ファイアーエムブレム風花雪月 双紋の魔拳   作:気力♪

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第25話 裏切りの刻 

 とりあえず、現状を確認するために先生たちがどうしてアビス(俺の人材の宝庫)にいるのかについて尋ねてみた所。

 

 見つけた! 入った! 仲良くなった! で賊連中がやってくる原因を探る為に協力してアビスに潜っていたそうだ。

 

「いや説明雑すぎんだろ」

「細かい事は後で良い。アルファルドさんが拐われたってんなら事はヤバい段階に進んでる訳だしな。気になるならお前かハピに聞くさ」

「……あいよ。じゃあ生徒のくせにアビスに入り浸ってるこの馬鹿も含めて作戦会議だ。まず俺は、レア様に報告をしたいと思う。事が大きくなりすぎて、日陰者の俺たちと生徒のお前らじゃ幕は下ろせないからな」

「同感だ」

「ああ、それが良いな」

 

 それから頭脳派で話をして、どうにか方針を決めたようだ。今回は俺も参加できる。なにせ俺はこと戦略に関しては姉さんと同格の最高評価争いをしている身なのだから! 

 

「じゃあ、二手に分かれるか。俺中心に浮いてる面子はアビスに残った痕跡を探すって事で」

「だな。リンハルト、ヒルダ、アッシュ。任せた。俺たち灰狼の学級(ヴォルフクラッセ)は先生と級長たちとレア様に報告だ」

「任せてよユーリスくん! ジョニーくんはこう言う意味のわからないところで凄いから!」

「ヒルダの姐さん、意味のわからねぇってこたぁ言わんで下さいな」

「……なぁ、何でお前ヒルダにはそんななんだ?」

「尊敬できる人だからだよ。借金狂いのバルタザールと違ってな」

「照れちゃいますねーまったくもー!」

 

「ああそれと、宝杯をよく見せてくれるか? 見た目を似せたガワだけ豪華なもんなら作れるかも知れない」

「バレたときヤバイだろそれ」

「バレねぇレベルに作れるかって調べたいんだよ」

 

 そうして、りゅうそうの紋章の共感能力を使って始原の宝杯を触る。

 

 中身が空っぽの肉体製造機、それがコレのようだ。しかし、コレではまともなモノはできないだろうなとは思う。まぁ、女神ソティスを生き返らせる為に頑張った遺物だが、完成しなかったとかそう言うオチなのだろう。

 

「コレに間違って魔力やら紋章の力を込めるなよ運ぶやつ。今は空っぽだが、満タンの時にそういう力を入れたら飲み込まれる。そういう遺物だ」

「どうなるんだ?」

「さぁな、だけど女神様にならない事は確かだよ」

「おっかない事で。で、なんでわかった?」

「コレ、霊的なモノをため込む性質を持ってんだよ。探知代わりに込めた紋章の力が帰ってこないで、溜まった。幸い揮発までは長くないけど、その前に使えば不完全なモノが飛び出てくる訳だな」

「……その不完全なモノが女神である可能性は?」

「ねぇよ。肝心な紋章石がない」

「どうして女神様に紋章石が必要だって?」

「遺産を使った奴ならわかるんだが、アレまだ死んでないんだよ。多分、魂とかその辺のがこびりついてるんだと思う。そういう力が、紋章石にはある」

 

「だから、逆説的に紋章石がないならこんな無茶苦茶で魂は定着しない。こっちだけじゃあ何にもならないだろうな」

 

「お前ら、話し込んでんじゃねぇぞ。とっとと動け!」

「興味深い話しだったが、ここまでか。ジョニー、後で話そうぜ」

「はいよ。レア様との謁見頑張ってくださいな、クロさん」

 

 そうして、探索部隊として俺たちは分かれる。

 

「じゃあ、現場見せて貰えます?」

「はい、ジョニーさん!」

 

「……ねぇジョニー、なんで君そんな尊敬されてんの?」

「アクシデントを音楽でどうにかしたら超尊敬された。音楽はやっぱ世界共通言語だわなー」

「ジョニー君らしいね! ……でも、バル兄となんであんなに仲悪いの?」

「あいつ、ウチのお抱えから借金したまんまなんだよ。結構な額を」

「あー」

「それに人間的にツケとか借金を払わない奴は嫌いなんだよ。……まぁ、バルタザールがアビスに居たい理由はわかってんだけどさ」

「へ? 借金が理由じゃないの?」

「フリーの遺産使いだぞ? ちょっと売り込めばどの国でも破格の待遇で迎え入れるだろ。それをしないのは……あのクソ野郎が男で兄貴だからなんだろうな」

「……なんだ、嫌ってはないんだ! 良かったー!」

「いや、個人的にはめちゃくちゃ敵視してますよ。だって俺はアイツのせいで“魔拳士”を名乗れないんですから!」

「へ?」

「アイツが“魔拳士”バルタザールって通ってるせいで調子に乗って名乗った瞬間から色々きてるんですよ! 本当馬鹿じゃねぇのかよアイツ!」

「なんだろう、ものすごくしょうもないや」

 

 自覚はしてますよヒルダの姐さん! けど二つ名とか憧れる年頃だもの! 永遠の病気なんだよコレは! 

 

「着きました!」

「ありがとう」

 

 さて、現場検証だ。周囲に魔法の痕はない。1撃にて意識を刈り取ったのかと推測できるが、帰り道を襲われたことに間違いはなさそうだ。

 

 ……本物の盗賊ならの話だが。

 

「……リンハルト、なんかわかるか?」

「お手上げ? じゃあ僕も無理だと思うよ。僕も魔法的痕跡はまったくなかったし」

「じゃあ、追跡と行こうか。これだけの人数がこの管理不届きのアビスを動いてるんだ。大雑把にでもわかるモノはある」

「ジョニー、何人かわかるの?」

「10人以上。それ以上は数えてない」

「……どこ? そんな痕跡わかんなかったよ」

「一つの方向から行って帰ってる靴跡があります。泥はないですけど、外の砂が靴から落ちたんでしょうね」

「うわ、なんでこんなの見つけられるの?」

「慣れですよ。ガキの頃娼館から逃げた金無しを追い詰めるのは俺の仕事だったんで」

「アレって相当信用ないとやらせて貰えない仕事じゃなかった?」

「信用の塊やぞ、俺は」

「ま、ジョニー君が嘘つく時って大抵もっと大事な事の為だからね。お仕事の事なら問題なく任せられるよねー」

「流石ジョニーさん。人気者ですね」

「どーですか。地下だけのスターじゃないんですよ俺は。ってのは置いといて、追跡に移ります。結構出遅れてるんで意味はないかもしれませんが、警戒してゆっくり行きます。この戦力で大勢とはやりあいたくないですからね」

 

 そうして進んでいくと、迷わずに真っ直ぐ出口に向かうのがわかった。確認してみると、遠くにある出口への最短ルートだそうだ。

 

 そして、惑わしの為に色々やった罠はにはまったく手がつけられていない。まぁ、それはそうなんだけれども。

 

「じゃあ、出口付近の連中に書き込みして戻ります。あなたはここに」

「はい! 御武運を!」

 

 

「所で、なんであの人の名前呼ばないの? ジョニーくん」

「いや、あの人も名前がジョニーなんだよ。しかも間違いなく俺と同じ理由で」

「ジョニーの名付けられた理由?」

「あー」

「ヒルダの姐さんは……一発平手良いですよ」

「えー、しないよー」

 

「じゃあ理由おば。股間のモノの異名が理由です」

 

「最悪じゃないか! え、名前の由来それで良いの?」

「流石にそれはちょっとだねー。なんでグレてないの?」

「そりゃ、由来がどうであれ俺を育ててくれた恩人がくれた名前ですから。嫌いにはなれませんて」

 

 

 

 それが、唯一の親の遺産なのだから。

 

「ま、ジョニーはジョニーだしなんでも良いけどさ、探すアテはあるの?」

「まぁ一応。この辺りには最近来たばっかだからな。顔馴染みになった人に軽く聞いてみるわ。お前らは表側で話聞いてみてくれ。案外誰かが見てるかも知れん」

 

 そうして、情報屋へと話を聞きに行く。ダメ元だったが、やはりこちら側には逃げていなかったようだ。

 

 良かった。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。宝杯を欲するとしたらそれは闇に蠢く者達関係だ。それは俺の想定を遥かに超えるものになることは明らかなのだ。場合によっては炎帝勢力の幻のシックスマン、黄色仮面(仮)にならなければならないのだから。

 

「どうだったジョニーくん。こっちは空振り」

「こっちもです。ひとまずアビスの街に戻りましょう。逃げ切られました」

「うーん、これなら無理しても急いだほうが良かったんじゃないかな、なんて思っちゃうね」

「いや、それを言うならユーリスが俺に声をかけずに宝探しに行ったのがそもそもの理由なんだから良いんだよ。無駄な気を使いやがって」

 

 そうして集められるだけの情報を集めて、街へと帰還した。

 


 

「それで、レア様との話し合いは?」

「ま、なんて事ねぇよ。先生の力を借りて宝杯で敵を釣る。そして一網打尽だ」

「シンプルでいいね。ハピ、使えるのか?」

「大丈夫。けど最近はため息があんま出ないから難しいかも」

「ありゃりゃ、幸せも考えもんだな。嬉しい変化だと思うけどさ」

「所でジョニー、あなたはユーリスの事情を知っていらしたの? 初対面の時何やら納得していたようでしたけど」

「ま、蛇の道は蛇ってな。ウチの領民に王国の辺りにいた盗賊に詳しい奴がいたんだよ。その話の流れでコイツのやった事を知ったわけだ」

「それで対応が全く変わらねぇどころか踏み込んでくるあたり、本当意味わかんねぇよな、コイツ」

 

 そう言って笑うユーリス。釣られて俺も笑う。

 

 

 ユーリスは、昔の仲間達を守る為に教団に抗議し、追手をかけられ、その数人を殺してしまった。それがコイツのアビスにいる来歴である。

 

 そんな仲間思いの奴の事を、助けたくならないような奴は男ではないんだよ。

 

「ま、それじゃあこの辺で俺は別行動だな。元からユーリスに頼まれてた仕事、まだ終わってねぇし」

「そういやお前、なんで空から降ってきたんだよ」

「宝を見つけたからだよ」

「お前マジであのカラクリ目当てで橋から落ちてきたのか⁉︎馬鹿じゃねぇのか⁉︎」

「悪いか? 馬鹿さ俺は!」

「けど、それはアルファルドさんより大事な事か?」

「まぁな。その盗賊がそもそもどこから出てきたのかを調べる事。対処は先生とお前たちに全部任せるさ。それができる自信があるから、宝杯をレア様から分捕ってきたんだろ?」

 

「じゃあ、アルファルドさんの事頼むぜ。ま、俺は会ったことないんだけどさ!」

 

 そうして、俺は騎士の詰所へと行ってシャミアさんに選抜メンバーにユーリスの仲間を助け出すための作戦準備をさせたのだった。

 

 

 

 そうして、ハピや先生の大活躍によりアルファルドさんは無事助けられたが

 

 ユーリスは3人の仲間を裏切って、宝杯と共にアルファルドさんと3人と共に消えた。

 

 アルファルドさんの手勢と共に。

 

 そして同時に、街への同時多発テロが始まる。アルファルドの手引きだ。これでアルファルドにはもう殆どの騎士団は手を出せない。それが、この戦いの結果だった。

 


 

 そうして意気消沈している先生たちに、ユーリスからの言伝を伝える。

 

「天帝の剣のあった聖廟に、夜半過ぎの鐘が鳴ったとき。それが踏み込みの合図です」

「どうしてそこまでわかっているのに止めなかった?」

 

 睨み付けてくるディミトリをはじめとした皆。それに対して、真っ直ぐに見据えて言う。

 

「ユーリスのダチが人質に取られてました。それに、アビスの人達も実質人質です。だから、最後の一撃に対してのカウンターで盤面をひっくり返すしかユーリスにはなかったんですよ。確実に捕らえなければ、害が及ぶのは大事な仲間たちなんですから」

「それが信用できるのか?」

「信じられる。だってアイツは」

 

「仮面の裏で、ずっと助けを求めてた」

 

「だから、友人として力になるし、助け出す。それが約束だ」

 

 どうせこの手の説得に小細工など無用だ。

 

 そうしていると、先生が一言言った。

 

灰狼の学級(ヴォルフクラッセ)の皆は、もう仲間だ。信じよう」

 

 それは、ユーリスに斬られるフリをした先生の言葉。最も迷っているはずなのに、真っ直ぐ俺を見て信じてくれた。

 

「私もジョニーを信じるわ。あなたが、助けを求める声を間違えるような愚か者ではないことは私が一番知っているもの」

 

 エガさんは、ユーリスのことは程々に、しかし俺のことを全面的に信じてそう言葉をあげてくれた。

 

「ま、状況的に一番納得がいくのがジョニーの話だ。これは間違いじゃないと思うぜ」

 

 クロさんは、純粋な思考の結果俺を信じてくれた。

 

「……全く、これでは俺が悪者ではないか。俺とてジョニーを信じている。お前の心の暖かさは俺も知っているからな。それにユーリスが影響されない訳はないさ」

 

 ディミトリは、可能性を言っただけでそもそも疑ってなかった。

 

 それから皆がそれぞれに言葉を放ち、全会一致で霊廟へと奇襲が決定した。

 

 それを聞いた俺は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()V()e()r()1().()3()()()()()()()()()()()()()()

 

「じゃあ、行きますか!」

 

 そうして、俺たち8人は新たな友を救う為に、霊廟へと向かった。

 


 

「シャミア急ぎ出立の準備を……これは?」

「なに、賭けに負けた女と、休日を返上して面白い年下の友人の友人を救う為に準備していた騎士達が居ただけですよレアさん。ユーリスという奴の仲間を助けに行きます。そのついでに街の騒ぎも収めてきますが、構いませんね」

「……ジョニー、あなたという子は……」

 

 大司教レアは知らず身震いした。この奇妙な感覚は、彼の兄が初めて歌というものを披露した時と同じものに思えた。

 

 そう、歓迎すべき未知というモノに。

 

「では、よろしくお願いします」

「任されました、行くぞ」

 

 そうしてシャミア達非番騎士は馬を駆る。

 この盤面を描いた二人のトリックスターの導きのままに。




ちょくちょく裏でバージョンアップしていくジョニーくんの発明。発信器はまだノイズを遠くまで発生させる程度のものですが、それで十分に伝わるメッセージ。付き合いの濃さは伊達ではなかったり。

今更ながらのジョニーくんのゲーム的得意不得意

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ジョニー=フォン=コーデリア

男 15歳?
身長 158cm

紋章 グロスタールの紋章 りゅうそうの紋章?(魔獣への特攻、武器を使った攻撃の命中率低下大)

所属:レスター諸侯同盟

肩書き:コーデリアの異端児 魔獣殺し

趣味:発明、手品

好きなもの:姉、笑顔

嫌いなもの:借金


固有スキル 魔拳格闘:武器を所持していない時、魔力と力の数値の平均で、敵の防御と魔防の平均に対してダメージ計算を行う魔拳格闘(威力(力+魔力/15 端数切り捨て)、命中90、重さ1 回数60)を行える。また、武器扱いとして戦技も用いる事ができる。

得意 格闘、理学
苦手 剣術、槍術、斧術、信仰、指揮
才能開花 飛行


得意ステータス 力 魔力 速さ
苦手ステータス HP 幸運

初期値の魅力と技が高い

全体的に伸びは悪くないが、乱数の神様次第で姉に勝てる弟などいるものか!と言われるレベルになるキャラ。

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どの学級を選んでも、素材との物々交換でアイテムを貰える。森を延焼状態にする火炎瓶や、好感度上昇アイテムのガラス細工など。

スカウト難易度はほぼ無理ゲー。ただしリシテアを勧誘した後なら無条件になる。

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