Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
それでは、本編どうぞ!
季節の変わり目。それは次の季節を迎える準備期間でもあり、体調を崩しやすい時期でもある。
「ハァ・・・。」
「うぅ・・・、映司・・・。」
無論、僕たちも例外ではなく、・・・・・・ウィズがその餌食となっていた。
「38度・・・。学校は休み確定だな。」
「そうだね・・・・・・。映司、気をつけて行ってきてね。」
「は?」
「・・・・・・え?」
このバカ姉は何言ってるんだ。
「ウィズさん、あなた・・・・・・目を離した隙に色々と家事をするでしょ?」
「ギクッ!・・・・・・そ、そんな事無いよ・・・ゴホッゴホッ!」
「ほら、咳まで出るくらいだから。今日は寝てな。」
僕はウィズの部屋を出て、まずは花咲川に電話した。そして、僕の学校にも連絡を入れる。
電話が終わると、まだ寝間着だった事を思い出し私服に着替える。
「ウィズ、入るよ。」
「うん・・・。」
一応許可を得てから部屋に入る。いくら姉弟でも血は繋がってない。それに相手は女だ。世間的に言う『ラッキーハプニング』なんて望まない僕はその辺冷静に対応する。
「ほら、スポーツドリンク。」
「ありがとう・・・。あれ?学校は・・・?」
「自分の心配をしてなさい。・・・・・・学校なら休んだ。いわゆる仮病だ。」
「ダメだよ・・・!そんなの」
「良いから!・・・・・・ウィズを看病出来る人間は、僕しかいないんだから。」
「・・・・・・ありがとう。」
「何か食べるか?」
「うーん・・・・・・、今は入る気がしない・・・・・・。」
「分かった。氷枕持ってくるよ。」
僕は一度部屋を出て、冷凍庫に入れてある氷枕を取り出し、タオルを巻いてウィズの枕の上に置いて、そこに頭を置かせた。
・・・・・・作者の家だとこれか、デコに貼る冷たいやつらしい。
「・・・・・・寝たか。」
ウィズはこう見えて、体が弱い。それなのに、僕を守ろうとする。幼い頃は風邪を引きながら僕の世話をしてくれた程だ。
さてと、とりあえず家事しないとな。
「・・・・・・あれ?冷蔵庫の中無いし。・・・・・・仕方ない。」
とりあえず、ウィズの部屋からは寝息がほんの少しばかり聞こえてくるから・・・・・・まだ寝てるか。
「・・・・・・とりあえず、僕の分も含めて買いに行くか。」
・・・・・・すぐに起きてしまうとアレだから、今すぐ必要な分だけ買うためにコンビニに行って、すぐに帰ってきた。
「ただいま・・・・・・。」
しかし、何も返事が返ってこなかった。・・・・・・起きてないか。
「・・・・・・ウィズ?起きてるか?」
まだ寝てるか・・・。
「失礼するぞ・・・。」
扉を開けると、部屋の物の配置は全然変わってなかった。
「・・・・・・ここまでぐっすり寝れるのね・・・。」
逆にピクリとも動かない事に関心するよ・・・・・・。でも、もう12時だからそろそろ一度起こすか。
「ウィズ、そろそろ一度起きてくれ。」
「う、う~ん・・・、映司?」
「おはよう。気分はどうだ?」
「う~ん・・・、ちょっとは良いかな?」
「そっか。どう、ご飯は食べれそう?」
「物に、よるかな~・・・・・・?」
「分かった。リビングまで来れるようなら来てくれ。無理なら後で持って行くよ。」
「分かった・・・。」(全く、映司は・・・。)
雑煮を作っていると、ウィズが部屋から出てきた。
「良い匂い~・・・。」
「部屋から出れる程まで治ったか。」
「でも、部屋からここまでが限界・・・・・・。」
「あまり無理しないでよ?・・・・・・はい、おまたせ。」
蟹風味のものが入った雑煮を差し出す。・・・・・・ちょっと多めに作ったから僕もそれを食べる。
「ごちそうさま。」
「お粗末様でした。この後どうする?」
「・・・・・・こっちで休んでていい?」
「どうぞ。」
こうして、家事をしつつウィズの看病をしていた。
のんびりした静かな空間に、1本の着信が入る。・・・・・・僕の携帯からだけど。
「うん?・・・・・・もしもし?」
『映司君、大丈夫?』
「・・・・・・晴斗?あれ?僕、携帯番号教えたっけ?」
『あれ?教えてくれなかったっけ?』
「・・・・・・記憶抜けてるっぽい。あ、でも・・・ちょっと謝らないといけない事がある。」
僕は事情を話す。
『そうだったんだ。でも、映司君が元気そうで良かったよ。』
「姉はアレだけど。」
『最悪、君の家に行こうと考えてたけど・・・・・・いる?』
「いらない。」
『アハハ・・・、即答か・・・。』
「悪いけど、学校には『治ったら行く』とは言ってあるから。」
『分かった。お姉さんには『治ったら会いたい』って言ってたって言っといて。それじゃ、お大事に。』
電話を切って、『何話してたの?』と言わんばかりに見てくるウィズに話さなければいけなくなった。
「友達からだよ、この前言った。」
「なるほど。」
「・・・・・・あ、ウィズ。ちょっと出かけてくる。」
「どこに?」
「スーパーだよ。食材とか、色々ね。」
「・・・・・・分かった。」
「その代わり、大人しくしてなよ。」
「うっ!?・・・・・・は~い。」
さて、釘も刺したから・・・・・・安心して買い物に行ける。
自転車のかごに買った物を乗せて帰ろうとした時、
「葛城さん?」
「ん?・・・・・・あなたは・・・、ウィズのクラスメイトの・・・・・・?」
「氷川紗夜です。その・・・・・・、」
「ウィズなら少しずつ回復しているので、2日程したら登校出来るようになりますよ。」
「そうですか。・・・・・・あの、」
何?まだ何かあるの?
「・・・・・・あなたたちと話したいことがあります。」
「っ・・・・・・。」
「いつ、よろしいでしょうか?」
「・・・・・・・・・・・・。」
目を隠していれば、なんとかなるか。覚悟していれば、言われてもなんとかなるし。
それに、・・・・・・・・・・・・そろそろ色んな人と関わっていかないとな。
「僕と・・・・・・姉のウィズが同時にCiRCLEのバイトが入っている時なら、良いですよ。」
「そ、そうですか・・・・・・。私も、CiRCLEにはよく行くので、その時にお願いします。それでは。」
そう言って、氷川紗夜はこの場を去っていった。
「・・・・・・帰るか。」
ウィズに帰ったらなんて説明しようか。・・・・・・風邪が治ったらでいいか。
いかがでしたか?
今回のタイトルは映司のことですね。ウィズはちゃんとした病気なんでね。
次からは、バンドリキャラと深く関わっていきますよ。・・・・・・多分。
では、また次回!
姉弟と深く関わってほしいのは誰?(10月30日23時59分まで)
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戸山香澄
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花園たえ(※彼氏います)
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牛込りみ
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山吹沙綾
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市ヶ谷有咲