キングダム 〜俺は俺の為だけに生きるぉ!〜 作:丸の内 幹太郎
キングダムの世界に転生して十年が経った。
拝啓、前世の社畜どもへ
私は今、"武"を極めています。中華の戦国時代を生き残るには"武"しかないと庭で木の棒を握りながら"槍"の特訓をしています。
私は前世は社畜として使えていましたが、まだデスクと向き合ってた方がまだいいです。
『ふ、転生してるだけでもいいだろ。現代から逃げられるならかまわねーよ』
と思ってる方へ…ーー黙ってろクソガキ。と言ってやりたいです。
日が昇ってから木の棒を握り、日が沈む頃に終える……コレを毎日繰り返してんだよ! 週七勤務だよ!
師匠も『そんなにやらなくてもいい』って言ってるけどそれは俺が"城主"の息子であるから気を使っているんだろう。
俺も前世で同じ社長息子で経験したことあるからわかるぞ……その気遣い。
「あと、五年で初陣……それまでにはーー! 」
バスンバスンと連続で鎧に打ち込む、それはヒビが入るほどの威力であった。
まだだ…これじゃすぐ討ち死だッ。この前、衛兵が言っていたレベルまで!!
夜遅くに抜け出した
『へへ、お前はまだ戦場に行ったことないんだってな? 周りの奴らは全員15、6歳で初陣だぞ? その歳になってまだ戦場を知らんとは情けない! 』
貴皇が一番知りたかった常識を話し合う衛兵達の話を聞きたい、だが堂々に聞くわけにはいかず、物陰に隠れて会話を盗み聞きする。
『仕方ねぇだろ! こっちだって色々… 』
『お前なんか戦場に立ったらイチコロだよ』
『わからねぇだろうがボケェ! 』
『ふん! お前が木の棒で甲冑を貫けるようになればわからねーな! 』
『だははははは!!! 』
少し肌寒いこの夜に貴皇は額に汗を流していた。
な、バカな……そんな奴らがゴロゴロいるのか!? あんな鉄の鎧に木の棒切れで穴開けるなんて普通じゃねーだろ!
いや待てよ、この時代の人間は人間離れしてたと聞いたことがある!
まさかそこまでとは…ーーー
この日から貴皇には焦りしか湧かず、常に考えるようになってしまった。
本当にやるしかないんだ……
「うぉおおおおおお!! 」
スパァン! パァン!
甲冑を
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……」
「
屋敷の中から父・貴羅がこちらを母・華を横に立っているのを横目で捉える。
「ち、父上! 失礼しました。 」
「ん、それで一つ聞きたい…」
「ハ! 」
「なぜここまでやっておる? 」
ぬ…それは『ここまでやっても成長しない?』ってことか……マズイ、非常にマズイ…言い訳がない。
「貴皇…答えなさい……」
ええい、ママよ!
「戦乱の世を生き抜くには日々、戦わなくてはいけません! ですが私には才能がなく、人の倍努力せねばこの世は生き抜けませんッ 」
「………そうか」
「貴皇、久しぶりに風呂でも入るぞ」
「え? 」
父に連れられ、来たのはこの時代には珍しい大浴場であった。いや〜日本人として風呂に入れるのはいいことだ…うんうん!
だけどな〜……
チラと横を見ると女官が三人ほど待機していたのを見て溜息を吐いた。
「貴皇はよ入らぬか」
「ハ! 今から二人で話したい…外で休んだいろ」
女官は頭を伏せ、出て行ったのを見て湯に浸かった。
「随分とデカくなったな 」
「まぁ、成長期なので 」
「いやそういう訳ではないんだが……まぁよい。さっきの話だが、華の前であのようなことを言うなワシは嬉しいがな。よくできた女だ……戦ほど憎いものはないというほどだ」
「………母は、兄を失っていますからね」
「……知っていたか。若い時に嫁いで来たがその頃の私には分からなかった。だが上に立ってよく分かる」
「………」
「のぼせてきたな……さぁ身体でも洗って出るか? 」
「ハイ」
「おい、誰か来てくれ」
その声で女官が布を持って入ってくる。貴皇はその布を奪うように取った。
「私が洗いますよ」
「お! そうか 」
「では背中を… 」
ゴシゴシと固い皮膚を擦りに擦ると
「ハァハハハ!! 随分と力がついたな。お前がガキの頃は洗われているかわからんほどであったが、成長したな 」
「ハハハ! 父上はまた大きくなってーーー 」
「「ハハハハハ!! 」」
風呂から上がると月を見上ながらの食事になり、これも共にした。いつもはないことに貴皇は少し戸惑った。
風呂場とは逆で部屋は静まり返って息苦しい程である。
「魏国に不審な動きがある……
「…戦ですか…ーー」
「あぁ、今回も小競り合いで済めばいいが」
「最近怪しい動きがある為、私の"部下"にも色々調べさせました。」
「お前にやった"直下部隊"か…」
「周辺諸国に潜らせています。そして"趙"の者から報告あり、"怪しい動きあり"とのこと」
「
「ハハハ! お前は考えすぎだ、文官達が言っておったぞ、"皇の考えは人知を超えてわからん"とな! 」
う……まさか下の者達にバカにされるようになるとは……傷つくでござる
「泣いておるのか……」
「ハ、い、いえ、ただ心配でありまして……」
「心配するな! さぁ飲むぞ! 」
「…………」
だが、貴皇の心の胸騒ぎは消えることはなく、逆に暴れ出し始め、そしてその胸騒ぎは現実へと化した。
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