Take me to・・・   作:ENDLICHERI

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第41話 walk on...

アタシが意識を取り戻して一夜が明けた。隣を見ると、映司はまだ目を覚まさない。

 

 

「・・・・・・映司・・・。」

 

 

ボソッと呟く声も、今の映司には届かない。すると、病室の扉を誰かがノックした。

 

 

「?・・・・・・どうぞ。」

 

「失礼しまーす。」

「し、失礼します・・・。」

 

 

黒髪の人は分からないけど、水色髪の方・・・・・・確か、松原さんは見覚えがあった。

 

 

「ウィズちゃん、もう起きても大丈夫なの?」

「え?・・・・・・あぁ。はい、この部屋だけならまだなんとか・・・。」

 

 

ウィズちゃんって・・・、アタシそんなに仲が良かったっけ?

 

 

「これ、差し入れです。良かったら食べてください。」

 

 

渡されたのはフルーツではなく、何故かお菓子だった。

 

 

「・・・・・・あの、なんでお菓子?」

「あはは・・・、うちのこころとはぐみが犯人でして・・・。」

 

 

こころ?はぐみ?・・・・・・思い出した!『ハロー、ハッピーワールド!』だ!・・・・・・ん?じゃあこの黒髪の人は、あのクマの中の人?

 

 

「弟さん、まだ意識戻らないの?」

「はい。・・・・・・ん?あれ?アタシ松原さんに『映司がアタシの弟』って教えましたっけ?」

「ううん、紗夜ちゃんから聞いたの。」

 

 

あの人か・・・!?

 

 

「紗夜ちゃんから聞いて、お見舞いに来たの。」

「・・・・・・それはいいですけど、なんでお2人で?」

「花音さんが方向音痴なので、あたしが一緒に来たんです。・・・・・・他のメンバーだと病院に迷惑だと思って・・・。」

 

 

あはは・・・。アナタたちのライブを一度見たことあるけど、鳩出すほどのパフォーマンスしてるバンドだからね~。

 

 

「それでは花音さん、そろそろ行きますか?」

「え?これだけ?」

「うん・・・。2人の様子を見に行きたいって理由で美咲ちゃんに一緒に来てもらっただけだから。また来るね。」

 

 

そう、なんだ・・・。

 

 

(ウィズも、変わるために友達の1人くらい、作ってみたら?)

 

 

・・・・・・もう!なんでこんな時に映司のあの言葉が浮かぶのかな!?・・・・・・でも、

 

 

「・・・・・・あの!」

「?・・・・・・はい?」

「どうしたの?」

「その・・・・・・もう少し、いてくれる?」

「・・・・・・え?」

「映司が目を覚ますのがいつか分からないし、・・・・・・その、1人でいるのもアレだし・・・。」

「・・・・・・美咲ちゃん、いい?」

「ええ、いいですよ。」

 

 

2人が扉から離れ、アタシの方にやって来た。

 

アタシも変わるために、まずはこの2人と仲良くなってみよう。・・・・・・思ったより話が弾んでる。

 

 

「ウィズさんって、裁縫とか出来るんですか?」

「まぁ・・・、人並みには。」

「美咲ちゃんね、羊毛フェルトが出来るんだよ。」

「羊毛フェルト?」

「はい。・・・・・・こんなのです。」

 

 

え!?こんなの作れるの!?・・・・・・ピンクの、クマ?

 

 

「もしかして、ウィズさんも出来るんじゃないですか?」

「分からない。・・・・・・やり方知らないし。」

「良かったら、教えますよ。病院にいる間の時間潰し程度にはなると思うので。」

 

 

って事で美咲先生による羊毛フェルト講座がスタート!・・・・・・なんで花音さんも参加してるの?

 

あ!いらない情報を言うと、固定されてる左手に右手を近付けて作業してまーす。

 

 

「ウィズさん上手ですね。」

「え?そうなの?」

「はい。筋が良いって言えばいいのかな・・・?」

 

 

意外と裁縫向いてるのかな?

 

 

「それはそうと、花音さんは何を?」

「クラゲだよ。」

 

 

・・・は?

 

 

「花音さん、クラゲが好きで羊毛フェルトで作るんだって。」

 

 

いやいや、『クラゲが好き』までなら別にいいけど、それを羊毛フェルトで!?

 

 

「なかなか難しいんだよ。あのカーブの部分が・・・。」

 

ほら、なかなか話に入りにくいでしょ?

入りにくいけど、花音さんってそんなキャラだった?

あたしも、最初は違うと思ってたんですけど、最近クラゲに触るほどのことをやってるので、かなりキャラが崩壊してるかと。

 

 

いやいやいやいや、クラゲ触るのはダメだよ!?この人何考えてるのさ!?

 

 

「・・・・・・あ、もうこんな時間。」

「え?・・・・・・あ、本当だ。」

 

 

空も既に夕焼けで赤いし。

 

 

「2人共ごめんなさい。長々と付き合わせちゃって・・・。」

「ううん、私も楽しかったから。」

「あたしも。今度は映司さんとも色々話したいので。それでは、また。」

「ありがとう。・・・・・・あの!」

「はい?」

えっと・・・・・・、アタシと、友達になってくれますか・・・?」

「うん、いいよ。よろしくねウィズちゃん。」

「あたしも、よろしくお願いします。」

 

 

こうして、アタシの友達が・・・・・・映司の知らぬ間に増えた。

 

まずは、CiRCLEによく来るバンドの人たちと仲良くなってみようかな?

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は『歩く』って意味ですが、これはウィズが人を信じるために歩きだしたって意味って感じで捉えてください。

それと、前回のアンケートですが、『見てない』に票を入れた人がいて『正直者ね~・・・。』と思ってました。・・・・・・オチはありません。


では、また次回!そろそろ誰か評価してー!バーに色を付けたいのー!
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