁあ!?」
シンフォギアの攻撃、本来であれば肩そのものが吹き飛ぶかもしれない威力のそれは、曲がりなりにもシンフォギアのプロトタイプであるRN式の物理保護によって激痛にのみに留まる。
だが、その痛みは一歩間違えれば気絶もおかしくない程の激痛だ。
「ぐ、ぅぅう・・・!!」
痛みに目尻が湿る。
(ゆきね・・・雪音・・・!!)
本物は自分だと叫びたい。だけど、件のクリスは聞く耳を持ってはくれない。
完全にこちらを偽物とし、敵と認識している。
涙目で訴える翼を、クリスは未だ、残酷なまでに冷徹な視線で翼を睨みつける。
その手の銃を、翼に向ける。
「く・・・ぅぅ・・・」
ゆっくり近づいてくる。翼は肩の痛みで動けない。
だが、そんな二人の元へ、仮面ライダージオウが割り込む。
「なッ!?」
「翼、逃げろ!」
ジカンギレードでクリスを牽制しつつ、ジオウは翼に向かってそう叫ぶ。
「しかしっ・・・!」
「仲間相手に、戦えないんでしょ!?だったら俺が抑えてるうちに、時間改変の原因を探してきて!早く!」
「誰が逃がすかっ!」
クリスのガンカタがジオウに迫る。
だが、ジオウはクリスの放つ銃弾を全て受けきると、逆に拳を叩き込んで距離を取らせる。
「ぐあっ!?」
「貴様の相手は私だ!」
そこへすかさず『風鳴翼』が割り込んでくる。
振るわれる剣閃。それをジオウは迎え撃つ。激しく撃ち合う剣戟の中で、翼は『風鳴翼』の振るう剣を、否応なしに自分の太刀筋だと実感してしまう。
(客観的に見ても、あれはまさしく私の剣・・・完全に私を模倣しているというのか・・・!?)
マリアですらも、彼女を味方と信じ切っているようだった。
それほどまでに、彼女は自分と等しい存在だということなのか。
「やろうっ!」
すかさずクリスの銃撃がジオウを襲い、ジオウはどうにかそれを躱す。
「流石に二対一はきついな・・・だったら・・・!」
そう言ってジオウが取り出したのはピンクい『マゼンタだ』・・・マゼンタ色の細長の懐中時計だった。
ジオウは、その時計のボタンを押す。
『
そんなハイテンションな音声が流れ、それをジクウドライバーにセットする。
そして、ドライバー上部の『ライドオンリューザー』を押し、ロックを解除。
そして、そのままジクウドライバーを反時計回りに回転させる。
『
『
『
『KAMEN RIDE《WOW!!》』
『
突如として出現したカードのようなものが数枚出現し、それがジオウの周囲を回転。やがて止まるとそれは人型を形成し、唯一それぞれに色と実体があった部分がジオウへと装着されていき、追加装甲のようにジオウの姿を変えた。
そして、顔面の板のような部分に、まるで張り付けたかのような『ディケイド』と書かれた顔と、右肩にも同じ文字、そして左肩から右脇にかけてバーコードのようなボディプレートを纏った姿は―――
「・・・全身バーコード・・・」
と、呼ぶ他なかった。
「・・・はっ!な、なんだよそれ!?」
いち早く我に返ったクリス。しかしその間にもジオウは次なる行動を起こしていた。
さらに取り出したのはピンクと緑の柄のついた懐中時計。
その懐中時計のボタンを押すジオウ。
『
それを、先ほど差し込んだ時計のさらなるスロットに装填する。
『
『
その瞬間、胸のバーコードや右肩のディケイドの文字が飛び出したかと思えば文字が切り替わり、『ディケイド』が『エグゼイド』に、バーコードが『ダブルアクションXX』に変わる。
そして、たちまちにその姿が
「「「・・・・は?」」」
突然の出来事に唖然とする一同。
しかも、分かりやすく片方はオレンジ、片方は水色とそれぞれ色が分けられている。
まさに訳が分からない。
「ノーコンティニューで―――」
「―――なんかクリアできる気がする!」
二人のジオウが顔を見合わせ、同時にクリスと『風鳴翼』に斬りかかる。
「くっ!」
「どうなってんだよ!?」
クリスの方へ向かったオレンジ色の顔の方はその手にジカンギレードを、翼の方へ向かった水色の方は『ライドヘイセイバー』を持っており、それぞれが完全に自立した動きで二人を責め立てる。
「こン、のっ、調子に乗るな!」
クリスが距離を取り、腰から無数のミサイルを装填したポッドを展開する。
「喰らいやがれ!!」
『MEGA DETH PRATY』
一声に放たれる小型ミサイル。
しかしジオウは慌てずにジカンギレードをジュウモードへと変形、そこへ取り出した白いライドウォッチを取り出す。そして、ボタンを押す。
『
起動したウォッチをジカンギレードに装着する。
『
『
『
引き金を引き、その銃口から具現化したエネルギーが発生。しかしそのエネルギーの塊が無数に分裂したかと思えばそれが全てクリスのミサイルを迎撃―――貫通する。
「嘘だろ・・・っ!?」
数ではまさっていた。だが、ジオウの放ったその威力の前に敗れたクリスのミサイル群は瞬く間に爆散し、貫通してきた敵のミサイルが、クリスに殺到する。
「ぐあぁぁあぁああ!?」
その一方、『風鳴翼』の方では、ライドヘイセイバーを振るうジオウと激しく鎬を削っていた。
だが、剣技以前に威力の差で押され気味の『風鳴翼』は苦悶の表情を浮かべていた。
「これが、魔王の力・・・!」
振り下ろした剣を躱され、そのまま抑え込まれる。
「お前、一体誰なんだ?」
その最中でジオウは『風鳴翼』に尋ねる。
「何?」
「偽物・・・ってわけじゃない。そっくりなロボットってわけでもない。だったらお前は、一体何者なんだ?」
ジオウは、その仮面の奥から『風鳴翼』をみつめる。
しかし、『風鳴翼』は不敵に笑うと、
「何を言っている?私こそが本物の『風鳴翼』だ!」
抑え込みを逃れ、返す太刀で『風鳴翼』はジオウに斬りかかる。
だが、ジオウもそのままでは終わらない。その斬撃を受け流し、距離を取る。
「何故そこまで翼であることにこだわる!?」
「それが私の望みだからだ!」
「いいや違う・・・それはアンタの望みじゃない!それは、
「ッ・・・!?」
その時、『風鳴翼』の表情が凍り付く。
その様子に、翼も動揺する。
(誰かの望み・・・だと・・・!?)
だが、『風鳴翼』は図星を突かれたかのように顔を歪めると、一気にその剣を巨大化させる。
「黙れ、私の心に土足で踏み入るなッ!」
「あれは『蒼ノ一閃』!?」
翼が最も多様する、エネルギーによる斬撃を放ち、直線状の敵を一掃する技。
『
だが、ジオウも同じように動く。
その手のライドヘイセイバーにベルトに装填していたディケイドライドウォッチを装填。そして鍔の針を思いっきり回す。
そして、数回、回転させた所で、ジオウは構えた。
『HEI!
そして、あまりにもふざけた待機音が鳴り響く。
『HEY!SAY!HEY!SAY!HEY!SAY!HEY!SAY!HE・HE・HEY!SAY!』
「ハァァァアァアア―――――」
力をため込むように、ジオウは片手で振りかぶる。
「喰らうがいい・・・!!」
『蒼ノ一閃』
放たれる蒼い剣閃。だが、その『刃物』は、魔王の一撃の前に消し飛ぶ。
『
『
振り上げられた剣に応えるかのように出現した無数の巨大な壁―――否、カードが『蒼ノ一閃』を阻み、そして剣が振り下ろされた瞬間、まるで叩きつけるかのような斬撃が『風鳴翼』に叩きつけられる。
「トリャァァァアア!!」
「ぐあぁぁぁぁあああ!?」
凄まじい爆発、それと共に、クリスと『風鳴翼』の二人が吹き飛ばされる。
「がっはぁ・・・」
「これが、魔王の力・・・!?」
大技を喰らい、ボロボロの二人。
「ゆ、雪音・・・!」
そのクリスに翼は思わず駆け寄ろうとするが、ジオウの手によって制される。
「くっそがぁ・・・!!」
立ち上がろうとするクリス。その睨みつける眼光が、翼を射貫く。
その視線に、翼は思わずびくりと体を震わせる。
(雪音・・・やはり・・・)
もはや、自分を本物だとは信じてくれないのか。
それを悟り、翼は、零れそうになる涙をぐっと堪える。
「・・・常磐、ここを離れよう・・・今の二課に見つかる訳にはいかない・・・」
「・・・分かった」
上ずりそうになる声を抑え、翼は、彼女らに背を向ける。
「待ちやがれ!」
「よせ!雪音、今の私たちでは敵わない・・・!ここは引くぞ」
「くっ・・・」
二体に分裂、と考えれば弱体化は考えられる。だが、それを考慮した上でも惨敗した以上、勝ち目はない。
であるならば引いた方が得策―――『風鳴翼』は、激情に駆られそうな衝動の中、必死に理性でそう結論付け、撤退を選択した。
そして、戦いの惨状をその場に残したまま、四人は決定的な何かを認識したまま、その場を去った。
拳と帯が激突する。
響が接近しようとすれば、未来は距離を取って牽制する。
「未来、お願い、戻ってきて!」
「違うよ響!騙されてるのは響の方なんだよ!?」
ズドガガ、と響の重い一撃を、未来は柔らかい帯で衝撃を逃がしながら受け切る。
そのまま体を絡めとろうとするも、地面についた足とアンカージャッキで無理矢理後ろに飛び、難を逃れる。
その後ろに飛んだタイミングで未来はその手の鉄扇の先から光線を放つ。
『慟哭』
放たれる光、だが、響は空中でバンカーを炸裂。その衝撃によって地面に向かって加速。
慟哭の射線を間一髪で逃れる。
そのまま地面に着地して、地面を踏み砕いて加速。
右拳をバンカー状に変形させ、そして振りかぶる。
それに対して未来は、間に合わないと判断。すぐさま自らの纏うシンフォギアの『ダイレクトフィードバックシステム』を利用して、その身にクローズの格闘技を無理矢理、模倣。右腕に帯の片方を纏わせ補強しつつ、響の拳を正面から掌打で迎え撃つ。
激突する拳と掌。
「なっ!?」
「あぐっ!?」
それに響は驚愕し、未来は苦悶に顔を歪める。
(未来が、私の拳を正面から・・・!?)
(痛い痛い痛いッ!?力を逃がしきれなかった!?)
ダメージは明らかに未来の方が大きい。
だが、未来の瞳に宿る闘志は未だ燃え尽きてはいない。
「未来、どうしてそこまで・・・!」
「響こそ・・・!」
今はどれほど言葉を並べても説得できる気がしない。
響は未来を取り戻したい、未来は翼を助けたい。
双方、確実に譲れない事情がある。
だが、質の悪い部分に至って響にはカインからこんなことを言われていた。
曰く『小日向未来の洗脳は相応の処置を取らなければ治らない。だから自分の元へ連れてくるように』
だから響は実力行使で未来を連れ戻そうとしている。
無論、未来もそれで連れていかれる気などない。
最大の問題である時間軸のズレが、この戦いを引き起こしている要因の一つでもあるからだ。
その一方で、
「デェェス!!」
同じ緑同士、切歌とウォズが激しく競り合う。
「未来さんにした洗脳をさっさと解きやがれデス!」
「やれやれ、一体誰にそんなことを吹き込まれたのやら」
余裕そうな口ぶりで、ジカンデスピアで切歌の猛攻を凌ぐウォズ。
一際大きなぶつかり合い、その後に二人は距離をとって様子を伺う。
「早く響さんの所へ行かなきゃなのに・・・」
「ふむ・・・」
切歌の様子を見て、ウォズは何かを察し、懐から一つのウォッチを取り出した。
『
そしてビヨンドライバーにセットされていたウォズミライドウォッチを新たに起動した『クイズミライドウォッチ』と入れ替える。
『ACTION!!』
そして、そのままクランクインハンドルでドライバーにミライドウォッチのデータを叩き込む。
『
『FUTURE TIMEッ!』
『
突然、ウォズの周りを橙色のフィールドが包み込み、その表面に何かのアーマーが形成される。
そして、そのアーマーが、ウォズに装着される。
「へ、変身した・・・!?」
両肩は赤と青、そしてクエスチョンマークで彩られ、顔のまた形が代わり、その仮面には『クイズ』と銘打たれていた。
それこそが、正解と不正解を司る未来の仮面ライダー『仮面ライダークイズ』の力を宿した姿。
その名も『仮面ライダーウォズ フューチャーリングクイズ』だ。
「ここで問題だ。暁切歌、君は立花響の援護に迎えるか。
突然、問題を繰り出される切歌。
「え、いきなりなんデスか!?」
「ほら、早く答えないと。時間制限付きだ」
「え!?そ、そんなの決まってるデス!
と、確固たる意思で答える―――が、
ブブー
「・・・・は?」
「おっと残念、答えは×だ」
次の瞬間、切歌に雷が落ちる。
「デデデデデ――――!?」
「何故なら、君は私が止めるからだ」
「そ、そんなの・・・!」
「では次の問題だ。どうやら残りの二人は我が魔王の元へ向かっただろうけど、果たして我が魔王に君の仲間は勝てるか・・・〇か×か」
「そんなの決まってるデス!〇デス」
ブッブー
「はえ!?」
「残念、答えは×。即ち負けだ」
再び電撃が切歌に突き刺さる。
「デェェス!?」
それを喰らい、膝を着く切歌。
「そ、そんなこと・・・あるわけ・・・!」
「あまり我が魔王を舐めない方がいい。ありとあらゆる時空をしろしめす・・・それが時の王者『ジオウ』だ」
その言葉に、切歌はギリッと歯を食いしばる。
「魔王なんかに・・・負ける訳にはいかないのデス!」
「では問題だ。君たちの傍にいる『風鳴翼』は本物か?〇か✕か―――」
すかさず、新たな問題を提示するウォズ。
それに切歌は、迷わず答える。
「そんなの、当然―――」
「―――✕だ」
―――だが、切歌が答える前に、ウォズが先に答えを言った。
―――そして、電撃。
「――――は?」
何故、電撃を喰らった?
あいつは、何を言った?
✕?はずれと言ったのか?
「な・・・んで・・・」
「そのままの意味さ。君たちの傍にいる『風鳴翼』は本物ではない―――即ち、君たちの傍にいる彼女こそが偽物であり、我々の傍にいる『風鳴翼』こそ本物ということだよ」
両手を地面につき、切歌は項垂れ、うずくまる。
「そ・・・んな・・・はず・・・・だって、偽物は・・・!」
思考がまとまらない。
自分は、間違ったことを言っていない。
なのに、何故間違えた。
一体、何を間違えて―――
「ウォズ!」
「っ!」
ふと声が聞こえたかと思えば、ウォズに向かって巨大な鋸が飛んでくる。
ウォズはそれを間一髪で躱す。
「惑わされないで切ちゃん!」
その鋸を投げた張本人が、切歌とウォズの間に割って入った。
調だ。
「あんなの全部嘘。私たちを動揺させるためのブラフだよ」
「調ぇ・・・」
「やれやれ。ちゃんとした○✕クイズなんだけれどね」
そこへツクヨミがやってくる。
「ごめんウォズ、抑えきれなかった」
「何、問題はない。数的優位が変わったわけではないからね」
睨み合う両者。そしてすぐさま激突する。
さらに一方、ゲイツとマリアは―――
「あの二人を使って、一体何をしようっていうの!?」
「それを貴様らに言う必要は、ないっ!」
マリアの短剣とゲイツのジカンザックスが激突する。
激しい鍔迫り合いを繰り広げ、ふとした瞬間、距離を取る。
『
すかさずゲイツがジカンザックスを『おのモード』から『ゆみモード』へ変え、引き金である『バーストスリンガー』を引き、エネルギー体の矢を放つ。
「くっ!」
マリアはそれを展開した三角バリアで防ぎ、すかさずゲイツに向かって飛び出す。
再び激しく撃ち合うゲイツとマリア。
「過去を変えて未来を変えるだなんて、一体何が目的でそんなことをしているの!?」
「ふん、誰に何を言われたか知らないが、偽物風情に騙されている貴様らに、いう事は何もないな」
「なんですって!?」
「ウォッチの力だろうが、貴様らの傍にいる『風鳴翼』は本物の風鳴翼ではない。何等かの方法で偽物と本物を誤認させているんだろうな」
「そんなこと!」
マリアが斬りかかる。
それをゲイツは躱し、その手に新たなウォッチを取り出す。
「それは・・・!?」
「今の貴様らでは、俺には勝てん」
『
それは、砂時計型のウォッチだった。
そのウォッチを、そのままジクウドライバーにセットし、そのままロックを解除して反時計回りに回転させる。
背後に出現するステージ。そのバンクはゲイツを囲い、新たな姿を世に曝け出す。
『
その姿は、まさしく『剛烈』。武骨な装甲をその身に纏い、顔の文字はさらにいかつくなり、より頑丈さが際立ってみえる。
それが、ゲイツの最強形態『ゲイツリバイブ剛烈』。
その姿に、マリアは圧倒される。
「どうした?」
そんなマリアに、ゲイツは挑発気味に尋ねる。
「かかって来い」
「っ!」
その手の回転鋸を構えるゲイツの挑発に、マリアは歯噛みしつつも斬りかかる。
その短剣の一撃が、ゲイツの首筋に叩き込まれる―――だが、
「なっ―――」
マリアの短剣の刃は、ゲイツリバイブ剛烈の装甲の前に防がれていた。
そして、間髪入れずにゲイツの『ジカンジャックロー』のこモードの一撃がマリアの腹に叩き込まれる。
「がっ―――」
高速回転する鋸の一撃が、マリアのアガートラームの装甲を粉々にする。
「このっ」
重い一撃を受けても、どうにか立て直し、再度反撃を繰り出すも、しかしゲイツの装甲の前に刃は阻まれ、再び鋸の一撃を受ける。
「があッ!?」
圧倒的防御力に圧倒的パワー。この二つの要素が完全にマリアを追い詰めていた。
(なんって力なの・・・!?このままじゃ、やられ―――)
三撃目が突き刺さる。
「アッ―――!?」
凄まじい一撃がマリアを吹き飛ばし、壁をぶち抜く。
煙が舞い、マリアの姿を隠す。
「ふん」
マリアが沈んだことを確認して、ゲイツは背を向ける。
だが、そこへもつれるように響と飛び込んできた未来がゲイツに向かって叫ぶ。
「まだです!皆にはあれが―――」
次の瞬間、ゲイツの背後で黒い閃光が迸る。
「ッ!?」
発動した漆黒を纏い、マリアが立ち上がる。
そして、恐ろしい速さでゲイツに突撃し、凄まじい威力の拳がゲイツの顔面に叩き込まれる。
「ぐぅっ!?」
圧倒的防御力を誇るリバイブの装甲に衝撃を与えるほどの威力に、ゲイツは瞠目する。
「なんだこれは!?」
「シンフォギアの強化形態『イグナイト』だね。制限時間はあるが、その間はすさまじい力を発揮するから気を付けたまえ」
「早く言え!」
「ごめんなさい私が先に言ってれば・・・うっわぁ!?」
「うおぉりやぁああ!!」
帯で抑え込んでいた筈の響に逆に振り回される未来。
「わわわわわわ―――!?」
「もうっ!なんで私の話を聞いてくれないんだぁぁあ!!」
「なっ!?どっちかっていうとそれは響の方でしょ!?」
バイザーが閉じ、狙いを定めて光線を放つ未来。すかさず響が飛んで躱す。
「だいたい響は食費のことを度外視し過ぎなんだよ!」
「それを言うなら未来だって美味しいものばっか作るからもっと食べちゃうんだよ!」
「何それ不味いもの作れって言うの!?」
「誰もそんなこと言ってないじゃん!」
「何の喧嘩をしてるんだアイツらは!?」
「痴話げんかとしか思えないわね・・・」
ギャーギャーと喚き散らしながらボコスカ殴り合う響と未来。
だが、ゲイツに至ってはそんなことを気にしてられない。
イグナイトを発動させたマリアの猛攻がスピードで追いすがれないゲイツを追い詰めていく。
(だが、何か焦っていないか?)
防御に徹して初めて、ゲイツはマリアの様子に違和感を感じていた。
まるで、何か、タイムリミットが迫っているかのような―――
その予想は当てっていた。
(イグナイトモジュールを初手から二段階励起で使っているのに仕留めきれない・・・っ!!)
マリアは、イグナイトを二段階目のアルベドで使っている。
それでも仕留めきれない程ゲイツは頑丈であった。
さらに言えばイグナイトは短期決戦仕様の為、制限時間が設けられており、その時間を過ぎればイグナイトは強制解除、さらにはシンフォギアの強制解除まで行くため、早急に片を付けなければならないのだ。
だからマリアは全力を振り絞ってゲイツを仕留めにかかる―――。
「イグナイトモジュール―――」
「ッ!?」
「―――
ゲイツを猛攻で封殺し、その隙を使ってマリアは最後のギアを上げる。
『DAINSLEIF』
機械音、後にマリアの纏うオーラが変化する。
精神にかかる負荷はさらに跳ね上がり、同時にマリアのアガートラームの能力も引き上げられる。
「ハァァァア―――!!」
「ぐあぁあ!?」
そしてついに、ゲイツリバイブの装甲を突き抜ける。
ここにきて初めてまともなダメージを喰らうゲイツ。
「このまま―――!!」
マリアが、よろめいたゲイツに追撃しようとする。
そのマリアの刃が、ゲイツに叩き込まれる―――
―――だが、突然マリアの視界が一瞬にして変わり、そして背中に凄まじい激痛を感じた。
「ぐあぁぁあああ!?」
吹っ飛ばされたマリアは、そのまま地面を転がる。
「な・・・にが・・・!?」
どうにか起き上がり、さっきまで自分がいた場所を見た。
―――そこにいたのは、見たことの無い戦士であった。
否、それは、さっきまで相手にしていた人物と同一の存在だろう。
だが、その姿は明らかに異なっていた。
分厚かった装甲は青色の軽装甲へと変わり、両肩には翼のようなアーマーが追加されていた。
先ほどまで、橙色だった装甲が、青へと変わっていた。
まるで、一瞬にして変わったかのように――――
「お前がどれだけ強くなろうとも―――」
先ほどまで、回転鋸だった右手の武器。それは蒼い爪と変わり、ゲイツは告げる。
「―――俺はその先を行く」
それは、マリアの一撃が決まる直前―――
ゲイツは、左の『ゲイツリバイブライドウォッチ』の砂時計部分を回転させた。
その瞬間、中に内蔵されている『リペアードクリスタル』が下のブロックへと落ちていき、そしてゲイツリバイブのフォームを
『
『
分厚かった胸部装甲が突如として開き、そこから青い装甲が姿を見せる。
その姿こそは、豪胆強烈なパワーと防御力を誇る剛烈と対を成す形態、速さを司り、ゲイツが最も得意とする形態―――『ゲイツリバイブ疾風』である。
その形態にコンマ0.1秒以下で変身したゲイツは瞬く間にマリアの背後に回り込み、ジカンジャックローつめモードで斬り裂いたのだ。
「そんな・・・」
「行くぞ」
ゲイツが加速する。
立ち上がったマリアの脇腹を、もはや視認できない速度で駆け抜け斬り裂く。
「ぐぅっ!?」
そこからはもはや一方的な展開となり、凄まじいスピードで駆け抜けていくゲイツをマリアは捉えきれず、その体をどんどん傷だらけにしていく。
(そんっな・・・イグナイトを使っても、ここまで―――)
激痛に意識が飛びかける。
「マリアさん!」
その最中で聞こえた叫び声。
「イグナイトモジュール、抜剣ッ!!」
『DAINSLEIF』
凄まじい速度で動き回るゲイツに向かって飛び込んできたのはイグナイトを纏った響だ。
未来は投げ飛ばされやや遠方にいるため、ゲイツの援護が間に合わない。
だが、凄まじい加速力を身に着けたゲイツリバイブはすぐさま標的をマリアから響へ移行。一瞬にして響に接近し、その爪を突き立てる―――が、
「ハアッ!」
「ッ!?」
なんと響は反応してみせた。
ゲイツはまぐれかと思い、間髪入れずに別方向から攻撃。しかしそれすらも響は対応してみせる。
そして、凄まじい速度で動くゲイツの連撃を響は弦十郎仕込みの捌きで見事に躱して見せる。
(こいつっ、なんて反応速度だ!?それに、返ってくる力が凄まじいっ・・・!)
(少しでも反応が遅れればやられる・・・ッ!)
ゲイツリバイブの凄まじい連撃に対し、響はすさまじい対応力で反撃していく。
ゲイツは攻撃の手を緩めればその隙を突かれてやられると直感で察し、対する響は対応が一つでも遅れればそこからさらなる連撃を貰い封殺されると悟っている。
だからこれはゲイツ優勢に見えて、実際はどちらかがミスをすればその瞬間勝敗が決まってしまう状況に陥っているのだ。
だが、このままここで時間が経つのを待っていられない。
少なくとも
(だからこの人は―――)
(だったらここは―――)
ゲイツが響に向かって飛び込み、響がそれを迎撃する。
そして、左手にもったジカンジャックローの一撃を響は受け止める。
すかさずゲイツはゲイツリバイブライドウォッチを回転させ、モードチェンジを敢行する。
『
『
翼が収納され、再び分厚い装甲を身に纏うゲイツ。そして右手にのこモードのジカンジャックローを構え、後部のボタンを押す。
『
『
超パワーでの力押し。
それによって相手を押し潰す。
疾風で距離を詰め、剛烈のパワーで叩き潰す。それがゲイツのとった響に勝つために手段。
それに対して響も黙ってそれを受ける気はない。
右拳を引き絞って、右腕のアーマーを変形。ブースター付きのナックルダスター型へと変形させ、そのまま全身に装備されたバーニアを噴射。
圧倒的加速による破壊力の一撃でゲイツの一撃を正面から迎え撃つ。
激突した二つの攻撃の激突は、凄まじい衝撃波を巻き散らし、一瞬にして地面のみならず周囲の建物すら砕いていく。
「ぐっぅぅ・・・!!」
「こっのォ・・・!!」
競り合う両者。
しかし、二人の拳の間で高まったエネルギーが、その威力に耐え切れず爆発。
二人とも吹き飛ばされ、地面を転がる。
「うわぁぁああ!?」
「ぐぅぅううう!?」
ゴロゴロと反対方向に転がる二人。
そんな二人の元へ、それぞれの仲間が駆け寄る。
「響さん!」
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫!どうにかこうにか!」
「ゲイツ!」
「まさかゲイツ君とあそこまで競り合うとは・・・彼女、侮れないね」
「当然です・・・!」
状況は膠着状態になる。
「そろそろここを離れた方がいいだろうね」
「ああ、賛成だ」
しかし、ゲイツ側は撤退を選択する。
「逃げる気!?」
「そんなこと―――!?」
それを阻止しようとする響側だが、未来が鏡の能力による発光を使い目くらましを敢行。
それによって、響たちはゲイツたちを見失う。
後に残ったのは、戦いの惨状のみだった。
「未来・・・」
誰もいなくなった虚空を見つめ、響はそう呟いたのだった。
次回!愛和創造シンフォギア・ビルドは!?
「貴方は、幸せに生きてね」
どうにか装者の追撃から逃げおおせた翼たち。
「お前は、もう恨んでいないのか」
その陰で進行する黒幕の計画。
「君が、真実を変えてみろ」
その、結末は―――
次回『真実とインパルス』
『
翼「結局マリアのあれはなんだったんだ?」
未「さあ・・・」
?「ああ、もうっ、少しは手加減しなさいっての・・・!」
翼「む、この声はマリアか?」
未「誰と話してるんだろ・・・?」
マ「はあ・・・全くエリザったら・・・ってうわあ!?二人ともいつから!?」
翼「つきさっきだが・・・」
未「ん?マリアさん、その手にもってるのは・・・確かロー」
マ「ハァイストォップネェミクチャァン!!」
未「あべし」
翼「こ、小日向ァー!?」
未「ぐ、ぐふ・・・あ、太腿にも正の文字gガクッ」
翼「小日向ぁぁぁあ!?」
マ「いいわね?ここで見たこと聞いたこと、全部忘れなさい?イイワネ?」
翼「い、委細承知・・・」
マ「よろしい♪」
タッタッタッ
翼「・・・せんとぉ」泣