今回は急展開。一気に話が進みます。
認定特異災害『ノイズ』。13年前に特異災害として認められた人類の天敵。
突然現れ、触れた人間を炭化させるという恐ろしい力を持つ。
対処法は、一定時間が経つと自壊するので、逃げ隠れしながらそれを待つしかない。
息を潜め、気付かれないように移動する、それが正しいことなんだが……
「はぁ、はぁ、こっちだ!」
手を繋いだ少年と共に追ってくるのいから逃げ続ける。
話は少し前に遡る。
(なんでノイズがここに……)
ノイズを見つけたと同時に近くの車の後ろに隠れる。
とりあえず早く移動しないと。いや、今動いたら危ないか?
そんな思考が流れていく。触れただけで人を殺せる存在なんて、恐ろしすぎる。なにより自分にとってはそれだけではないが…。
「ヒック、グスッ、」
「!!」
どこからか聞こえた声に驚きながらもあたりを見回す。
すると、ノイズが向かっている道路、そこに並ぶ店の一つに隠れている男の子が見えた。
(距離はそんなに離れていない、まだノイズも遠い。けど、それは時間の問題だ)
(助ける必要もない…このまま隠れてれば)
その時、頭の中を人助け好きな彼女が浮かんだ。
「…あぁ、もう!!」
駆け出し、男の子のもとへと向かう。
「こっちだ!行くぞ!」
戸惑う手を取って走る。ノイズはもう気づいてるだろう、ならどこか安全なところ、もしくは消えるまで逃げるだけだ。
そんなわけで逃げているのが今。
「あっ!」
後ろに引っ張られる感覚と短い悲鳴。連れていた少年が転んでしまっていた。
走り続けて体力も限界なのだろう。
「くそっ!」
少年を抱え、再び走り出す。
けど、どこに行けばいい?どこまで逃げれば…!
「っ!?」
曲がった先、別のノイズの群れが迫ってくる。
(逃げ道は…ない!どうする?どこに)
「お困りのようだね、我が魔王」
いつの間にか朝の不審者が横に立っていた。
「えっ、あっ、」
「驚かせてしまったかい?一先ずゆっくり話せる場所へ行こうか」
不審者は首に巻いたマフラーを取り外し、振るった。
「…はっ?」
マフラーが伸び、包まれたと思ったらどこかのビルの屋上にいた。
「さて、逃げたはいいが時間はそんなに無い」
「えっ、いやここまで来れば」
「実際、そこまで距離は離れた訳ではない。奴らはすぐ嗅ぎ付けてくる」
さて、と不審者は再び話し出した。
「我が魔王、このままでは我々は死ぬ。それを回避する手段がある」
「本当か!?」
不審者は跪き、小さな赤い座布団の上に変な形の道具を乗せて差し出してきた。
「これは『ジクウドライバー』。君が魔王となるための、君のためのベルトだ」
「ベルト?これが…」
「それを使えばノイズを退けられる。しかし、それを使えば君の未来は決まる」
「俺の未来…?」
ふと視界が暗くなる。空を見上げると、蝙蝠のような形のノイズが集まっていた。
「今はそんなこと話してられない!使い方は!?」
「触れてみたまえ、使い方はご存じの筈」
ジクウドライバーを手に取る。
『俺──になる。──が──』
瞬間、頭の中を何かが駆け巡った。
ジクウドライバーを腰に当てる。帯が生え、身体に固定される。
右手に光を放ちながら小型のアイテムが現れた。
『ライドウォッチ』。リングパーツを回し、上部のボタン、ライドオンスターターを押す。
【ジオウ】
音声が鳴る。そしてライドウォッチを自身から見て右側のスロットへと装填。ベルトの中心上部のスイッチでロックを外し、逆時計に回す。
【ライダータイム!】
【仮面ライダー ジオウ!】
世界が変わったような感覚、そして身体を覆っていく何か。
「えっ、えっ、えぇぇぇぇ!?」
手が鎧、いやスーツ?よく分からないけど包まれて…って顔も何かで覆われて!?
「祝え!」
隣の不審者が急に叫び出した。
「全ライダーの力を受け継ぎ時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者!
その名も仮面ライダージオウ!今ここに生誕の瞬間である!」
仮面ライダーってなに?
次は未定です。
感想、その他色々お待ちしています。