デュエルモンスターズ。
もともとは単なるカードゲームだったが、ソリッドビジョンシステムの開発、および、それを安価で提供する技術の進歩が積み重なった結果、だれもが認めるほどのエンターテインメントとして認められたカードゲームだ。
賞金が出る大会やプロリーグも存在し、中には『デッキを持ち、そして勝てるのならばそれだけで生きていける町』が作られているほどの産業となっている。
まあ、ごちゃごちゃした事情は置いておくとして、デュエルモンスターズをプレイするデュエリストの育成学校が存在することとなった。
デュエルスクール・ディスカバー
この学校の公式ホームページを開けば、『切磋琢磨し、新しい発見に触れよう!』というキャッチコピーがでかでかと表示されている。
ディスカバーが連携しているスポンサーからの膨大な援助金によって運営可能となっているDMP……『ディスカバー・マネー・ポイント』と呼ばれる独自通貨が存在することで、学校側にとって管理しやすい独自経済が誕生。
競争し、交渉し、切磋琢磨する。というものとなっている。
特典というものがたくさんあるわけだが、その中でも大きいのは『ギルド』と呼ばれるチーム制度だ。
基本的にデュエルは一対一なのだが、一人では気づけないが、それを他人と共有し、その情報を様々な人間が様々な角度から解釈、発展させることで、さらなる成長をする。という理念のもとで行われている。
結果として、授業の成績が良い生徒にはDMPで優遇処置がとられており、さらに、ギルドが好成績を収めると、ボーナスでDMPを獲得することができる。
デュエルというのは、一枚のカードが戦況をひっくり返すこともある。
チームで競い合い、時に奇跡を生み出し、下克上を巻き起こす。
そんなことが期待されてい
「んあっ!……あー、背中バキッつった」
「突如大声を出されると私は驚く」
「サーセン……驚いてるように見えないんだけどな……」
金がかかっている学校というものは、設備もそうだが、インテリアなどにも金がかかっているものだ。
男子生徒と女子生徒がベンチに座っているが、そのベンチの周りは、校舎の屋上でありながらもガーデニングが施された庭園になっている。
しっかりとデュエルスペースも確保されているところを見ると、やはりデュエルスクールなのだということがよくわかるが。
男子生徒の方がうーんとベンチに座ったまま背を伸ばしている。
見るからにやんちゃそうな男子生徒だ。
活発そうな愛嬌のある笑みを浮かべており、黒い髪は基本的に切りそろえられているが、長い前髪を灰色のピンで横に流している。
制服は下品と言われない程度に着崩しており、それがまたやんちゃそうな少年の印象を増幅させていた。
それに対して、女子生徒の雰囲気は落ち着いたものだ。
腰まで届くであろう長い銀髪に整った顔立ち、同年代の女性に比べて身長はほぼ変わらないが、胸は育っており、少しポーッとしている印象がある。
特徴というと、首から下げている銀色のコインのようなネックレスだろう。
「さてと。そろそろ仮眠も終わりにするか」
「そう。わかった」
男子生徒、
遊錬は屋上の策によりかかった。
「おー、早速勧誘合戦だなぁ」
「ディスカバーはギルド対抗イベントが多い学校。とりあえず数が必要になることだってある。とにかく『ブランド』を保ちたいギルドは、こうした人数集めに並走しているのは当たり前」
「だよなぁ」
遊錬と愛瑠は、『デュエルスクール・ディスカバー』に通う二年生。
この学校は、確かに個人での実力は評価するものの、ギルドを組んで戦うイベントが積極的に行われている。
「大きなギルドってのを作って、それを無理やりにつなげようとして躍起になってるところって多いもんなぁ」
屋上を後にして、広場の近くを通ることにした遊錬と愛瑠。
「しっかし……本当にすごいな」
「ただ、善意目的でやたらと人を集めているわけではないと思う」
「まあ、それは分かってるけどな」
ディスカバーでは、『DMP』と呼ばれるポイントを獲得できるタイミングがいくつもある。
大体『1P』=『1円』で、ディスカバーが運営している系列店ではこのポイントを使用できるのだ。
このポイントを貯めまくった生徒が、ホテルのスイートルームを使用しているという話もある。
「メンバーにノルマを課して、それを徴収してるって話だもんな」
「ぶっちゃけ、デュエルするだけで、そこにポイントが発生するのはやりすぎだと思う」
「まあ、デュエルで勝てるのなら何でもできるって言われるくらいだしな。やっぱり優先順位の問題なんだろ。たまに地位と実力が見合ってないところもあるけどな」
「例えば?」
「あそこ」
遊錬はとある場所を指さす。
そこでは……。
「おい!デュエルで僕が勝ったんだ。お前たちは僕たち『決闘貴族連合』の一員だ!」
「ふざけんな!お前らがギルド参加申請書を奪ってきて、アンカーで強制的にデュエルしてきたんだろうが!」
「うるさい!そんな証拠はもうないんだよ!アンカーでデュエルを挑まれようと、要はお前が勝ってたら何の問題もないんだ!お前たちが弱いのが悪いんだよ!」
大勢の男子生徒が、男女の二人組をかこっている。
口論のように見えなくもないが、かこっているうちの一人が赤い縁の紙を掲げている。
「くそっ!そんなのアリかよ……」
「え、炎冶君……」
悪態をつく赤髪の少年に対して、水色のショートヘアをツインテールにしている少女が不安そうに駆け寄る。
「さてと、お前たちはギルドをすでに組んでいたようだな。これで、そっちの女も俺たちのギルドの一員だ!」
「え……そ、そんな……」
どうやらもともと。二人でギルドを作る予定だったらしい。
だが、それを絶好のカモと考えた『決闘貴族連合』の生徒が割り込んできた。という事情のようだ。
通常なら、申請書を強引に奪ったのならそれらは認められない。
だが、デュエルが行われ、勝敗がすでについてしまっている場合、少々面倒な『例外』が存在するのだ。
デュエルの勝敗というのは、この学校ではとても大きいことなのである。
そして、一定以上の規模を持つギルドのメンバーは、部下のメンバーに対するデュエルによる制裁のため、アンカーの所持を認められているため、デュエルという状況を作り出すことは容易なのだ。
彼らがつけているデュエルディスクには、『学校内でのデュエルの対戦結果』がすべて表示されている上に、これをいじることはできないため、知らないふりはできない。
ただし、そんな『強い組織にとって有利な例外』が認められているのにも理由はある。
「おいおい、
遊錬はかこっている集団に対して近づきながらそんなことを話しかける。
『強いだけの組織にとって不利な例外』を行使するために。
「な……お前は……創崎遊錬!」
「おう、その通り、創崎遊錬だ」
「チッ……だが、もうデュエルは終わった後だ。今更お前がしゃしゃり出てきたところで、もう何も――」
「俺が何に対して姑息っていったのかわかってねえようだな」
遊錬は和彦と自分が読んだ少年の手首をつかんでひねる。
すると、袖からカードが十枚程度落ちてきた。
「「あっ!」」
被害にあっていた二人が驚く。
「ぐっ……放せ!」
「はいはい。わかったわかった」
遊錬が手首を放すと、和彦がパッと離れる。
「チッ……だが。すでにデュエルは決まってるんだ」
「何言ってんだ。お前が手首にカードを隠し持ってたのはすでに録画済みだぜ」
和彦が視界に入った愛瑠の方を見る。
彼女は、スマホをこちらに向けていた。
「な……」
「何か行動を起こすときは、録音や録画は必須だぜ。まあ、やましいことをしてる側はボロが出ることが多いから録音データが使い物にならねえことが多いけどな」
「クソ……」
「ただ、お前がデュエルに勝ってるのは事実だからな。入れ替えたであろうカードを使ってる証拠は持ってないし」
「なら――」
「だが、カードを隠し持っていた疑いはあるんだ。完全な形でギルドに入れることはできねえぞ」
和彦が何かを言う前に、ハキハキと自分の言いたいことを全部言う遊錬。
「お、お前、ギルド無所属の雑魚デュエリストの分際で、『決闘貴族連合』の二番隊隊長である僕に意見するつもりか!」
「そうだよ」
「クソ。ならデュエルだ!僕が勝ったら、その動画は消してもらう!」
「いいよ。じゃあこっちからは、俺が勝ったらそこの二人のギルド入隊を取り消してもらう」
「な、なんでお前の言うことを聞かなければいけないんだ!」
自分からは要求するが、人の要求を聞くつもりはない。
だが、そんなことはどうでもいいのだ。
主導権はすでに握っている。
「まあ俺は、別にデュエルする必要なんてないんだよ。この動画をしかるべきところに持っていけば、きっと監査がお前たちの『ギルド全体』に入る。『アンカー所有ギルド』はその責任も重いからな」
「うぐっ……」
「で、ギルド全体に監査が入ることを嫌がるのは誰だと思う?その責任を、だれがとらされると思う?」
「そ、それは……」
「カードを袖の中なんかに仕込んでいたのがお前だってことは録画されてるんだ。お前に決まってんだろ。俺がお前に動画消去のチャンスをくれてやってるんだ。そこのところ勘違いすんなよ」
遊錬はデュエルディスクを構える。
「あ、あの……」
赤髪の少年が展開についてこれないのか、不安そうな顔で聞いてくる。
「まあまあ、そう不安そうにしないの。ここは先輩に任せな」
再び和彦の方を見ると、和彦もデュエルディスクを構える。
「つーわけで、俺が勝ったら二人の入隊の撤回。お前が勝ったら録画した動画の削除だ」
「たたきつぶしてやる」
「やってみろ」
「「デュエル!」」
遊錬 LP4000
和彦 LP4000
「僕の先攻!」
和彦は先攻になった瞬間にカードを使う。
「僕は手札から、『ブルーブラッド・ウォリアー』を召喚!」
出現したのは、青い鎧を身にまとった戦士。
ブルーブラッド・ウォリアー ATK1700 ☆4
「ブルーブラッド・ウォリアーの効果発動。召喚成功時、デッキから『ブルーブラッド』モンスターを特殊召喚できる。僕は手札から、『ブルーブラッド・スカウト』を特殊召喚!」
ブルーブラッド・スカウト ATK1000 ☆4
「スカウトの効果発動。このカードがブルーブラッドモンスターの効果で特殊召喚に成功した場合、カードを一枚ドローできる」
「その流れ、無駄がないよなぁ……」
ブルーブラッド・ウォリアー
レベル4 ATK1700 DFE1000 光属性 戦士族
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「ブルーブラッド・ウォリアー」以外の「ブルーブラッド」モンスター1体を特殊召喚する。
ブルーブラッド・スカウト
レベル4 ATK1000 DFE1200 光属性 戦士族
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:このカードが「ブルーブラッド」モンスターの効果によって特殊召喚された場合発動できる。デッキからカードを一枚ドローする。
「当然だ。【ブルーブラッド】デッキを使う上で最も無駄のない初動。そこから繰り出されるこのモンスターに震えるがいい!僕は、レベル4のブルーブラッド・ウォリアーと、ブルーブラッド・スカウトで、オーバーレイ!」
二体のモンスターが光の渦の中に飛び込んでいく。
「栄光の血族よ。騎士の力を示し、現れろ!エクシーズ召喚!ランク4『ブルーブラッド・ナイト』!」
ブルーブラッド・ナイト ATK2300 ★4
「そのモンスターが出てきたか」
「僕はブルーブラッド・ナイトの効果発動。エクシーズ素材を一つ使い、デッキからカードを一枚ドローする」
ブルーブラッド・ナイト
ランク4 ATK2300 DFE1400 光属性 戦士族
エクシーズ・効果
「ブルーブラッド」レベル4モンスター×2
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:エクシーズ素材を一つ使って発動できる。デッキからカードを一枚ドローする。
「フン!僕はカードを二枚セットして、ターンエンドだ」
「そんじゃ。俺のターン。ドロー!」
遊錬はドローしたカードを見る。
「ちょうどいいドローだ。俺は『創造国兵ライト』を召喚!」
出現したのは、白銀の鎧を身にまとった兵士。
創造国兵ライト ATK1800 ☆4
「フン!そんな攻撃力では、僕のモンスターを倒すことはできない!」
「んなこと言って最終的には負けてるくせに。俺はライトの効果発動!召喚に成功した場合、自分フィールドに、「クリエイトトークン」を特殊召喚できる」
クリエイトトークン ATK0 ☆3
遊錬のフィールドに、自転し続ける茶色のキューブが出現する。
「相変わらずそのトークンか」
「その通り」
創造国兵ライト
レベル4 ATK1800 DFE1000 光属性 戦士族
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:このカードが召喚された場合発動できる。自分フィールド上に「クリエイトトークン」(岩石族・光・星3・攻/守0)1体を特殊召喚する。
「そして現れろ。未来を生み出すサーキット!」
「リンク召喚か」
「召喚条件は、レベル3の通常モンスター一体!俺はレベル3のクリエイトトークンを、リンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク1『創造国装マテリアル・ビーコン』!」
出現したのは、剣に光り続ける直方体がくっついたようなモンスター。
創造国装マテリアル・ビーコン ATK500 LINK1
「マテリアル・ビーコンの効果。このモンスターのリンク召喚に成功した場合、デッキから『創造国マテリアル』を手札に加える。そして、俺はフィールド魔法、『創造国マテリアル』を発動!」
周囲の情景が変わっていく。
ごく普通のデュエルフィールドから、工房が立ち並ぶ景色に変わった。
「ぐっ……」
「さらに、俺はマテリアルの発動処理として、クリエイトトークンを特殊召喚」
クリエイトトークン ATK0 ☆3
「さらに、俺は手札から『創造国の精製学』を発動。自分フィールドに、チューナー扱いのクリエイトトークンを一体、特殊召喚!」
クリエイトトークン ATK0 ☆3
創造国の精製学
通常魔法
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:自分フィールド上に「クリエイトトークン」(岩石族・光・星3・攻/守0)1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはチューナーとして扱う。
「チューナー……なるほど、アレを狙っているわけか。僕は罠カード『ブルーブラッド・プレッシャー』を発動!自分フィールドにブルーブラッドモンスターが存在する場合に発動可能。このターン。相手はレベル6以上のモンスターを特殊召喚できない!」
ブルーブラッド・プレッシャー
通常罠
①:自分フィールドに「ブルーブラッド」モンスターが存在する場合に発動できる。ターン終了時まで、相手はレベル6以上のモンスターを特殊召喚できない。
「なるほどなぁ……それじゃあ俺は、マテリアルの第二の効果!一ターンに一度、1から6の任意の数字を宣言して発動。自分フィールドのクリエイトトークンのレベルは、ターン終了時まで宣言した数値のレベルになる。俺は5を宣言し、クリエイトトークンのレベルをすべて5にする」
クリエイトトークン ☆3→5
クリエイトトークン ☆3→5
「な……だが、その二体のモンスターを使っても、シンクロ召喚は行えない!」
「あわてるなって。ちゃんと意味があることやってるからな。俺は手札一枚を捨てることで、マテリアルの第三の効果!一ターンに一度、デッキから『創造国』魔法・罠カードを一枚、手札に加えることができる。俺が手札に加えるのは、『創造国の融合学』!」
「ゆ……融合……」
驚いている様子だ。
「俺はこのまま、手札に加えた『創造国の融合学』を発動。フィールドのクリエイトトークン二体で、融合召喚!現れろ!レベル5『創造国装ブレイズ・ブレード』!」
創造国装ブレイズ・ブレード ATK1000 ☆5
「ゆ、融合モンスター」
「ブレイズ・ブレードの融合素材は、レベル5以上のクリエイトトークン二体なのさ。ブレイズ・ブレードの効果!一ターンに一度、自分フィールドの創造国兵モンスター一体に装備させることができる!」
創造国兵ライトが持っていた剣を鞘に納めて、炎の太刀を手に取った。
「さらに、この効果で装備されたブレイズ・ブレードの効果により、攻撃力が400ポイントアップする!」
創造国兵ライト ATK1800→2200
「フン!まだ僕のブルーブラッド・ナイトには及ばない!」
「慌てるなって、創造国装マテリアル・ビーコンの効果発動!攻撃力300アップの装備カード扱いで、創造国兵モンスターに装備できる!」
「何!?」
創造国装マテリアル・ビーコン
リンク1 ATK500 光属性 サイバース族
レベル3通常モンスター1体
このカード名の①②の効果はそれぞれ一ターンに一度しか使用できない。
①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「創造国マテリアル」1枚を手札に加える。
②:自分のメインフェイズ時、自分フィールドの「創造国兵」モンスター一体を対象にして発動できる。フィールドのこのモンスターを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
創造国兵ライト ATK2200→2500
「な……」
「バトルフェイズ!創造国兵ライトで、ブルーブラッド・ナイトを攻撃!」
ライトがビーコンとブレイズ・ブレードを構えて突撃する。
「くっ……」
和彦 LP4000→3700
「ブレイズ・ブレードの効果により、装備モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時、俺はカードをドローできる」
創造国装ブレイズ・ブレード
レベル5 炎属性 炎族 ATK1000 DFE1000
融合・効果
レベル5以上のクリエイトトークン二体
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:自分のメインフェイズ時、自分フィールドの「創造国兵」モンスター一体を対象にして発動できる。フィールドのこのモンスターを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。装備モンスターの攻撃力は400ポイントアップし、装備モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた場合、デッキからカードを一枚ドローできる。
「よし、俺はカードを一枚セットして、ターンエンド」
「まだだ。エンドフェイズ時、罠カード『ブルーブラッドの敗北昇格』を発動!エクシーズ素材を持つ『ブルーブラッド』モンスターが戦闘で破壊されたターン終了時に発動できる。そのモンスターを墓地から特殊召喚し、素材にして、エクストラデッキからランクが一つ高いブルーブラッドモンスターをエクシーズ召喚する!」
ブルーブラッドの敗北昇格
通常罠
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:エクシーズ素材を持つ「ブルーブラッド」エクシーズモンスターが戦闘で破壊されたターンのエンドフェイズに発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚し、そのモンスターを素材にランクが1つ高い「ブルーブラッド」エクシーズモンスターをエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する。
ブルーブラッド・ナイトが復活し、そのままオーバーレイ。
「栄光の血族よ。男爵の力を示し、現れろ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク5『ブルーブラッド・バロン』!」
ブルーブラッド・バロン ATK2500 ★5
「負けても慈悲で参戦してきて、しかも昇格までされてるのか。お前らの制度の甘さが見えるね」
「うるさい!僕のターン。ドロー!」
ドローしたカードを確認する和彦。
「僕はバロンの効果を発動!エクシーズ素材一つと手札一枚をコストに、相手モンスター一体を破壊する!」
「コスト重いけどシンプルな効果だな。墓地の『創造国の融合学』の効果により、『創造国装』融合モンスターを装備している『創造国兵』モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを除外できる」
創造国の融合学
通常魔法
このカード名の②の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:自分の手札・フィールドから、「創造国」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
②:自分フィールドの「創造国装」融合モンスターを装備している「創造国兵」モンスターが破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。
「チッ、しぶといな」
「まあ、学問だしな。蓄積ってもんはいつもしぶといもんさ」
「うるさい!僕は手札から魔法カード『ブルーブラッド・サイン』を発動。墓地から『ブルーブラッド』モンスター一体を特殊召喚する。僕は『ブルーブラッド・ナイト』を特殊召喚!」
ブルーブラッド・ナイト ATK2300 ★4
「そして、この効果でエクシーズモンスターを特殊召喚した場合、このカードをそのモンスターのエクシーズ素材にすることができる」
ブルーブラッド・サイン
通常魔法
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない
①:自分の墓地の「ブルーブラッド」モンスターを対象にして発動できる。対象にしたモンスターを特殊召喚する。この効果でエクシーズモンスターを特殊召喚した場合、このカードをそのモンスターのエクシーズ素材にする。
「そして、ブルーブラッド・ナイトの効果で、エクシーズ素材を一つ使い、一枚ドロー!」
「なんか……こう……普通に強いよな。【ブルーブラッド】って」
「当然だ!さらに手札から魔法カード、『ブルーブラッド・フォース』を発動。ターン終了時まで、自分フィールドのブルーブラッドエクシーズモンスターは全て、そのランク1につき、攻撃力が200ポイントアップする!」
ブルーブラッド・フォース
通常魔法
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:このカードの効果処理時に自分フィールドに存在する「ブルーブラッド」エクシーズモンスターは、ターン終了時まで、自身のランク1につき攻撃力が200アップする。
ブルーブラッド・バロン ATK2500→3500
ブルーブラッド・ナイト ATK2300→3100
「ほう……」
「こ、攻撃力3000以上のモンスターが二体……」
後ろの方で赤い髪の男子生徒が驚いている。
「そして、貴様のフィールドには攻撃力2500のモンスター一体しかいない。この攻撃力なら、終わりだ!バトルフェイズ!ブルーブラッド・ナイトで、創造国兵ライトを攻撃!」
「俺は罠カード『創造国の武装防御学』を、ライトを対象にして発動!創造国兵モンスター一体を対象にして発動できる。このターン、対象に取ったモンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに装備している創造国兵カードを墓地に送ることができる」
創造国の武装防御学
通常罠
①:自分フィールドの「創造国兵」モンスター1体を対象にして発動できる。ターン終了時まで、対象にしたモンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに装備している「創造国装」カードを墓地に送ることができる。
遊錬 LP4000→3400
「俺はマテリアル・ビーコンを墓地に送ることで、破壊を無効にする!」
「だが、装備カードがなくなった貴様のモンスターの攻撃力は下がる」
創造国兵ライト ATK2500→2200
「続けて、ブルーブラッド・バロンでライトを攻撃!」
遊錬 LP3400→2100
「破壊される代わりに、ブレイズ・ブレードを墓地に送る」
創造国兵ライト ATK2200→1800
「フン!僕はカードを一枚セットして、ターンエンド。このエンドフェイズ。僕はバロンの第二の効果を発動!墓地の『ブルーブラッド』魔法・罠カード一枚をセットできる。僕は『ブルーブラッド・プレッシャー』をセットする」
ブルーブラッド・バロン
ランク5 ATK2500 DFE1200 光属性 戦士族
エクシーズ・効果
「ブルーブラッド」レベル5モンスター×2
このカード名の①②の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:エクシーズ素材を一つ使い、手札を一枚捨てて、相手の表側表示モンスター一体を対象にして発動できる。そのモンスターを破壊する。
②:自分のターンのエンドフェイズ、自分の墓地から「ブルーブラッド」魔法・罠カードを一枚対象にして発動できる。そのカードを自分フィールドにセットする。
「そして、『ブルーブラッド・フォース』の効果が終了時、攻撃力は元に戻る」
ブルーブラッド・バロン ATK3500→2500
ブルーブラッド・ナイト ATK3100→2300
「なるほど。俺のターン。ドロー!」
遊錬はドローしたカードを見る。
「いいカードだ」
「なら、発動しない理由はない!罠カード『ブルーブラッド・プレッシャー』を発動。これで、レベル6以上は特殊召喚できない!」
「そうかい。なら、俺はエースモンスターを見せてやる」
「何?」
「俺は手札から魔法カード『創造国の階級学』を発動。自分フィールドのレベル6以下の『創造国兵』モンスター一体をリリースし、デッキからレベル7以上の『創造国兵』モンスター一体を手札に加えることができる。俺はレベル4のライトをリリース」
創造国の階級学
通常魔法
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:自分フィールドのレベル6以下の「創造国兵」モンスター一体をリリースして発動できる。デッキからレベル7以上の「創造国兵」モンスター一体を手札に加える。
「デッキからモンスターを手札に加えて……こいつは、『創造国』フィールド魔法が表側表示で存在する場合、リリースなしで召喚できる。現れろ!『創造国兵長シャイン・ライザー』!」
創造国兵長シャイン・ライザー ATK2500 ☆7
「シャイン・ライザーの効果はいたってシンプルだ。召喚・特殊召喚に成功した場合、クリエイトトークン二体を特殊召喚する。以上!」
創造国兵長シャイン・ライザー
レベル7 ATK2500 DFE2000 光属性 戦士族
このカード名の①②の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:「創造国」フィールド魔法が表側表示で存在する場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
②:このカードが召喚・特殊召喚された場合発動できる。自分フィールド上に「クリエイトトークン」(岩石族・光・星3・攻/守0)2体を特殊召喚する。
クリエイトトークン ATK0 ☆3
クリエイトトークン ATK0 ☆3
「クッソ強いな」
「その通りだ。そして、マテリアルの効果、俺は5を宣言し、クリエイトトークンたちのレベルをすべて5にする」
クリエイトトークン ☆3→5
クリエイトトークン ☆3→5
「また融合する気か!させないぞ!罠カード『ブルーブラッドの警告書』を発動!ブルーブラッドエクシーズモンスター一体を選択し、そのモンスターのランクと同じ数値以上のレベルを持つモンスターを、相手はエクストラデッキから特殊召喚できない!」
ブルーブラッドの警告書
通常罠
①:自分フィールドの「ブルーブラッド」モンスター一体を対象にして発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターのランクと同じ数値以上のレベルを持つモンスターを、相手はエクストラデッキから特殊召喚できない。
「僕はブルーブラッド・ナイトを選択する。これで、お前はレベル4以上のモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できない」
「相手ターンに封殺してくる罠カードが多いな……」
「どうだ!これで、先ほどのように融合はできない!」
「で、メインデッキからもレベル6以上は出せないから、レベル7とかを出してエクシーズもできないって言いたいわけか」
「そうだ。そして、お前のエクストラデッキのリンクモンスターに、まともな突破力を持つモンスターがいないことは事前にわかっている。どうだ!これで、僕を倒すことはできない!」
自信満々の様子の和彦。
「だが、まだ甘い。今必要なものは、今から作る!俺はレベル5のクリエイトトークン二体で、オーバーレイ!」
「なんだと!?」
「二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!ランク5『創造国装プレート・バンカー』!」
創造国装プレート・バンカー ATK1000 ★5
「ば……ばかな……トークンを使ってエクシーズ召喚だと!?」
「創造国マテリアルの第四の効果により、一ターンに一度、俺は自分フィールドの「クリエイトトークン」を、ルールを無視して、『創造国装』エクシーズモンスターをエクシーズ召喚する際の素材にできる」
創造国マテリアル
フィールド魔法
このカード名の①②③④効果は一ターンに一度しか使用できない
①:このカードの発動時の処理として、自分フィールド上に「クリエイトトークン」(岩石族・光・星3・攻/守0)1体を特殊召喚する。
②:メインフェイズ中、1から6の任意の数値を宣言して発動できる。効果処理時に自分フィールドに存在する「クリエイトトークン」全てのレベルは、宣言した数値と同じになる。
③:手札を一枚捨てて発動できる。デッキから「創造国」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
④:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分フィールドの「クリエイトトークン」は、「創造国装」モンスターをエクシーズ召喚する際、その素材にすることができる。
「そ、そんなことが……」
「まだやったことがなかったからな。まあできないって思ってても仕方ねえけど、相手ターン中はロックデッキを名乗るのならもうちょっと穴を埋めておいた方がいいぜ」
「う、うるさい!」
「まあなんでもいいさ。俺はプレート・バンカーの効果を使い、シャイン・ライザーに装備させる。攻撃力は500ポイントアップ!」
創造国兵長シャイン・ライザー ATK2500→3100
「さらに、プレート・バンカーの効果発動!相手モンスター一体の攻撃力を、半分にする!」
「何!?」
ブルーブラッド・バロン ATK2500→1250
創造国装プレート・バンカー
ランク5 地属性 岩石族 ATK1000 DFE1000
エクシーズ・効果
レベル5モンスター×2
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:自分のメインフェイズ時、自分フィールドの「創造国兵」モンスター一体を対象にして発動できる。フィールドのこのモンスターを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。装備モンスターの攻撃力は600ポイントアップする。
②:自身の効果でこのカードが装備カード扱いになっている場合、相手モンスター一体を対象にして発動できる。そのモンスターの攻撃力をターン終了時まで半分にする。
「だが……まだだ。まだ問題はない!」
「さあ、どうだろうな。俺はマテリアルの第三の効果を使い、手札一枚をコストに『創造国の還元学』をデッキから手札に加えて、発動!」
「こ、今度はなんだ!?」
「自分の墓地の『創造国装』モンスターを任意の数デッキに戻すことで、その枚数と同じ数の『クリエイトトークン』を特殊召喚できる」
創造国の還元学
通常魔法
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:自分の墓地の「創造国装」モンスターを任意の数デッキに戻して発動できる。自分フィールドに、戻した枚数と同じ数の「クリエイトトークン」(岩石族・光・星3・攻/守0)を特殊召喚する。
「俺はマテリアル・ビーコンとブレイブ・ブレードをデッキに戻すことで、クリエイトトークンを二体特殊召喚!」
クリエイトトークン ATK0 ☆3
クリエイトトークン ATK0 ☆3
「そして儀式魔法『創造国の儀式学』を発動!」
「ぎ……儀式!?」
「自分フィールドのクリエイトトークンのみをリリースして、デッキから「創造国装」儀式モンスター一体を、儀式召喚する!俺は、クリエイトトークン二体をリリース!儀式召喚!レベル5『創造国装アクセル・ブルー』!」
創造国装アクセル・ブルー ATK1000 ☆5
「ぶっ壊れ認定されたくないなら儀式モンスターを手札から出せや!」
「やかましい!このアクセル・ブルーを、シャイン・ライザーに装備!攻撃力は600ポイントアップし、一度のバトルフェイズ中にモンスターに二回攻撃できる!」
創造国兵長シャイン・ライザー ATK3100→3700
創造国装アクセル・ブルー
レベル5 水属性 水族 ATK1000 DFE1000
儀式・効果
「創造国」儀式魔法により降臨
このカード名の効果は一ターンに一度しか使用できない。
①:自分のメインフェイズ時、自分フィールドの「創造国兵」モンスター一体を対象にして発動できる。フィールドのこのモンスターを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。装備モンスターの攻撃力は600ポイントアップし、一度のバトルフェイズ中にモンスターに二回攻撃できる。
「な……」
「バトルフェイズ!シャイン・ライザーで、ブルーブラッド・ナイトを攻撃!」
和彦 LP3700→2300
「続けて、シャイン・ライザーで、ブルーブラッド・バロンを攻撃」
「う……うわあああああ!」
和彦 LP2400→0
「よし、俺の勝ちだ。というわけで、交渉前から全部録画してるから、二人の加入は取り消してもらうぜ」
「く、クソッ!覚えてろよ!」
和彦は加入用紙を投げ捨てると、走って去っていった。
取り巻きも去っていく。
「というわけで、加入の話はなしになった。あーいうことする馬鹿はたくさんいるから、気をつけろよ」
遊錬は加入用紙を拾って二人に渡すと、二人に背を向けた。
「あ……ありがとうございます!ほら、炎冶君もお礼言うの!」
「あ、ありがとうございます!遊錬先輩!」
遊錬はそれを聞いて、手を振って去っていった。
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「さてと、もう今日は大丈夫そうだな」
「私もそう思う。あの二人の近くに富貴委員会がいなかっただけで、今はさっきの場所も配備されてる」
「さて、俺はもう帰るよ」
「わかった。それなら。私は帰るとする」
「おう。また明日ー」
「また明日」
遊錬は歩いていく愛瑠に手を振った。
そして見えなくなると、胸ポケットから数枚のカードを取り出す。
カードの縁の色を考えると、融合や儀式、シンクロやエクシーズなど、特殊な召喚方法を用いるモンスターたちだ。
だが、カード名もイラストもテキストも白紙で、何も書かれていない。
「さてと、そろそろ、こいつらの謎を解き明かせるやつに出会いたいねぇ」
そんなことをつぶやいた後、遊錬もカードを仕舞って歩き出すのだった。