Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
受付で仕事をしていると、赤メッシュ率いる5人組が話しかけてきた。
「あたしたち、『Quartzer』にお願いがあるんですけど。」
さっき、花園たえとの問題を解決したのにまた厄介事に巻き込まれている感じがする・・・。
「・・・・・・なんで、アタシたちに?それと、『Quartzer』じゃなかったらどうするんですか?」
「あなたたちが『Quartzer』なのは知ってます。」
「ジャジャーン!これです!」
ピンクっぽい髪のメンバーがスマホの画面を見せてくる。
「あなたたちが、花咲川付近の公園で路上ライブした時の動画が上がってましたー!」
「「・・・・・・。」」
これにはもう黙るしかない。・・・・・・いつ撮られてた?
「ハァ・・・。で、そんな脅し材料使って、アタシたちに何させる気なの?」
「お、脅し・・・?」
「アタシたちは、あなたたちに1曲演奏して欲しいんです!」
普通っぽい感じの子がウィズの発した『脅し』に反応したけど、気にしないでおこう。それはそれと赤髪の・・・・・・男?新人やまりなさんが『ガールズバンド』って言ってたから女子なんだろうな。
「・・・・・・君たちの前で1曲歌えば満足するのか?」
「・・・・・・多分。」
おい。
「蘭を満足させるためにお願いしますよ~。」
パーカーさん、そこの赤メッシュが犯人なんだな。
「悪いけど、アタシたち今仕事「いいですよ。」中・・・・・・え?」
「ただし、1曲だけですよ。」
「・・・・・・分かった。」
「では、1時間後にあなたたちの予約しているスタジオで。」
僕は彼女たちにそれだけ言って、スタッフらしく受付した。
「映司、いいの?」
「逆に断ったら後々面倒になるでしょ?」
「・・・・・・確かに。」
このバカ姉が・・・・・・。
「それで、ウィズに頼みがあるんだけど。」
「アタシは映司の頼みならオールオッケーだよ!」
「そうか。・・・・・・じゃあ、これ演奏するから1時間後までに覚えて。」
「え?う、うん・・・。何、この曲?」
「今さっき完成した曲。」
「・・・・・・え!?」
さてと、こっちも色々覚えますか。
そして、1時間後・・・・・・、
「それじゃ、『Quartzer』で今さっき完成したオリジナル曲『
その合図で、キーボードをウィズが演奏する。
「Oh~・・・、Uh~」♪
ピアノの音で奏でた後、電子ピアノ音と僕のアコースティックギターで奏で始める。
「伝えたいことほど 言葉にならなくて
分かってはいるけど I can't take it」♪
この曲は、さっきまで僕が書いていた新曲だ。僕が詞と曲を1人で初めて書いた曲。
「I I can't say」♪ 「『愛』だなんて」♪
「I I'll be on your side」♪ 「ウソでもいいから」♪
「I I can't cry」♪ 「
ウィズにも少し手伝ってもらい、Bメロの英語部分を唄ってもらう。
「Oh~、Oh~~」♪
「抱いて抱いてよ 壊れるほどに もう1人にしないで」♪
・・・・・・まさか歌詞に書いてない所まで歌詞っぽいのを入れるとは思わなかったけど。
この歌は女性目線で書いた、『相手を自分のものにしたい』という感じの曲にした。・・・・・・僕が作った歌だから基本は僕が1人で唄うんだけど。
「ねぇお願い 私だけ見て 2人きりでいてよ
言葉はいらない 甘いKissで Speechless love」♪
サビが終わり、間奏に入ると・・・・・・、
「Ta la s ta・・・・・・」♪
キーボード弾きながらずっとウィズが唄っていた。・・・・・・そこまでしなくていいのに。
「抱いて抱いてよ 壊れるほどに もう1人にしないで
夢ならもうこのままでいい I'll take a chance」♪
この後、ラスサビだけど・・・・・・正直サビの歌詞は全て同じだ。ここまで来ると自然と歌詞が出てくる。
ちょいちょいウィズが合いの手っぽいのを入れるが、今はそれがこの曲をさらに良くしている気がする。
「ねぇお願い 私だけ見て 2人きりでいてよ
言葉いらない 甘いKissで Speechless love」♪
ここでサビが終わり、アウトロに入る。僕はこれ以上唄うことは無いため、ギターの演奏に集中する。
「もう1人にしないで ねぇお願い私だけ見て 言葉いらない
いらない いらない 甘いKissで」♪
ウィズは僕が唄った歌詞から一部をここで唄っている。
「Oh、Oh~ 何度も聞かせてよ
いつもと変わらない態度 いたくて 痛くて 切なく愛おしい」♪
最後にピアノだけでこの曲を締める。それが僕の作った曲のラストだ。
「Oh~ Uh~ Uh~・・・・・・。」♪
・・・・・・ここまでウィズが言葉を乗せるとは思わなかったけど、まぁ悪くない。
「・・・・・・ありがとうございました。」
閉めの言葉を言うと、赤メッシュ以外が拍手をしてくれた。
「凄かったです~!!」
「なんか、胸に来るなー、この曲!」
「うん、キーボードで2つの音を出しつつ、ボーカルの邪魔をしないで歌をさらに良くする技術も勉強になります!」
「凄いツグってた~!」
「・・・・・・。」
赤メッシュを満足させるのが今回のライブの目的だが、これは失敗だな。彼女が僕たちに何を求めていたかは知らないけど、今さっき出来た曲ならこの辺が限界だ。
「・・・・・・あの、この曲は『今さっき完成した』って言ってましたよね?」
「?・・・・・・はい。」
「1時間前に完成した映司の曲なんかじゃ満足出来ないとでも?」
こら、怒らせるようなこと言わないの。
「いえ。・・・・・・正直、悔しいです。」
「「???」」
「あたしたちは、頑張って作った曲を何度も何度も練習して完成させるのに・・・・・・あなたたちは完成させてから1時間でそれを完璧に演奏する。2人の信頼関係があってこそ出来る技だと思います。」
(いや~、アタシ所々ミスったんだけど・・・。歌詞に集中しすぎて・・・・・・。)
(本番一発勝負で演奏するもんじゃないな。コードそこそこ間違えてたから。・・・・・・ってこいつ気付いてない?)
この演奏は録音していて、後で確認したら揃いも揃って結構間違えていた。
「・・・・・・決めました。あたしたちは、あなたたちの信頼関係をも超えるほどの曲を、パフォーマンスをします!あなたたち、『Quartzer』に負けないほど!」
それだけを言って彼女たちAfterglowは去っていった。ちょうど終了の時間だったし。
「・・・・・・映司、アテが外れたね?」
「僕はしばらく『ガールズバンド』に絡みたくない・・・・・・。」
赤メッシュ:『美竹蘭』に色々と音楽技術を聞かれる話は・・・・・・話したくないから話さない。
いかがでしたか?今回のタイトルは本編に出てきた曲のタイトルです。・・・・・・なかなかタイトルが決まらないのよ、毎回。本編書き終えてからタイトル考えてるから。
では、また次回!
映司とウィズに深く関わって欲しいバンドは?(このアンケート終了後に1位のバンドのメンバーでアンケートします。期限は10月1日23時59分です。)
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Poppin'Party
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Afterglow
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Pastel*Palettes
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Roselia
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ハロー、ハッピーワールド!