Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
After Story 1
最近知ったことが1つある。
『ドン引きされるほどアイシテル!から 日々鮮明にキミのレプリカを飼育中 Uh』~♪
「いや~、まさかアタシの曲が食堂で流れるなんてね~♪」
「・・・・・・なぁウィズ。」
「うん?」
「いつCDなんか発売したんだよ?」
「え?・・・・・・この前。」
「いつだよ?」
「その辺にポスター貼ってあるから見てよ、そんくらい。」
「ってか、いつCD出す話が来てたんだよ?」
「えっとね、4月だったかな?」
まさかのウィズがさらっとソロでデビューしていた。しかも、QuartzerのCDデビューからほんの数日後に出したんだと。
「映司も出したら?」
「悪いけど、僕に持ち歌はないんだけど?」
「作ればいいじゃん!作詞も作曲も出来るんだし!」
「う~ん・・・・・・。」
だからといって、最近はそんなに書いてないんだよな・・・・・・。提供曲が最近多いし。
「・・・・・・映司って、午後はなんか予定あるの?」
「うん?・・・・・・確か、ギターのレッスンがあったような・・・?」
「そっか~。」
「・・・・・・そんなウィズは?」
「アタシ?
「どんちゃんって・・・・・・。」
あの人、僕たちより年上だよ?
レッスン場に向かって歩いていると、社長が声をかけてきた。
「お、You!」
「はい?」
「You、CDとか出さないの?」
「・・・・・・ソロとして色んな曲は作りたいとは思ってますよ。」
「なんでYou敬語なのよ!?」
「え?・・・・・・あ、すいません・・・。」
うちの社長、何故か僕たちに敬語を使わせようとしないんだよ・・・。
「Youは曲作ってliveしないの?」
「うん・・・・・・したいよ。」
「じゃあ、Youやっちゃいなよ!」
うわ、出た。
「1月末にlive出来るアリーナ用意しとくから!」
「はい。・・・・・・うん?」
「またね。」
「・・・え!?ちょっと!?」
マジか・・・・・・。年末年始にはQuartzerとしてのライブがあるのに、その合間を縫って曲を用意しろ、か・・・。
社長の考えは素晴らしいけど、たまに『頭おかしいんじゃない?』ってこと言うんだよな・・・・・・。
「どうしよっかな~?」
「どうしたんすか、映司さん?」
「社長から『ソロライブを1月末にやれ』って言われた。」
「はい?」
「それはまた突拍子のないことを・・・・・・。」
剛よ、分かってくれるか・・・!
「それで、曲はどうするんですか?」
「カバーだけにするんすか?」
「いや、曲を作ろうと思ってる。」
「「お~!」」
「ただな、最近『自分以外の詞』に曲をつけることが楽しみなんだよね。・・・・・・ちょっと変わった路線の作詞が出来る人知ってる?」
「知らないっすよ。」
「残念ながら、僕も・・・・・・。」
「だよね~。・・・・・・あ、そうだ。」
1人候補が思いついたから、仕事終わりにCiRCLEに向かった。今日もそこに来ていると信じて。
「・・・・・・あ、いた。」
「あれ?映司さ~ん!」
「ホントだ、珍し~い!」
「ちょっと紗夜さんに頼みたいことがあって・・・・・・。」
「私に、ですか?」
「あ!それじゃあ・・・!」
はい、気付けば僕と紗夜さんが同じテーブルでコーヒー飲みながら会話する形になりました。
「では、ごゆっくり~♪」
あのギャル・・・!
「・・・・・・それで、私に何か用ですか?」
「あ、そうだ。・・・・・・紗夜さん、作詞しない?」
「はい?」
「実は・・・・・・」
僕は経緯を紗夜さんに話した。まだ公表出来ない内容だけど。
「事情は分かりました。ですが、私は作詞なんかしたことありませんよ。湊さんか今井さんに──」
「それは分かってる。・・・・・・なんとなく、でいいです。物は試しにやってみませんか?」
「・・・・・・わ、分かりました・・・。ですが、やり方は分からなくて・・・・・・。」
「とりあえず、前に作曲したのがあるので、それに詞をつけてください。時間はあるので、厳しければ途中で投げ出してくれて構いません。」
「・・・・・・いえ、ちゃんと書きます!あなたに納得される詞を書いてきます!」
あ、ヤッバ。変な火を付けちゃった。
「出来ました・・・!」
「もう出来たんだ・・・・・・。」
「映司君がくれた3曲分です。」
「ありがとうございます。」
「ただ、ちょっと自信がないので・・・・・・こちらが保険の詞です。」
保険って・・・・・・。
「1曲は、日菜っぽく書いちゃいましたけど・・・・・・。」
「・・・・・・良いな、これ全部。」
「え・・・?」
「全部使いますね。」
「えぇ~!?」
さて、どんな詞なんでしょうね~?
バンドリ絡みの事を全部調べたり、把握している人はなんとなくイメージ出来るかと・・・。