Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
ライブも終わり、ロビーのソファーで僕は休憩していた。
「お疲れ。間違えちゃったね?」
「楓さん・・・・・・。えぇ、すぐに歌詞は全部出てきませんよ。」
「はい、コーヒーで良かった?」
「はい、大丈夫ですよ。」
僕は楓さんから缶コーヒーを貰った。
「映司さ~ん!」
「ん?」
僕の名前を呼ぶ声が聞こえた方を見ると、『NOASIS』の4人とウィズがこっちに向かってきていた。
「映司さん!俺たち、かなり映司さんたちのライブに貢献出来てますよね!?」
「・・・・・・光一は『少しでも失敗したらクビにされる』とでも思っているの?」
「「当たり前です!」」
おー、吏佐までも・・・・・・。それから、2人共顔が近い。
「そこまで人が悪かったら、僕は既に4人とは縁を切ってるよ。」
「「え?」」
「僕は4人が努力家で、才能もあることを僕は知ってる。逆に、僕が『他の場所に取られるのではないか?』と心配するくらいだよ。」
「「映司さ~ん・・・・・・!!」」
「ごめん、抱きつくのは無しで。」
「「今の感動を返せーーー!!」」
彼らといると、『なんでもっと早く仲良くならなかったのだろう?』と思ってしまう・・・・・・。過去のことを今言っても、どうしようもないけど。
「ほら2人共、片付け手伝ってよ。」
「むぅ・・・・・・。」
「イイじゃん!ようやく映司さんと仲良くなれたんだから!・・・・・・うん?え?」
あれ?彩紗?
「はい、行くよー。」
「にゃ~。・・・・・・って、私は猫じゃな~い!」
「ほら、光一も。」
「俺まで襟を掴むなよ!」
・・・・・・まるで、光一と吏佐が猫みたいだ・・・。
「・・・・・・映司、何か言わないの?」
「何かって?」
「アタシがあんなジャンルの曲を歌ったのに・・・。」
「ウィズがやりたいんでしょ?だったら、僕は何も言わないよ。ウィズがやりたい事に口は出さない。・・・・・・応援はするけど。」
「・・・・・・そっか。そうなのね、ありがとう。いや~、持つべきは頼りになる弟だね~♪」
「どういう意味だよ・・・?あ、でも
「アタシを押し付け常習犯みたいに言わないで!」
「ちょっと失礼。」
僕たちに声をかけてきたのは、帽子を被った1人の男性だった。
「君たちが、先程ライブをしていた『Quartzer』でいいのかな?」
「・・・・・・はい。」
僕たちはこの人を知らない。だからか、少しばかりの警戒心が出ている。
「・・・・・・・・・・・・。」
それは多分、ウィズも同じだ。
「心配しなくてもいい。君たちをスカウトしに来ただけだよ。」
「スカウト・・・・・・?」
「建さん、そんな悪徳な雰囲気でスカウトしたら、怪しいって。」
「ん?・・・・・・蒼空君、こんなとこにいたのかい?」
どうやら、蒼空さんの知り合いのようだ。・・・・・・ってか、蒼空さんいつの間に?
「自分から言いそうにないから紹介するよ。この人は『
「怪しい雰囲気でごめんね。」
あ、自覚あったんだ・・・・・・。
「でも、『スカウト』っていうのは本当なんだ。」
「え?」
「どういう事ですか?」
「僕たちが4月から作る新しい事務所のアーティストにならないか?」
・・・・・・それって、『芸能人にならないか?』って意味だよな?
「それって、『芸能人にならないか?』って意味ですか?」
楓さん、僕が思ってたことをそのまま言ったよ・・・・・・。
「そうだよ、僕は君たちの音楽を気に入ってね。・・・・・・どうかな?」
・・・・・・いつもなら騒がしいウィズが大人しい。やっぱり、まだ警戒してるよな・・・。
「・・・・・・一晩考えさせてください。」
「大丈夫だよ、一晩じゃなくても。・・・・・・無理なら無理で構わない。それじゃあ、気持ちが決まったらこの電話番号に連絡して。」
それだけ言って、建さんは去っていった。
「・・・・・・蒼空さん、聞きたいことがあります。」
「建さんたちのことか?」
「はい。」
僕たちは、蒼空さんから色々と知りたいことを聞き出していた。
今回のタイトルの意味、『教えてください』ですって。
・・・・・・最近、面倒になったので、いつもの台詞書きません。