Take me to・・・   作:ENDLICHERI

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第30話 VANISH

「・・・・・・え?」モグモグ

「だから、文化祭来る?」

「いふにひまってるへひょ!!」モグモグ

「口の中の物を無くしてから言いなさい、はしたない・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」モグモグモグモグ

 

 

どんだけ入れてるんだよ・・・?

 

 

「・・・・・・ふぅ、行くに決まってるでしょ!!」

「はい、よく言えました。」

 

 

何故こんな話をしているのか?それは、僕の通う学校がもうすぐ文化祭だからだ。ウィズは誘ってくれたのに僕が誘わないのはちょっとな・・・と思って。

 

まぁ、答えは目に見えてたけど。

 

 

「映司のクラスは何するの?」

「カフェだよ、ごく普通の。」

「なるほど~、映司君の接客姿が見れるんだね!」ワクワク

「・・・・・・別の誰かに接客してもらおう。」

「え!?」

「ご馳走さま。さ、早く支度しろよー。」

「ちょっ、待ってよー!」

 

 

いつも通り学校に行く準備をして、自宅を出る。僕はさっき言い忘れていた事を、自転車を漕いでいる時に思い出した。

 

 

「・・・・・・なぁウィズ。」

「交通費は払わないよ。」

「まだ何も言ってない。・・・・・・文化祭のことだけど、」

「ああ!そっちね!」

「普通はそっちでしょ?・・・・・・文化祭の時に、晴斗君と会わせるよ。」

「え?」

「前に言ってただろ?『会わせろ』って。」

「っ!・・・・・・うん、言った。半ば勢いで。」

 

 

でしょうね。

 

 

「だから、晴斗君とも話して会わせるから。」

「ふ~ん。・・・・・・分かった。姉として見極めるからね!」

「はいはい・・・。」

 

 

それから、ウィズを学校に置き去りにして、「ちょいちょい!!」・・・・・・自分の学校に向かう。「無視!?」

 

 

「映司君、おはよう。」

「お、おはよう・・・。」

「あはは・・・。まだ慣れないか。」

「ご、ごめん・・・。」

「気にしなくていいよ。ゆっくりでいいから。」

 

 

最近は晴斗君がずっと話しかけてくれる。周りの目を気にせずに。

 

 

「僕たちは調理場担当だから、人目は気にしなくていいよ。」

「ごめん、それは分かってる。」

「映司君ってコーヒー淹れれるの?」

「うん、たまに自分で淹れてるよ。」

 

 

そんな会話をしてると、

 

 

「葛城さんってコーヒー淹れるの上手いの?」

 

 

その一言から何故か僕が淹れることになった。晴斗君は『試しに淹れてみたら?』と言ってきた。・・・・・・諦めて淹れることにした。

 

淹れたコーヒーを調理班のリーダーに飲ませると、

 

 

「・・・・・・うん、葛城さん。君がメインで淹れて!」

 

 

おい。

 

 

「本当だ!上手い!」

「手際も良いし!」

「女子として複雑~・・・。美味しい。」

 

 

マジか・・・。

 

 

「ちゃんと休憩は取れるように考えるから。」

「・・・・・・よろしく。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近は晴斗君も屋上に来て一緒に昼食を取っている。

 

 

「・・・・・・晴斗君。」

「うん?」

「なんか、無理してない?」

「どうしたの、急に?」

 

 

僕はたまに思っていたことを口にした。

 

 

「君だって、他の人と昼食を取りたいって思うことあるよね?友達になってくれたあの日以来ずっとここで昼食を取ってるから・・・・・・。」

「・・・・・・確かに、あの日以来ずっとここでお昼御飯を食べてる。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

今、なんであんな事を言ったのだろうと、少し後悔した。せっかく友達になってくれたのに・・・・・・。

 

 

「でも、これでも僕は昼食1人で食べてるんだよね。」

「・・・・・・え?」

「仲の良い人は別のクラス。だから、思う存分ここで食べれる。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「君こそ、無理してない?」

「え?」

「僕の呼び方。」

「・・・っ!」

 

 

ウィズ相手なら考えてる事は互いにバレてる程なのに、彼相手だと、調子が狂う。

 

 

「良かったら、映司君の呼びやすい呼び方で言ってくれる?・・・・・・僕はこの呼び方が癖になってるからどうしようもないけど。」

 

 

僕の呼びやすい呼び方・・・・・・。

 

 

「・・・・・・晴斗。」

「っ!・・・・・・うん、なんかしっくり来る。」

「っ・・・・・・じゃあ、『晴斗』って呼ぶよ。」

「うん、僕は変えれないから我慢してね。」

「そこは気にしない。」

 

 

僕は、もう少し彼相手なら寄り添えるかもしれない・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか? 今回は『消える』って意味のタイトルです。晴斗への心の壁のこと・・・・・・にしましょう!

それと、今回からアンケートは新しくなりますけど、前回のパスパレのアンケートどうすればいいのさ?日菜と千聖が同じ票数って・・・。


では、また次回!

姉弟と深く関わってほしいのは誰?(10月30日23時59分まで)

  • 戸山香澄
  • 花園たえ(※彼氏います)
  • 牛込りみ
  • 山吹沙綾
  • 市ヶ谷有咲

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