ちょっと大人なインフィニット・ストラトス 作:たんたんたんめん@オルコッ党員
「なん、だ……アレ……」
観戦していた一夏が思わず掠れた声を漏らす。
鈴が、あるいはセシリアが攻撃をしたのかと見当違いな事を思ったくらいだ。
だが、けたたましく鳴り響くアラートがそれを否定する。
なにより、自身の目で見ていたではないか。シールドを突き破った桃色の放流を。そして、その後隕石の墜落よろしく降ってきた黒色の巨体を。
「非常事態宣言の発令。政府に連絡を入れろ。アリーナ内の生徒の避難を最優先。あわせて救援部隊の編成を進めろ」
「了解しました」
「突っ込んできた奴の情報は出るか?」
「熱源反応から、断定。──反応はISですが、所属は不明です」
だが、管制室の二人は一夏の様に呆けてなどいない。
いつもより冷たく聞こえる千冬と、普段よりも何倍も頼りがいのある真耶の声だ。
「また、搭乗者の反応はありません。無人機です」
「は……? いや、無人機のISとかあるんですか? それに、所属不明って」
思わず、口を挟む一夏。それだけ意外……というかありえない現象だったのだ。
所属不明ということは、新たに作られたコアだと言うこと。
そして、真耶の口から出た無人機ということ。
どれ一つとして、実用化していない技術だ。というか、新たにコアが作られたとなれば、世界が大きく揺れる。
「あるから目の前にいる。それが全てだ。余計な事は考えるな。……もっとも、事態終了後には箝口令が敷かれる。喋ってくれるなよ」
それだけ言うと、千冬は真耶に向けて続けた。
「オルコットと凰に通信を繋げろ」
「はい」
眼下に、二人の顔がモニターに映し出された。
二人共、普段はあまり見せない緊張感を携えていたが、それでも冷静な印象を受ける。
この辺りは、一般人とは違い、専用機持ちとしての指導を受けているからだろう。
「不明機の状況はどうだ? こちらからは状況が読めん」
『不明機ですが、地面に落ちてからは反応ありません』
「わかった。引き続き──」
『不明機に熱源反応! 撃ってきますわ!』
千冬の声を遮って、セシリアが叫ぶ。
パッと散開する二人の間を、桃色の光線が駆ける。
『わたくしのレーザー以上の威力……ビーム兵器ですか、これは』
『当たったら即ゲームオーバーね、コレ。ま、避けられないって訳じゃないし救援を待ちましょ』
消極的ともとれる言葉だが、この場面では間違ってはない。
セシリアは理性で、鈴は直感で感じ取ったのだ。
──この敵を破るには一手足りない、と。
故に、二人は救援部隊を待つという選択肢を取った。
一方で、管制室の千冬と真耶も救援の準備を進めている。
「山田先生。救援部隊は」
「教員部隊の編成は完了しています」
「更識は出られないか?」
「専用機を調整中とのことで、出撃は不可です」
「わかった。教員部隊は突入の準備。二年以上の専用機持ちには学園外の警備をさせろ。襲撃がコレだけとは限らん」
既に、救援部隊の編成は完了していた。
だが、送り込むには、一つだけ障壁が残っていた。
「シールドの解除はまだか」
それは、文字通りアリーナとピットを阻むエネルギーシールドの事だった。
本来はこちらからシールドの解除はできるのだが、千冬の言葉から不可能になっていることがわかる。
おそらく、あの不明機が干渉してきているのだろう。
手に持ったタブレット端末を苛立たしげに叩く。
「シールドのロックが今この瞬間も増強されています。教員と三年の精鋭でクラッキングをしていますが……。解除するスピードより明らかに速いです」
「となると、シールドを打ち破って突入する他ないか……」
だが、どこにそんな武器があると言うのだ。
教員の武装は、あくまでも学園の訓練機ベースだ。
唯一の頼みの綱である、学園最強の専用機なら可能かもしれないが、彼女はここには居ない。
と、そこで一夏の姿が千冬の視界に入った。
──零落白夜なら。
そんな思考を頭を振ってかき消す。
前に見た、一夏の錯乱状態を知っている身からすれば、任せることなど出来ない。
そもそも、先週の戦いで白式は大きなダメージを負った。出撃をさせられるはずもない。
だが、その一夏は覚悟を決めた表情を浮かべていたが、千冬は一夏から視線をそらす。
「千冬姉」
一度目は、聞こえなかったフリをした。
「千冬姉」
二度目も、黙殺した。
「俺が、シールドをどうにかする。俺と白式なら出来る」
三度目は、もはや問いかけではなかった。
「ダメだ。お前の機体は、ダメージレベルをCを超えている。ISは、戦闘経験から独自の進化を果たす。不完全な状態で動かしたとなれば通常時の操縦に影響が出る。それくらいはお前も知っているはずだ」
あえて、零落白夜のことには触れず、一夏を諌める。
だが、一夏は静かに首を横に振った。
「ありがとう、千冬姉。俺に逃げ道を作ってくれて」
だけど、と一夏は続ける。
「大丈夫だ。俺は大丈夫だから。鈴を助けるため、セシリアを助けるためなんだ。そのためなら、俺は使える」
その瞳に、揺らぎはない。
もしこの場で止められたとしても、強引にでも行くという意思を感じる。
そして、千冬はその想いに折れた。
「いいか、零落白夜でシールドを破れると言っても一瞬だ。直ぐに、シールドが再構築される。故に、破ると同時にアリーナに飛び込め」
ここまで言って、千冬の表情が歪む。
強く握った拳からは、血がしたたり落ちていた。
「……本来は、お前らに任せるのは、教員としてあってはならないことだ。だが、今はお前らに頼るしかない。頼んだぞ」
千冬の言葉に一夏は手を上げて応えると、そのまま管制室から出ていった。
「お、織斑先生! 本当に一夏を向かわせるんですか!?」
「それに織斑先生。先生も言っていたように織斑くんのISは──」
「……すまないが、少し黙っていてもらえるか」
「──っ!」
心配の声は、千冬の迫力の前にかき消された。
見れば、持っていたタブレットにはヒビが入り、もはや使い物にはなっていない。
「弟どうこう以前に、守るべき生徒に矢面に立ってもらっているんだ。己の不甲斐なさに腹が立つ」
何が、世界最強だ。
結局、自分は何も出来ずにここで見ていることしか出来ていない。
だが、しかし──
(──このままでは、済まさん)
バキッと、タブレットが砕ける音が響いた。
☆☆☆
(──ああ、嫌だ)
本音を言えば、まだ使いたくない。
千冬の使っていた武器だからこそ、無様に振るうことは許されない。
一度、名前に傷を付けたのに、またしても傷をつける羽目になる。
そうなれば、一夏は耐えることは出来ない。
だけど──。
(──だけど、セシリアを、鈴を失うのはもっと嫌なんだ)
あの時とは、違う。
今は、自身の手に力がある。
二人を救うための力がここにある
(俺は、守るために、この力を使うんだ)
かつて、千冬姉が自分を守ってくれた様に。
今度は、自分がみんなを守ってみせるのだ。
「来い! 白式!」
ガントレットを掴み、愛機の名前を叫ぶ。
数瞬の間の後、独特な浮遊感が身を包む。
「雪片……」
名前を呼ぶと、ずしりと重いものを感じた。
質量以上の重み。千冬の愛刀として名を馳せたのだから当然だ。
それを、刀を置くきっかけとなった自分が使うとはなんと因縁めいてることか。
そして、零落白夜。
これもまた、千冬の代名詞の力。
全てのエネルギーを消滅させる、ISバトルに置いては文字通り必殺の刃となる能力。
「この状況には、まさにうってつけって訳か……」
二人を助けるためには、アリーナのシールドを解除しなければならない。
だが、ソフト面の解除は不明機の妨害によって出来ないときた。
となると破る方法は力技となるのだが、それを出来るのは白式の零落白夜だけ。
「俺を、舞台に引っ張り出そうとしたと考えるのは……考えすぎか?」
と、そんな事を口にした一夏は馬鹿らしいと首を振る。
今考えるのは、二人と共に戦うことだけだ。
「往くか……! 白式……!」
一夏の叫びに呼応するようにして、雪片から白いエネルギーの放流が始まる。
全てのエネルギーを消失させる暴力的な力のはずのそれも、こうしてみると美しさも感じた。
シールドを切り裂き、アリーナに飛び込むと、それまでセシリアと鈴に注意を向けていた不明機が、こちらに向いた気がした。
気の所為と言われればそれまでかもしれないが、一夏は確かにその奥の視線を感じたのだ。
「一夏!? アンタなんで来たの!?」
「というか、その武装は……」
「おいコラ。折角助けに来たのにその言い草はないだろ」
セシリアの方は、心配するような声音たが、鈴に関しては明らかに馬鹿にした風だ。
「仕方ねえだろ。アリーナ内に入れるのは俺だけだったんだから」
「それはそうかもだけど……」
「んなこと言ってねえで、今はアレをどうこうする方法を考えようぜ」
一夏が指差す先には、なぜか攻撃をやめ、こちらを伺う不明機の姿。
ますます、気味が悪いなと一夏が思っていると、鈴がおもむろに口を開く。
「まあ体感だけど、アレに接近して倒せる確率は一桁台がいいとこじゃない?」
「なら大丈夫だ。某野球ゲームの確率一桁は結構当たるって俺の友達が言ってたから」
「弾か数馬でしょそれ」
「他にもこんな事言ってたぞ。某ロボット大戦だと命中率90パー越えでも当たらねえって」
「分身使われたら100パーでも当たらないのよ! ほんと腹立つ!」
「なんで俺が怒られてるんだコレ」
「二人共。ふざけるのはその辺にしておきましょう。──で、どう倒します?」
セシリアが空気を引き締め直すと、一夏と鈴も緊張感をまとわせる。
二人共、抜くところは抜き、引き締めるところは引き締める事が出来る人間だ。
そして、下手に緊張しすぎて動けないよりも、コレくらいの方が丁度よくもある。
「まあ、ここは俺が先陣を務めるわ。射撃武器なんて上等なモンは無いから後ろでやれることはないしな」
「んじゃあたしが二番手ね。適当に合わせるわよ」
「ではわたくしは後衛を。前衛で戦えるとは思ってませんし」
カン、とそれぞれの得物をぶつけ合うと、一夏が勢いよく飛び出した。
「合わせろ! 短期決戦で決める!」
眼下に、
だが、敵も呆けて見ているわけではない。
両腕を持ち上げると、一夏に向けて砲撃を始める。一夏の行ったのは、単純な直線の加速。普通なら無様に撃ち落とされるだけ。
──そう、
「ッラアァッ!」
だが、あいにくと、この男は普通ではない。
緊急時以外にはやらないと言ったが、逆に言えば緊急時ならやるという事。
そして、今はまさに緊急時だ。
こんな無茶で無謀な事をするIS乗りは他に居ない。
故に、理解を超えた一夏の軌道に、セシリアがそうであったように、敵ISの動きにも迷いが生じた。
「セシ──」
「わかってますわ!」
一夏が呼びかけるよりも速く、セシリアが動く。
素早くライフルを三連射。全ての光条が敵ISを撃ち抜く。
「──!」
巨体が、傾ぐ。
その懐に、一夏が飛び込んだ。
手に持った長剣、実体剣として形成されていた刃が、展開した。
岩の隙間から水が湧き出て来るように、白きエネルギーの放流が新たな刃となる。
日本刀の様に、鋭く伸びた刀身を一夏は真横に振るう。
「ふっ!」
抵抗は、まるで感じなかった。
溶けたバターにナイフを入れるように、ほとんど手応えを感じず、不明機に刃が入る。
横一文字に、不明機の胴に当たる部分を引き裂いたタイミングで、一夏が叫ぶ。
「鈴! 入ってこい!」
「でぇええええええやあああああああああッ!」
裂帛の気合と共に、一夏の背中に感じる気配。
ぶつかろうとしたタイミングで、一夏は不明機の背後に回り込み、零落白夜を発動。これでまだ、不明機はシールドを張れない。
不明機の眼前に躍り出た鈴は、その身をコマの様に回転させながら、左手に持った大剣を叩きつける様に振り下ろし、遅れてやって来た右手の大剣で突きを放つ。
不明機もその連撃を守ろうと腕を持ち上げたが、無駄な抵抗だった。
左手の大剣が、ガードしようとした不明機の腕を勢いそのままに切り落とし、右手の大剣が、一夏の付けた亀裂に差し込まれた。
「下がれ鈴!」「下がって鈴さん!」
一夏とセシリアによる、まったく同じタイミングの指示。すでに一夏は退避していた。
鈴は差し込んだ大剣を手放し飛び退ると、ほんの僅かの間も空けずにブルー・ティアーズのミサイルビットが突き刺さり、轟音とともに爆炎を撒き散らす。
「鈴! ダメ押しだ!」
「わかってるわよ!」
この程度で、不明機がダウンするとは誰も思っていない。
だからこそ鈴も、飛び退くと同時に次の行動に移っている。
「潰れなさい!」
バカッと肩のアーマーが開く。
発射口がパッと光ると同時に、爆炎を突き破るようにして、不可視の砲弾が放たれる。
先程の、ミサイルビット以上の轟音が撒き散らされ、戦場に少しの静寂が訪れた。
「終わったか……?」
「流石に、コレで機能停止しなかったら、出鱈目ですわね」
三人がほとんど同じタイミングでセンサーを動かすが、反応は返ってこなかった。
完全沈黙と判断し、一夏とセシリアが小さく息を漏らす。
そんな二人に遅れて、鈴も同じ様に息を漏らした、──内面は、全く違う想いを抱いていたが。
(あーあ……。やっぱあたしじゃダメなのね)
先程の、一連の流れを思い出す。
誰よりも、一夏に合わせられるのは自分だと思っていた。
一夏に名前を呼ばれたタイミングで、意図を察する事は出来た。
だが、セシリアは名前を呼ばれる前に、一夏の考えを察して動いていたのだ。
(なーんか。もう一回振られたみたいで、複雑ね)
と、感傷に浸っていたその時だった。
──敵ISの再起動を確認! 高エネルギー反応アリ!
唐突に鳴り響くアラート。
違和感を感じた鈴がもうもうと立ち上がる爆炎を晴らすために衝撃砲を放つ。
すると、残った右腕を上げ、射撃態勢に入っている不明機の姿が現れた。
「まだ動くの!?」
「しゃーねえ! 砲撃をやり過ごしたらもう一回だ!」
だが、セシリアだけは返事を返さない。
じっとその場に漂ったまま、不明機を強く睨んでいた。
(あの馬鹿! なんで避けねえんだ!?)
思ったところで、一夏も気付く。
セシリアの背後にある物。先程まで、一夏がいた管制室だ。
そこには、箒、真耶、そして千冬がいる。普段なら、シールドに守られていて安全な管制室だが、今だけは違う。
この不明機はシールドを破って、アリーナに侵入したのだ。シールドに守られているからと言って、安心は出来ない。
(せめて、ここの最強戦力は潰すって考えか……!)
そして、同時に理解する。
セシリアは、自らを射線上に入れることによって、少しでも威力を低減させようとしているのだと。
だが、それは己の身を犠牲にするのと同義だ。
「鈴、アイツを撃て!」
「もう結構なエネルギーが溜まってる! 下手に手を出したらどこに撃たれるかわからない!」
既に、発射口からは桃色のエネルギーが漏れ出ている様に見える。
砲撃をし、完全沈黙すれば何の問題はない。だが、そうでなかったら。
溜め込んだエネルギーが暴発し、避難の進んでいない客席に撃たれたら。
不明機を完全に壊すにしても、発射されたビームをどうにかしてからの話だ。
だったら──
「鈴! 構わねえから撃ってくれ!」
「だ・か・ら! さっきも言ったでしょ!? アイツを撃ったら──」
「違う! アイツじゃねえ──」
言うなり、一夏は鈴の前に機体を動かす。
「──俺だ!」
何を言っているんだと、言葉にするよりも速く、鈴の直感が一夏の考えを読む。
「ああもう! 怪我してもあたしのせいにしないでよ!」
「しっかり背中押してくれよ幼馴染ッ!」
「ホントにどうなっても知らないからね馬鹿一夏!」
半ばヤケクソ気味に叫び、彼女は一夏のお望み通り、衝撃砲を放つ。
それも、最大威力でだ。彼の思惑なら、受ける威力は大きければ大きいほど良いはずだと踏んでの選択。
「──ッ……ォ……!」
背中に衝撃を感じた瞬間、一夏は機体に加速を命じる。
衝撃砲は、その性質上エネルギーの塊だ。
そして、
結果、これまでにない加速力を得ることが出来た一夏は、まさにあっという間に射線上に躍り込むことが出来た。
だが、勢いを付けすぎて、勢い余って通過してしまうところで彼はここで機体を反転させた。
身体中から、ミシミシと嫌な音が聞こえたが、痛みは感じない。
解除した後の痛みを想像すると恐ろしいが、今はそれどころではない。
「一夏さん!?」
セシリアの驚く声が聞こえたが、応える余裕はなかった。
零落白夜のエネルギーが、刀身から溢れ出る。
今回は、先程の日本刀の様に鋭くはない。
膨大なエネルギーの放流を消滅させるには、こちらもそれなりの大きさが必要だからだ。
刃を形成させると同時に、不明機がついに熱線を放った。
一夏も、対抗するように、襲ってきた熱戦に白き刃をぶつけた。
「こ……の……ッ!」
熱戦は、ISをまとった一夏とほぼ同じ大きさを誇っていた。
零落白夜によって、確実にエネルギーは削がれてはいる。だが、その圧力に負け、一夏の身体はジワリジワリと後退を余儀なくされる。
(無理に動かしたせいでスラスター系がイカれてやがる……!)
衝撃砲をまともに受けた白式の後部スラスターは見るも無残な形にひしゃげていた。これでは、押し返すなど叶うはずもない。
このまま、シールドとの間に挟み込まれてしまえば、エネルギーを打ち消すことなど出来ない。
一夏が、焦りに唇を噛んだその時、背後から力が加わるのを感じた。
「あなたって人は、本っっっっっっっ当に無茶がお好きですわね!」
後方に居たはずのセシリアが、いつの間にか一夏の背後にピタリとついていた。
「何やってんだお前……!」
「それはこちらのセリフですわ!」
非難のセリフは、ピシャリと封じられた。
そんな事より、とセシリアは強く続ける。
「わたくしの事は良いですから! あなたは前だけを見て下さい! あなたが押し負ければ皆が死にますわよ!?」
そこまで言われては、一夏はもう何も言えなかった。
機体の後退は、セシリアによって留められている。
(気合を入れろ! ここで全てを出し尽くせ!)
柄を握る両腕に力を込める。
強く握りすぎた弊害か、左腕の装甲が弾け飛ぶ。
だが、一夏は防ぎきった。桃色の放流を零落白夜の白き刃で見事打ち消したのだ。
「なんとか……これで……」
そう呟いた瞬間、一夏の身体を倦怠感が包んだ。
グラリと傾いだ身体を、セシリアはもはや慣れたもんだとばかりに支える。
「あなたは、戦いの度に気を失わねばならない趣味でもおありで?」
「そんなつもりはないんだが……また、世話になるな……」
目を閉じると同時に、一夏のISが解除された。
受け止めた後、視線をやると、鈴が不明機を切り裂くのが目に映る。
機能が完全に停止するまで、未練がましそうにこちらを見定めているのが、不気味に思えた。
いやはやお久しぶりです
今月は結構頻繁に出張続きなので更新頻度はしっちゃかめっちゃかだと思います
あとリアルの知り合いにこの小説の存在がバレてめっちゃ恥ずかしかったです(こなみかん)