Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
アタシたちの前に現れた、映司のお母さん。・・・・・・アタシからすればお義母さんって言うべきだけど。
「映司、ウィズ、お母さんの所に来なさい。」
「・・・・・・っ!映司・・・?」
「・・・・・・・・・・・・。」
本人からすれば優しく微笑んでいるのだろうけど、アタシからすればその微笑みは怖かった。
それを察したのか、映司がアタシを守るようにアタシの前に立った。
「・・・・・・映司、なんのつもり?」
「あなたこそ、何が目的?」
「決まってるでしょ。あなたたちを家に連れて帰るのよ。」
「・・・・・・嘘だ。」
「はい?」
「え、映司・・・?」
なんで映司がそんな事を言ったのか、アタシには分からなかった。でも、すぐに映司が答えてくれた。
「あなたは人生の汚点である僕を牢屋にでも入れて閉じ込める気でしょ?・・・・・・もしくは、今ここで僕を
「え・・・!?」
映司が答えを言っても、アタシにはすぐに理解出来なかった。・・・・・・いえ、
「・・・・・・ふふふっ、ハハハハハッ!!正解だよ、出来損ない!でも・・・・・・なんでそんな風に思ったのかしら?」
「あなたの下を離れた後、色々調べたんだ。そしたら、あなたが大手企業の社長だって事を知った。だったら、僕を閉じ込めたり、無き者にしようとするのは当然だ。こんな化け物の目を持った子供なんて・・・・・・。」
「へぇ~、あんたでも成長出来たんだ~。ま、ここで
その言葉が合図だったのか、横のスーツを着た男たちが映司に仕掛ける。
「ウィズ、下がってろ!」
「う、うん・・・!」
アタシは少し下がり、映司はこの広い部屋を存分に使い反撃に出ようとする。
「フッ!」
「グッ!?・・・・・・この!」
「遅い。」
「ガフッ!グハッ!」
でも、2vs1の勝負に映司が優勢になるはずが無かった。
「これで、終わりだ。」
男が映司の後頭部を掴んでそのまま映司の顔を壁に打ち付けようとする。
「くっ!」
「何っ!?」
「あんたが食らえ!」
「ガッ!?」
上手く男から逃げつつ、男の顔面を壁に打ち付けた映司。さらに、肩で息をしながらもう1人に向かって走り出し、
「・・・・・・このっ!」
「グッ!?」
高くジャンプして飛び膝蹴りをかまし、男を倒す。
「じゃ、寝てろ!」
「グハッ!?」
トドメとして、腹部に重たいパンチを打ち込んだ。男たちは気を失っていた。
「そんな・・・!」
「お母さん。僕はあなたに感謝してる事がある。」
「・・・・・・何よ?」
「1つは、僕を産んでくれたこと。もう1つは、あなたが再婚してウィズに会わせてくれたこと。」
「だったら、「でも!」・・・っ!」
映司の言葉はまだ終わってなかった。
「それ以外、あなたに感謝することは無い。だから、」
映司は真っ直ぐお義母さんを見て、決別の言葉を言い放った。
「
「ちょっ、映司!?」
普段聞き慣れない映司のセリフに困惑しちゃったけど、それよりも『クソババァ』って言われた方は・・・・・・、
「・・・・・・上等じゃない!あんたなんかもう息子でもなんでもないわ!ここで消してやる!!」
めちゃくちゃキレてました・・・・・・。
怒りに身を任せたお義母さん・・・・・・いや、もうおばさんでいいや。おばさんの拳を、映司は普通にかわしたけど、
「っ!映司!」
「っ!イッテ・・・!」
振り返った映司が後退りして、右腕を押さえた。
そして、おばさんの右手には『サバイバルナイフ』があった。
「くっ・・・、ホントに性根が腐ってんだな。」
「これが、大人の世界の生き方よ!」
「あっそ。」
ナイフを映司に向けて走り出すおばさんに、映司はずっと忍ばせていた『エアガン』を取り出し、見事におばさんの右手に命中させた。
「イタッ!?」
「・・・フッ!」
「イッ!?・・・・・・グッ!?」
ナイフが落ちた隙におばさんの頭に映司が蹴りを打ち込み、おばさんは壁に体を打ち付けて倒れた。
「はぁ・・・、はぁ・・・、ウィズ、大丈夫か・・・?」
アタシを心配して映司がこっちに来る。だけど、アタシは映司の後ろにいる人影を見つけてしまった。
「・・・っ!映司、後ろ!」
「・・・・・・っ!」
その瞬間、アタシの見える世界が遅くなった。
まるでドラマとかで聞く体に刃物が刺さった音が聞こえた。
アタシに背中を向ける映司。アタシの位置からギリギリ映司の腹部が見えた。
そこに、あの女が
「・・・・・・グフッ!?」
「・・・・・・映司ーーー!!」
アタシはただ、大好きな映司の名前を叫ぶ事しか、出来なかった・・・・・・。
いかがでしたか?
今回のタイトル、英語部分は知ってる人もいると思いますが『情熱』です。『破滅的な情熱』・・・・・・破滅的なのがいたからね。
では、また次回!
後書きって読んでいます?(39話投稿日の23時59分まで)
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