翼「今日は一段とテンションが高いな戦兎は・・・」
ソ「まあ久々みたいだからね」
戦「やっと主役の俺が戻ってきたぜ!というわけでいつも通りの調子で・・・」
シ「桐生戦兎、残念だがまだ風鳴翼が主役だ」
戦「なんでだよ!?ここ一ヶ月以上ずっと出番なかったんだぞオイ!?」
シ「それぐらいにてやってくれないか?今慧介や万丈龍我が調や雪音クリスに襲われている」
戦「そういうお前はどうだったんだよ?」
シ「マリアとエリザがいがみ合ってくれているお陰で逃げれた」
戦「ああ、そう・・・」
セ「姉が申し訳ありません・・・」
響「笑えばいいよ・・・ヒシアマゾンを手に入れられない私なんて・・・」
切「笑うがいいデス・・・いつもいつも調に殺されかけるアタシなんて死んだあとも足蹴にすればいいんデス」
ゲ「もはや見てられんな」
ウォ「そういうものじゃないよゲイツ君。それはともかくとしてそろそろ本編に・・・」
戦「まだだ!まだ俺のバトルフェイズは終了してないZE!」
ソ「いや終わったから!終わらないと話し進まないから!」
戦「HANASE!俺はこの小説の主役だぞ!だから俺を語らせろ!俺をのけ者にするなぁあぁああ・・・」
翼「ああ!戦兎ー!」
シ「諦めろ風鳴翼・・・」
麗人「やれやれ仕方がないわね。まあ皆私のことなんて忘れてるだろうけど、シンフォギア・ビルド オリジン・ザ・天羽々斬最終話をどうぞ」
まさかまさかの大集合―――その登場に、アナザーシンフォギアは大いに混乱する。
『何故だ・・・なぜだぁぁぁあ!?』
「簡単な話だァ」
エボルトが嘲笑うように答える。
「俺ァパンドラパネルを自在に操れる。なんか違和感感じたんで地球に戻ってパンドラパネルをちょちょいっと触ってみればあらびっくり。全く違う世界の記憶がまとめて蘇ったって訳さぁ」
「二つの平行世界を繋いで融合することの出来るパンドラパネルの力だ。本当の歴史の記憶を取り戻させることも容易いってことさ」
戦兎が得意気に続く。
「まあ、慧介とセレナがパンドラボックスから飛び出してきたのは流石に驚いたけどな」
「今思うと、なんであのパネルから飛び出せたのか全然わかんないんだよな・・・」
クローズとタスクがしみじみ言う。
「ま、そういうことだ。それで、記憶を取り戻した奴全員に声かけまくって、こうして勢揃いでお邪魔してきたってことだ」
『ぐ、ぐぐぐ・・・!!』
「まあ、それだけじゃないがな」
そこへ、マゼンタ色のカメラを首から下げた男―――『門矢士』が話に割り込んでくる。
「ギャラルホルンは平行世界を繋げる機能を持っているが、お前が細工したおかげでこの世界だけ『仮面ライダー』を拒絶するようにされていた。だから、本来この世界で行われる筈だった世界融合はなかったことにされ、俺の力ではどうにか魔王たちだけしか送り出すことが出来なかった。だが、ついさっき細工されたギャラルホルンが一時的に機能を停止した事により、パリアが解除されてパンドラパネルによる通路が出来た訳だ」
そして、と士はアナザーシンフォギアを突きつける。
「お前は
「歴史は元に戻るってわけだね」
ジオウが、答えを言う。
「お前はその細工する前のギャラルホルンを破壊されたくなくて、あの時空艇を取り込んだ。つまり、お前を倒せば―――」
「歴史が元に戻る・・・!!」
翼の目に、希望の光が見えた。
「よっ、久しぶり」
「そっちもね」
戦兎が手を振り、ジオウが応じる。
「よく分からねえけど、とにかくアイツを倒せばいいんだな」
クローズが拳を鳴らして構える。
「正直、何が起きてるのかわからないけど、これだけは分かる・・・調を傷つけたアイツを絶対に俺は許さない」
タスクが腰を落とす。
「エリザ、聞いていたな」
『ようはあの化け物をぶっ倒せばいいんでしょ?私好きよ?こういうシンプルなの』
クライムが通信をしつつ、背中の刀に手をかける。
「国を奪われたがために、多くの人間を騙すとは・・・貴様に大義を背負う資格はないっ・・・!」
ローグがアナザーシンフォギアを指さし、その在り方を否定する。
「この怪物を倒せば、我が難波製作所の知名度もさぁ~らぁ~にぃ~上がるぅ~・・・フハ、フハハハハハハ!!!!」
まさに狂人と言った具合に高笑いするマッドローグ。
「みーたんとのデートを返上してまで来たんだ・・・楽しませてくれなきゃマジで二度と人前に出られねえようにボッコボコのぎったぎたにしてやる」
グリスが拳を握り締めて、怒りを滾らせる。
「全部返してもらうぞ。歴史も、今までも、これからも、何もかも」
戦兎がビルドドライバーを腰に装着する。
「みんな・・・あ、でも、私たち今のままじゃ戦えないよ!?」
確かに、シンフォギアの歴史を奪われた装者たちでは、戦いに参加することは出来ない。
「安心してください!」
しかしそこへ、セレナがウルフに乗ってやってくる。
「セレナ!」
「皆さん、これを!」
そう言って、セレナは持っていたアタッシュケースを開く。すると中から色とりどりの何かが飛び出し、瞬く間に彼女らのギアペンダントを、その身に収納する。
それは、彼女たちのリンク・アニマルであった。
「キュアー!」
「ニクス!」
「こんなこともあろうかと、ペンダント状態から使えるリンク・アニマルを作っておきました!これで皆戦えます!」
「ありがとう、セレナ!」
響のニクス、クリスのバル、マリアのラム、調のシュル、切歌のマシャ―――それぞれのリンク・アニマルが、その手に戻る。
「およ?セレナの肩にもう一匹・・・」
気付けば、セレナの肩にも一匹、マリアのものと同型のリンク・アニマルが乗っかっていた。
それにセレナは得意気に胸を張る。
「私も戦えるよ!」
「ええ!?そうなの!」
驚く一同。だが、マリアはふっと笑う。
「そう、頼もしいわ」
「えへへ」
マリアの言葉に、セレナは嬉しそうに顔を綻ばせる。
「響ー!」
「あ、未来!」
そして今度は未来がやってきた。
「ごめん、遅くなっちゃった!」
「え!?でも、未来は・・・」
「大丈夫!」
「キュルー!」
未来の懐から、クロが出てくる。
「なんだか突然出てきちゃって・・・」
「え、そうなn」
「ええ!?なんだかクローズドラゴンが全然機能しないから失敗したのかと思ったのに!?」
どうやら、セレナにとっては想定外のことだったらしい。
「私も戦うよ」
「未来・・・!」
同時に、アナザーシンフォギアが叫ぶ。
『おのれぇ・・・たかが数を揃えた所で、真の王たる私を止められると思うなぁぁぁあああ!!!!』
「お前は王なんかじゃない」
そのアナザーシンフォギアの言葉を、翼が否定する。
「お前は奪ったんだ。奪っただけの、ただの小心者だッ!!」
『なぁんだとぉぉぉぉおお!?』
翼の言葉に、アナザーシンフォギアは怒り狂う。
「先輩・・・」
その姿に、クリスは思わず見惚れてしまう。
そんなクリスの肩に、クローズが手を置く。
「行こうぜ」
「・・・ああ」
クローズの言葉に、クリスは安心するようにうなずく。
その最中で、戦兎は、ふっと笑ってポケットから二本のボトルを取り出した。
赤の兎と、青の戦車の、ボトルを。
それを戦兎は振る。
振ることによって、中のトランジェルソリッドを刺激し、活性化させる。
それと同時に、このドーム一体を埋め尽くすような数式の嵐が巻き起こる。
十分に活性化させた『フルボトル』を、戦兎は自分の腰に巻いたドライバーにセットする。
『ラビット!』『タンク!』
『ベストマッチ!』
『ベストマッチ』―――最も相性の良いボトルの組み合わせを検知した時、その光は現れる。
そのまま、ボルテックレバーを回し、スナップライドビルダーを展開、装甲を象る。
『STANDBY』
それと同時に、装者たちがそれぞれのスタンバイスターターを押し、アニマルブレイズを出現させる。
『KAMEN RIDE』
門矢士は、その手に自身のベルト『ディケイドライバー』を持ち、それを腰にあてがう。そして、巻かれたベルトの横にある『ライドブッカー』から一枚のカードをとりだし、サイドハンドルを引く。そして、上を向いた『ライドリーダー』に、そのカードを挿入した。
『Are You Ready?』
覚悟は良いか?
その答えは、いつも決まっている。
それに答えるように、戦兎はファイティングポーズと共に叫ぶ。
「変身ッ!」
「―――
「―――
「「―――
「―――
「―――
「―――
『DECADE』
ブレイズが、装者たちの装甲を形取り、その身を、超常と戦える姿へと変える。
ビルダーが戦兎を挟み込み、戦兎を、あらゆる困難に立ち向かう力をもった戦士へと変える。
仮面を被り、涙を隠し、『正義』を体現する―――それこそが―――
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』
―――『仮面ライダー』
赤と青の二色の装甲。兎と戦車、相反する存在。
しかし、それこそが、そのライダーの代名詞。
その名も―――『仮面ライダービルド』
『創造』の名を冠するライダーである。
「皆、行こう!!」
ビルドが叫び、一同が一斉にかかる。
『フザケルナァァアァアアァアア!!!』
アナザーシンフォギアが絶叫し、迎え撃つ。
先陣を切ったのはゲイツ。続いてクライム。
リバイブ疾風の高速移動でアナザーシンフォギアの周りを飛行。それを叩き落そうとしたところをクライムの脚による斬撃が手首に直撃し起動が逸れ、その隙を抜って未来のレーザーが炸裂する。
だが、そのレーザーはアナザーシンフォギアの展開した鏡に反射される。
『ATTACK RIDE―――BLAST!』
『One Hundred! FULL BULLET!』
未来は反射されたレーザーを間一髪で回避。その隙に調の丸鋸の連射、クリスのガトリング砲、ディケイドの『アタックライドブラスト』、ホークガトリングに変身したビルドのホークガトリンガーによる乱射が浴びせられる。
舞い上がる煙幕に視界が遮られる中、飛び込んだ切歌の鎌とクライムの斬撃が、アナザーシンフォギアの脇腹、そして肩を斬り裂く。
さらにタスクが飛び込み、ツインブレイカーでその腹をぶん殴る。
体をくの字にしかけるも、耐えて地面から巨大な木の蔓を出現させては最も接近していた切歌、クライム、タスクに襲い掛かる。
その恐ろしい速度で襲い掛かってくる蔓の攻撃を、切歌はバーニアで、クライムはその機動性で、タスクは柔軟な体を駆使して躱す。
が、クライムは追いつかれ、タスクは逃げ場を失い、攻撃を喰らう。
しかしすかさずアルが飛び込み、一度手を合わせた左手を蔓に叩きつけると瞬く間に木端微塵に分解され、クライムとタスクは脱出する。
すかさずアナザーシンフォギアは無数の銃器を空中に展開。だが、どこからともなく、無数の短剣、蛇のような刃、刃のような血液がその無数の銃器を叩き斬る。
そして、そこへクローズと響が飛び込み―――
『ドラゴニックフィニッシュ!』
炎を纏った鉄拳と、鋼鉄の纏った鉄拳が、アナザーシンフォギアの鳩尾に炸裂する。
それによって体を大きく曲げるアナザーシンフォギア。そこへ、ローグとマッドローグの踵落としがアナザーシンフォギアの額に直撃、額が凹む。
『レメゲトン―――』
だが、そこでアナザーシンフォギアが動く。
『―――アルス・パウリナ』
瞬間、全ての時間が遅延する。
「なっ!?」
「お、おもっ―――!?」
「重加速・・・!?」
その場にある全ての時間が遅くなる。
全ての現象がゆっくりとなり、動き辛くなる。
唯一、アナザーシンフォギアを覗いて。
『フハハハハ!この遅い世界の中で自由に動けるのは、この私だけだァ』
「―――そうでもないぞ?」
次の瞬間、ゲイツリバイブ疾風の攻撃がアナザーシンフォギアに突き刺さる。
『ぐぅっ!?たかが一人で何ができ―――』
『
『KAMEN RIDE』
『なッ!?』
『
『
『DRIVE!』
『DRIVE!TYPE SPEED!!』
ウォズが起動したのは『ウォズギンガファイナリーミライドウォッチ』。
宇宙の力を内包し、全ての蹂躙するライダー『仮面ライダーギンガ』の力を内包するウォッチ。その中にある『惑星』の力を持った、『ウォズギンガワクセイフォーム』である。
その一方、ディケイドはその姿を赤い仮面の戦士へと変えていた。
世界を渡り歩く、『ディケイド』という存在そのものである門矢士。その彼の変身する『仮面ライダーディケイド』の特筆すべき点は、自分が通った世界の仮面ライダー全てに変身できるという点だ。
ジオウのアーマータイムとは違う。そのライダーそのものに変身するのが『仮面ライダーディケイド』の力。
そして今、ディケイドが変身したのは、ライダーの中でも最も異色な『車』に乗るライダー。
かつて世界を停滞の危機に追い込んだ災害『グローバルフリーズ』を経て、機械生命体『ロイミュード』と戦ったライダー『仮面ライダードライブ』だ。
ドライブであれば、この時間が遅延する空間を動ける。
ギンガワクセイであればこの空間を無効化できる。
そしてリバイブ疾風であれば高速移動によって無視できる。
そして―――
「お母様、力をお借りします!」
翼が両腕につけたバングル―――『RN式天羽々斬改』を二つ同時に起動する。
『『Start Up. Resonance-type Kaiten special equipment』』
シンフォギアのギアインナーに走る、二つの青いライン。それが体中を駆け巡り、白と黒、そして青の三色混合のシンフォギアへと変化する。
RN式天羽々斬改の能力は、精神力によって使用者の行動を加速させること。
その加速をもってすれば、この遅い空間を駆け抜ける事ができる。
ゲイツ、ウォズ、ディケイド、翼が、アナザーシンフォギアに立ち向かう。
『こざかしいッ!!』
すぐさまアナザーシンフォギアは反撃に出る。だが、この時間が遅くなった空間で自由に動ける彼らはその攻撃を躱して見せる。
翼に至っては加速の二乗がけ。その速度は段違いだ。
ディケイドドライブとウォズワクセイが、生み出したエネルギー弾でアナザーシンフォギアの注意を惹き、その間にゲイツリバイブと翼『天羽々斬FG×RN』の高機動によってアナザーシンフォギアの外装を削っていく。
『ぐ、このッ―――』
アナザーシンフォギアが、すぐさま自分の周囲を飛び回るハエを叩き落そうと行動に映る。
だが―――
「ざぁんねんでしたァ」
エボルトが膝カックンの要領で両足の膝を攻撃。思わず膝を付かされる。
『なにィ!?』
「はあぁあ!!」
『青ノ一閃』
そこへ放たれる蒼い斬撃。飛んできたその一撃はアナザーシンフォギアを撃ち抜き、瞬く間に遅延空間が解除される。
『ぐぅっ!!ならばァ!!!』
が、すかさずアナザーシンフォギアが動く。
手を空にかざし、そしてそのまま地面に向かって振り下ろす。
すると、いきなり体が重くなる―――。
「ぐああ!?」
「今度はなに!?」
「重力だ!重力を重くしやがった!!」
強化された重力によって、高速移動できる者たちの動きが封じられ、さらには他の者たちも地面に膝をついて動けなくなる。
『ハハハハハ!!今度こそ終わりだァ!!』
「一体どうすれば・・・」
「ならば、今度は俺の番だ」
その最中で、クライムがそう呟くと、すぐさま腰に装着していたビルドドライバーとは別のドライバーを取り出してそれを装着する。
そして、懐から取り出した一本の電池のようなものを、そのドライバーのスロットに差し込む。
そしてドライバーの横にあるつまみ『エネルジェストドライバ』を回す。
『エレエレエレキィ!エレクトリックゥ!』
『ボルボルボルトォ!ボルトクライム!』
『ライダァーネェェタァァァアア!!!』
瞬く間に先ほどのクライムとは全く違う姿―――『エレクトリッククライム・ボルトフォーム』に変身したクライム。
そのまま、腰のドライバー『ライダーネーター』中央部分にある『ターミナルスイッチ』を回転させ、再び『エネルジェストドライバ』を回す。
そのドライバーの文字は『V』から『Ω』へと変わっていた。
瞬間、再び電撃がクライムを撃つ。
『エ・レ・キ・エ・レ・ク・ト・リ・ッ・ク!』
『オ・ー・ム・ク・ラ・イ・ム!!』
『ライダーネェェェイタァァァアア!!!』
その姿は、あまりにも重装甲過ぎた。
膨れ上がったかのような装甲は、これまでのスマートな姿をしていたクライムとはかけ離れており、あまりにも重そうで、しかし逞しい。
それが、『エレクトリッククライム・オームフォーム』
そのクライムが、立ち上がる。
『ば、バカな!?この重力下でそんな・・・』
「それを、想定しているからな」
ぎぎぎ、となる装甲をそのままに、クライムはずしずしと歩を歩める。
『近づくなぁぁあああ!!』
だが、それで近づけるほどアナザーシンフォギアは甘くはない。
そのままクライムに、その手に現した巨大な剣で叩き潰そうとする。
『
『
「はあッ!!」
すかさず、ゲイツリバイブ剛烈による攻撃が―――
「とぉりゃぁぁああ!!」
重力場を気合で乗り切り飛び出した響が、
『極熱筋肉ゥッ!!クロォォォズマグマァッ!!!』
『アーチャチャチャチャチャチャチャアッチャァァアアッ!!』
「うおりやぁああぁああ!!」
紅蓮を纏い、マグマの力を宿したクローズが、
その大剣を吹き飛ばす。
『なぁにぃぃぃい!?』
そしてその隙を逃さず、地面から飛び出した巨大な鉄拳が体を仰け反らしたアナザーシンフォギアの腰に激突する。
『がはぁ!?』
「重力で動けなくても、錬金術は使えるんだよねっ・・・!」
アルの錬金術だ。
それでアナザーシンフォギアの上体がさらに曲がる。
そこへ、今度はいくつもの光弾が突き刺さる。
『ぐあぁぁああ!?』
「レーザーなら、重力は関係ないっ!」
未来、マリア、セレナによるレーザー攻撃だ。
『き、貴様らァ!!』
『レッツラストッ!!』
『は!?』
気付けば、クライムは既にアナザーシンフォギアの足元まで来ていた。
「くたばれっ―――」
『ターミネイション・
瞬間、背中にまで引き付けた、雷切の一撃―――それが、アナザーシンフォギアを縦一閃する。
右肩から右股関節にかけて、破壊力抜群の一撃が、アナザーシンフォギアを叩き斬る。
『ぐあぁぁぁああぁあああ!?』
そのお陰で、重力が元に戻る。
「戻った・・・!」
『ぐあぁあ・・・おのれェ・・・!』
「よぉーっしっ!!」
今度は、タスクが名乗りをあげるように戦場を飛ぶ。
「今度は俺の番だ!」
その手には、緑色のナックル型アイテム―――。
『ボトルビューン!』
アイテム『タスクストームナックル』に成分を十分に活性化させた『タイガーストームフルボトル』を装填、それを取り換えたビルドドライバーにセットする。
『タスクストォーム!!』
そのまま空中を飛び回りながらボルテックレバーを回す。
そのまま展開されるのは、マグマライドビルダー、アイスライドビルダーと同じ形のビルダー『ウィンドライドビルダー』。
『Are You Ready?』
お決まりのセリフの後に、彼は当然のように叫ぶ。
「変身ッ!」
三点着地と共に、ビルダーから溢れ出した風が彼を包み込む。
『疾風穿牙!!タスクストォーム!!!』
『ビュバビュバビュバビュバビュバァァァン!!!』
巻き起こった竜巻の中に虎の影が見えたと思いきや、全てを吹き飛ばすかの如く竜巻が晴れ、その中から現れたのは、緑の仮面の戦士。
虎意匠の仮面、クライム・オームフォームとは正反対の軽装甲、首の後ろから垂れるマフラー。
外見はまさしく忍者のようだった。
それこそは、『仮面ライダータスクストーム』であることは、まだ誰も知らない―――。
「行くぞォ!」
タスクが、風の力を利用してアナザーシンフォギアに突撃する。
『こざかしィッ!』
態勢を立て直したアナザーシンフォギアが迎撃する。
大剣がタスクに直撃する―――かと思いきや、タスクの姿は残像と共に掻き消える。
『なにッ!?』
「こっちだ!」
声が聞こえて振り向いた瞬間、背後に回っていたタスクの拳がアナザーシンフォギアの顔面を打つ。
『がはっ―――』
「ほぅらもう一発ッ!」
『ごはッ!?』
今度は反対方向からの攻撃で上体を無理矢理戻される。
『な、んだ―――』
そこでアナザーシンフォギアは言葉を失う。
何故なら、自分が見ている景色に、無数のタスクがいたからである。
「ほらほらどうした!?」
「こっちだよ~!」
「いや違うこっちだ!」
「俺じゃないよアイツだよ!」
「どうした?増えすぎて目も当てられないか?」
無数のタスクが、口々にアナザーシンフォギアを挑発する。
『う、うわぁぁああああ!?』
「遅いッ!!」
すかさずタスクの蹴りがアナザーシンフォギアの顔を打つ。
「よくやったガキィ!!!」
そのアナザーシンフォギアに向かって、グリスブリザードナックルを装填したビルドドライバーのボルテックレバーをまわすグリスが飛び込む。
「今度は俺の――――」
『激凍心火ッ!!グリスブリザァァァドッ!!!』
『ガキガキガキガキガッキーンッ!!!』
「―――番だこらぁぁぁあああぁああ!!!」
GBZデモリッションワンによる一撃が、アナザーシンフォギアの額を打つ。
―――その時、額にひびが入る。
「―――ッ!」
それと同時に、ジオウは己の力が満ちるのを感じた。
「力が戻ったか、ジオウ」
そこへディケイドが戻ってくる。
「士・・・!」
「ならさっさと決めろ。お前もだ。今の時間なら使えるんだろ?」
ディケイドはすぐさまビルドにも視線を向ける。
「ああ、そうだな」
それに答えて、ビルドは懐から、ある一つのボトルを取り出す。
青色の外装と、金色の固定用金属で作られた、そのボトルを。
「万丈」
一方のクローズの所にも、エボルトが近寄ってくる。
「俺たちもアレいっとこうぜェ?」
「ああ?あれか?嫌だよめんどくせぇ・・・」
「可愛い嬢ちゃんに良いトコみせなくていいのかァ?」
「おい!?なんでそこでアタシが出てくる!?」
「・・・今回だけだぞ」
「龍我!?」
クローズも、ビルドが取り出したものと似通った物を取り出す。
「ゲイツ君、君も手伝ってあげたらどうかな?」
「俺もだと!?」
「おあつらえ向きじゃないか。邪悪なる王を救世主と魔王が手を取り合って打ち倒す・・・それはとても魅力的な話しじゃないかな?」
「なんか貴様の口車に乗ったようで気に食わんが・・・いいだろう」
「ディケイドの方は?」
「俺はちと制限がかかっててアレが使えん。お前らだけでやれ」
―――ビルド、クローズ、ジオウ、ゲイツが並び立つ。
「それじゃあ、皆行こうか!」
ジオウの掛け声と共に、四人はそれぞれの究極のアイテムを取り出し、起動する。
『グレイト!オールイェイ!!』
『MACHO!FEVER!!』
『
『
それは、地球の外から持ち込まれた、全てを守護する力。
それは、星喰いの一族の力を宿した、大切な者を守る力。
それは、全ての時代を統べ、王へと至る、時の王者の力。
それは、どんな困難にも立ち向かい、全てを救世する力。
名を―――
『ジィーニアスッ!!!』
『マッスルギャラクシー!!』
ビルドとクローズは、そのボトル型アイテムをビルドドライバーに装填し、ジオウとゲイツはジクウドライバーの空いたスロットに、その黄金と真紅のウォッチを装填した。
『イェーイ!!』『イェイ!!』『イェーイ!!』『イェイ!!』
『ブルアッ!』『チャオ!』『ブルアッ!』『チャオ!』
『
ボルテックレバーを回すビルドの背後に、『プラントライドビルダーGN』が起動する。
クローズの周囲には、ギャラクシーライドビルダーCZEVとエボルトが割り込む形でEV-BHライドビルダーのようなものが展開される。
ジオウの背後には黄金の石碑と共に、ジオウを除いた十九人のライダーが出現し、ゲイツの周囲には、十九個のライドウォッチが出現する。
『Are You Ready?』
ビルドドライバーから発せられる、その声。
『覚悟はいいか?』
いつもの言葉。その言葉に、彼らは仮面の奥で不敵に笑い、それに答えるように叫ぶ。
「「「「変身ッ!!!」」」
瞬間、彼らの姿が、『最強』の姿へと変身する。
『
『
『完全無欠のボトルヤロォ!!!』
『ビルドジィーニアァァァスッ!!!』
『スゲェーイ!!モノスゲェーイ!!!』
『銀河無敵の筋肉ヤロォッ!!』
『クローズエボルッ!!!』
『パネェーイッ!!マジパネェーイッ!!!』
『
『祝え―――』
『
『
『
「―――いやなんださっきのォ!?」
「いっぱいライダーがいたね・・・」
「なんで調はそんな無関心・・・いや、驚きすぎてリアクションが薄くなってるデスか!?」
「というか、色々とうるさかったような・・・」
「別にいいじゃないか戦兎はかっこいい。それで終わりだ」
「それでいいんすか先輩・・・まあかっこいいのは龍我だけど・・・」
「て、いうかそんな事話し合ってる暇は―――」
「―――祝えッ!!」
「うわあ!?びっくりしたぁ・・・」
「全てのフルボトルの力を結集させ、あらゆる破壊から全てを守るべく誕生した守護神たる存在―――その名も『仮面ライダービルド・ジーニアスフォーム』!
続いて、宿敵と一体化し、その力をもって敵を打ち倒すべく誕生した、銀河を喰らい、敵を倒す最強のライダー―――その名も『仮面ライダークローズエボル』!
さらに!闇に苦しむ人々を救い!未来に光を取り戻す真の救世主!その名も『仮面ライダーゲイツマジェスティ』!
そぉしてェ!!全ライダーの力を受け継ぎ、過去と未来をしろしめす時の王者、その真なる姿にして究極!究極にして最強!最強にして魔王!その名も『仮面ライダーグランドジオウ』!
今、四人のライダーが、その真の力を開放し、ここに君臨した瞬間であァるッ!!!」
「うおっふっふふぅ~!ひっさびさのウォズの祝えだぁ~!」
「・・・なんだアイツ?」
「気にするな。いつもの事だ」
「最っ高だな!」
「「ええ・・・」」
ビルドは、その体を白の素体で身を包み、その体の各所に、60本の色様々なボトルを装填した姿『ジーニアスフォーム』となっている。
クローズは青と白、そして黒のカラーリングをもった装甲に身を包んだ姿『クローズエボル』となり、そこに立つ。
その一方、ジオウの体には、黄金色の装甲に、体の各所に二十のライダーを模した意匠が施された姿となっており、
ゲイツは黄金と赤の装甲に、肩、胸部装甲に複数のライドウォッチを装着し、マントを靡かせる姿となっていた。
それが、それぞれの最強の姿であるとは、シンフォギア装者たちは知らない。
『よぉそぉみぃをぉ――――』
その間に、空中に無数の黒い球体を生み出し、なおかつ無数の竜の頭や鏡を展開し、既に砲撃準備を終えていたアナザーシンフォギアがそこにいた。
『している暇がァ―――』
気付いた時には、既に発射態勢に入っており―――
『ぐぎゃああぁぁああああ!?』
―――突如として空から降り注いだ粒子砲に撃ち抜かれた。
『え?当たった?やった!やったぞ!』
『何驚いてんだ!?当てたのは俺だぞ!?』
『ちょっと!まだ戦闘中なんだから静かにしてよ!』
「え?なに?何が起きたの!?」
「あのクソジジイがハッキングした衛星のサテライトキャノンね・・・」
マリアが驚く一方で、エリザは呆れた様子でそれを見上げていた。
だが、それがあっても何も変わらなかったということは、哀れむべきことかもしれない。
『
空中に現れた黄金の『扉』。それが開き、そこから、赤い仮面の戦士が飛び込み―――アナザーシンフォギアを蹴る。
『ぐあぁあ!?』
『
『Okay!Jupiter!』
今度は青いライダーが何もない空中から出現。そのままアナザーシンフォギアの腹をその手に ある木星らしきエネルギー体でぶん殴る。
『ごほぁ・・・!?』
「よしっ!戦兎!」
「任せろっ!」
続いては、ビルドが七色の光を迸らせて飛び上がる。
そして、最初にゴリラの腕らしきものを形成すると、それでアナザーシンフォギアをぶん殴る。
『ご―――がぁぁあぁああ!?』
殴ると同時に電撃が迸り、アナザーシンフォギアを打つ。そのまま倒れるかと思いきや、その背後に何かの紐が出来上がり、それがリングのスロープのように反動をあたえ、再びアナザーシンフォギアを前に出させる。
続けてビルドがアナザーシンフォギアを殴ろうとするが、
『舐めるなァ!』
すぐさま自らも拳を掲げ、迎え撃とうとする―――だが、突如としてその腕にブラックホールが出現し、消滅はせずとも動きを封じられる。
『な―――!?』
『ふっふ~ん』
クローズエボルのエボルトが発生させたものだ。
それによって、反撃の機会を失ったアナザーシンフォギアは―――
「ハァァァアアア!!」
凄まじい突風の鷹による殴打が全身に叩きつけられる。
『ぐあぁああ!?』
『クロォーズサイドッ!!』
その間にボルテックレバーを回したクローズが拳を構える。それと同時に彼の周囲をクローズドラゴン・ブレイズが飛び回り、
『Ready Go!!』
『マッスルフィニッシュッ!!!』
撃ち出された龍の咆哮。それがアナザーシンフォギアの顎を狙い撃ち、大きく仰け反らせる。
だが、それで終わらない。
見えない力―――念力でアナザーシンフォギアを捉えると、そのまま力の向きに対して無理矢理向きを変えるかのように引き、そのまま自分の方へ引っ張る。
「響!」
「はい!リンクスアームズ!」
『Links Arms!〔Phoenix Bleze〕!!』
不死鳥の炎を纏う響が、倒れかけたアナザーシンフォギアの顔面に、その拳を叩きつける。
『ごはぁ・・・!?』
『ワンサーイド!』
そしてすかさず容赦のないビルドのパンチが炸裂する。
『ジィーニアスアタック!!』
強烈な浄化能力―――あるいは、この世の全ての有機物の力を内包した力が、アナザーシンフォギアに直撃―――瞬く間にアナザーシンフォギアの動きを阻害する。
『な、何が・・・!?』
「ちょっとした成分でお前の動きを封じさせてもらった」
「だったら後は殴り放題って事だなァ!!」
開口一番、グリスが飛び出す。
『グゥレイシャルフィニッシュッ!!!』
『バキバキバキバキバキィーンッ!!!』
「心火を燃やしてぶっつぶーすッ!!」
『ぐあぁぁあああ!?』
グリスの蹴りがアナザーシンフォギアを氷撃する。
『大義晩成ィッ!!プゥライムロォーグッ!!!』
『ドリャドリャドリャドリャドリャァァアア!!』
続いて、『プライムローグ』へと変身したローグが、ボルテックレバーを回して飛び上がる。
「大義の為の、犠牲となれ・・・ッ!!!」
『プゥライムスクラップブゥレイクッ!!』
『ぐあぁぁあ!?』
その左腕を噛み砕き、アナザーシンフォギアは悲鳴を上げる。
「今度は俺の番だッ!!」
『テンペスティックフィニッシュッ!!!』
「俺の牙は、誰にも折れねぇぇえええ!!」
炸裂したタスク飛び蹴りがアナザーシンフォギアの脇腹に突き刺さる。
『お、おのれぇぇええ!!』
しかしそこでアナザーシンフォギアがビルドの麻痺を無理矢理解除、その勢いのまま、咆哮のままにレーザーあたり一面を破壊する。
もはや見境なしにである。
だが、
「俺の罪で、貴様を裁く」
『・・・は?』
気付いた瞬間には、紫電一閃、斬り裂かれていた。
『ターミネイション・
『な――――ぁ―――!?』
途端に、レーザーが霧散する。
「我ァがァ難波製作所はァ―――世界一ィィィ―――――!!!』
『エボルテックアタァック!!!チャーオ!』
今度はマッドローグの拳が炸裂。
『―――クソどもがぁぁあぁあああああ!!』
『レメゲトン―――ッ!!』
すぐさま、マッドローグを叩き落そうとする。だが、それも―――
『流星』
――――小日向未来の『
「デェェスッ!!」
続けて切歌が突貫。
『対鎌・螺Pぅn痛ェる』
大鎌の一撃がアナザーシンフォギアを斬り裂く。
「やぁぁああ!!」
『非常Σ式 禁月輪』
そこへ調の大車輪が背中を駆けのぼり、その通り道に深い傷を作る。
『ごぁぁああぁああ!?こ、この程度でぇえええ!!!』
だが、それでもアナザーシンフォギアが動く。
なりふり構っていられないのか背中から飛び出した管のような機関から、もはやそれだけで数えるのが億劫な程の数のミサイルを発射、まとめて装者、ライダーたちにぶつける。
「させない・・・!」
「はあ!」
だが、それはセレナの展開したバリアに防がれ、それ以外の建物そのものを倒壊させかねないミサイルはツクヨミの時間停止能力で防がれ、爆破される。
「ここまで来るともはや見苦しいな」
『FINAL ATTACK RIDE』
『DI DI DI DICADE!!!』
いくつも展開される、カードのようなエネルギーフィールド―――その、通り道。
何枚も折り重なるその通り道は、ディケイドの動きと連動してアナザーシンフォギアを照準する。
そして、ディケイドは飛び上がり、アナザーシンフォギアに飛び込む。
そのカードを通り抜ければ別の次元へ行き、またカードを通れば戻ってきてはそれを繰り返し、エネルギーを蓄積、最後のゲートを通り抜ければ、あとは最強の一撃を当てるだけ―――
それが、ディケイドの『ディメンションキック』。
『ぐあぁぁあああ!?』
炸裂したディケイドのライダーキックが、アナザーシンフォギアを吹き飛ばす。そのまま壁に叩きつける。
「あとは任せたぞ」
その隙を狙って、マリアとエリザが飛び上がる。
『このっ―――ッ!?』
すぐさま防御しようとしたが、アルの錬金術によって飛び出した地面がアナザーシンフォギアの手足を拘束。
その間に、新体操選手の如き動きで、マリアは蛇腹剣を、エリザは刃をもった血液を振るう。
それらは蛇のようにうねり、螺旋を描いてアナザーシンフォギアの体を這い、切り刻む。
『SILVER†GOSPEL』
『CRIMSON†DANCE』
『ぐあああああぁぁぁあああ!?』
悲鳴をあげるアナザーシンフォギア。
「よっし私の方が早かった!」
「はあ!?何言ってるの!?私の方が早かったし多くのダメージを与えたわ!」
「何言ってるの貴方のその眼はかざりなの?どっからどうみても私の方が早くて多くのダメージを与えてそして力強かったわ!」
「なにいってるの!私の方が―――」
いきなり不毛な喧嘩を始める二人。
とりあえず全員無視を決め込む。
「よし、今度は―――」
「先輩!」
今度は翼が行こうとして、そこへクリスがやってくる。
「雪音?どうした?」
「その、あの・・・」
生来の意地っ張りな性格故か、クリスは言葉が詰まったかのように言い淀む。
それに、翼は急かさず、待つ。
「・・・ごめんなさい。これが言いたかった」
「・・・そうか」
翼は、クリスの言葉に、朗らかに笑う。
「そう思うのであれば、共に行こう」
そう言って、手を差し伸べる。
「・・・ああ・・・!」
それに、一瞬驚いたクリスだったが、目尻に涙を浮かべかけ、それを押しとどめるように拭って、力強く答え、その手を握る。
そして、二人は飛ぶ。
『わたしは・・・』
その一方で、アナザーシンフォギアは座り込んだまま、走馬灯を見る。
『わたしは・・・』
幸福であった筈の王としての生活―――家族、名声、富、全てが出そろい、全てが順調だったはず。
『わた、しは・・・』
なのに、奴らは歌に惑わされ、あまつさえ刃を向けてきた。
何故だ。何故なのだ。
私は、お前たちの―――
『―――私はお前たちの王だというのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいい!!!』
アナザーシンフォギアが絶叫し、地面が膨れ上がり、そこから無数の木の蔓が飛び出し、一斉にその場にいる者たちを襲う。
さらには空中に無数の魔方陣が出たかと思いきやそこからタコの足のようなものから何かの腕、脚、あるいは首が飛び出す。
全身から重火器のような突起を創造し、さらには無数の竜を創り上げ、全身から刃が生え、開いた口には光が灯り、拳が黄金色に染まる―――。
もはやなんでもありだ。だが―――
『
『Ready Go!』
クローズとゲイツが飛び上がる。
『
『ギャラクシーフィニッシュッ!!!』
ゲイツマジェスティとクローズエボルのライダーキックが、アナザーシンフォギアの展開した蔦、怪物の腕、竜を薙ぎ払う。
『
『Ready Go!』
今度は、ビルドとジオウが飛び上がる。
『
『ジィーニアスフィニッシュ!!!』
アナザーシンフォギア、その体の中にある、全てのライダー、全てのシンフォギアの力。
それを、一気に封じる。
『ごっ・・・お・・・ァ・・・!!』
アナザーシンフォギアが喘ぐ。まるで、空気を求めるかのように。
「―――翼ァ!!」
「いけぇ!!」
ビルドとジオウが叫ぶ。
それに答えるように―――
「行くぞ、雪音!」
「おう!」
翼とクリスが応じる。
「リンクスアームズッ!!」
『Links Armes 〔Foton Charger〕!』
クリスのギアにラインが走る。そのラインが、その中でエネルギーを溜め込み、循環させることで増幅。そしてそのエネルギーを武装に流し込むことで、敵を撃つ。
そのチャージは、既に終わっており、後は放つだけ―――だが、
『―――まだだぁぁあああ!!!』
「「「!?」」」
まだ、アナザーシンフォギアが動く。
『まだァ!まだ終わらんッ!!私は必ず、王へと返り咲いて見せるのだぁぁああ!!!』
そう叫び、アナザーシンフォギアは、本を開く。
『レメゲトン―――』
それはもはや、滅茶苦茶としか言いようがなかった。
『テウルギア・ゴエティア・アルス・パウリナ・アルマデル・サロモニス・ノウァァァァアアッッ!!』
滅茶苦茶に魔導書を発動させ、もはや何が起きてるのか分からない現象が起こる。
地面が割れ、そこから再び蔓が出たり、空から天使が出てきたり、アナザーシンフォギアの影から悪魔のような何かが出てきたり、昼間だった筈の空が夜になって星が異様に輝いたり、もはや何が起きているのか説明するのが億劫な程の現象が巻き起こる。
だが、それでも彼女たちは止まらない―――
「いっけっぇえぇええぇええ!!!」
全てのエネルギーを、自分の
『MEGA DETH QUARTET』
放たれる重火器の嵐。それらが彼女たちとアナザーシンフォギアを阻む全てを壊さんとぶちまけられる。
だが、それに抗うかのように破壊された蔦が次から次へと生え変わり、悪魔どもが自ら盾となり、天使たちは爆散する。
だが、その最中でクリスの砲撃を足で受け止め、翼はアナザーシンフォギアに弾丸の如く飛んでいく。
そして、前方に剣を投げると、それは巨大な一本の剣へと変形し、そのまま真っ直ぐ飛んでいく。
だが、それはアナザーシンフォギアの前に展開された壁、障壁、建物、木、空気、などなど全てに防がれる。
だが―――今の翼は、もう一人ではない。
戦兎のリンクスアームズ、クリスの砲撃、仲間たちが決死の想いで削った敵、ここまで導いてくれたソウゴたち―――そして、母から託された、シンフォギアとRN式。
その全てをもって、翼は放つ。
「これで終わりだッ!」
体を反転させ、そして、戦兎と龍我から託された黄金と白銀のフルボトルを自分のシンフォギアのフルボトルスロットに装填する。
『Set Up FULUBOTTLE!Best Match Rabbit and Dragon!!』
片足を突き出し、脚部ブレードのスラスターを全開で燃やす。
さらにRN式の加速も加え、一気に突撃する。
それはまさしく、流星の如く―――
『蒼ノ流星』
その一撃が、剣の柄頭に叩きつけられ、剣を阻んでいたありとあらゆるものを撃ち貫き、アナザーシンフォギアの胸に叩きつけられる。
『がぁぁあぁああああ!?』
直撃―――しかし、何かにつっかえる。
その正体は――――改造前のギャラルホルン
これを破壊すれば―――全てが終わる。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!」
翼は叫ぶ。
『やめろぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!』
アナザーシンフォギアが、翼に向かって手を伸ばす。
だが、もう、止まらない。止められない。
「勝利の方程式は―――私たちだァァァアア!!!」
その絶叫と、黄金と白銀の光と共に―――
『―――ぐぎゃあぁぁああああぁあぁぁぁあああぁあああああああ!!?!??!!』
アナザーシンフォギアを貫いた。
それと同時に、ギャラルホルンは完全に砕け散った。
――――――街の景色が、どこか変わった気がした。
――――その手の中にあった筈の『RN式天羽々斬改』も跡形もなく消滅する。
きっと、あそこに置いてきてしまった母の遺体も、消えてしまっているだろう。
その様子を、翼と戦兎は高台から見下ろす。
「歴史が元に戻り、世界もそれに準じた形に戻っていく。全ての人々の記憶も消えていくだろう」
そんな二人に、ソウゴたちが歩み寄り、ウォズが、二人にそう告げる。
「もちろん、君たちの記憶もね」
「そうか・・・お前たちと共に戦った事も、なかったことにされるんだな」
翼は、寂しそうにそう呟いた。
「今回はありがとうな」
「気にしないでいいよ。お互い様なんだし」
戦兎の礼に、ソウゴはそう答える。
翼の肩で、アメが翼の感情を感じ取ってか、寂し気に飛び跳ねる。
「雪音たちの記憶も・・・消えるのか?」
「全ての元凶である歴史改変の為の鍵はなくなったからな。そもそもこの事件があったこと自体なかったことにされる。だから、誰の記憶にもこの戦いは残らない」
「せっかく、お前たちと仲間になれたのにな・・・」
「仕方がないわ。元々、私たちは別々の世界に生きてるんだから」
「そうか・・・」
ギャラルホルンであれば、もしかしたら彼らの世界と繋がれるかもしれない。
だが、この世界には、ギャラルホルンは存在しない。
だから、会えない。
それが、とても寂しく思う。
だけど―――
「寂しくなるが・・・戦兎がいるなら、大丈夫だ」
「・・・ん?なんで俺なんだ?」
いつもの鈍感な態度に、翼は呆れつつも、本当に彼が、あの桐生戦兎なのだと実感して、笑ってしまう。
「我が魔王、そろそろ・・・」
「うん。分かった」
「もう行くのか?」
「うん。俺たちも俺たちの時代に戻らないと」
―――ふと、空間が揺れた気がした。
「そろそろ、歴史が元に戻る頃合いだ」
見れば、白い光が彼方から迫ってきていた。
「あの光に包まれれば、君たちの記憶はなくなり、また元の世界に戻る。ここでお別れだ」
「分かった」
ウォズの言葉に、翼は頷く。
「それじゃあね」
「機会があれば、また会おう」
ツクヨミとゲイツが、別れを告げる。
「それじゃあ、元気で」
「ああ・・・あ、そうだ。一つ聞きたい事がある」
去ろうとした彼らを、翼は些細な事で引き止める。
「本当に、全部忘れてしまうんだな?」
「うん。でも・・・それがどうかしたの?」
「そうか。だったら、すぐに済ませないとな」
そう言って、翼は戦兎の方を向いた。
「ん?どうした翼―――」
戦兎が、何かを言い終える前に、
翼は、身を乗り出して、唐突に、その唇を、戦兎の唇に重ねた。
「「「「な・・・・!?」」」」
突然の事に、ソウゴたちは固まる。
無論、戦兎もである。
しかし、その事態を引き起こした当の本人は、実に満足そうにいたずら気に笑っており、
「―――好きだ、戦兎」
花が咲くような笑顔で、そう言った。
「・・・え?ちょ、ちょっとm――――」
戦兎が我に返った時には、もう全てが終わっていた。
「―――今回はご苦労だったな」
「別に。それで俺たちの記憶も元に戻るんだっけ?」
「ああ、この空間にいる間は保持できるが、出ればすぐに記憶は消えて、今まで通りの生活に戻るってわけだ」
「そっか・・・」
「それにしても、なんであの世界の事に俺たちを巻き込んだ?」
「俺のあの世界での役目がそれだったからだ。歴史を戻す。それが出来なければ破壊する。それだけだ」
「うっわ・・・少しでも間違えてたら全部なくなってたのね・・・」
「だが、それは俺の本意じゃない。その上、あの世界に入ることも出来なくなっていたからな。だからこうして策を講じた訳だ」
「そっか・・・でも良かったよ。これで皆元通りだ」
「ああ。それじゃあ、俺は次の世界へ行く。お前たちも元の世界に帰れ」
「うん。ありがとう、仮面ライダーディケイド」
「お互い様だ、仮面ライダージオウ」
「それじゃあ」
「・・・・さて、次はどんな世界を巡るのかな」
門矢士の手の中にある写真には、三人の親子の写真が写っていた。
リディアン音楽院、一年のとある教室にて。
「あー、今日は疲れたのデス・・・」
「臨時の体育の先生があまりにも熱血過ぎたね・・・」
「調ぇ、大丈夫デスか?途中で倒れて保健室に運んだ時は流石に焦ったデスよ」
「大丈夫だよ切ちゃん、慧くんの事を思い出して。忍者の修行であんなに頑張ってたんだから、頑張らないと」
「思いっきり机に突っ伏したままで言われても説得力ないのデス・・・」
「そんなこと・・・む、きゅぴーん」
「・・・え?なんデスかその効果音」
「慧くんに近寄る不審な女レーダーに敵影あり。即刻排除行動に映る」
「落ち着くデス!すぐにシュルを仕舞うのデス!」
「邪魔しないで切ちゃん!」
「あぁぁぁああ!?腕が粉砕されるのデェェス!?」
とある高等学校にて。
「うんしょ・・・よいしょ・・・あ!?」
「おっとあぶない!」
「あ、ありがとう慧介君」
「クラスメイトだからお互い様だって。ほら、これ、どこに運ぶんだ?」
「理科準備室までなの」
「分かった」
「・・・・アイツ、ああ見えてモテるって事知らねえのかね」
「運動も出来て勉強もそこそこ。人当たりもいいし性格もいい・・・非の打ちどころがねえな」
「唯一の欠点は鈍感な事ぐらいだよな」
「いや、あれは鈍感というより、別の誰かしか見てないっていう風じゃないかな?」
「どういうことだよ?」
「もうすでに誰かの虜になってるかもしれないってことさ」
「「・・・・はあ?」」
移動型喫茶『piccolo nacita』にて
「ばいばーい!ピッコロナシタ~」
「はあ、みーたんは今日も可愛いなぁ~」
「あ、いた!カシラぁ!」
「げっ、お前ら・・・」
「いくらみーたんと付き合えたからって、こう何度も仕事サボられたらたまったもんじゃありませんよ!?」
「そうだよ!確かにカシラがいなくても野菜は育てられるけどさぁ・・・もう少しカシラっていう自覚をもってよぉ!」
「うるせえ!そんなことよりみーたんの可愛い姿を焼き付ける方が先決だァ!」
「う~ん、私は、働いてるかずみんの方が好きだな~」
「よぉし今すぐ戻るぞお前らぁ!俺に続けぇ!」
「って掌返しはや!?」
「頑張ってね~」
「おう!頑張ってくるぜぇ!」
「なんか納得いかねえ・・・」
「ま、まあまあいいじゃねえか!それじゃあみーたん!またな!」
「うん、ばいばーい・・・ふふっ」
アメリカ、ストレイ社本社。
「こうも任務がないと、平和でいいわねぇ~」
「こんな時間がいつまでも続けばいいのによぉ。それでもどっかの国では戦争おっぱじめるアホどもがいるんだよなぁ・・・」
「本当に面倒くさい・・・ああ、なんかこの憂鬱な空気を吹き飛ばしてくれる何かってないのかしら」
「戻ったぞ」
「あ、シン君おかえり」
「おかえり、シン」
「だからジャックだって言ってるでしょ!?」
「よせ。俺がそうした・・・それと、お前の胸元にある日本語の『正』の字は一体・・・」
「気にしなくていいわ。これは私の戦いよ」
「お、おう・・・」
「それ以上は追及しないであげてね・・・」
「アル、お前は何故そんなにげっそりしているんだ・・・?」
「ちゃんと処女だけは守ってるから、ネ?」
「アル?どうした?何か変だぞ―――」
ズドォォォォォンッ!!!
「なんだ!?」
「ああ、いつものことだからきにしなくていいわ」
「―――呪ってやるカモノハシベリーィィィィイ!!!」
「なんだ、あのコメディのような叫びは・・・」
「気にしなくていいわ・・・」
「シン、エリザ、ここにいたか」
「ガレスか?何があった?」
「バルベルデ共和国で、パヴァリア光明結社に動きがあったようだ。お前たちはジムたちのサポートの元、すぐに向かってくれ」
「了解」
「承知した。すぐに向かう」
「げほっ、げほっ・・・酷い目にあった・・・」
「いつもそうだけど、その三つの州を支配するというなんとも微妙な野望を捨てたらどうなの?」
「なにおう!?悪の科学者である私にとっては天の導きのような事なのだぞ!?」
「どうでもいいが、何か丁度いい装置とかないか?これから出撃だ」
「お?そうなのか?だったら少し待ってろ。丁度いいネーターがあるんだ」
「ええ・・・」
「そんな嫌そうにするなエリザ。ゲインツの発明品は役に立つ」
「それはそうだけどぉ・・・」
「よし、準備が出来次第、すぐに出撃してくれ。・・・S.O.N.G.も動くだろう」
「分かった」
「それにしても、暇ですねぇ・・・」
「こら、そんなこと言わない!」
「今は海外で動いてるマリア君や緒川が、何か情報を掴んでくれるといいのだがな・・・」
「場所がアメリカだったら、ストレイ社のエリザっていう女の人とバトってなきゃいいけど」
「A君、何言ってるの・・・?」
「無視してください友里さん。こいつ妄想癖あるんで」
「妄想癖じゃなくて夢だ!夢をはっきり覚えちまうの!」
「静かにしないか。仕事中だ。給料を減らすぞ」
「ちょっ、司令!それはないですって!」
「だったら働け。そんなに暇じゃないんだからな」
「エルフナインちゃんも頑張ってるんだから、私たちも頑張らないと」
「そうだぞ」
「黙れ化け物スペックども・・・ッ!!」
「俺たち一般人の心も知れ!バーカバーカ!」
「な!?なんでそこでそんな考えに至る!?」
「うるせぇ!こちとらアンタらのような化け物と一緒に仕事してんだ!偶には俺たちの不満も聞け!」
「「「そーだそーだ!」」」
「う、うむ・・・そこまで化け物ではないと思うのだが・・・」
「司令」
「すみません。そればっかりは同意できません」
「なんだとォ!?」
葛城巧の研究所。
「それにしても、このRiNKERとかいう代物・・・一体どんな奴がこんなものを考え付いたんだ・・・」
「最後のきっかけ・・・これさえわかれば、あとは作るだけなのですが・・・」
「父さんでも解析しきれない物質構造・・・ふっ、科学者の血が騒ぐと言うものだ」
「戦兎さんも頑張っていますし、僕たちも頑張りましょう!」
「そうだな。・・・そうだ。あの少女にあのアイテムの設計図を渡してほしいと頼まれていたんだったな」
「どんなアイテムですか?」
「彼女のアイデアを元に作った。なんでもタスクの新装備らしい」
「分かりました。機会がある時に渡しておきます」
「そうしてくれ」
政府官邸―――
「今日で長官をお役御免か・・・」
「後任には、俺が信頼できる奴を推薦しておきました。彼なら、親父の力になってくれるでしょう」
「そうだな・・・お前も頑張れよ。S.O.N.G.での成果を期待している」
「必ず務めを果たしてくるよ」
難波製作所―――
「てっぇいッ!ぐあぁぁああ!?や、やはり、流石は難波スティック改!以前よりも、さらに固くなっている・・・・!」
「・・・あれ、どう思う?」
「俺に聞くなよ兄さん・・・・」
リディアン近くの公園にて。
「聞いてよ皆!」
響が、目を輝かせて、戦兎、龍我、クリス、未来、そして翼にそう言い出す。
「どうしたんだ?そんなに嬉しそうな顔して」
「私、すっごい夢を見たんだ!」
「またその話なの響?」
「一体どんな夢なんだよ?」
龍我が尋ねると、響はなんとも自信過剰な様子で自分の胸に手を当てると、
「なんと!私がビルドドライバーで仮面ライダーになる夢です!」
「んだそりゃ。そんなことあるわけねえだろ?」
「第一、お前はライダーになる為のハザードレベルの最低値にすら到達してないだろ?無理なものは無理だ」
「ぐあぁああ!?そ、そんな事言わなくても・・・」
戦兎からの容赦のない一言に、響は撃沈する。
「まあまあ元気出して、響」←3.0
「仮面ライダーになれる未来には分からないよ・・・」←2.2
響が涙を流しながら恨み言を言う。
「まあ元気を出せ立花。私たちにはシンフォギアがあるだろう?」
翼がそう言って、肩の上で跳ねるアメを掌に乗せる。
「そう、ですね!よぉっし!これからも頑張ろうね、ニクス!」
「キュイーン!」
「ったく、調子の良い奴」
「ふふ・・・」
未来は、ふっと笑って、ふと翼の方を見た。
クリスの言葉に、つっかかる響と、それを見て笑い声をあげる翼。
『私の夢は、私の歌で、世界中の人々が幸せになれる世界を創ることだ。誰もが夢を叶え、誰もが希望をもって生きられる―――その夢を叶える為に戦う』
(私は忘れませんよ、翼さん)
もう、誰も覚えていないことだけど、未来はしっかりと、その記憶を刻む。
街中で、未来は、用事があると皆と別れ、一人先に帰り道を歩く。
人が多く行き交う商店街の中で、未来はクロと共に、今日の夕飯の献立を考える。
その最中で、ふと未来はすぐ横を通った三人の女子高生の姿を見る。
「―――にしてもアンタって本当に風鳴翼に似てるわよね」
「やめてよ。一応コンプレックスなんだから!」
「まあまあ自信もちなって!ルックスだけは良いんだからさ」
「それで一体何度間違えられてSNSに取り上げられたか・・・」
「ごめんって!そうだ!駅前のパフェ食べにいこっ!」
「さんせー!」
「調子のいいこと言わない!」
―――その姿に、未来は微笑んだ。
「・・・良かった」
その姿を見送って、未来は再び歩き出す。
もう二度と会う事はない。だけど、きっと彼女の事を、これからも忘れない。
――――それはただ一人が知る、一番初めの物語。
「―――ここね」
綾女が立つのは、唸り声をあげるギャラルホルンの前だった。
「これが、今のノイズの大量発生を・・・」
ぎゅっと拳を握り、綾女は一度、深呼吸をする。
「やらないといけない。その為に、私はここにいる・・・!」
そう自分を奮い立たせて、綾女を、目一杯息を吸って、一度止めてから―――歌う。
「―――Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl―――」
試験的に搭載されていた、『絶唱』と呼ばれる機能。
この力は、強力な一撃を放てる代わりに、使用者に多大なる反動を与えると言われている。
その反動に、自分は耐えられないと聞かされてきた。だけど―――
「―――Gatrandis babel ziggurat edenal―――」
八紘・・・
こんな形で、別れる事を赦してほしい。
そして、受け入れて欲しい。
翼のこれからの未来の為に。
弦十郎・・・
この死を、きっと貴方は重く受け止めるでしょう。
そして、きっと八紘の前で謝り続けるのでしょう。
そして、翼の前でも、その頭を下げ続けるのでしょう。
だけど、どうか、それで立ち止まらないで欲しい。
一度足を止めるのはいいけれど、そこから動けなくはならないで欲しい。
次はこうならないよう、頑張ってほしい。
「―――Emustolronzen fine el zizzl―――」
翼・・・
私の愛しい娘。憎きあの男の血を引く私の子。
貴方を愛さなかった日なんてない。貴方を否定した日なんてない。
貴方を、憎み、妬んだことなんて、一度だってない。
大好きよ、愛してる。
これから、多くの困難が、貴方を待ち受けるかもしれない。
これから、たくさんの苦しみが、貴方を苛むかもしれない。
それでも、いつか、貴方の隣に、貴方の事を預けられる人が出来たのなら、頼ってほしい。
私はここで、消えてしまうけれど――――
「――――貴方を愛したことだけは、一度だって後悔なんてしたりしないから」
構えた刀を高く振り上げる。
絶唱を歌い、その身に迸るエネルギーに体が壊され、血が泡立ち蒸発し、細胞が砕けていくのを感じながら、綾女は、その人生最後の一振りを振るう。
その一撃は――――いつかの未来を繋ぐ、風の鳴る刃。
愛和創造シンフォギア・ビルド オリジン・ザ・天羽々斬――――『完』
次回。補足説明。
特に深い意味はない!
それと、皆さまにご報告しなければならない事があります。
実は書き溜めがなくなってしまい、なおかつリアルで色々と忙しくなってしまい、小説を書く時間が削られ初め、色々と苦しい状況になってしまっています。
ですので、一、二ヶ月ほどお時間をください。
その間に続きのAXZだとかXVだとかを書ききってみせるので、どうか待ってくれると幸いです。
決して凍結というわけではないので安心してください。
ただの延期です。再開すればまたいつものように週一投稿を開始いたします。
楽しみにしてくださっている方々には、誠に申し訳ありませんが、ご理解の程をお願いします。
ちなみに補足説明の所はちゃんと来週に投稿するので楽しみにしててください。
ではまた来週!