ライネス・エルメロイ・アーチゾルテの真似をする性転換少女 作:ピトーたんは猫娘
FGOにおける福袋ガチャ。3000円の課金で星5確定。排出率が馬鹿みたいに低い悪い文明を相手に残された救済措置。このガチャでメルトリリスを狙い、四騎士+アルターエゴの福袋を購入した。
確定虹演出に現れたのはライダー……残念がる瞬間、胸が苦しくなり目の前が真っ暗になっていく。
「……く、せ、せめて……だれがきたか……」
テーブルに置いていたスマホに頭が激突し、何も見えなくなった。
光が差し、目を開けると霞んだ視界の中で巨人の女性が覗いていた。慌てて身体を動かして逃げようとするも、身体はろくに動かない。ましてや声をあげようにも声がちゃんとでない。
「#=IrORFJO」
「GIDKOERJO+TGWKD」
その女性は意味の分からない言葉を発する。恐怖に慄いていると、持ち上げられて周りが微かに映る。どれも霞んでいるが、ここが豪華な巨人の部屋だということはわかった。続いて自分の身体を確認すると、どうやら俺は赤ちゃんになってしまったようだ。うん、まあこれは仕方ないのかもしれない。色々と未練はある。あのアニメやゲームの続き、ましてやパソコンのハードディスクの中、家族のことなどだ。だが、記憶を持って転生できたことは喜ばしい。可愛い彼女を作ってエロイことをしたい! 平和に安定した生活がおくれるだろうし、王侯貴族っぽいし勝ち組確定だ! それとなにか隣にも同じ恰好の赤ん坊がいるし、可愛い妹も居る。やはり勝ち組は確定だ。
そう思っていた。
しばらく時が経ち、視界の霞がだんだんと消えて言葉が理解できるようになってきたら、やばい現状が判明した。まず、父親の顔にどこか見覚えがあった。そして、使われている文字にもまったく読めないが心当たりがある。それらを繋げて必死に記憶を辿るとある一つの結論に辿り着いた。そう、この世界がHunter×Hunterの世界であり、俺がカキン帝国の王子に転生したということに。
しかし、ここで問題がある。というのも、このカキン帝国はやばい。この世界で屈指のヤバさを持つ暗黒大陸に行こうとするし、王位の継承に壺中卵の儀というカキン帝国王家に代々伝わる儀式を行うのだ。
これは初代国王などが蠱毒に発想を得て子孫繁栄の為に遺した念能力の名前とされている。遮光器土偶の顔を模した壺に王子がその血を一滴注ぎ、中央の穴に手を入れ王即位の意思を念じると、壺から妖精のような念獣が現れ、守護霊獣の卵をその口に押し入れる。
この儀式によって、守護霊獣という念獣が生まれ、取り憑いた者のオーラを糧として、その者の人となりに影響を受けた形態や能力に変貌し、その者を守護する。
本人が創り出したものではない寄生型の念能力であるため、自身の意思で動かすことは出来ないし、念獣固有の系統・主能力と、宿主の王子の素質が別物であり、寄生型の念獣がどうなるか予測不可能という性質が大きく現れている。
念獣は念獣が憑いたものを攻撃することはなく、念獣同士もお互いを攻撃しない。念能力の有無にかかわらず、本人には自他いずれの念獣も視認できないという曲者だ。
何が言いたいかというと、この儀式が漫画の知識通りなら100%行われ、その殺し合いに俺も巻き込まれることになるということだ。
特に暗黒大陸から持ち帰られてくる物によっては死ぬこともありえる。病原菌やウイルスなんかもあるだろうし、キメラアントというこちらでは最強ともいえる種族があちらでは最弱に近いのだから。
ああ、本当にこれは生半可な事では生き残ることなど無理だ。この世界は命が軽すぎるし、ちょっとしたことで人類を滅ぼす可能性が高い存在が暗黒大陸には五万といる。その内の一体でも俺達が住む場所に流れつくだけで死ぬ可能性が高く、とても安心して過ごせる環境ではない。ならば力を手に入れるしかない。ましてや俺は女性として転生した。
そう、私はFGOのガチャをしていたら心臓発作で死んでしまい、気が付いたらハンターハンターの世界に転生していた。何を言っているのかわからないだろうが、私も分からない。
しかも性転換だぞ! 性転換!
男性から女性になるなど最悪だ。男が良かった。使われていない息子ともさよならしたことも悲しい。
では、改めて判明した事を説明しよう。文字はわからないが、母親や乳母の言葉から私の名前はライネス・ホイコーロだ。ライネス。うん、ライネス。そこで思いだしてもらいたい。俺が最後に引いたガチャはなんだっただろうか? アルターエゴと四騎士のガチャだ。そして、虹の確定演出は中身こそ見ていないが、ライダーだった。
つまり、私の身体はFateのロード・エルメロイⅡ世の事件簿やFGOことFate/Grand Orderという作品にでてくる美しい金髪のロングヘアーに空色の瞳を持った愛らしい少女ライネス・エルメロイ・アーチゾルテもしくはその身体にサーヴァント司馬懿の力を宿した存在という可能性がある。というか、そうじゃないと死ねる。ただでさえ、Hunter×Hunterの世界に存在するカキン帝国の第13王子(女性でも王子)として生まれたのだから。
しかし、まだ救済措置は用意されている。神様……いや、存在Xの思惑を超えるために手段を択ばずに鍛えぬかねばならない。なぜなら王子の中には女性にとっては致命的であり、危険すぎる第4王子ツェリードニヒ=ホイコーロがいる。表向きは知的で博学な雰囲気の青年だが、残虐でサディスティックな本性を持っている。
また、独自の美学に則って若い女性、その中でも聡明な者を虐殺して加工し、壁に飾ったりする事を好む人体収集家だ。つまり、俺が目指すことになるライネス・エルメロイ・アーチゾルテなどこいつにとっては格好の獲物でしかない。
それと嘘吐きな女性を徹底して憎み、同時にそういった女性から下に見られる事を恐れてもいる。緋の眼を大量に保持する人体蒐集家でもあり、そのうち一つは頭部ごと保存している。このように王子の中でも一際邪悪な人間性の持ち主で、儀式の時に手に入れた2体の念獣にも強く反映されていて危険度は大だ。
私有の権力と財力を用いて、自身の犯罪行為の痕跡をもみ消しているし、内心では他の王子達をゴミと見下し、継承戦に意欲的だ。本性を知る者は私設兵・実兄ベンジャミン・ミザイストムなどごく一部だ。三大マフィアのエイ=イ一家とも懇意で、女性を融通してもらったりもみ消してもらったりする時の処理も担当してもらっている可能性がある。
そして、並外れた念の才を秘めており、念の存在を知ってすぐの指南で修行を開始すると、わずか1週間で四大行をマスターするといった化け物だ。こいつはキメラアントの王、メルエムに匹敵する存在かもしないのだ。つまり、そんな相手をぶち殺し、対抗できる手段を用意せねばならないというわけだ。うん、無理!
可能性があるとすればやはり、Hunter×Hunterの世界における超能力の代名詞。念能力による物だろう。これを鍛えねば勝ち目がない。
念能力とは自らの肉体の精孔という部分からあふれ出る、オーラとよばれる生命エネルギーを操る能力のことだ。念を使う者を念能力者と呼び、念能力によって自身や他者に様々な影響を与える事ができる。
一般人の間では念能力の存在自体が知られていないことも多く、無意識に念を習得した者が、霊能力者や超能力者と呼ばれたり、芸術などの専門分野で業績を上げたりしていることもある。
基本的には戦闘に使用する能力が代表的だが、必ずしも戦いのための能力に限らない。ハンターは仕事柄、未知の領域に踏み込むことが多く、念が使えないと一人前のハンターとして認めてもらえないばかりか、命を危険に晒しかねない。誰でも身につけることができるが、公的には隠された技能であり、習熟度も才能による差が大きい。
まあ、これはどの王子達もそれなりの実力を持っているのだから、才能はあると思われる。ましてや俺はライネス・エルメロイ・アーチゾルテ(司馬懿)の身体を使っているのだ。才能が無い訳がない。(断言)
それと念能力による影響は、本人が解除すれば消える。消耗やダメージで能力を維持できなくなっても消えるから安心だ。もちろん能力者本人が死ねば消えるし、他人がかけた念を取り除くことができる者もいる。こちらはきわめて稀少だ。
一部の例外で、死の未練で能力が残って作動し続けるというケースがある。つまり、念能力は使い手が死んでも能力が解除されるとは限らないということだ。それどころか、術者が強い執着や恨みを持ったまま死ぬと、その念は恐ろしく強くなり、自ずと憎悪や執念の対象へと向かうようになる。すでに念を込めたものがあれば、その能力が強大化する可能性が極めて高い。
念能力を解除するには事前に設定されている解除条件を満たす以外に除念する方法がある。これが可能な念能力者は除念師と呼ばれ非常に数が少ない。特に死者が遺した念を除念するのは極めて難しく、これが可能な除念師は世界中で10人足らずである。
除念といっても念の影響を完全に取り除けるわけではなく、現状では除念師が死者の念を代わりに引き受け、その分のリスクを負うという大変に危険な方法でしか行うことができない。
無論何でも除念できるわけではなく、あまりにも業の深いドス黒いオーラに対しては、除念師も音を上げてしまう。なお、念能力の存在を知らない一般人はこうした現象を霊の仕業と誤解しており、霊能力者によって除霊できると考えている。
俺はこれを利用するつもりである。念能力の修得には時間がかかるから、まだゆっくりと考えることにするけど。
それよりも念の習得についてだ。未習得の人間が念使いのオーラ攻撃を受けると念に目覚めることがあるが、それはもし生き残ればということであり、仮に覚醒しても身体を壊され後遺症を負っていることも珍しくないので行わない。俺が選ぶのは座禅や瞑想でオーラの流れを体感しながらゆっくりと精孔を開く。赤ちゃんなので時間だけはある。
ベッドの上で瞑想し、身体の中にある精孔が開き、オーラが噴出して身体の周りを漂うイメージで行う。ライネス・エルメロイ・アーチゾルテなら余裕でできる。だから、できないわけがない。そう思いこんで必死に頑張る。
人間、頑張ればできるもので、五ヵ月で精孔が開いてくれた。周りに漂う物がどんどん抜けていくので、オーラが拡散しないように体の周囲にとどめる
次に身体の中でオーラを血流に乗せて循環させるイメージをして、どんどん濃度を濃くする感じで行う。一週ごとに増やしていく感じだ。こちらは精孔を広げて、通常以上のオーラを出す
すぐに気絶しそうになるが、
起きたらすぐに気絶するように眠り、ほとんど動かないために病弱だと心配されるようになってしまったようだが、気にしない。それにしても流石はライネス・エルメロイ・アーチゾルテであり、ホイコーロ王家の血を引くだけあって才能が凄い。オーラの質と量がどんどん向上している。二歳になるまではこれを続けるとしよう。
二歳になった。母親のセヴァンチがついにこなくなった。俺はほぼ無視していたし、病弱なので何時死ぬかわからないからだろう。だが、妹ではなく、姉だったモモゼと一緒に放置されるのは納得がいかない。
モモゼは何かと寂しいのか俺にかまってきて、鬱陶しい。彼女も本質的には敵だ。腹黒いし俺を殺しにくるだろう。まあ、彼女の相手はまた今度でいい。
どうせ最初に殺されるのだ。助けられるのなら、助けてもいいが……違うな。ライネス・エルメロイ・アーチゾルテなら、利益があるならば助ける。これで行こう。
さて、生まれてから二年間の修行でオーラの総量と質はかなり増えていると思う。実際に外に出すわけにはいかないので、水見式もできない。王宮にも念能力者がいるし、まだ原作の第13王子が生まれていないので、母親であるセヴァンチは上位の序列を持つ王妃から、護衛という名の監視が派遣されている。自分で護衛を選ぶことはできないので常に見張られていると思った方がいい。そいつらが念能力者なのは継承戦で派遣されてきた連中や第一王子の手勢が念能力者ばかりなのでほぼ確実だ。
そのため、隠という隠密性に特化させた応用技も覚える。こちらは絶を使って隠すだけなので練習すればできた。二ヶ月もかかって完全に隠すことはできないが、及第点だろう。
さて、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテの系統はなんだろうか?
二歳の現状では水見式といわれるタイプの測定はできないし、成長したとしても護衛として監視が常に控えている状況になるだろう。念能力者からしたら水見式で行うだけでバレる可能性が高いし、系統を知られる上にこちらの成長状況が筒抜けになる。これは困る。
念能力者同士の戦いは如何に相手の能力を知っているかによる。どんな強者でもメタられたら負けるのだ。原作で念を覚えて一年ぐらいだったと思うクラピカが幻影旅団という念のスペシャリストを能力を特化させることで殺す事を成功している。念の自由性は無限大といえる。なので、できれば水見式をして適性にあった発を作りたいが、将来的にも難しい。
そこで、俺の身体、ライネスから考える。彼女は月霊髄液という礼装を操る。これは水銀を操作するということを考えると操作系の可能性が高い。しかし、この力は後々開発する。
いくら天才軍師の司馬懿とライネス・エルメロイ・アーチゾルテといえど、能力を開発するメモリが足りなくなる可能性がある。では、どうするかと言われたら、足りないのならば別の所から強化して持ってくればいい。
その手段の一つとして念能力には死後の念と呼ばれる手段がある。こいつは前に説明した通り、死んだ時の未練や恨みなどで増幅されるとのことだ。だったら、確実に死後の念になるように調整した制約と誓約を本人に強制させてしまえばいい。
酷い事だって? 知ったことではない。ライネス・エルメロイ・アーチゾルテは根源を目指す魔術師だ。そして、司馬懿は魏の国で曹操や息子の曹丕らに仕え、頭角を現して後にクーデターで皇族たちを打ち破り、権力を手中にした。この程度は彼女や彼も行うさ。そして、俺は彼女の身体を持つのだから、やることはやる。まあ、女が好きだからそっち方面の事はするだろうけど。
さて、ではここで開発する能力を決めよう。どうせ系統を知ることはできない。賭けにはなるが、メモリを回収できる手段を用意すればいい。というわけでまず、作るのは操作系と具現化系を合わせた念能力だ。
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテの系統が操作系だと仮定すると、操作系が100%。隣の放出系が80%。特質系が0%。具現化系が60%となるが、メインを操作系とするので問題はない。特質系は基本的に0%となるので、これは間違いではないが、カキン帝国の王族として特質系の可能性もある。第4王子がそれだし。特質系なら非常に助かる。
で、肝心の能力だが……諸君等は魔法少女まどか☆マギカを知っているだろうか?
うん、知らない人もいると思うが、宇宙からやってきたキュゥべぇ達が十代の少女達の願いを叶えて、その代価として魔法少女という生物兵器に加工し、魔女と呼ばれる存在と延々と死ぬまで……否。
魔女になるまで戦わせ続けるという話だ。そして、魔女は一般人や魔法少女を襲っていく。魔法少女が魔女になるのは深い絶望に襲われ、ソウルジェムと言われる魔法少女の魂が入った物が黒くなるとなる。
簡単に言うと戦いの中で絶望すると魔女になるわけだ。そうなると、これは魔法少女が投入される限り延々と続いていく。そして、キュゥべえ達インキュベーターの目的は魔法少女が魔女になる時に発せられる感情をエネルギーに変換し、それをもって低下するエントロピーを上げるために行っている。彼等には個々の個体という概念はなく、全体が一つの意識を共有しているという存在だ。詳しくは見るといい。だが、マミられないように気をつけたまえ。俺はもう見れないから、俺の分まで楽しむといい。
もうわかるだろう。俺が作る能力はキュゥべえをイメージした寄生型の念獣だ。この念獣は生物ならなんでも寄生できるようにする。ただし、寄生には契約が必要で願いを叶えたいかどうかを確認し、契約する場合は意識を読み取って願いを判断する。意識が希薄な場合は強制的に寄生し、対象者に望まれるものを銀の鳥が統計から判断する。
これは俗に言う―
ボクと契約して念能力者になってよ!
もしくは――
願いを叶えて欲しくないか?
という悪役の台詞である。
契約を了承した場合、対象の願いを叶えるために俺が具現化した寄生型念獣が操作系能力で寄生主の身体を操り、念能力を強制覚醒させる。
次に制約と誓約を結ばせる。制約と誓約は、
八割の能力を契約者の深層心理を読み取って願いを叶える力へと変え、残り二割は死亡する時に感情を操って強制的に死後の念となり、俺が作った銀の鳥に収められる能力を作成する。得られた死後の念によって強化されたオーラを使い、銀の鳥が複製される。複製された鳥は次の宿主を探しに飛び立っていく。
つまり、魔法少女になった存在は死後、全てを銀の鳥に吸収され、使用者のオーラとスペックの一部は俺に戻って還元されるということだ。戻ってくるのは二割に設定する。残り八割は増殖と無限再生にあてるというわけだ。基本的に他人頼りの能力だが、充分に強いだろう。制約と誓約はこんな感じにする。
制約ルール
1.制作者は銀の鳥に対して進む方角を指示し、銀の鳥の視覚情報を見ることしかできない。
2.銀の鳥の大きさは制作者が決められるが、指定しないと込められた念の量によってどんどん大きくなっていく。
3.銀の鳥の活動距離は身体を維持するオーラが二割以下になるまでに寄生対象を見つけなければ消滅する。
4.銀の鳥の活動時間は収められた念のオーラとする。
5.制作者のオーラを永遠に八割消費し続け、絶の使用を禁止する。
6.契約者に制作者だと知り、それを本人に告げた場合、その者にかかっている能力を解除し、その者が願った代価を制作者本人が負担する。負担できない場合、制作者は銀の鳥が運んできた全てのメモリとオーラを失う。
7.契約者は銀の鳥についてどのような手段でも伝える事を禁じ、破った場合は契約者は即時死亡し、死後の念となって制作者の支配下に入る。
8.契約者は制作者に願いの代価を肩代わりしてもらった場合、制作者に対しての絶対命令権が三度だけ与えられる。この命令権は制作者と契約者に危害を与える物はできず、互いへの攻撃行動などを禁じる。また触れながらでないと発動しない。(令呪が与えられる)
9.除念された場合、契約者の念能力は残り、銀の鳥に蓄えられたオーラとメモリは契約者に譲渡され、契約者の願いを叶えたオーラは制作者が負担する。
誓約ルール
1.制作者が制約を破ると死亡する。
2.契約者が制約を破ると死亡する。
発を発動し、銀の鳥を作る。小さな小さな銀の鳥達が生まれてくる。指定する大きさはナノサイズ。大きくても蚊くらいにして数を増やす。その子達を窓から空へと放つ。とりあえず、目指すのは暗黒大陸だ。その為に鳥にしたわけだしな。まあ、その前にこの辺りで色々と力をくれてやろう。
契約者を念能力者に強制覚醒させ、オーラを無理矢理引き出して願いを叶える発を作り出させる。代価として命を圧縮して作り出すのでこちらに負担はほぼない。八割のオーラが常に取られ続けるだけだから、こちらの総量が格段に増えてもまずばれまい。ああ、ここから出す時にバレるかもしれない。数をかなり少なくして夜にしておけばいいか。ちゃんと隠もしてあるし、大丈夫だろう。
俺の幸せを呼ぶ青い鳥ならぬ銀の鳥達よ。契約者にひと時の夢と希望を与えてくるといい。
『午後のニュースをお伝えします。街中で魔獣が巨大化したりする事件が発生しています。また、その魔獣はハンター達により討伐されましたが……』
こんなニュースが飛び込んできた──
『金山を長年探し求めていたケルヒャーさんが発見した翌日に死亡しました』
命の寿命が足りなかったか。
『子供が超能力を使えるようになったと騒ぐ人や──』
さもありなん。子供なら願うだろう。特別な存在となりたいと。
『マフィアの抗争が激化し、街が一つが崩壊しました。夥しい死者がでており──』
わ、わるくない。あくまでも使用者に任せているわけだしな、うん。
五年後。私、ライネス・ホイコーロは七歳になった。ロード・エルメロイⅡ世の事件簿アニメ版一話に出て来たライネス・エルメロイ・アーチゾルテと完全に同じ姿となっている。というのも、髪の毛の色とか細部が違ったり、色々とあったりしたのだ。もっともな理由は七歳にもなるとしっかりと王子として相応しい教育がされるわけだ。男である私も遺憾ながら淑女としての勉強も強制され、喋り方からなにまで厳しい指摘を受ける。もう本当に嫌で嫌でたまらなかった。だから、私はせめて念能力で身体を操作して完全にライネス・エルメロイ・アーチゾルテにした。金色の輝く髪の毛に同じく輝く金色の瞳。服装も緑の服に黒いリボン。とても好奇心が旺盛でからかうのが大好きそうな可愛らしい女の子だ。ロールプレイということにすればまだなんとかなる。TRPGと同じだね。
銀の鳥の制約で絶もできないし、回復は遅いのだけどそれ以上に銀の鳥が回収してくるオーラが増えている。やはり、一体一体は少なくても数が多ければ増える量も馬鹿にならない。もちろん、纏と錬はひたすら続けているし、応用技にも手を出し始めているが、絶ができないので硬や隠は得意ではなくなったが、微かに漏れ出ているぐらいにするぐらいはできた。ああ、こう言おう。オーラを振り分ける流モドキであると。ちなみに流はちゃんとできる。凝も円もできるが、錬の状態を維持する堅はまだ長時間はできていない。たったの七時間程度だ。
「ライネス、お母様が呼んでいるわ。晩餐会に出るようにとのことよ」
「碌な事じゃないな。気分がすぐれないから断ると伝えてくれ、お姉様」
「駄目よ。そう言ってこないだも欠席したじゃない!」
「嫌だ嫌だ行きたくない!」
「……出席したら、ライネスが欲しがっていた水銀を大量に用意してくれるそうよ?」
「何をしている。早く行くぞお姉様!」
「はやっ!」
水銀が手に入るのなら構わない。何に使うかなんて言わなかったので、王宮に入れる事を拒否されていた。流石に水銀は危険物なので仕方がない。例えば、ジメチル水銀は1000分の1ミリリットルの量でも死に至る神経毒なのだ。止められるのは当然である。しかし、念能力として月霊髄液を作り、使うにはこれしかない。もちろん、持ち運ぶための念能力も用意する。大量の水銀を使役しなければ勝てない存在は多いだろうからね。うん、点での攻撃を防がれようと、面で圧殺してしまえば勝つ事は可能だろう。例えば海上にある船の上で、相手が未来視を使ってきたとしてもね。
「待ちなさい! まずはドレスに着替えないと駄目よ」
「……これでいいじゃないか」
「駄目に決まっているでしょう。王族としてしっかりとしてよね。姉である私まで怒られるのだから」
「やれやれ、面倒だね」
仕方がない。メイドに言ってドレスを用意させよう。しかし、カキン帝国の教育は酷い物だ。ホイコーロの国王は妻と子供達にも王の一族に相応しい行動を強く求める。
つまり、次代の王になる事を信じて疑わない子供を育てることが妻の役目だ。私達は王になれる機会が来て当然と考えている。その機会を自ら放棄すれば王の子ではないとされ、処刑されるだけだ。
もっとも、私はそうなったとしても処刑されるつもりはないし、国王の座に興味が無いといえば嘘になる。王にならねば殺されてしまうのだし、私には司馬懿の力があるのだから有利だろうさ。
司馬懿は中国三国時代の軍師だ。魏の国で曹操や息子の曹丕らに仕え、頭角を現し、蜀に仕えた孔明とはライバル関係として知られている。それから後にクーデターで皇族たちを打ち破り、権力を手中にした。彼の死後、孫の司馬炎が晋を建国して皇帝となると宣帝の称号を贈られた。だから、私にだってできるだろう。彼の力がサーヴァントとしてあるのだからね。
そんな訳で焦る必要はない。罠を這って確実に他の連中を殺す……いやはや、駄目だな。ライネス・エルメロイ・アーチゾルテや司馬懿の思考に染まってきている。ロールプレイもほどほどにしないとな。私を監視している護衛もいることだし、油断はできない。何れは彼等を処分するつもりだが、まだいいか。私の邪魔にならなければいい。
モモゼの念能力を募集
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糸使い
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布使い
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ぬいぐるみ使い