ライネス・エルメロイ・アーチゾルテの真似をする性転換少女 作:ピトーたんは猫娘
今回は賛否両論あると思います。許してください。なんでもしますから……たぶん
さて、アルルーナことあるるんがゾルディック家の相手をしてくれる。その戦いで隙を見せれば容赦なくジャックが殺しにかかる。あるるんとジャックではゾルディック家を殺すことはできず、敗退するだろうが……時間を稼ぐ事はできる。
それまでに巨人を始末すれば私の勝利……とはならない。ゾルディック家が依頼をキャンセルするのは依頼主が死んだ場合のみ。故に、殺すべきはパリストン。既に権力を使用し、電力会社から通信のデータを受け取っている。暗号を使ったとしても、制作者が作った鍵を使えば解読は容易いし、手に入らなくても状況証拠を利用して証拠を捏造するなど私にとっては容易い。また、パリストンの配下が襲撃に加担していたことはわかっている。
私の邸宅は色々な場所から監視されているし、治外法権の施設に近付く者は念能力者、一般人関係なく全て監視対象だ。ネットワークによる監視カメラや遠くからネットワークにアクセスしない望遠鏡を利用した監視カメラなど様々なものが仕掛けられている。中には私が関与していない物も大量にある。それらは他の王族が用意したものだ。それに私がハンター協会のメンバーを警戒しないはずがないだろう。メンバーのほとんどは所在地を監視している。
特にパリストンなどは要注意警戒対象だ。だからこそ、彼の手駒が私の領域に入ってきたのはジャックの情報から考査し、連絡を入れて調査させたら判明した。他の王族連中にも協力を要請し、全ての監視映像を提出させた。彼等も王族の暗殺となれば他人事ではなく、動くしかない。お父様にも話を通せば文句も言えない。
ただ、これをやってしまえばパリストンを殺すしかない。そこに生かすメリットや殺すデメリットは一切関係ない。キッチリと報復せねば私が殺されるだけだ。パリストンを殺してゾルディック家が止まればそれが何よりの証拠となるし、止まらなくても関わっている事は確実なのだから処断すればいい。
「あ?」
ウボォーギン君が巨人と拳を合わせ、弾き飛ばした巨人の腕を月霊髄液で思いっ切りぶん殴る。
「おいおい、なにしてやがる」
「帰りの船はどうするのよ!」
月霊髄液をトリムマウの姿から馬に変えて即座に飛行船の方へと目指す。他の人は私の下へと向かったと思うだろう。
「ライネスは何処に行った?」
「途中から何かに気付いて走っていったわよ。多分、あそこで戦ってるんじゃない?」
「あの濃霧か。まあ、放置でいいだろう。会長もそれでいいか?」
「ああ、わしの目的ははなっから巨人よ。自分で招いたことは自分で尻拭いをせねばな」
「どういうこと?」
「なんでもないさ、嬢ちゃん」
会長にはバレてそうだけど、まあどうとでもなる。むしろ、ハンター協会に責任追及をして解任させてもいいしね。
飛行船が落ちてきている場所に移動し、月霊髄液から糸を伸ばして私が具現化して積み込んでおいた水銀と接続させる。ここからやることは簡単だ。私が必要と思える者達だけを救助する。助けるのはネオン君達だけだ。彼女達は水銀を身体に打ち込んであるので居場所はすぐにわかる。他の船員は誰がパリストンと繋がっているかなどわからない。だからさ、悪いけど死んでくれ。
飛行船の一部が壊され、ネオン君達が犬達と一緒に水銀に包まれてでてくる。彼等がある程度落下したところで指示を出す。飛行船というのはガスで浮いている。そのガスがいっぱいになっているところに瞬間的に体積を増やさせ、火花を散らせばどうなる?
答えは盛大な爆発だ。それも体積が増えた水銀が飛び散り、散弾どころか隕石のような威力になる。私が持つ魔力をたっぷりとくれてやった爆発だ。同じ水銀に守られていなければ即死だろうよ。
「うん、綺麗な花火だ」
爆発四散する飛行船から落ちてくる球体を確認し、それ以外の物を強化した瞳でしっかりと確認して、それが落ちた場所に移動する。飛び散った水銀達は月霊髄液の一部だ。故に命令されているのは
爆発し、散り散りになった月霊髄液は周りの生物を自動で索敵し、見つけた対象を殺していく。爆発を至近距離で受けた後に私の月霊髄液に襲われれば、たとえ念能力者といえども生き残れるはずがない。そもそもの行動プロトコルとして、体内に入ればそこでその場に留まり、刃を持つ球体となって高速回転して振動が伝わる中心部へと移動するように設定してある。つまり、心臓に向かって体内を斬り裂きながら移動し続けるんだ。
イメージとした先は機動戦士ガンダムF91に登場した自律型の無人兵器バグだ。これはラフレシア・プロジェクトの一環として製作され、人間の体温と呼気に含まれる二酸化炭素を検知して人間を攻撃するようプログラムされている。丸ノコや歯車を髣髴とさせる形状をしており、原理は不明だが宇宙空間・大気圏内の飛行が可能だが……流石に宇宙空間や大気圏内は無理だ。
どちらにせよ、300万人を2,3日で殺害し尽くすことが可能と言われる兵器だ。流石に誰の良心も痛むことのない良い作戦とは言えず、心が痛いが……君達の思いはしっかりと受け止めて糧にさせてもらうよ。もう一つの作戦を実行する方が被害が大きいしね。もう一つはハンター協会を貧者の薔薇を改良した戦略兵器でパリストンとその配下ごとぶっ飛ばす作戦なんだ。一般人や無関係の人は依頼などで外に出し、それ以外の人は渋滞や信号などを狂わせたり、停電させたりしてハンター協会から遠ざけ、爆破。出来る限り無関係の者は助けるようにしたが、被害が尋常じゃなくなるので没にさせてもらった。街の機能が完全に死んじゃうしね。うん。その点では見学に出て来てくれたパリストンには感謝だ。まあ、彼は高みの見物を決め込むと思っていたさ。
月霊髄液をランスロット卿の鎧にして着こみ、身長を誤魔化した上で本当に嫌だが、スプレーで色を卿の鎧に変える。
その状態で爆心地となった森の中を歩く。悲鳴が轟く中を悠然と歩み、生きている者達を観察する。彼等は身体中を穴だらけにされ、更に体内に残った月霊髄液達によって内部から壊されていく。
「……い、やだ、し、しにたくな……」
必死で逃げようとしている念能力者達。即死しなかった分だけ、苦しみがあるのだろう。そこで一つ思い付いたことがあった。パリストンの一味か関係無い者か、わからない者達にはチャンスをくれてやろうじゃないか。
こちらに来ないように調整していた鳥達を呼び寄せ、パリストン以外の者達に囁かせる。私が殺したいのはパリストンだけだ。彼等はいずれ死ぬだろうが、その猶予を与えるだけで私には得がある。なら、現状では生き残らせてから調査し、パリストンと関係がなければ除念して助けてやればいい。もっとも、念能力者は既にメモリを使い切っていれば願いを叶えることはほんの微かにしかできない。それとパリストンには近づけないのだから、その近くに居る人には悪いが、諦めてもらおう。
そうこうしている間に目的の人物を見つけた。彼は身体中から血を流しながらも倒れている木に手をついて立ち上がっていた。しかも、その状況でニコニコ笑っているじゃないか。
「その鎧はライネス・ホイコーロですか……なるほど、私を殺しにきましたか。姿を隠しても無駄ですよ」
無視して倒れている丸太を掴み上げ、振り上げる。パワードスーツみたいなものなので、非力な私でも可能だ。そいつで問答無用にパリストンを斜め上から足に殴りつけて骨を砕く。当然、流で防御してくるが、丸太に纏わせている魔力は相当な上に魔力爆発を利用して加速させているので、貫通できる。
「やれやれ、問答無用ですか。これは貴方の仕業でしょう。しかし、私を殺してはあなたの計画が壊れますよ? クルタ族についてどうするつもりで……」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―ッ!」
当然、無視してもう片方の足を潰す。続いて右手だ。その次は左手。手足を粉砕してから、丸太を横に置いてゆっくりと転がして麺棒で平らにするみたいに身体を潰していく。その途中で気絶してしまったようだ。やはり、ネテロ会長にやられてわかっていたが、開幕ぶっぱは正解だね。
「きさまぁぁぁっ!」
横から飛んできた何かに吹き飛ばされ、地面を削りながら止まる。襲われた方を見れば、そこには白い人型の虎が居た。その虎からは血がどんどん流れ出ている。ソイツはすぐにパリストンをかばうように立ちはだかる。他にも身体を再生させた何人かの連中がこちらにやってきた。
「ここは私に任せてお前達はパリストン様をお助けしろ!」
「しかし、我等では……」
「時間がない! いけ!」
「わかりました! 命に代えてもお助けします!」
四人がパリストンを連れて歩き出す。残ったのは一人だけだ。舐められたものだね。手負いでこの私を相手にしようなど……いいだろう。相手になってやる。まあ、それはそれとして、猟犬は放つし、罠を用意するけどね。まあ、結果は御覧じろってね。
「行くぞ!」
こちらに接近し、殴ってくると思えば急停止して方向を変え、周りを高速で移動していく。こちらが対応できない速度で殴りかかってくるが、月霊髄液が自動防御を行い、カウンターで殴り飛ばす。丸太がないのが残念だ。
私? 私はあれだ。ただ乗っているだけだ。ぶっちゃけ魔力タンクでしかないんだよね、うん。それに私は
だから、球体の中に作った椅子に座りながら優雅に見学しているだけだ。ちなみに真っ暗なので周りの鳥から視界を得ている。今も白虎人間が高速で接近しては殴り飛ばされている。こいつらは銀の鳥がついているから、放っておいたら勝手に死ぬんだよね。
「まだだ。我が命を捧げ、パリストン様の守護者とならん! この者を喰らい尽せッ! ■■■■■■──ッ!!」
身体が急激に膨張し、人型から白い毛並みの虎へと変じていく。その姿に私は見覚えがある。ああ、あの作品もみたね。主人公が敵か。厄介だ。まあ、いいさ。さっさと殺そう。宝具の使用を許可する。
「──Arrrrrrrrrthurrrrrrrrrrrrr!」
腕からガトリング砲を取り出し、ぶっ放す。放たれるのは水銀の弾丸。全ての軌道が効率良く白虎を撃ち貫く。白虎はこちらにジグザグに進みながら、両手で襲い掛かってくるがガトリング砲で殴り飛ばして、空中で更に撃つ。相手は空中で虚空を蹴って移動し、回避するが、すぐに照準を合わせて殺しにかかる。私の月霊髄液はネテロ会長の百式観音を相手に迎撃戦をして経験値を得ている。この程度の動きについてこれずして何が月霊髄液か。エルメロイの至上礼装をなめるなよ。いや、うん、ちょっと自己進化しまくってるけど、エルメロイの至上礼装なら是非もないよな! なんせバンド名を呟いたら歌い出す機能や自らを未来から来た殺人機械と勘違いして、部屋を出て行く間際に親指を立てて「すぐ戻る」と機械的な音声で呟いた事だってあるんだからな!
「ぐぎゃっ!? ぎゃいんっ!」
倒れた白虎の上に乗り、口にガトリング砲の砲身を突っ込んで引き金を引く。口の中で高速回転して吐き出された弾丸はしっかりと白虎の頭部を粉砕し、身体を痙攣させながら色々な体液を噴き出して死亡した。その身体は銀の鳥に変換され、一部が私の中に流れ込んでくる。もっとも、踏みつけている鎧から回収したのでばれはしない。
ご馳走様。さあ、次に行こうか。
◇
逃げる。逃げる。逃げる。パリストン様を抱えて必死に逃げる。木々の間から飛び出してくる銀色の塊は仲間が迎撃してくれる。必死にネテロ会長の下へと向かう。ネテロ会長なら、ライネス・ホイコーロにだって、あの銀の化け物にだって勝てるはずだ!
「治療はどうだ!」
「頑張っているけれど、死んでないのが不思議なぐらいなの!」
私の念能力は治療に特化している物だ。私と相手を繋げて命を共有し、私自身が特化させた再生する力で対象を回復させることができる。これによって、どうにかパリストン様の命を繋いでいる。でも、私のオーラが、命が持たない。私も銀翼の凶鳥の力によって再生能力を高め、どうにか生き残ることができた。でも、それは寿命を削ることであり、力が急速に衰えていっている。何時まで持つかなんてわからない。そもそも銀翼の凶鳥は命を蝋燭に例えると、急激に燃やして火力を得ているだけでしかない。蝋が溶けていけば燃え尽き、死ぬだけだ。その蝋が寿命であり、炎が力だ。だから、自らの寿命を燃やして生き残った私達はおそらくすぐに死ぬ事になるだろう。特に私は……すでに一度契約している。除念してもらってから、二度目の契約だ。
「除念できる奴がいれば……」
「無理よ。除念師はハンター協会から動かせないし……」
「ちっ」
ハンター協会の除念師は銀翼の凶鳥が現れた事によってあまり動かせないようになった。本部と大きな支部にだけ配置し、緊急時のみ除念する方向で動いている。そうでないと数が多すぎてまともに除念できないのだ。除念にはそれ相応の代価が必要だから、こればかりは仕方がない。
「また来たぞ!」
高速回転する刃のついた銀色の飛翔物。これによって私達は思うように進めない。小さなそれは無数に存在し、私達を逃がさないように誘導していっている。突破しようにも撃ち落としてもすぐに戻ってくるし、こちらの攻撃を学習して回避されることが多くなり、皆が傷つく。また私達以外の生き物も襲われているため、逃げてくる生物とそれを追ってくる飛翔物に何度も邪魔をされた。
「オレが突破口を開く。お前等は一気に突っ込め。パリストン様とかみさんを頼む」
「わかった。さらばだ」
「っ!? さようなら……」
「元気でな……うぉおおおおおおおおおおぉぉっ!」
太っている彼は全身を燃やし手に持っていた大砲を厚い層に向けて引き金を引く。光線のような砲撃が放たれ、目の前の銀色や森が全て消し飛ばされる。残ったのは結晶化して煙を上げる地面だけ。彼の身体は脂肪が全てなくなり、痩せ細って骨となり……そして、身体が光って銀翼の凶鳥へと変化して飛び去っていく。残ったのは大砲だけ。
「行くぞ」
「はい……」
私達は涙を流しながら必死で移動し、目の前に広場が見えた。これで助かったと思うと──
「おや、お帰り」
──紺色の鎧に身を包んだアイツがいた。聞こえてきた声は機械の合成音で、血塗れたそいつはこちらに歩いてくる。私は恐怖に身体をガタガタと揺らしながらも、必死で助けてもらったパリストン様を支えて下がる。
「アイツはどうした! なんでここにいる!」
「あの世じゃないかな? なんでと言われても、お前達が戻ってきただけだ」
「そんな……っ!」
「そもそも、方角はしっかりと確認したか? 木々の配置だけで判断したか? それとも、適宜に襲撃されて道がわからなくなったか?」
「まさか……」
「楽しい狩りだったよ。もっとも、あの砲撃は予想外だった。こちらの手駒が消し飛ばされた。しかし、見事に誘導されてくれたね。厚い層をぶち破り突破するなど定石だろう? なんで裏をかかれないと思ったのか……」
「嘘だろ……」
「逃げろ!」
必死に森に逃げ込もうとして、足が止まった。
「何処へ行こうというのだね。もう逃げ場はないというのに……」
後ろを見ると、木々に銀色の足が生えて私達の後ろを封鎖していた。左右も同じで、どんどん近付いていき、木々が銀色の壁へと変化し、壁の表面に杭が現れる。それが近付いてきて、思わず地面にしゃがみ込む。恐怖で身体が震え、歯がガチガチと鳴り響く。
「では、さようならだ。まあまあ楽しめたよ」
複数の筒が回転していく。私とパリストン様の前に他の皆が立ち塞がり、彼等の身体が揺れて次第に穴が空いて倒れる。彼等の身体は見るに堪えない状態で、すぐに銀翼の凶鳥へと変化して飛び去った。
「やっぱり自分で潰すか。それにしても君は……ああ、そうだな。ねえ、君。私の物になるのなら、助けてあげるよ。今すぐその念能力を止めて、ソイツを殺したまえ」
「そんなっ!」
「嫌ならここで忠義と共に果てるがいい」
近付いてくる彼が私達に筒を向ける。
「やれやれ……あなたはひどいことをしますね……助ける気なんてないでしょう……」
「失礼だね。私はあるよ。それよりも、疑問がある。ねえ、パリストン。なんでこんなことをしたんだい? 私にゾルディック家を差し向けなければ君を殺そうなどしなかったのに」
「決まって、るじゃないですか……その、方が……おもしろ……っ」
「そうかい。まあ、予想通りの言葉だね」
「こち、らは……予想外、でしたね……いくら、王族としても、こんな、報復をすれば、デメリット、がおお……い……」
「そんなものはくそくらえだね。目の前に私を殺そうとした敵がいる。殺すための手段や策略がある。だったら殺らない理由なんて、私、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテには見いだせないよ」
「……そういう、ことですか……ぷろ、ふぁいりんぐが、間違っている、はずだ……あなたは、何人、演じて……」
「メインは一人。二人、三人……何人かな?」
「人形、とは言い得て妙です、ね」
「ライネスとして生まれたのなら、彼女を目指さなくてはいけない。それが私が彼女になった最大の理由であり、彼女に対する愛と敬意だよ」
引き金が引かれ、弾丸が発射されて私は死んだ。そう思ったけれど、パリストン様が身体を地面に打ち付けて反動だけで浮き上がり、私の服を噛んで投げ飛ばした。飛ばされる中、パリストン様の表情を見ると笑っていた。そして、彼の口が生きろと告げているような感じがして──
「やれやれ、残ったか。まあいいさ。すぐに後を追わせてあげるよ」
──近付いてくる悪魔に私は必死で周りを見て逃げる。前に突撃し、前転することで振るわれる砲を腕に受けて向こう側に吹き飛ばされる。腕は折れて、転がって身体中が痛いけれどなんとか抜けた。
これで後はなんとかなる。なんて思えない。すぐに足が撃ち抜かれる。それでも必死に腕だけで逃げる。皆の為にも生きないといけない。だけど、現実は非情で……
「だから何処に行こうというのかな? 君達の終焉はここだよ。正直、君達には恨みはないが、パリストンに属する者は皆殺しだ。別に恨んでくれてもいいよ」
「いやだ、死にたくない、死にたくないっ!」
「そう言った人をパリストンは何人も殺してきているよ」
「嘘よ! パリストン様がそんな事をするはずない! 私を、私達を助けてくれたの!」
「そりゃ、駒になるからだね。私でもそうするんだから、パリストンなら絶対にやるさ」
「あなたに何が分かるっていうのよ!」
「何って、彼とは基本的に同族だからね。一緒に愉悦部とかに入っていてもおかしくなかった」
「信じない!」
「人は信じたいものを信じるのだから、それでいいよ。どちらにせよ、さようならだ。せめてもの慈悲として、苦しまずに一瞬で殺してあげるよ」
振り上げた砲が私の頭の上に振ってくる。これで終わりかと、目をつぶる。何かが激しく衝突する音が聞こえて、死んだと思ったけれど痛みもなにも起きない。恐る恐る目を開けてみると、鎧が吹き飛ばされていて、目の前にはネテロ会長がいた。
「か、かいちょぉ……」
私は思わず、抱き着いてしまう。
「ほっほっほ。無事で良かったわい」
「ネテロ会長。随分と早いお着きだね」
鎧の大部分が壊れていて、中から小さな金髪の少女が降りてくる。彼女は伸びをしてから、こちらを見詰めてくる。
「巨人はどうしたのかな?」
「倒したぜ。内部からあの大男が心臓をぶっ壊しやがった」
「ああ、なるほど。身体の中に入ったのか。大型種なら確かにその方が効率がいいね」
「で、てめぇは何をやってやがる」
「何って、処刑だよ、処刑」
「あ?」
「パリストン・ヒルとその一味には私の暗殺依頼と権力者及び複数のハンターへの恐喝と殺害などの容疑がかけられている。そして、私の暗殺依頼については事実だよ。証拠も掴んでいる。だから、殺した。この件はすでに諸外国に通達し、V5の首脳陣へと我が国から根回し済みだ。それに伴い、ハンター協会にも査察が入る。同時に会長。あなたの権限も凍結されるだろう」
「手回し済みってか?」
「まあ、手を回したのは私ではなく、お父様だがね。たいそうお怒りのようだ。それにあっちでの戦いはゾルディック家がいる。なんなら私と同行して確認するといい。今からパリストンの首を持って彼等の居場所に行くからね」
「そうか。だが、仲間を殺られて黙っていると思うか?」
「仲間? 仲間だというのなら、彼のコントロールをもっとちゃんとすべきだったね。これは貴方の管理ミスが起こした結果だよ?」
そんな事はない。パリストン様は素晴らしいお方なんです。この人が言うようなことがあるはずありません!
「……」
「どちらにせよ、その子を渡してくれるかな。パリストンに与する者は殺す。それが決定事項だ」
「裁判もなしでか」
「裁判をしても死刑は確定だよ。私達がそうするからね」
「ハンターには殺人が認められているが?」
「その権限を凍結させると言っているんだ。あくまでも、それらの特権は国々が与えたものだよ。だというのに、権力者の身内で、権力者でもある私を殺そうとした。こうなれば他の連中も次は自分達の番となると思うだろう? 後は簡単だよ」
「ちっ。わかった。だが、こいつは引き渡さん。まずは本当にパリストンの奴がお前を暗殺しようとしたのかを確かめる。その後でこいつが関わっているかどうかを調べる。これからゾルディック家に会いに行くなら護衛は必要じゃろ」
「それはこないだ、条件でつけていたはずだけどね」
「じゃあ、別の貸しにしてやる」
「まあ……いや、駄目だ殺そう。私の勘が言っている。今、そいつを殺さないと厄介な事になると」
「おいおい、勘で殺すのかよ?」
「し、死にたくないです!」
「だそうだ。こいつを殺そうというのなら、わしがお前の相手をしよう」
「正気かい? アイザック・ネテロ。それは国連を敵に回すよ」
「はっ、かまいやしねえよ」
「……いいだろう。あなたと戦えば私が死ぬのは目に見えている。ただ、彼女に私の水銀を打ち込ませてもらう。これで彼女を私が自由に殺せる。生かすにはそれが最大の譲歩だ」
「そこまで警戒するかよ」
「だって、彼女。パリストンと繋がっていたんだよ? それに彼女の資料を確認したが、生命共有系の能力だろう? パリストンが死ぬ直前に切ったとしても、彼から何らかの影響を与えられている可能性を排除できない。すくなくとも私なら、生き残る為の保険をしかける」
「確かにあいつならやりそうではあるが……わかった。それぐらいはいいだろう。だが、理由なく殺したらオレがおめぇを殺す。いいな?」
「わかった。それじゃあ、やらせてもらおう」
「……わかりました……」
それしか生き残る道がないというのなら、なんとしてでも生き残ってみせます! 見ていてくださいパリストン様。貴方の無実は私が証明してみせます!
『はい。私が
パリストン様は死亡(?)しました。殺されそうになったら、ライネスちゃんはちゃんと相手を殺します。パリストン様も流石に人質という保険、ネオン達がいるのに飛行船もろとも爆破するとは思ってもいませんでした。
ネオンの能力からしてかなりレアなので手元に残すという判断ですね。でも、ライネスちゃんはこういう時、損得勘定で動かない。それにゾルディック家が戦ってから帰るなんて思わないしね。そりゃ、殺すしか自分が助かる道がないと思います。得に原作を知っていたらね。
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