Take me to・・・   作:ENDLICHERI

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第48話 Re:birth day

 沙綾さんと有咲さん、それから楓さんには少し離れていただいて、僕たちは前回最後に現れた人物と話を始める。

 

 

「久しぶりだね。元気にしてたかい?」

「・・・・・・はい。お久しぶりです、お義父さん。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

横にいるウィズは、ずっと黙っている。怒りのようなオーラを感じるのは、僕だけじゃないはずだ。

 

 

「やっぱり、嫌われてるよな~。」

当然でしょ・・・。『連絡する』って言ったアンタが、一切連絡しなかったからね!

 

 

ウィズが心に溜めていたであろう言葉を口にし始めた。

 

 

携帯の使い方を知らなかったアタシたちに渡すだけ渡して、連絡しなかった!そんな人間が平気な顔してアタシたちに会いに来たんだから!

「ウィズ・・・・・・。」

 

 

ウィズは体が弱い方だ。でも、あの頃はウィズがずっと僕を守ってくれた。そんなウィズも、この人から連絡から来ることを信じていた。

 

 

「・・・・・・ごめん。」

「・・・っ!そんな言葉で済むんだったら・・・・・・アタシは怒ってないわよ!

 

 

ウィズの怒りは、収まらない。

 

 

だったらあの女の目を盗んで連絡しなさいよ!・・・・・・どれだけアタシたちが苦労したと思ってるの・・・。」

「本当に申し訳なく思っている。でも、連絡をしなかったのは、()()()()()()()()だったんだ。」

「・・・・・・え?」

「どういう事ですか?」

「・・・・・・彼女は、君たちがいなくなった後にすぐ僕を疑った。そして、1日に3回くらい僕の携帯の着信・発信履歴を確認していた。だから、連絡も出来ずにいたんだ。・・・・・・ごめん。」

 

 

あの人は、そこまで僕を・・・・・・。ってか、ただの縛りの強い女の行動じゃない、それ?

 

 

「分かりました、許しますよ。あの人の監視下にいたのなら仕方ないですね。」

「・・・っ!ありがとう、映司君。」

 

 

残念ながら、僕はこの人に悪い印象はあまり持っていない。連絡が無かったのも、あの人の近くにいたからと思っていたしね。

 

 

「それで、僕たちの医療費はどこから払ったんですか?」

「君のお母さんが社長を務める場所から。」

 

 

おいおい・・・・・・。

 それより、ウィズ(こっち)をなんとかしないとな・・・。

 

「ウィズ。」

「・・・・・・え、いじ・・・?」

「僕たちの辛い人生は、今日で終わりだ。だから、ウィズもお父さんの事を許して、ね?」

「・・・・・・うん・・・。」

「ほら、ハンカチ。綺麗な顔が台無しだよ?」

 

 

ウィズは首を縦に振って、ハンカチを受け取り、涙を拭う。

 

 

「映司君、本当にありがとう。」

「いえ。・・・・・・ウィズにはこれまで守られっぱなしだったので。このくらいはしますよ。」

「そうか・・・。君なら、ウィズの隣に相応しいね。」

 

 

・・・うん?

 

 

「あの・・・、今なんて?」

「うん?・・・・・・『君ならウィズの婚約者に相応しい』って言ったんだが?」

 

 

・・・は?

 

 

「いやいや!確かに僕たちは義理の姉弟だけど、「~~~!!」・・・・・・ん?」

 

 

なかなか表現のしにくい音が後ろから聞こえてくると思って、後ろを向くと、ウィズが僕のハンカチで鼻をかんでいた。

 

 

「・・・・・・僕、こんなお嬢さんと婚約はちょっと遠慮したいですね。」

「・・・・・・ウィズ、もうちょっとデリカシーを覚えようか?」

「・・・・・・ふぇ?」

 

 

その間抜けな返事に、僕は限界を迎えたんだろう。

 

 

「ウィズ、覚悟はいいか?」『Are You Ready?』

「え?映司さん、バキバキ拳を鳴らさないで!そんな覚悟したくありません!」

「うっさい。今どつくから・・・・・・そこ動くなよ!」『オーバーフロー!』

「ちょままー!」『ヤベーイ!』

 

「くしゅん!誰か噂して・・・・・・何してんだ?」

「退院してすぐがこれなの?」

「あはは・・・・・・。」

 

 

今日、僕は母親の呪縛から解放され、新しい人生を迎えた。

 

 綺麗に締まらないけどね・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトル、見覚えありますよね~。無かったらYouたちは何を見ているのかしら?
映司がある意味『生まれ変わった日』ってことでね、このタイトルを付けました。
これでも、この作品のサブタイを付ける時のルールには当てはまっているんです。・・・・・・これで察したんじゃない?今までのタイトルがどこから来たのか?

それと・・・・・・知らない人は気にしなくていいですが、別作品ネタぶちこんですんません!考えながら書いてたら書いちゃったのよ~。


では、また次回!

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