Take me to・・・   作:ENDLICHERI

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どうでもいいお知らせ:今回からしばらくの間、月曜日~金曜日に1本ずつ投稿します。







第34話 FRIENDS

 ライブの後、客席の最前列で見てた氷川さんを捕まえて、ロビーでウィズを交えて会話する事に成功した。

 

 

「まさか、僕たちのライブを最前列で見てたとは・・・。」

「すみません、まりなさんに言われて・・・。」

「でしょうね~。」

「それで、僕たちと話がしたいってことでしたけど?」

「それは・・・・・・その・・・・・・。」

 

 

なんでさらっと言えないの?・・・・・・恥ずかしがり屋さん?

 

 

「あ、あなたたちの曲について、色々聞きたくて・・・・・・。」

「曲?」

「アタシたちの?」

「はい・・・。」

 

 

氷川さんは言葉を続ける。

 

 

「あなたたちの曲は、全て自分たちで作ったオリジナルだと聞きました。素敵な・・・・・・恋の歌です。それで、」

「「・・・・・・それで?」」

「あなたたち・・・・・・()()()()()()()()()()()()()!?」

「「・・・は?」」

 

 

え?何?この人何言い出すの?

 

 

「まりなさんから姉弟だというのは聞きました。でも、姉弟だとしても近すぎませんか!?」

「あの・・・・・・なんの事ですか?」

「・・・・・・あ、もしかして・・・・・・こういう事、とか?」

「なっ・・・!?」

 

 

ウィズが人の腕に抱きつく。そんなの見せられた氷川さんが顔を真っ赤にして驚いていた。

 

 

「・・・・・・ハァ。ウィズ、離れて。」

「そうです!離れてください!」

 

 

なんで氷川さんがムキになるの?

 

 

「え~?アタシにとって映司はこういう「うるさい。」イテッ!?」

「・・・・・・あのね、ウィズとは確かに姉弟だけど、恋愛どうこうの相手ではない。姉弟で恋愛なんて、アニメや小説じゃあるまいし。」

「そ、そうですよね!」

 

 

すっごいホッとしてる・・・・・・。

 

 

「あの氷川さん。」

「は、はい?」

「よければ、僕たちと友達になっていただけませんか?」

「え?」

「うぅ・・・・・・って、え!?映司さん!?」

 

 

僕の発言で2人が驚く。

 

 

「ウィズの教室での態度を見れば分かる通り、僕たちは自ら友人を作ることはしません。・・・・・・いえ、出来なくなってます。」

「・・・?」

「でも、こんなウィズに何度も話しかけてくれるあなたを《信じて》、僕からお願いします。」

「・・・・・・。」

「せめて、ウィズとだけでも良いので。」

「ちょっと、映司・・・・・・。」

 

 

僕は氷川さんに頭を下げる。

 

 

「映司、もう「葛城さん。」・・・っ!」

「・・・・・・映司さん、でよろしいですか?」

「は、はい・・・。」

「私で良ければ、お2人と・・・。」

 

 

僕は頭を一度上げ、氷川さんから差し出された手を見る。その意味が『OK』って意味だと知っていた。

 

 

「ありがとうございます。」

「いえ。・・・・・・それと、ウィズさんでよろしいですか?」

「・・・・・・映司も同じ名字だから、それでいいです。」

「分かりました。では、ウィズさん。私と友達になってください。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「ん?・・・・・・ウィズ?」

「その前に1つ。」

 

 

ウィズが珍しく、真剣な感じで話し始めた。

 

 

「アタシたちの過去を知って、それでも尚、友達になる気があるか、それで決めさせてもらうよ。」

「っ!」

「・・・・・・過去?」

 

 

まさか、ウィズが昔の話を持ち出してくるとは・・・・・・。

 

 ウィズは僕たちの事を話し始めた。僕の目で他人から嫌われてきた事、親からも見捨てられた事、どうしてここに来たのかって事を、全て話した。

 

 

「・・・・・・これが、アタシたちの過去。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「こんな過去持った人間と仲良くなったとしても、アナタはほぼずっと、心から信頼される事は無い。」

「・・・・・・ごめんなさい!」

 

「「・・・え?」」

 

 

僕たちは、また彼女の発言に驚いてしまった。・・・・・・あ、僕も一応左目は見せた。

 

 

「まさか、あなたたちにそんな事があったとも知らずに簡単に『友達になりたい』なんて思ってしまって・・・・・・。」

 

 

・・・・・・なんだろう、若干デジャヴを感じてる僕がいる・・・。

 

 

「ですが、それでも私はあなた《たち》と仲良くなりたいんです。」

「・・・・・・だってさ、ウィズ。どうする?」

「・・・・・・分かった。出来る限り、裏切らないでよ?」

「っ!・・・・・・はい!」

 

 

・・・・・・これさ、絶対僕と晴斗の展開を流用しただけでしょ!?

 

 

「・・・・・・さてと、そんな姉弟の過去を盗み聞きしてた方。」

「ギクッ!?」

「この話、大人相手だと高いよ?・・・・・・ま・り・な・さ・ん?」

「え!?ちょっ、映司さん!?」

 

 

これで、次回の給料は少し高くなったかな?

 

これでウィズも、1歩歩み出した訳だ。昔みたいに・・・・・・いや、昔以上に明るい生活が送れるといいな。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルはご存知の通りです。・・・・・・まぁ、『紗夜から見たら』だけどね。『S』が付いてるし。


では、また次回!

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