Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
「・・・・・・え?」モグモグ
「だから、文化祭来る?」
「いふにひまってるへひょ!!」モグモグ
「口の中の物を無くしてから言いなさい、はしたない・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」モグモグモグモグ
どんだけ入れてるんだよ・・・?
「・・・・・・ふぅ、行くに決まってるでしょ!!」
「はい、よく言えました。」
何故こんな話をしているのか?それは、僕の通う学校がもうすぐ文化祭だからだ。ウィズは誘ってくれたのに僕が誘わないのはちょっとな・・・と思って。
まぁ、答えは目に見えてたけど。
「映司のクラスは何するの?」
「カフェだよ、ごく普通の。」
「なるほど~、映司君の接客姿が見れるんだね!」ワクワク
「・・・・・・別の誰かに接客してもらおう。」
「え!?」
「ご馳走さま。さ、早く支度しろよー。」
「ちょっ、待ってよー!」
いつも通り学校に行く準備をして、自宅を出る。僕はさっき言い忘れていた事を、自転車を漕いでいる時に思い出した。
「・・・・・・なぁウィズ。」
「交通費は払わないよ。」
「まだ何も言ってない。・・・・・・文化祭のことだけど、」
「ああ!そっちね!」
「普通はそっちでしょ?・・・・・・文化祭の時に、晴斗君と会わせるよ。」
「え?」
「前に言ってただろ?『会わせろ』って。」
「っ!・・・・・・うん、言った。半ば勢いで。」
でしょうね。
「だから、晴斗君とも話して会わせるから。」
「ふ~ん。・・・・・・分かった。姉として見極めるからね!」
「はいはい・・・。」
それから、ウィズを学校に置き去りにして、「ちょいちょい!!」・・・・・・自分の学校に向かう。「無視!?」
「映司君、おはよう。」
「お、おはよう・・・。」
「あはは・・・。まだ慣れないか。」
「ご、ごめん・・・。」
「気にしなくていいよ。ゆっくりでいいから。」
最近は晴斗君がずっと話しかけてくれる。周りの目を気にせずに。
「僕たちは調理場担当だから、人目は気にしなくていいよ。」
「ごめん、それは分かってる。」
「映司君ってコーヒー淹れれるの?」
「うん、たまに自分で淹れてるよ。」
そんな会話をしてると、
「葛城さんってコーヒー淹れるの上手いの?」
その一言から何故か僕が淹れることになった。晴斗君は『試しに淹れてみたら?』と言ってきた。・・・・・・諦めて淹れることにした。
淹れたコーヒーを調理班のリーダーに飲ませると、
「・・・・・・うん、葛城さん。君がメインで淹れて!」
おい。
「本当だ!上手い!」
「手際も良いし!」
「女子として複雑~・・・。美味しい。」
マジか・・・。
「ちゃんと休憩は取れるように考えるから。」
「・・・・・・よろしく。」
最近は晴斗君も屋上に来て一緒に昼食を取っている。
「・・・・・・晴斗君。」
「うん?」
「なんか、無理してない?」
「どうしたの、急に?」
僕はたまに思っていたことを口にした。
「君だって、他の人と昼食を取りたいって思うことあるよね?友達になってくれたあの日以来ずっとここで昼食を取ってるから・・・・・・。」
「・・・・・・確かに、あの日以来ずっとここでお昼御飯を食べてる。」
「・・・・・・・・・・・・。」
今、なんであんな事を言ったのだろうと、少し後悔した。せっかく友達になってくれたのに・・・・・・。
「でも、これでも僕は昼食1人で食べてるんだよね。」
「・・・・・・え?」
「仲の良い人は別のクラス。だから、思う存分ここで食べれる。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「君こそ、無理してない?」
「え?」
「僕の呼び方。」
「・・・っ!」
ウィズ相手なら考えてる事は互いにバレてる程なのに、彼相手だと、調子が狂う。
「良かったら、映司君の呼びやすい呼び方で言ってくれる?・・・・・・僕はこの呼び方が癖になってるからどうしようもないけど。」
僕の呼びやすい呼び方・・・・・・。
「・・・・・・晴斗。」
「っ!・・・・・・うん、なんかしっくり来る。」
「っ・・・・・・じゃあ、『晴斗』って呼ぶよ。」
「うん、僕は変えれないから我慢してね。」
「そこは気にしない。」
僕は、もう少し彼相手なら寄り添えるかもしれない・・・。
いかがでしたか? 今回は『消える』って意味のタイトルです。晴斗への心の壁のこと・・・・・・にしましょう!
それと、今回からアンケートは新しくなりますけど、前回のパスパレのアンケートどうすればいいのさ?日菜と千聖が同じ票数って・・・。
では、また次回!
姉弟と深く関わってほしいのは誰?(10月30日23時59分まで)
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戸山香澄
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花園たえ(※彼氏います)
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牛込りみ
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山吹沙綾
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市ヶ谷有咲