Take me to・・・   作:ENDLICHERI

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第90話 君のためのうた

 

 

 Poppin'Partyの主催ライブから数日が経った。僕たちの1stシングルも発売された。

 

「う~ん、ちょっと照明が雑じゃない?」

 

学校としてはもうすぐ夏休みだけど、僕としては夏休み入ってすぐにライブがあるから、少し忙しくなってきた。

 

「さっきのBメロ部分が特にひどいかな?」

 

・・・・・・このセリフを見るだけで分かる通り、絶賛リクエストを言いまくっている。

 

「ちょっと休憩しますか?」

「う~ん、そうだね。ちなみに頭が・・・・・・。」

「分かりました。それでは、しばらく休憩入りまーす!」

 

今はライブ会場でリハをしている。僕はステージに上がったり降りたりを繰り返して、ステージ演出にかなり口を出している。

 

「お疲れ。いつも通りだね?」

「ウィズも、いつも通り音にこだわってるようだね?」

「アタシはライブするなら音にこだわる派だからね~。」

 

ウィズも、ステージが完成してから細かい部分の音楽による演出で口を出している。

 

「そうだ!午後からはポピパたちも来るんだよね?」

「うん、各バンドのステージを使った段取りをするんだって。」

「あ!それで思い出したんだけど、AfterglowとRoseliaを入れ換えたんだって?」

「そうだよ。ちょっと演出上、そうした方がいいかなって。スタッフたちや本人たちにも話は済んでいるから、今は深く気にすることではないけど。」

「そうなのねー・・・・・・。」

 

何、その疑いの目は?

 ただ、この変更には少し理由がある。

 

 

 

 

 

「私たちの順番を変える?」

「あたしたちの方が先って話だったのに、どういう事ですか?」

 

それは、今から4日ほど前。スタッフのお偉いさんと、2バンドとの話し合って決めた時のこと。

 

「僕の思い付きなんですけど、Roseliaさんに僕が書いてる曲を演奏してほしいんです。」

「私たちに・・・?」

「理由を教えてください。Afterglowではなく、Roseliaを選んだ理由を。」

「・・・・・・最近、ウィズが蒼空さんのところによく行っていると聞きました。」

「え、えぇ。燐子もそう言ってたわ。」

「多分、蒼空さんの『突発性難聴』について、知ろうとしてるんじゃないか、と思っています。そんなウィズに詞を書いてもらおうと思っています。」

「難聴の蒼空と絡みの多い私たちに、蒼空とウィズさんに届けたい。そして、ウィズさんに詞を書いてもらおうとしてる。」

「はい。」

 

最近、仕事がない日にウィズはよく蒼空さんのところに行っているらしい。理由は、僕以外の人の心の痛みを理解できるようになりたい、だそうだ。そこで、『突発性難聴』になった蒼空さんの話を聞いているそうだ。

 そんな理由から、今回の案が思い浮かんだ。

 

「そういう理由なら、承諾しますよ。あたしは。」

「そうね。蒼空には世話になってるから、恩返しも兼ねて、Roseliaもその意見に賛成するわ。」

「・・・・・・っ!ありがとう。」

 

 

 

 

 

 ちなみに、新曲の件については、まだウィズに話してない。サプライズにする予定だ。

 

「そろそろ休憩終わりまーす!」

「は~い!さ、行こっか?」

「うん。」

 

その後、各バンドのリハでも、僕たちはかなり口を出して、一部のメンバーから白い目で見られたのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 




え~、ポピパの主催ライブはカットしました。理由?『面倒くさい』に決まってるでしょ!!・・・・・・アタシは何人に裁かれるんだろうか?

それから、次回からライブ編となります。予定としては、4話くらい使う予定です。そして、全て書き終えたら更新します。

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