Take me to・・・   作:ENDLICHERI

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はい、お待たせしました。

長すぎるので、一度に投稿するのを止めました。・・・・・・アタシ、気分屋だからね。

では、スタッフ視点からお送りします。







第91話 -1- Over“Quartzer”

 

 

 ライブが始まる5分前、我々スタッフと出演者が全員、ステージの後ろで円となっていた。・・・・・・スタッフで集まれる人間は、だが。

 

「え~、今日が、Quartzerの1stライブとなります。皆さん、悔いのないように全力で楽しみましょう!」

『はい!』

 

ウィズさんのコメントが終わった後、映司君のコメントが始まる。

 

「今日、わりと多くのお客さんが来ていますけど、気にせずに、このライブを楽しみましょう!」

 

そのコメントには少し笑いが起きる。

 

「それでは皆さん、スタンバイお願いします!!」

 

全員がそれぞれの持ち場に着き、ライブが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会場が暗くなり、武田建率いるサポートバンドの演奏が始まる。約4分間、観客全員をQuartzerの世界へ引きずり込もうと、会場にその音たちを蔓延させる。

 そして、音が止むと同時に、『Over“Quartzer”』が始まる。

 

(映司・ウィズ)Now,Over“Quartzer” 時の雨 擦り抜けて 共に

  You,Over“Quartzer” 未来を超えよう

  過去の意志は嘘では欺けない 感じろ そうNexus Future

  NowOver“Quartzer” 目映い世界 魅せて

 

ステージから登場ではなく、会場中央付近からクレーンで上に上がり、照明で照らされて歌いだす。ちょっとしたサプライズ演出だ。

 

(映司)一瞬で掴み取るのさ Are you ready?

(ウィズ)Are you lazy?

E「新しい歴史はそこに Feel it! Feel it!

W「Crazy baby!

 

E「(ひかり)を糧に加速して このまま Shout it out! Shout it out!

  現在(いま)を進めよう

 

W「惑う日も 幾度となく 明日の扉叩け

  見つめたその先に 飛び込んでみたら Believe yourself!!

 

2「Now,Over“Quartzer” 時の雨 擦り抜けて 共に

  You,Over“Quartzer” 未来を超えよう

  過去の意志は嘘では欺けない 感じろ そうNexus Future

  NowOver“Quartzer” 目映い世界 魅せて

 

E「最後の1秒までも

W「Now,Over“Quartzer”

E「最大の加速で駆けろ

W「Over“Quartzer”

E「遮るすべてを超えて

2「Yes My Lord!Yes My Lord!

  Yes My Lord!Yes My Lord!

W「You're my KING!

 

曲が終わると同時に、それぞれのクレーンはステージに到着。客席から歓声と拍手。

 鳴り止むのを待たずに、次の曲(硝子の少年)が始まる。

 

「皆さん、こんばんは!今日は最高のライブにしましょう、最後までよろしく!」

「よろしくー!」

 

映司君の言葉とウィズさんの挨拶に、客席からの熱気はさらに上がった。

 そして、クレーンから降りた2人は、『NOASIS』と『女性ダンサー』たちと共に、踊り始める。

 

W「雨が踊るバス・ストップ 君は誰かに抱かれ

  立ちすくむぼくのこと見ない振りした

E「指に光る指環 そんな小さな宝石(いし)

  未来ごと売り渡す君が哀しい

 

2「ぼくの心はひび割れたビー玉さ

  のぞに込めば 君が逆さまに映る

 

2「Stay with me

  硝子の少年時代の 破片が胸へと突き刺さる

  舗道(ほどう)の空き缶蹴飛ばし バスの窓の君に 背を向ける

 

蹴飛ばす振りなどをしつつ、観客を魅了し、間奏に入った。そして、ラスサビ前のDメロに入るためにバンドが盛り上げると、途端に静かになる。

 

W「ぼくの心はひび割れたビー玉さ

 

そして、静かに歌うウィズさん。

 

E「のぞき込めば君が 逆さまに

2「映る

 

そして、この曲のラスサビに入る。

 

2「Stay with me

  硝子の少年時代の 想い出たちだけ横切るよ

  痛みがあるから輝く 蒼い日々がきらり

 

  Stay with me 硝子の少年時代の 破片が胸へと突き刺さる

  何かが終わってはじまる 雲が切れてぼくを

  照らし出す

 

  君だけを

  愛してた

 

最後1回転して、この曲を締めた。

 すぐにバイオリン等のストリングスが演奏を始め、公の場で初めて披露する新曲(愛されるより 愛したい)をが始まる。

 

「皆さんこんばんは!」

 

その前に、ストリングスだけの音が会場に鳴り響くタイミングで、ウィズさんが観客に声をかける。

 

「今日はQuartzerの1stライブ、最高に愛し合おうね!Foo!」

 

ウィズさんの言葉でさらに会場が熱くなった。

 

W「“どうだっていいじゃんそんなこと なんだっていいじゃんそんなこと”

  おきまりのつよがりを…言っても

E「道で拾ったチラシで 紙ヒコーキ飛ばした

  気持ちとは反対へ 飛んでく

 

中央から左右にそれぞれ移動して、ダンスをする。

 

2「ギリギリのオトナたちが 積み重ねてるすべてのもの

  壊さなきゃ新しい明日は来ない

 

  愛されるよりも 愛したい真剣(マジ)

  いいかげんで頼りなくて そんな僕だけど

  悲しみの天使 まだ迷うけれど

  青い風に吹かれながら 走りつづけたい

 

そして、間奏では交互にライトが照らされ、それぞれのパフォーマンスをする。・・・・・・映司君が彩紗さんの腰を掴んでフォークダンスみたいにしたり、ウィズさんが光一君にビンタをする振りをしたりと、コアなファンにウケる・・・・・・であろう振りを入れていた。

 

W「扉の向こうに 光る空はあるの?

E「分からなくてつかめなくて そんな僕だけど

2「悲しみの天使 まだ迷うけれど

  青い風に吹かれながら 走りつづけたい

 

  愛されるよりも愛したい真剣で

  傷ついて立ち止まって そんな僕だけど

  泣き顔の天使 あの空の下へ

  つよい風に向かいながら 走りつづけたい

 

最後の振りも終え、3曲目を終えた。そして、まだMCに入らず、次の曲(Kissからはじまるミステリー)を披露する。

 

W「君の向こうに海が青く透き通るよ 不思議

  黙りこくった時が ほらしゃがみこむよ ねえ

E「優しさの意味 教えてよ

  君の涙に酔っちまう前に 君の瞳に溺れちまう前に

 

2「不器用な天使 キスしたあと 突然つれないポーズだね

  ぼくは夢遊病 さまよう難破船だよ

 

A・Bメロの時は踊らなかったが、サビでようやく踊る2人。

 

2「恋はミステリー 人は胸に 悲しい謎をかくして生きている

  恋はミステリー 誰かぼくの胸のナイフを静かに抜いてくれ

 

  君が欲しい 君が欲しい 他には何にもいらないよ

  君が欲しい 君が欲しい 失うものなど何も無い

 

今回のライブで披露する曲は多すぎるがために、全てショートサイズで披露している。

 

2「横断歩道を渡る途中 も一度キスをしようよ

  世界中敵にまわして愛してもいい

  So,Please!

 

  恋はミステリー 心覗く 望遠鏡があったら素敵だね

  恋はミステリー 髪を少し 切りすぎたのは揺れてる証拠だね

  恋はミステリー 夏の風は 心騒ぎを奏でるクレッシェンド

  恋はミステリー 電車に乗る 君の背中を密かに尾行した

 

  君が欲しい 君が欲しい 時間は若さの味方だよ

  君が欲しい 君が欲しい 両手に時代を抱きしめて

 

最後の『君が欲しい』で、客席を指差す2人。・・・・・・思ったより、客受けが良さそうだった。

 

2「君が欲しい 君が欲しい 他には何にもいらないよ

  君が欲しい 君が欲しい 失うものなど何も無い

  君が欲しい 君が欲しい

 

そして、最後に・・・・・・、

 

2「君が欲しい 君が欲しい

 

正面を指差して、曲を終える。

 

 

 

 

 

「改めましてこんばんは、Quartzerです!」

「こんばんは~。」

 

映司さんが挨拶をすると、客席からは拍手や『こんばんは』と返すなど、色々なものが客席から返ってきた。

 

「え~、Quartzerが『アーティスト』として単独ライブをするのは今回が初めてとなります。皆様大変お待たせしました!」

「お待たせしました。」

「『単独』は初めてですけど、別のバンドの主催ライブでライブをさせていただいて─」

「そうね。あの・・・Roseliaさんと、Poppin'Partyさんの主催ライブにね。」

「そう。Poppin'Partyの方はね、色々あって1曲だけだったけど、Roseliaの方では3曲披露したんですよ。」

「そうそう!でもね、Roseliaの時にギターの氷川紗夜さんにね、『MCが長すぎ!』って怒られたのよ。」

 

またあんたたちは・・・・・・。

 

「そうだね。・・・・・・なんの話してたんだっけ?」

「確かね~、ババ抜きの話してなかったっけ?」

「あ、そうだ!」

「それで、アタシがこの角度(映司の方を見て)で話すから、その舞台袖に紗夜さんがいて、『MC長い!』って──」

「なんかジェスチャーしてたね。」

「それで、袖に戻ったらなんかピリピリしてたね。」

「その割には僕たちは『すんませ~ん。』ってね。」

「軽い雰囲気でね、『さ~せ~ん。』って行ったからね。」

 

テメェら・・・!

 

「・・・・・・あ、そうだ!僕たちのライブを初めて来た方。申し訳ないけど、僕たちのMC酷いので。」

「そうそう。スタッフに怒られるくらいにね。」

 

あ、自己申告した。

 

「ただ、あなたのMCの態度、MCする態度ではないよね?」

 

確かに、腕組んでるし・・・・・・。

 

「ってか、アナタがそれ言う?」

 

・・・・・・確かに。映司君は手を腰に当てたりポケットに手を入れてるし。

 

「・・・・・・さて、プロンプ(歌詞を出す機械)でね、『早くライブのコンセプトを話せ』って出たから話しま~す。」

「まぁ・・・・・・言うよね~。」

 

言っちゃうよね・・・・・・。

 

「今回のコンセプトは、なんか初めてなので、色々やれるだけやってみようって感じにしました。」

「そうそう!今までライブハウスでしかやらなかったからね。」

「それで、今回のライブでは、この前リリースした1stアルバムの曲は『Kissからはじまるミステリー』しかないです!」

 

「えぇ!!?」

 

「え?みんなは10何曲あるのに3・4日で覚えれるの?」

「アタシは無理よ。・・・・・・今でさえアルバムの曲を全てカンペキに歌えないのに。」

 

※Quartzerの1stアルバムは4日前に発売されました。

 

「うん、僕もレコーディングしたけど『すぐに歌え』って言われたら『無理。』って言うよ。」

「そうよ~。」

「ただね、12月発売の2枚目のシングルに入る・・・・・・予定の『愛されるより 愛したい』はね、披露しました。」

「そうそう、ダンスナンバーでね。」

「その(ほか)にもオリジナルの曲を披露しましたので、気に入っていただけたら・・・・・・物販で売ってるので買ってください。」

「お願いします!」

「さて、それでは次の曲の準備のために、ちょっと着替えてきますね。」

「オッケー。」

 

そう言って、ステージ奥の階段からステージ裏に行く映司君。

 

「さて、映司が後ろに──「ハァクション!!」──ちょっと・・・!(笑)」

「ごめんごめん!」

「今話そうとしてたのに・・・!!」

「ごめん、マイクを外そうとしたんだけど・・・・・・こう・・・!」

「『マイクを外さない』ってプロ意識が?」

「そうそう!それで外せなかったの!」

「しっかりしてくださいよ~!」

「・・・・・・ごめん、くしゃみ出なかった。」

「うふふ・・・!(笑)期待はしてないけどね。」

 

ようやく舞台裏に行きました。

 

「そうね~・・・・・・これでも最初、こんなに長く喋れなかったんですよ。

 ライブハウスでライブしてた時にね、初めてMCをすることになって、その時に映司の持ってたマイクがちょっとおかしくなって、『場を繋いで』って言われたんですよ。そしたら、もう緊張しちゃって・・・!『映司早くー!』って言っちゃったの。

 でもね、なんかそれが悔しくて、色々面白いMCする人たちを調べてたんだけど、そしたらね・・・・・・もう見てください。今となっては普通に散歩してるだけよ。」

 

確かに、腕組みながらステージをうろうろしてる。

 

「まぁ・・・・・・良い意味でも悪い意味でも、リラックスしているって事ですけど。アタシね、最初は凄く緊張してたけど、その・・・・・・この会場の雰囲気が、なんか緊張感を消してくれて、いつも通りみたいなテンションでこう・・・・・・歌えているんですよ。もうね、本当にありがとうございます。」

 

さらっとステージに戻ってきた映司君。

 

「この後ね、映司がライブをしますので。『ズボンの向き、間違ってない?』とかね、『ズボンのチャックも開いてない?』ね、『大丈夫?』、そんな風に心配することなく、次の映司の素敵なステージ、楽しんでください!」

 

・・・・・・さらっとズボンを見ないの、映司君!

 

「それでは映司よろしく~!」

「ちょっと待て!」

「え、何?」

「そんな前振りないでしょ?」

「今上手い感じにまとめてたじゃない。」

「そんな前振り、歌番組だったらアウトだよ。」

「www・・・。1回あったもんね?」

「あったあった。・・・・・・光一がね。」

 

光一君かい!?

 

「そうそう!踊る度にチャックがパクパクしてね。」

「意識し出したら面白くなっちゃって・・・。」

「うん、面白かった。」

 

ほら、ウィズさんも裏行きなよ。

 

「じゃあ、アタシも裏行くよ。」

「あ、ちょっと待って!」

「え、何?噛んでないよ?」

「あの、『I』の後に作ってる曲1つ歌うから、それ見て歌詞書いて。」

「はい!!?」

「うん、よろしく。」

「あの、凄い突発で言うわね~。」

「うん、言った。よろしく~。」

 

ようやく、ウィズさんが裏に行きました。

 

「・・・・・・さて、さらっとネタバレしましたけど、次の歌う曲は『I』という曲です。僕が初めて1人で作った曲です。その後に、今製作中の曲を、歌詞が無いので『ラララ』で歌いますね。」

 

そして、ステージには映司君とバンドメンバーのみで、『I』を披露する。

 

伝えたいことほど言葉にならなくて わかってはいるけどI can't take it

 悩んだり悩ませたり もういい加減にして! 心で叫んでるGive me a break

 

I(I) can't say

「愛」だなんて

I(I)'ll be on your side

ウソでもいいから

I(I)can't cry

真実(ほんとう)の涙見破って いつもと違う私

 あなただけに見せてあげる

 

 抱いて抱いてよ 壊れるほどに もう一人にしないで

 夢ならもうこのままでいい I'll take a chance

 ねぇお願い 私だけ見て 二人きりでいてよ

 言葉はいらない 甘いKissで Speechless love

 

この後、同じサビしか唄わないので、カットしま~す。

 

 

 

 

 




この作品史上、今現在一番文字数多いわ・・・。5700字よ?

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