ライネス・エルメロイ・アーチゾルテの真似をする性転換少女   作:ピトーたんは猫娘

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4話を修正しました。それとシークレット情報を公開します。


ライネス・ホイコーロの発は最初に本人は気づいていませんが、もう一つあります。

 理想の自分への思いこみ

自らの身体と才能、能力をライネス・エルメロイ・アーチゾルテ(司馬懿)となる。

 制約
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ(司馬懿)になろうとする限り持続する。
 誓約
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテになることを諦めた場合、全ての念能力を消失し、精神崩壊する。


この能力の特性はあくまでもライネス・エルメロイ・アーチゾルテになること。つまり、限界は基本的にライネス・エルメロイ・アーチゾルテに依存します。なので、ライネスから離れた念能力を習得しようとすると余計にスペックやオーラを消費します。すくなくとも身体能力はライネス・エルメロイ・アーチゾルテ基準になります。
赤ん坊になって念能力を覚醒してから少しして、強い思いこみによって本人の意思に関係なく生まれた発です。原作でも知らない間に発を開発してしまう人達がいたように記憶しています。そんな感じです。
あと、ホイコーロの素質はゾルディック家に匹敵、もしくはそれ以上の設定です。代々延々と蟲毒を続けて王族達の死の念を受け入れて強化されていっていると考えたからです。



第5話

 

 

 

 

 

 さて、一応留学は決まったが、準備に数ヵ月の時間がかかっている。王位継承権を持つ王子の留学ともなれば色々と準備があるのでやることが多いから仕方がない。その間に外交の勉強をしている。

 外交をするのに必要な知識は多岐にわたる。例として他国の礼儀作法、歴史、国民性、産業などなど本当に大変だ。

 そのせいで私は自室に軟禁され、食事と風呂、トイレの時以外は全て勉強についやさせられた。教師は他国からそれ相応の著名人を呼びつけて行い、護衛とメイドはお父様、ナスビー王から派遣された連中だ。

 だから、一応は信用して私は勉強中も練を維持できるように必死に努力する。錬の維持に限界がきたら、その直前にオーラを魔術回路に叩き込んで魔力を生産し、トリムマウや月霊髄液に蓄える。それから自分に戻して魔力を送るパスを拡張しつつ、戻した魔力を普通のオーラとして身体の中に戻す。こんなことは普通なら無理だが、頑張ってできるようになればオーラの操作能力が増していく。

 現状では水見式はするつもりはない。どこから情報が洩れるかもしれないし、留学してから本格的に発を鍛える。今の発はライネス・エルメロイ・アーチゾルテのロールプレイに必要な物と、毒物に耐えるためのものだ。

 故に今は操作能力とオーラの総量を増やすことに頑張る。

 こちとら初代から蟲毒をし続け、死者の念も含めて延々と強化してきた一族の末裔だ。ライネス・エルメロイ・アーチゾルテと司馬懿の身体と合わせて凄まじい才能の塊だ。そんな状態で生まれた時からひたすら鍛えている。それでもトップの連中には勝てない。時間が足りなさすぎる。

 なまじ勝てるようになったとしても、次は継承戦があり、最後には暗黒大陸だ。継承戦でもやばくなれば鳥達の回収は行うが、できる限り暗黒大陸に上陸するまでにオーラを集めておきたい。暗黒大陸では回収しないとまともに戦えない可能性すらあるしね。

 すくなくとも、精神攻撃などの対策を行わなければ即死することすらあり得るし、暗黒大陸から訪れる災厄の流入による人類の滅亡はなんとしても防がなければならない。それが王になった私の役目だろう。

 違うな。こういい変えていい。私が王になるのだから、この国はエルメロイになる。つまり、我が家を守るのは家長であるロードの役目。そうだろう? ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ。

 

「手が止まっていますよ」

「ふむ。すまないね。どれにすべきか悩んでいるんだ」

 

 部屋に居る講師に告げる。今は勉強の微かな休憩時間だ。許可を貰ってから訓練と勉強を行っている間も留学の準備は着々と準備は進んでいる。今はあちらの国で住む事になる家を決め、家具を選んでいるというわけだよ。

 高級邸宅に相応しい物だ。うむ、まずは風呂にはこだわろう。水銀風呂は結構気持ちがいいし、身体は別だが魂が日本人なので重要だ。ちなみに水銀は水より13倍も重いのでオーラを使わないと入れないのが難点だ。

 ただ、私の目指す物に水銀を使った固有結界があるので、具現化するためにもできるかぎり入る。トリムマウを使えば全身のマッサージもしてくれるだろうし、そういう意味ではビスケット・クルーガーに会いたいな。彼女のエステも予約してみるか。

 ああ、メンチが来たら彼女用の普通の風呂もいるな。いや、ここは私室に取り付けさせておこう。他の人が入ったら中毒で死ぬ可能性がある。

 メンチと言えば、ハンター協会を通して正式に依頼した。するととんとん拍子に話が決まっていった。彼等にしても銀の鳥の調査としてカキン帝国の王宮には入りたいだろうし当然だろう。

 だが、私の方から指示をして王宮に招く事は拒否し、こちらから直接出会って決めることにした。理由としては私自身が海外に出たいし、ハンター協会の本部もみてみたいということだ。こうすることで私も疑われるだろうが、他の王子達も疑われる。

 では、この状況でハンター協会は、パリストンはどう考える? 奴の考えなど私には完全に理解できない。だが、一般的な考えなら予想はできる。

 現状ではハンター協会が取れる手段としては、出来る限りこちらの要求を聞いて取り入ろうとするだろう。その結果が本来、私が普通に依頼しても雇われることがないメンチの派遣となった。すくなくとも、私の予想がそれだ。あながち外れているとは思わないさ。

 そして、このような理由で派遣されてきたら、トリムマウに技術を叩き込んでくれることだろう。外交なんてくそ面倒な仕事を押し付けられるのだから、これぐらいのご褒美はあったほうがいい。まったく、普通ならお兄様やお姉様達がやるべきことだろうに……まて、お兄様? 

 外交……ああ、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテがロード・エルメロイ二世に投げた時計塔を支配するロード達との折衝じゃないか。そして、これは後々、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテがロードになった時に継承する事。なんだ、そう考えると俄然やる気が湧いて来たな。

 難点としてはハンター協会に探られる事だろうが、銀の鳥を制御し、カキン帝国を経由して移動するように指示をおくっておく。これで私が居ない状態でも銀の鳥はカキン帝国に集まるので容疑者から外れはしないだろうが、候補としては下がる。なに上手くやってみせるさ。

 

「休憩は終わりでいいですか?」

「少し待ってくれ。よし、やろうか」

 

 机の上に置いてあるカップを取って中身の紅茶を飲んでから。勉強を始める。なに、まだ335時間しか経っていない。後144時間は寝ずに仮眠だけで動けるさ。

 

「はい。ではまずは歴史の復習から……」

「テストだね。任せたまえ」

 

 オーラを使って体力を回復させ、脳には大量の魔力を送り込む。脳細胞を活性化させて教えられて覚え込んだ情報を引き出し、答案用紙を埋めていく。

 

「ほら、できたよ」

「確認しますので、その間にこちらの辞書を読んでください」

「辞書、ということは言語が違うのかね」

「そうです。共通語もありますが、外交ではその民族や国の言葉を話せる方が喜ばれます」

「わかった。覚えよう」

「……化け物め……」

「何か言ったかい?」

「いえ、なにも。全問正解です。流石は王子です」

「そうか、ありがとう。よし、覚えた。発音の練習をするよ。修正する点があったら教えてくれたまえ」

「っ!? か、かしこまりました」

 

 速読で丸暗記して覚えた言語を喋っていく。講師が息を呑む中、しっかりと発音するが……講師のオーラが乱れたな。相手の事を観察するに私を恐れているのか。さもありなん。七歳が行えるレベルではないのだから、無理はないだろう。

 

「数ヶ所だけ違う場所があります」

「そうか。ではまずはそちらを直そう」

「は、はい」

 

 修正もすぐに終わり、それから四時間ほどで彼女から教わる事はもうなくなった。次の国についての講師と入れ替わり、教えてもらう。次は経済か。

 

 

 

 しばらく時間が経つと、いつの間にか夜が更けていた。講師も疲れ切っており、本日はこれまでとなった。そして、次の講師が来る。だが、追加で珍しい客がきた。

 

「あ、あの、ライネス。その、ね。い、一緒に寝ましょう?」

「モモゼお姉様。私は忙しいのだが……」

 

 やって来たのはモモゼお姉様だ。手には枕と桃色と金色のクマのぬいぐるみを持ち、大変可愛らしくて愛らしい姿だ。思わず抱きしめたくなる。そんな彼女は私の言葉に涙目になりながら、喋ってくる。

 

「でもね? ライネスも寝ないと駄目よ? 昨日もその前の日も寝ていないわよね?」

「仮眠は取っているさ」

「駄目。一緒に寝ましょう!」

「おい、やめろ! 私はっ! お前達、助けろ!」

 

 モモゼお姉様がこちらにやってきて、腕を掴んでベッドの方へと強制的に連れていこうとするので、助けを護衛やメイドに求める。

 

「申し訳ございません。できかねます」

「残念ながら、ライネス様より、モモゼ様の方が継承権が高いため、モモゼ様の方を優先させていただきます」

「講師を雇っている金は税金なんだぞ!」

「あ、お構いなく。本日は帰らせていただきますので。何、お金もいりませんよ」

「それにスケジュールをどんどん前倒しにしていますので、明日はそのままお休みください」

「ちっ」

 

 あろうことか、護衛は私を抱え上げてモモゼお姉様と一緒にベッドに入れてきた。モモゼお姉様は私に抱き着いて梃子でも動かぬといった感じだ。

 

「はい、これ。ライネスに作ったんだよ。こっちがライネスの代わりで、ライネスの方は私の代わり」

 

 モモゼお姉様が桃色のぬいぐるみを渡してきたので、仕方なく受け取る。手には絆創膏が複数巻かれていて、熊も所々縫目が荒い。

 

「むぅ。ぬいぐるみか。私のイメージに合わないのだが……」

 

 しかし、これは受け取るしかない。だが、男の私にとってこんな可愛い物は必要ないというか、正直いらない。ライネスなら、ライネスなら、ここで毒舌で返すのだろうが……いや、受け取るか。

 

「ふん。解れもあるし、縫目も全然駄目だ」

「うっ……ごめん、なさい……」

 

 私、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテは他人の不幸や真面目な人間が鬱屈して道を踏み外すところが大好きだ。そして、嫌いな物は穏やかな人生、予想通りの出来事、代わり映えのしない展開、詩文だ。詩文は司馬懿の物だがな。

 

「だが、まあ。せっかくモモゼお姉様が作ってくれたものだ。受け取ろう。その、なんだ……一度しか言わないからよく聞いておけよ。あ、ありがとう……」

「うん!」

 

 喜んで抱き着いてくるモモゼお姉様。この表情が継承戦でどうなるか、今から考えるとワクワクしてくるな。絶望か? それともロード・エルメロイ二世のように足掻いてくるか。とても楽しみだ。

 

「ほら、寝るんだろう。ぬいぐるみは飾っておこう」

「わかった。これでいい?」

「ああ」

 

 枕の上に二つを重ねてから置き、モモゼお姉様に抱き着かれながら眠る。この頃、モモゼお姉様もお母様から見放されている。だから私を頼ってくるのかもしれない。私は自分で言うのもなんだが、優秀過ぎて不気味に思われているし、お母様はモモゼお姉様に期待した。

 だけどモモゼお姉様は私と比べられるわけで、普通の子供にしては賢くても叱られるのは当然だ。それによりどんどん歪んでいくかもしれないね。いやはや、本当にどうするか悩ましい。モモゼお姉様を助けるという事は殺さないという事であり、そうなるとお父様、引いては先祖に逆らう事になる。カキン帝国を全て敵に回すと同義だ。

 しかし、こちらのルートもそれはそれで楽しい。司馬懿が行ったクーデターをこの国で私が行うのだ。ああ、お父様やお兄様達の屈辱と絶望に染まる表情は考えただけでも面白いな! これは一考する余地はあり、か。

 どちらにせよ、今は力がない小娘でしかない。もっと鍛えようじゃないか。12歳くらいになれば原作が始まるし、13か14で継承戦だ。おそらく誤差は1年前後。

 それまでにハンターになって、メルエムを倒してピトーを手に入れる。できればコムギと護衛軍を丸々欲しい。うん、王の軍勢みたいな能力を作るのもありかもしれない。いや、流石に無理か。

 それより月霊髄液でトリムマウみたいに再現する方が現実的ではあるな。ただ、メルエムを吸収して彼の力は是非とも手に入れたい。そうなると考えられるのは銀の鳥に寄生させる事か。護衛軍と王が超絶強化されるが……そこをどうするかが問題だ。強化してから貧者の薔薇を撃つべきだな。その前に解決してしまえば鳥の願いで治療される。治療ならましだが、耐性を得られたらそれこそ大変だ。

 うん、やはり死体を回収する事をメインにしつつ、メルエムの戦いには介入しよう。ネテロ会長が死ぬにしても、爆散は止めて欲しい。

 

「ライネス?」

「ああ、悪い。それじゃあ寝よう。お休み」

「おやすみなさい」

 

 不安そうなモモゼお姉様を抱きしめてやり、胸に彼女の頭を抱きながら眠りにつく。一応、トリムマウは警戒モードで待機させておけば安全だろう。

 

 

 

 

モモゼの念能力を募集

  • 糸使い
  • 布使い
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