Take me to・・・ 作:ENDLICHERI
それは、事務所に入る時の事だった。
「なんで夏休みなのに仕事があるのよ~・・・?」
「そういう職に就いたんだ。その辺は諦めなよ。」
「はぁ~。」
「Excuse me?」
「「・・・はい?」」
発音の良いのが聞こえてきた。僕たちは阿吽の呼吸で返事をした。
「Quartzerの『
「・・・・・・何、これ?」
「アナタ、お家はどこですか?」
「あたしを子供扱いしないで!」
「代わりにすみません。」
え?この子の親?
「いえ、
「あ、年下なのね。」
「アタシてっきりこの子の親かと?」
「子供扱いしないでって!!」
ウィズさん、さらっとこの『レイ』って人、僕の心の声に答えてたよ。
それに、後ろに身長の高い2人がいるし・・・。
「それより、僕たちに何か用ですか?この後仕事がありまして・・・・・・。」
「あ、すみません。ただ、1つ聞きたいことがあるんです。」
「「聞きたいこと?」」
「は、はい・・・。」
え、なんで戸惑ってる?・・・・・・あ、息が合いすぎるからか。
「なんで、あのライブでRoseliaを誘ったんですか?」
「・・・・・・それって・・・?」
「夏のライブの事だね。」
「Roseliaに聞いたんです。『なんであのライブのオファーを了承したんですか?』・・・・・・『なんで、完璧を求めるRoseliaが《未完成の歌》を歌ったんですか?』って。そしたら、『彼らだから』って言われた・・・・・・そうです。」
はい?なんでそんな言い方?
「・・・・・・!」
・・・・・・あぁ、このチビッ子か~。
「教えなさい、あなたたちの音楽を!」
「この子、ちょっとナマイキね。」
「なっ!?」
「ちょっとウィズ!・・・・・・ごめんなさい。」
「いえ~、チュチュ様はパレオが止めておきますので~。」
まぁ、僕たちの音楽への向き合い方くらい、話しても問題ないか。
「僕たちは──僕は、ただ自分の奏でたくて人に聴かせたい音楽を、音楽で魅せたい景色を、ただ実行させるだけ。」
「え・・・?」
「僕はただ、その想いだけで音楽と向き合っている。自分勝手で・・・・・・人に聴かせたい・魅せたい音楽を奏でるために。」
「映司さん・・・・・・。」
「アタシは、自分の奏でたい音楽を奏でつつ、映司のやりたい事を手助けするだけ。」
「ウィズさん・・・・・・。」
「何よ・・・。そんな気持ちが、あの湊友希那が承諾したの・・・!?」
「チュチュ、私は分かったよ。」
「レイ・・・?」
「この人たち、自分勝手だけど・・・・・・その音楽が、聴く人の心を動かす。私も、良いなって思ったから。」
「レイヤ・・・・・・。」
「時間を取ってしまって、すみませんでした。さ、帰るよ。」
そういって、4人は帰っていった。
「・・・・・・あ!」
「何よ?」
「あの人たち、『RAISE A SUILEN』だよ!」
「え?・・・・・・あぁ。」
今気付いた。
タイトル?・・・・・・RASが出たから。
にしても、なんとか書けたわ~!書けないと思ってたのに。