ちょっと大人なインフィニット・ストラトス   作:たんたんたんめん@オルコッ党員

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初投稿なので初投稿です


入学

 ここIS学園は読んで字の如くISについて学ぶ場である。

 ISとは正式名称をインフィニット・ストラトスと言い、篠ノ之束が開発した──なんていう説明はこのハーメルン内だけでも結構な回数されてきたのだからここでわざわざ書かなくて良いだろう。

 そして、皆様自明の通りISを使えるのは女性だけのはずなのだが、今現在教室で頭を抱えている少年がISを動かしてしまったお蔭でその前提が崩れようとしていた。

 

 

 さて、件の少年の名前を織斑一夏(みんな知ってる)と言い、彼の姉はブリュンヒルデと名高い織斑千冬(ISを使ったことは見たことない)だ。

 織斑姓なんて珍しい名前だ、彼が千冬の弟であることはすぐにクラスメートに知れ渡った。

 しかも、千冬はなんとここIS学園で教師をしているという。

 一夏は彼女がどこでどういう職についているか知らなかったため、驚いたのは言うまでもない。

 そして、姉弟で教師と生徒の関係となるのもなんともやりにくいと感じていた。どうしたって千冬と比べられるのだから。

 が、一夏はこれまでISの事に触れた事は殆どない。故に、周りからの好奇の目にはほとほと辟易していた。

 というか、期待されても困るのだ。期待されて、その期待を裏切って、そして勝手に失望される。

 彼にとっては自分は何と思われてもよかったが、それで千冬の顔に泥を塗るのは我慢ならなかった。

 入学式初日、それもSHR前の時点でこれである。正直、このままで学園生活を上手にやっていけるのか、不安しかない。

 

 

「じゃあ自己紹介をしましょう。名簿順で──」

 

 

 壇上に立つ教師、山田真耶の言葉で自己紹介が始まる。

 それぞれが思い思いの自己紹介をするのを聞きながら、一夏は自分の番が近づくにつれ、期待感が大きく膨らんでいくのを感じ取っていた。

 自己紹介をするクラスメートは整備士になるだの、IS工学を学び、災害用の装備を作り上げるのだの、どんな志を持ってIS学園に来たのかを発表していく。

 普通の高校生ではありえない志だが、この場においてそれは当然で、IS学園に入るには厳しい倍率を乗り越えて入学する生徒ばかりで、何も考えずにこの場にいる生徒は殆ど(・・)いなかった。

 

(勘弁してくれよ……)

 

 

 ただISを動かせるだけでこの場に押し込められた一夏に、そのような志などあるはずもない。

 けれど、周りはそんな事知るはずもない。知っていることと言えば、彼が男子生徒でブリュンヒルデ

(世界最強)の弟ということだけ。

 傑物の弟なのだから弟もさぞかし立派な人物なのだろうと無責任な期待を一夏にかけていた。

 

 

「じゃあ次は織斑くん。お願いしますね」

 

 

 織斑姓なのだから、自己紹介の番も割と早いうちに回ってきてしまう。

 自分の性に恨み言を心の中で吐きながら、一夏は覚悟を決めて立ち上がる。

 不運な事に彼の席は最前列で、しかも真ん中である。

 先程まで背中で受けていた視線が、正面から襲ってくる。おもわずたじろぎそうになった己を鼓舞する。

 

 

「織斑一夏です。見ての通り男で、ISについて詳しいことはわからないので、色々と教えてくれると助かります」

 

 

 無難な、本当に無難で面白みもなにもない自己紹介だ。

 一夏自身がそう思うのだから、クラスメートはよりそう思うだろう。

 現に『これで終わりじゃないよね?』という視線が一夏を貫いていた。

 

 

「……えーと、趣味はコーヒーのブレンドを試すことです」

 

 

 ISの事で話せることは何もないのだから、他に出来る話といえば趣味の話程度しかない。

 とはいえ、いきなり趣味はコーヒーのブレンドと切り出されても、返す方からしたらどう返せば良いかわかないのだが。

 一夏としても初対面の相手に「趣味はカ○メの野菜生活を買ってブレンドの違いを楽しんでます」と言われたらどうやって返そうか悩むところではある。……少し話せば意気投合しそうな気もするが。

 

 

「……以上、です」

 

 

 空気に居たたまれなくなった一夏が頭を下げると、まばらな拍手が巻き起こる。

 どうやら、ファーストコンタクトは失敗したようだ。

 

「もう少し、マシな自己紹介は出来なかったか」

「あ、織斑先生」

「山田先生。SHRを押し付けて悪かったな」

 

 

 ため息交じりに呟やかれた一言。教室の入口に立つ千冬から発せられていたようだ。

 

 

「自己紹介を遮って悪いが、私がこのクラスの担任 織斑千冬だ。よろしく頼む」

 

 

 と、そこで千冬は一夏をみると一つ頷く。

 

 

「趣味と言えるものは特にないが、愚弟の淹れたコーヒーを飲むのは結構好きだったりする」

 

 

 この人は何を言っているのだろうか。

 もしかして、滑ってしまった自分をフォローしてくれているのだろうか。

 もしそうだとしたら結構滑っているぞと一夏は声を大にして言いたかった。無論、言える雰囲気ではなかったが。

 凍りついた教室の空気に千冬は気まずげに咳払いをする。

 

 

「……自己紹介の続きだ。山田先生次は?」

「あ、はい。次はオルコットさん、お願いします」

「はい」

 

 

 凛とした声に思わず一夏が振り返ると、まばゆい金髪が目を惹く少女が立っている。

 ただ立っているだけなのに、思わず息を飲む程の雰囲気を彼女は纏っていた。

 

 

「セシリア・オルコットです。みなさん、よろしくお願いしますわ」

 

 

 スカート──同年代の女子と比べるとものすごく長い──の裾をつまみながら礼をする。

 所作一つ一つが洗練されている。これで顔が不細工なら笑いものなのだが、顔立ちもモデル顔負けで整っているのだ。文句のつけようがなかった。

 

 

「わたくしは本国……イギリスで代表候補生をしております。ISについてわからない事があれば、気軽に相談に来て下さいまし」

 

 

 柔和な笑み。それを向けられたのは女子生徒だけで、なぜか一夏の方には向けられなかった。

 だが、今度は少しだけイタズラっぽい笑顔を浮かべ、一夏の方を向いて一言。

 

 

「趣味は、紅茶のブレンドを楽しむ事、ですわ」

「おお……」

 

 

 一夏の口から歓喜の声が漏れた。

 紅茶とコーヒー。種類に違いがあれど、同じ趣味を持つものだ。もしかしたら話が合うかもしれない。

 

 

「まあ、紅茶派とコーヒー派は戦う運命にあるかもしれませんが」

「いや、そんな事はないだろう。俺は紅茶も好きだ」

 

 

 思わず、と言った風に一夏が口を挟む。

 

 

「あら、それは良かったですわ。でしたら今度ご一緒にお茶でもいかが?」

「是非。その時は俺も自慢のブレンドを用意しよう」

 

 

 一夏が胸を張って誓うと、セシリアはニコリと笑い「楽しみにしています」と続けた。

 

「織斑。オルコットの自己紹介はまだ終わっていないぞ。クラスメートと交流を図ろうとするのは結構だが、休み時間にしろ」

「あ、ごめ──じゃない。すみません」

 

 

 呆れたような感じで口を挟んできた千冬に一夏は我に返った。

 確かに、今はセシリアの自己紹介の時間だ。お茶の話はまた後でいくらでも出来るだろう。

 いつものように「ごめん千冬姉」と言おうとしたところで、千冬に睨まれ、教師と生徒の関係を思い出した一夏は素直に頭を下げた。

 

「悪かったな。自己紹介を続けてくれ」

「まあ、あらかた言ってしまいましたし、他に言うこともないのですが……」

 

 

 気まずげに笑うセシリアを見て、クラス内に柔らかい空気が流れた。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

「やべえ……」

 

 

 その後、クラスメートの自己紹介を終え、そのまま一時間目の授業へと雪崩込んだ。なんでも、実践的に教育を謳うIS学園にはオリエンテーションの時間などないようだ。

 さて一時間目の授業を終えたクラスメートの中で、一夏だけがすでに一日分の授業を終えたかのようにグロッキーだった。

 

 

「織斑くん大丈夫ー?」

「大丈夫じゃねえよ……」

 

 

 セシリアとのやり取りで、自己紹介の失敗を取り返した一夏は、普通に女子生徒と話せるくらいにはクラスに馴染んでいた。

 まあ、好奇の視線を向けられ続けているのは変わりないのだが。

 

 

「もっと参考書を読んどけば良かったわ」

「私達は中学の頃から勉強してるけど織斑くんはそうじゃないもんね」

 

 

 入学が決定されてから渡された参考書。

 一応、読んではいたのだが一ヶ月程度で覚えられる内容ではなかった。

 なんとなく、内容はわかる。だが、なんとなくで進められるほどISは甘くは無かった。

 

 

(まあ、スポーツとかなんとか言ってるけど実態は兵器だもんなあ。なんとなくで触ったら不味いわな)

 

 

 とはいえである。

 今の段階では何から手をつけて良いか、一夏は途方に暮れていた。

 

 

「──すこし、よろしくて?」

「んあ?」

 

 

 顔を上げると、そこにはセシリアが立っていた。

 髪を手で流し腰に手を当てたポーズがなんとも様になっている。自分がやれば、おそらく中学の悪友に大笑いされるんだろうなと一夏は見当違いの事を思った。

 

 

「授業の様子を後ろから拝見させて頂いておりましたが、苦戦しているようですわね」

「ああ見ての通りな。……言い訳になっちまうけど、勉強はしてきたんだぜ? だけどよお、コイツを一ヶ月で覚えろって冗談きついって」

「しかし、やらない訳にはいかないでしょう?」

「だからまあ、休み時間を使って予習しているわけなんだが……」

 

 

 はあ、とため息を吐く。

 とりあえず、参考書を眺めているが、眺めているだけで自分の中に入ってきている気は全くしない。

 

「でしたら、こちらをお使い下さい」

 

 

 にこやかに差し出した手には、教科書が握られていた。

 

 

「コイツはお前の教科書だろ」

「ええ。次の時間の授業範囲に解説を入れておきましたので。参考程度にはなるかと」

 

 

 見ると、蛍光ペンなどでわかりやすい解説が入っている。驚いたことに日本語でだ。

 しかし、だ。この教科書だって今日支給された物だ。いつの間に書いたのだろうか。

 感謝よりも先に湧き上がった疑問を、一夏はそのままセシリアにぶつける事にした。

 

 

「お前、いつ書いたんだよ。めっちゃ書き込んでくれてるけど」

「一時間目の間に、ですわ。当面の範囲はすでに習っている内容ですので」

「ほお、流石代表候補生だな。……俺とは大違いだ」

 

 

 一夏が自らを卑下するようなセリフを口にすると、セシリアがほんの一瞬表情を歪めた。

 

(あれ、今)

 

 

 すぐさま、感じの良い笑みに切り替えたから周りは気づかなかったかもしれないが、一夏の目はハッキリと捉えていた。

 微かに、けれどしっかりと不快感を浮かべていたのだ。

 とは言え、ほじくって空気が乱れても嫌だ。そう判断した一夏は何事もなかったかのように切り出す。

 

 

「つーか、わざわざ俺の為にそんな事してくれてたのか」

「ええ、まあ」

 

 

 一夏の疑問にセシリアは取り繕う様子も見せずに、頷く。

 普通は謙遜したり誤魔化そうとするところだろ、と思いつつも一夏はセシリアにしても、あまり恐縮するのも嫌だろうと思い軽口を放つ。

 

「そいつはありがたいな。もしかして俺に惚れたな?」

 

 

 一夏の軽口を聞いたセシリアはキョトンとすると、少しして楽しそうに笑みを浮かべた。

 

 

「確かに、織斑さんは見た目はよろしいですが、生憎とそれだけで惚れるほどわたくしは尻軽ではありませんので」

「……なーんか、褒めてるようで貶されている気がするんだが」

「ではまた。三時間目の解説は織斑さんの教科書に書き込みますのでお貸し下さいな」

 

 

 流れるような動作で一夏の教科書を手に取ると、セシリアは自分の席に戻っていく。

 が、途中でなにか言い忘れた事があったのか立ち止まると、振り返って一言。

 

 

「これはわたくしが勝手にやっていることですので、お礼だとかそういった事はお気になさらず」

 

 

 では、と微笑みを残して、今度こそ自分の席に戻った。

 一夏は顔をしかめて、先程まで自分を気にかけてくた女子生徒を見やる。

 

 

「──おい見たか、あのキザな態度。代表候補生だからってちょっと生意気じゃないか? 少しばかり辺境の地で人生の厳しさを学んだ方が良いと思うんだが」

「一応、オルコットさんからしたら日本は十分辺境の地だと思うよ」

 

 

 女子生徒の言うことは尤もであるため、一夏は次の言葉を紡げなかった。

 そんな一夏をクラスメートは楽しそうに笑ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 二時間目の開始、この時間は一時間目に担当した真耶ではなく、千冬が壇上に立っていた。

 姉の授業を受けるということになんとも不思議な感覚を覚えながら、無様な姿は見せられないとセシリアに貰った教科書を開く。

 けれど、千冬の口から発せられた言葉は、授業に関するものではなかった。

 

 

「授業を始める前に一つだけ決めておくことがある。再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める。クラス代表者は対抗戦だけでなく、クラス間の会議に出席したりと色々な仕事をしてもらう。まあ、言ってみればクラス長だな。それを決めようと思う。自薦他薦は問わない、誰かいないか?」

 

 

 その声を聞いた女子生徒が早速とばかりに手を挙げる。

 

「はいっ。織斑くんを推薦します!」

 

 

 その声に引きずられるかの様に「さんせー」「私もそれで良いと思います!」といったような声がたちまち上がった。

 

 

 他薦を問わないと言われた時点で、こうなることを半分予想していた一夏は「うげえ」と声を漏らす。

 

 

「今の所、候補は織斑だけか。他にいないか? 我こそは、という奴はいないか?」

 

 

 これは非常に困った。

 一夏としては、今はクラス代表をやっている暇はなく、ISの事を学ばないとと考えているからである。

 対抗戦に出るのは良い。むしろ、ISに慣れるにはメリットがあるように思えるが、問題は会議等に出ろというところだ。

 今は、好奇心で一夏を推す人間は多いが、一年中その空気が続くとは限らない。

 そうなった時に、明らかに力不足な自分がクラス代表として自分達の上に立っている事を気にいらないと考える輩が出てきそうなのが一夏としては問題だった。

 そういう意味で、冷静な判断を下し、セシリアを推す人間もそれなりにいると思っていたのだが、一夏の読みは外れてしまった。

 いっそ、セシリアを候補に推薦しようかとも思ったが、現在候補にされている身で推薦が出来るのかがわからない。

 さて、どうしたもんかと一夏が考えたところで──

 

 

「織斑先生。少しよろしいですか?」

「オルコットか。どうした」

 

 

 セシリアが声を上げた。

 

 

「クラス代表に立候補しようかと」

 

 

 その言葉は、一夏が待ち望んだ一言だった。

 立ち上がったセシリアは立候補を表明するだけではなく、更に言葉を重ねた。

 

 

「わたくしは代表候補生です。専用機持ちという観点で言っても、実力で言えば学年トップクラスという自負もありますし、みなさまの上に立って引っ張っていく覚悟もあるつもりです。……とまあ、わたくしの表明演説をしたいわけではなくて、織斑さんの意思も聞いておきたいところでもありまして」

「織斑の意思、だと?」

「ええ、織斑さんは正直に言って、IS関連の知識は疎いです。推薦されたからやれ、では個人の意思が尊重されないと思いますので」

「ふむ、そういうことなら織斑。何かあるか?」

 

 

 思いがけず、発言の機会が回ってきた。

 キッカケを作ってくれたセシリアに小さく頭を下げると、一夏は立ち上がり後ろを向く。

 

「あーっと。みんなが俺を推薦してくれたのは嬉しい。だから、やれるだけの事はしたいと思う」

 

 心にも思ってないことを、口にする。

 けれど、周りには気付かれてはいないだろう。なんとなくだが、そんな確信があった。

 

 

「候補は織斑とオルコット。他には? よろしい、では二人の決選投票で──」

「ちょっと待って下さい」

 

 

 千冬の言葉を遮る声。

 セシリアも何かを言おうとしていたようだが、それよりも早く一夏は口を挟んだ。

 

「話を遮ってすみません。代表の決め方ですが、自分の方から提案しても良いですか?」

「……良いだろう。言ってみろ」

 

 

 さて、ここが勝負どころだろう。

 千冬を翻意させられなければ、投票でクラス代表が決まる。今のクラス内の空気からして、確実に自分が選ばれる。それだけはなんとしても阻止せねば。

 乾いた唇を濡らすように舌で舐めると、一夏は口を開いた。

 

 

「代表決めの方法ですが、俺とオルコットで模擬戦をさせてもらえないでしょうか。クラス対抗戦って事はISバトルになる訳ですよね? となると、ある程度の力量が必要と考えます」

 

 

 ふむ、と千冬は腕を組む。

 クラス対抗戦の目的は、各クラスの実力推移を測り、更にはクラス間の競争を。という側面もある。一夏は知らないだろうが、既に四組のクラス代表は日本の代表候補生に決定している。

 他のクラスに代表候補生がいない以上、このままでは四組だけ実力が突出し本来の目的にそぐわない。

 となると、模擬戦で決めるというのは悪くないアイデアだった。

 

「……ふむ。織斑の言うことにも一理ある。 山田先生、来週アリーナの使用状況は? 」

「あ、えっと……はい。第三アリーナは来週の金曜日、放課後なら空いてます」

「よろしい。では来週の金曜日に織斑とオルコットの模擬戦を実施する」

 

 

 それから、と千冬は一夏の方を向く。

 

 

「織斑、お前には専用機が用意される。来週の模擬戦はこれを使用してもらうからそのつもりでいろ」

「専用機、ですか?」

「ああ。早ければ明日にでも届く。呼び出しがかかった際はいつでも動けるように」

 

 

 一夏が曖昧に頷くと、千冬は空気を切り替えるように手を叩く。

 それだけで、空気が引き締まる。

 

 

「それでは授業を開始する。この時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」

 

 

 一時間目より、難解な内容ではあったが、セシリアのノートのお蔭で一時間目よりは精神的疲労度は少ない。

 セシリアに感謝しないといけない。一夏は素直にそう思った。

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