Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
4月に入って2日が過ぎた。飲み込みが早い4人は既に担当業務をほぼマスターしていた。
「・・・・・・・・・・・・。」
「剛、そろそろ休憩にしないの?」
「・・・・・・・・・・・・。」
剛は仕事熱心なんだが、集中し過ぎると周りの音が聞こえなくなるようだ。
「剛、ちょっといいか?」トントン
「?・・・・・・あ、映司さん。すみません、気付かなくて。」
「気にしなくていいよ。それだけ集中してたんだから。それより、そろそろ休憩の時間だよ?」
「え?・・・・・・あ、本当ですね。あとちょっとでこれが終わるので、少し待ってください。」
「ん?」
剛がパソコンに向かって何かしている。まりなさんからの指示らしいけど、僕はその内容を知らない。少し覗いてみると、どこかのサイトのページだった。
「剛、これは?」
「CiRCLEのスタッフブログのページです。僕がこれを担当することになりまして・・・・・・。あ、でも名前は伏せてありますよ。」
「またなんでそんな事を始めたんだろう?」
「まりなさん曰く、『最近ガールズバンドが増えて、うちを利用するお客さんも増えたから、色々宣伝しないと!』だそうです。」
あ、そうですか。でも、最近お客さんが増えている理由はなんとなく分かる。常連の『Poppin'Party』ら5バンドが合同ライブが成功したからな。・・・・・・温泉にはならなかったけど。
「あとはアップするだけなんですけど・・・・・・。」
「それ、あたしがやりますよ。」
「彩紗、いたのか。」
いつの間に・・・・・・。しかも、話も聞いてたのか?
「大丈夫だよ、すぐ終わるから。」
「アップするだけならあたしでも出来る。ほら、行った行った。」
「だけど・・・・・・。」
真面目だね~。
「剛、行ってこい。これは先輩からの命令だ。」
「・・・・・・ズルいですよ、その言い方。」
「そんな先輩も休憩行ってくださいね。」
「え?」
「ジー・・・・・・。」
「あ、はい。」
彩紗もあんなジト目するんだ。・・・・・・やっぱり女子には逆らえないものなのかね~?
そんなこんなで、一緒に休憩に入ったのだが・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・。」
剛との会話は一切無かった。
「・・・・・・気持ちが休まないなら、僕は別場所で休憩するけど?」
「・・・・・・え?あ!そんな必要はないですよ!・・・・・・ただ、」
「ただ?」
「・・・・・・たまに羨ましく思うんです、光一と吏佐が。」
またなんでその2人だよ・・・・・・?黙って聞いておこう。
「2人はあんな性格だから映司さんとも会話が続く。でも、僕の性格上長話が出来なくて、何を話したらいいか分からなくて・・・・・・。」
「それで、黙っていた訳?」
「・・・・・・。」コクリ
真面目も度を超えると厄介だな・・・。
「剛は考えすぎだよ。」
「え?」
「僕だってウィズや光一、吏佐が羨ましく思うさ。『なんであんなに上手く人と接することが出来るんだろう?』ってね。でも、ライブのMC中もそうだけど、最近は自分のペースで会話するようにしてるんだ。」
「自分のペースで?」
「そう。剛ってさ、相手に合わせようとしてるでしょ?」
「っ・・・!?」
あ、図星だね?
「確かに、僕だって今もまだ相手に合わせようとしてるよ。でも、基本は自分のペースで話すようにしてるんだ。仲のいい相手なら、自分がどういう人間かも知ってるでしょ?」
「・・・・・・確かに。映司さんはあまり喋らないのに、ウィズさんとのMC中は長話になってる。」
さらっと失敬だね、君。
「だからさ、剛は剛のペースを軸に話せばいいんだよ。だったら試しに、僕で練習してみる?」
「え、映司さんで?」
「うん、僕も救われた身だから、誰かの手助けをしたくてね。」
「・・・・・・では、お願いしてもいいですか?」
「もちろん。」
それからの休憩時間は、ずっと剛と話していた。
今回は剛をメインとしたお話でした。・・・・・・特に書くことないねん、後書きが。