Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
僕たちは、姉弟揃ってバイトをしている。今住んでるマンションの家賃を払うためと、生活費を稼ぐためだ。そのために家賃代や生活費の計算を・・・・・・僕がしている。ウィズはそういうのが苦手だ。僕が管理してるから、私生活で使えるお金もそれぞれの懐に分配している。
「映司~!」(泣)
「何?」
「アタシね、今月厳しいの~!」(泣)
「うん。」
「だからね~、ジュース
僕は片手にカフェオレを2本持ってレジに向かおうとしていた。でも、ウィズがそれを遮る。
「あのね、『負けたら勝った方にジュース奢り』って言ったのはウィズだよ。」
「普通1本でしょ!?その辺は常識でしょ!?」(怒)
なんで僕が『非常識人』扱いされないといけないの?それと、泣きながら怒るな、忙しい。
「ウィズ、考え方を変えてみたら?」
「ふぇ?」
なんで本当に涙目になってるの?
「1本はさっきの賭け分で、もう1本は今年入ってから今日までの交通費。こう考えればもう1本のジュース代は安いでしょ?」
「・・・・・・確かに。」
まぁ、ただ2本買いたかっただけなんだけど。
「それじゃ
「・・・!仕方ないな~!」ニヤニヤ
最近のウィズは『お姉ちゃん』って言えばほとんどOKする。・・・・・・多分、僕のせいでこうなったんだろうけど。
「お待たせ~!」
「ありがとう。・・・・・・って、なんで自分のも買ってるんだよ?」
「自分へのご褒美~!」
「あっそ。」
コンビニから出て、自転車に乗って待ってた僕はウィズに買わせたカフェオレを自転車のかごに乗せて帰ろうとした時、
「葛城さん?」
「「ん?」」
誰かに声をかけられた。しかも、『葛城』と言われたら、どっちも葛城だから両方反応するに決まってる。
「あなた・・・・・・確か、氷川さんでしたっけ?」
「はい。クラスメイトなので、名前くらいは覚えてください。」
「ごめんなさい。・・・・・・それで、何か用があるんですか?アタシに。」
僕は最近、ウィズが他の人と会話してるところを見てないから分からなかったけど、僕と話す時より声のトーンが低い。
「い、いえ・・・。ただ、こんな遅い時間まで何をしていたのかと思って・・・。」
「だったら、それはアナタにも言えることですよ。こんな遅くまで何してたのかって。それとも、自分は正しいことしてるから怒られないと?」
「それは・・・・・・。」
正直、僕は蚊帳の外だ。さっさと帰りたい。
「・・・・・・ま、アタシにはどうでもいいことですけど。映司、行こ。」
「・・・・・・了解。」
僕は自転車を漕ぎ始める。自宅を目指して。
「・・・・・・さっきの、アタシのクラスメイトなの。」
「会話を聞いてたから知ってる。それに、・・・・・・あの人の背負ってたのは、」
「うん。・・・・・・ギターケースだったね。」
いつもならウィズから会話がマシンガンのように来るのに、今日は静かだった。
「そうだ!久しぶりにセッションしない?」
「唐突だな。」
「いいじゃん!たまにはセッションしようよ!」
「ウィズはしばらく弾いてないみたいだけど、腕が鈍っていなければちゃんと1曲セッションするよ。」
「・・・・・・映司、」
「何?」
「言葉ってね、時には刃になるんだよ。」
「まさか、さっきその刃を放ったウィズの口からそんな言葉が聞けるとは・・・。」
「何よ!?」
「なんでもない・・・・・・。」
その後、夕食後に圧をかけられながらセッションしたのは・・・・・・あまり話したくない。
いかがでしたか?今回のタイトルは『言葉の刃』って意味です。内容的に分かると思いますが。
そして、主要バンドリキャラがようやく喋りました!・・・・・・ホントこんなタイミングですんません!
では、また次回!