Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
前回、あの水色頭に言われた後はそこそこの返事をして帰ったが、
「映司、また路上ライブしない?」
あれからずっと言っているのだ・・・。帰宅中、夕食準備中、夕食中、そして今、夕食後も・・・。
「・・・・・・あのね、あの人が言ったことを信じるの?」
「う~ん・・・、あまり信じてはないかな~?」
なんで疑問系なの?
「でもさ、覚えてる?初めて路上ライブっぽい事した時のこと。」
「・・・・・・覚えてるけど。」
忘れたことは無かった。初めてウィズと演奏して、僕たちの演奏を聞いて心が救われたと言ってくれた女性がいたことを。
「最近ね、考え方を変えてみようと思ったの。」
「・・・・・・ウィズの話は長いからあんまり聞きたくないけど、今回は聞いてみるよ。」
「一言余計!・・・・・・アタシは多分、この先誰かを信じることはできないと思う。でも、音楽で聴いてくれる人を幸せにしていきたい。・・・・・・こんなのどう?」
・・・・・・確かに、僕たちはあの時見たテレビでギターを弾くことになった。
ギターを弾いて、音楽の楽しさを知った。
僕たちの演奏で、誰かを笑顔に出来る。
「・・・・・・うん、悪くないね。」
「でしょ~?」
「ドヤ顔しないの。」
「ブー!・・・・・・そうだ!ユニット名どうしようか?」
「そんなのはいらない。」
「良いじゃん!雰囲気雰囲気~!」
「じゃあ、ウィズが決めなよ。」
「ホント!?ヤッター!えっとね~、『KinKi Kids』は?」
「却下。」
「・・・・・・なんでよ!?アタシが決めてもいいって言ったじゃん!」
「僕たち『近畿』じゃないの。『東北』だよ?」
「じゃあ・・・、『Touhoku Kids』?」
「そのネーミングセンスから離れろ。」
「だったら映司も考えてよ!」
マジか・・・、面倒だな・・・。
「は・や・く!は・や・く!」
「ハァ・・・。」
仕方ない、テスト以外では回さない頭を回転させますか。
「・・・・・・『
「どういう意味?」
「どっかのネットで見たけど、なんの意味だったかな?」
「えっと、『Quartzer』・・・・・・あった!水晶?あ、造語ね。・・・・・・うん、良いんじゃない?」
おお、賛同した・・・!
「アタシたちは、水晶のように綺麗な心の色を音楽にして色んな思いを伝えていく2人組・・・・・・って感じで!」
「・・・・・・解釈は任せる。」
「よし、それじゃあ明日、路上ライブしよ!」
「うん。・・・・・・ん?」
今、なんと・・・・・・!?
あれから十数時間。・・・・・・ようは次の日の放課後だ。僕たちは花咲川の近くの公園で、路上ライブが・・・・・・『Quartzer』の最初のライブが始まろうとしていた。
「映司、行くよ?」
「あぁ。」
・・・・・・水色頭以外にも、なんか猫耳とか金髪ツインテールとか、来るとは思ってなかった客が多いんだけど?
「それでは聞いてください。」
「「好きになってく 愛してく」」
2人でギターを弾き始める。数秒の前奏の後、僕から歌い始める。
「許し合えば 話し合えば 必ずやさしくなれるのサ」♪
今の生活で覚えることが出来ない感覚がこの歌詞にはある。
「こわくはないサ それでいいのサ」♪
他人を好きになれない相手に送る歌を、好きになるどころか信じることすら出来ない僕たちが歌う。
「「今も 今日も 生きているからネ
僕らは人を好きになってく 君も笑顔も涙も」」♪
でも、僕たちの演奏を見に来ている人たちは、そんな事は知らない。だから、何事もないかのようにこの歌を歌う。
他人を信じられない人に『必ず誰かあなたの側にいるよ』と思わせれるように・・・。
「「今日も明日も唄いながら」」♪
演奏が終わり、周りからは拍手が巻き起こった。そして、演奏中は気付かなかったが・・・・・・、お客さんの数が増えていた。
「あ、ありがと~・・・!」
この前の水色頭がこっちに来た。・・・・・・泣きながら。
「本当に、また・・・、2人の演奏が聞けて良かった・・・!」
「ど、どうも・・・。」
みんなからの視線が嫌なんだが、この後ある人物に視線がさらに集中することになった。
「ところで、昨日から思ってたけど・・・・・・あなた、誰?」
「・・・ふぇ?」
・・・・・・今更発言もいいとこだよ・・・。
いかがでしたか?今回のタイトルは内容とは一切関係ありません!ただの本編で出した楽曲のタイトルです。・・・・・・『まさかあの姉弟が!?』と引っかかった方は何人かしら?
アンケートは本日23時59分までとします。
では、また次回!
セリフの「」の前にキャラの名前の一文字目はいりますか?(例:映「~~。」みたいな)
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欲しい
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いらない