Take me to・・・   作:ENDLICHERI

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第6話 DISTANCE

高校生活2年目が始まり数日。僕は他の人たちと広く浅く・・・・・・どころか、全く接していない。たかが1年、それを過ぎれば誰も連絡なんて取り合わない。これが今の世の中だからだ。

 

 

 

「これで、どうよ!!」

 

「残念でーした!!」

 

「お前エグイな!!」

 

 

 

男共は前の方ではスマホゲームで明け暮れていてはしゃいでいるだけだから、絡む気にもならないが。

 

 

 

「1人で昼食?」

 

「・・・?」

 

 

 

ただ、この人は違う。『黒崎晴斗』は席が隣なだけでずっと僕に絡んでくる。この前あんな事を言ったのに。

 

 

 

「1人で食べるより、大勢で食べた方が美味しいよ?」

 

「・・・・・・そんな事は知っています。ですが、僕に『あそこで食え』と言っているのですか?」

 

「ん?・・・・・・あ、いや、そういう訳ではないけど。」

 

 

 

僕が一瞬目線を送った先はゲーム三昧の男たちだ。彼はすぐに察したのか否定した。

 

 

 

「でしたら、あなたにも一緒に昼食を食べる人がいるはずです。その人と食べてください。」

 

「僕たちは似ていると思うんだけど・・・、ってどこ行くの!?」

 

「付いてこないでください。」

 

 

 

僕は教室を離れて、屋上に向かう。この学校は屋上が開放されているため、誰が入ってもいいようになっている。でも、ここに来る人は少ない。だから、僕にとっては一番落ち着く場所だ。

 

 

 

「ふぅ~。・・・・・・ん?」

 

 

 

昼食を食べ終え、授業時間までのんびりくつろいでいると、屋上の扉が開いた。

 

 

 

「・・・・・・あ、初めまして・・・。」

 

「・・・・・・。」コクリ

 

 

 

僕が通っている学校は男子はネクタイ、女子はリボンの色が学年によって違う。去年1年間見た色だから、今屋上に来た男子生徒は1年生だ。

 

 

 

「あ、あの・・・。」

 

「ん?」

 

 

 

1年生が僕に話しかけてきた。

 

 

 

「ここって、入っても大丈夫です・・・・・・よね?」

 

「?・・・・・・えぇ。人気は無いけど、入って問題は無いよ。」

 

「そうなんですね。・・・・・・先輩、ですよね?」

 

「はい、そうですが・・・。」

 

 

 

あまり絡まれたくないんだけどな・・・。そこそこの対応して、立ち去ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始業式からしばらく経って、なんとか新しい環境に慣れてきたけど、

 

 

 

(お昼、教室で食べるのはな~・・・。)

 

 

 

かといって、中庭で食べるのも嫌だし・・・。

 

 

 

(あ!屋上行こっと!)

 

 

 

アタシは弁当箱を持って教室を出ようとすると、

 

 

 

「葛城さん。」

 

「っ!・・・・・・なんですか?氷川さん。」

 

 

 

また氷川さんが絡んできた。

 

 

 

「どちらに行かれるのですか?」

 

「・・・・・・アナタには関係ないですよね?」

 

「そ、それは・・・。」

 

 

 

その隙にアタシは屋上に行く。

 

 

 

(誰もいない。しばらくここで弁当食べよ♪)

 

 

 

この時のアタシは知らなかった。氷川さんの他に・・・・・・もう1人、別の人物に気にされていたことを。




いかがでしたか?今回のタイトルの意味は『距離』や『隔たり』って意味です。

ちなみに、弁当・・・・・・っていうか、家事はウィズが担当しています。なので、映司の弁当箱はナレーションでも触れられないほど他人に見せたくない弁当となっています。・・・・・・ご想像におまかせします。

それと、双方に新たに絡もうとしてるキャラたち、誰でしょうね~?ヒントは、映司の方は晴斗の一個下の生徒、ウィズの方は紗夜と同じクラスの生徒です。


では、また次回!

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