(本編完結)なのはのクローンたちが聖王のゆりかごにスターライトブレイカーするそうです。   作:観測者と語り部

3 / 4
なのはのクローンたちは故郷に帰ってお別れするそうです。

 今でも夢に見る。不思議で幻想的な光景。

 

 春の暖かい風が吹く草原。辺り一面いっぱいに咲き乱れた菜の花。夏の日差しに照らされたざざーんっていう海の音。たくさんの流れ星を見ることができる夜の展望台。紅い色鮮やかな紅葉は、秋の彩りに染まった山々で。白一面に降り積もった雪景色に、小さく降ってくる冷たさを感じない雪の感触。

 

 眠るたびに見る事ができる夢の風景。それらは移り変わる四季のように違っていて、そこでは姉妹たちが元気に、それぞれ思い思いに過ごしています。

 

 ここは、私たちの心象風景。今でも繋がっている姉妹たちの、心の繋がりを示す場所。誰にも侵すのことの出来ない大切な領域。

 

 そこで大好きな姉妹たちが元気よく手を振っていて、私は雪の降り積もる世界の中で、元気よく駆け寄って行って。

 

 走りながら駆け寄る直前で、盛大にずっこけた。

 

 そうしてわたしは目が覚めた。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「あうう~~……」

 

 何だか素敵な夢を見ていたような気がしましたが、変な所で目が覚めてしまいました。

 

 時刻を確認。朝にはちょっと早いです。場所は病院のベッドの上で、掛布団の下は湿っていない感じですし。パジャマのズボンが濡れている感触もないです。寝る前のおトイレにちゃんと行ったのが功を成しました、じゃないと次の日に粗相をしてしまいます。

 

 起床。食事。排泄。行動。何から何まで管理されていたあの頃と違って、好きなものを食べることができる暮らし。好きなことをして過ごせる幸せな生活。

 

 わたし達姉妹はいまとっても満たされているのでしょう。でも、満たされすぎて412番の双子の妹のほうが、恥ずかしい思いをしてしまった事は、おねーちゃんの一生の秘密です。

 

 一緒に寝て、朝起きたら洪水さんが発生してしまったのです。だから、おねーちゃんの恥ずかしい思い出として妹を庇ってあげました。

 

 お世話に来たシャマル先生に、洪水さんの後始末をお願いして。その日は羞恥に染まりながら、服の裾をぎゅっとつかんで離そうとしない妹を連れて、お風呂場に直行でした。

 

 わたしも油断しているとそうなるので、要注意です。あとは妹たちが怖い夢を見ていないかの確認も兼ねてます。特に199番の妹は、他の妹たちと違って、起きていた頃の記憶があるから。

 

 あの頃の記憶を鮮明に覚えているのは、わたしとあの子だけだから。

 

 辛くて悲しかったけれど、それでも姉妹たちと過ごせた大切な思い出だから。

 

 だけど、199番の妹にとっては怖い夢でもあるから。

 

 ちょっと心配だったりします。

 

 それで、ほとんどは、素敵な幻想世界の夢を見ているわたし達なのですが、偶に違う姉妹の夢を見ることもありまして。

 

 高校生くらいの『なのは』が、ドスの利いた声でヤクザの家にカチコミ入れて、兄姉と共に木刀片手に大立ち回りを演じた挙句。無理やり花嫁にされそうだった親友のすずかちゃんを救出。そして元凶の氷村なんとかさんを右ストレートで床に殴り倒したそんな夢とか。

 

 それって映画の撮影か何かだよね? そうだよね?って思うくらいリアルな夢で。

 

 他にも素敵なお嫁さんだったり、プロの棋士さんだったり、映画監督をしていたり、物理学の有名な教授さんだったりと。いろいろな姉妹の夢を見たりするのですが。

 

 みんな元気そうだなって思えるのは、心のどこかで暖かい繋がりを感じるからなのでしょうか。

 

 そんな感じで目を覚ましたわたしは、軽く伸びをします。

 

 うん、いい感じ。

 

 今日も平和に日々を生きています。わたし達(『なのは』たち)はとっても元気です。

 

 それから、いつものように食堂まで歩いていって。といってもすぐ近くの大部屋なのですが。早くも明るい声が聞こえてきて、わたしは思わず顔を綻ばせてしまいます。

 

 妹たちは、今日も元気そうで何よりです。

 

「ね~ちゃ~~!!」

「あっ、おいで、おいで~~♪」

 

 そうそう、こんな感じで明るくなった500番(末っ子)の妹が、わたしに駆け寄ってくるくらいには元気で……

 

 って、止まって。止まって!?

 

「ふぐうっ!?」

「はぅぅ……」

 

 両手を伸ばしながら頭から勢いよくぶつかって来たので、末っ子さんのおでこが、わたしの胸元にダイレクトヒットしてしまいました。うぅ、『なのは』(わたし)はまだまだお胸がないから、柔らかく受け止めてあげられなかったの。ごめんね。痛かったよね?

 

「ふにゃ~~~……おでこを、ぶつけてしまいました……」

「だいじょうぶ? 怪我はない?」

 

 抱き留めた末っ子さんを、両手で優しく離して、ぶつけちゃったおでこをよく観察。

 

 うん、怪我とかなくて良かったです。

 

 ヴィヴィオと同じくらいの末っ子さんは、まだまだ幼い子供です。他の姉妹たちと比べると、小学生と幼稚園児くらいの差があります。だから、何かと怪我しないように気に掛けてあげないといけません。

 

「えへへ、だいじょうぶ」

「いたくないよ」

「そっか。でも、病院で急に走ったりすると危ないから、気を付けなきゃダメだよ?」

「お姉ちゃんとの約束」

「うん! やくそく!」

 

 199番以外の妹たちは目覚めたばかりなので、身体の動かし方に慣れてなかったりして、よく転んでしまいます。だから、リハビリも兼ねて外でいっぱい遊んでいるそうです。エリオくんとキャロちゃんが訓練の合間に、よく遊び相手になってくれます。

 

 わたしは病室のベッドに座りながら、それを窓から眺めて見守るのが最近の日課なの。

 

 あの後、なのはさん(おねえちゃん呼びはまだ慣れてません)に抱き抱えられたわたしは、クラナガンの病院に検査入院。よっぽど消耗していたのか歩くことも儘ならず、こうしてリハビリの毎日を送っています。

 

 実は今もリハビリの途中でして。長時間歩くのに体力が足りない感じです。

 

 やっぱり、みんなの魔力をひとつに束ねて、トリプルブレイカー以上の砲撃を放ったのが想像以上の負担になってたみたいでして。検査も終わって気が抜けた最初の日は、両手がぷるぷるって震えてました。

 

 その時に、フェイトちゃん(フェイトお姉ちゃん呼びも、まだ恥ずかしいです)が献身的に看護してくれて。

 

 看護、してくれて……

 

――大丈夫だった?

 

 検査が終わるたびに、パジャマ姿のまま抱っこされて運ばれる日々。

 

――お腹空いたよね? はい、これ。リンゴを剥いて、うさぎさんにカットしてみたの。

 

――よかったら、食べてね。

 

――お風呂、一緒に入っていいって。

 

――ひとりじゃ大変でしょう? 髪とか洗ってあげるから、遠慮しないで、ね?

 

――許可が下りたから一緒に寝ていいって。だから、大丈夫。寂しくないよ?

 

――もう二度と、寂しい思いはさせないから。

 

 果物とかお粥とか消化にいいものをあ~んされて、一緒にお風呂に入って、全部洗われて。それからお風呂場でぎゅううってされながら、一緒に湯船で温まって。終いにはベッドで一緒に抱き合って眠る日々。

 

 感じるのはお母さんの温もり。どこか安心させるような優しい声。

 

 今思い出しても、顔が赤くなってしまいます。本人はもうすこし付きっきりでいたかったみたいですけど、関連施設の摘発で忙しいので、夕方まで会いに来られません。だから、フェイトちゃんはとても残念そうにしてました。

 

 フェイトちゃん。わたし達を小さい頃のなのはさんと重ねている節がありますし、同じ境遇(プロジェクトF的な意味)の子供としてお互いに通じ合う気持ちもあります。ぎゅううって抱きしめられるのも、温かい手を繋ぎ合うのも嫌いじゃないです。むしろとっても好きなのですが……その……

 

 ……正直に言いますと、とっても恥ずかしくて……

 

 ……………

 

 だって、だっておかしいの!? なんであんなに距離感が近いのですか!?

 

 一緒のベッドで眠った時の話ですけど、ぎゅうってされて抱きしめられて。わたしの頭が、フェイトちゃんのお胸に包まれて、とっても柔らかかったといいますか。心臓のおっきな鼓動の音が聞こえてきて、とってもドキドキしたといいますか。

 

 わたしのパジャマごしでも分かる肌の柔らかさと暖かい肌の温もりは反則だと思うの! おまけに抱きしめられながら大丈夫だよ~~って囁かれて、背中を摩られながら、布越しに触れ合う肌の感触がとっても心地よくて。人肌の恋しさを埋めてくれたといいますか。ううぅぅ~~……

 

 その、ですね。月明かりに照らされたフェイトちゃんの神秘的な姿が頭から離れないというか。あまりにも綺麗な白い素肌と、金色の髪に、夜の色をしたネグリジェがとても似合いすぎて、思わず同性でも見惚れてしまいそうといいますか。

 

 とにかく、強くわたしの印象に残ってしまったのです!!

 

 あのまま甘やかされていたら、今頃はフェイトちゃん、フェイトちゃんってずぶずぶに甘えていたかもしれません。

 

 ううぅ~~~。

 

 いつか絶対リベンジして、逆に甘やかせて見せます。

 

 フェイトちゃんには、負けません!

 

 そんな決意をするわたしなのでした。

 

 

◇ ◇ ◇ 

 

 

 ご飯の時間です。

 

 いつもは機動六課のフォワードメンバーとか、保護者の三人の方々が妹たちと一緒に食事を摂るのですが、あいにくと今日はいないみたいです。やっぱりJS事件の事後処理でとっても忙しいみたい。

 

 わたしたち姉妹のこともニュースで話題になっておりまして。特に人造魔導師関連の違法研究所の摘発に、次元世界は揺れ動いているみたいです。子供たちを犠牲にしてはいけない。護ってあげてほしいって。そのおかげで人身売買も厳しく取り締まられているとか。

 

 なので世間さんが落ち着くまで、療養と身を隠すことも兼ねて、外出禁止。あまりミッドチルダを観光とか悠長なことはできませんでした。

 

 というわけで、合流した末っ子さんと一緒に食堂にやってきました。

 

 ヴィヴィオと妹たちと、お世話係の寮母さん。アイナさんが料理の準備をしながら待ってくれています。

 

「あっ、ちっちゃいママ!」

「「ねえね、おはよう!」」

「……おはよーー?」

 

 ヴィヴィオと、312番と412番の双子の姉妹が元気よくおはようって言ってくれて。それからちょっと眠そうな感じの199番の妹が、目を擦りながら返事してくれて。

 

「みんな、おはよう!」

「ねーちゃたちもおはよう!」

 

 だから、わたしと末っ子さんも、元気よく返事して挨拶します。

 

 うん、なんだかいいなって思う。

 

 研究所にいたときは、こういう当たり前の事もあんまりできなくて。香ばしい朝食の香りとかも感じない、味気ない栄養食ばかりだったから。こういう朝の風景とか、あたりまえの日常に、新鮮な感じがして心が満たされれちゃいます。

 

 そうして一緒の席について、並べられた料理を一緒に食べるのが日課です。パンに、スープに、野菜炒め。それからベーコンエッグに牛乳。食後のデザートにとろけるようなプリンも付いちゃいます。

 

 うん、どれも美味しそう。

 

「「「「いただきま~~す!!!!」」」」

 

 そうしてみんなで朝食を共にして、美味しくご飯を食べることができました。

 

「ううぅ……」

 

 だけど、ヴィヴィオのフォークの動きが止まってしまって。全部食べ終えた姉妹たちも、優しくヴィヴィオを見守っています。

 

 あれはお残しさんです。ヴィヴィオの苦手なピーマンと肩を並べる苦手な食べ物、その名も人参さん。

 

「ヴィヴィオ。ちゃんとにんじん食べなきゃダメだよ」

「好き嫌いよくないよ?」

「一緒にがんばろう。ねっ?」

「とってもいい子だって、なのはねーちゃが言ってたもん」

「でも、無理しなくてもいいよ~~」

「ふぇええ、だれが何いってるのか、わかんないよう」

 

 あはは、わたしと瓜二つの妹たちに囲まれてヴィヴィオが混乱してる。姉妹たちが左右で好き勝手に喋っているから、右向いたり、左向いたりしてあわあわしてる。(ロート)翡翠(グリューン)の瞳も、おめめぐるぐるって回りそう。

 

 わたし達、髪をおそろいのお下げにしているから、誰が誰だかわかんないよね。一応、手首の数字で見分けることはできるのですが。それだって腕を激しく動かして、身振り手振りで大げさに感情表現する姉妹たちだから、見分けるのも難しいのです。

 

 Nの文字とそれぞれの数字。決して消えない刻印は、手首のあたりにあるので見づらいですし。

 

 ヴィヴィオにとってわたし達は、ちっちゃいお母さんで姉妹のような、ちょっと複雑な関係です。だけど、わたし達にとっても大事な家族だから。

 

 ここは、おねーちゃんとして助け船を出してあげないといけません。

 

 人参さんをひと口ぱくり。程よく炒めてあって、よく火も通っているそれは柔らかくて美味しいです。研究所の味気ないご飯にくらべたら、何でも美味しく感じてしまいます。

 

 だから、ヴィヴィオの前で人参さんをもう一口ぱくり。

 

「ほら、ヴィヴィオ。とってもおいしいよ?」

 

 水を飲ませるには、目の前で美味しそうに飲む。もとい、美味しそうに食べる大作戦。ダメだったら私の分のプリンを食べさせて、ご機嫌を取る。そんなアフターフォローも完璧です。

 

 ほら、大丈夫だよ~~?

 

「ほ、ほんとうに?」

「うん、ほんとう。だまされたと思って」

 

 だから、姉妹たちが微笑みながら見守る中で、人参さんをあ~んってします。ヴィヴィオもそれを恐る恐る口にして、ゆっくりと噛みしめて。

 

「あまい、かも……?」

「でしょう? 固くなくて、野菜の臭みも少ないの」

「どうかな? 食べられそう?」

「うん、ヴィヴィオ、がんばるね?」

「よしよし、いい子。いい子」

 

 うん、頑張って嫌いなものを克服しようとするヴィヴィオはとってもいい子さんです。あとで花丸をあげないといけません。でも、わたしが人参さんの数をさり気なく減らしたことは内緒です。

 

「ヴィヴィオ。いい子。いい子」

「これ、わたしの分のプリン。いっしょに食べよ?」

「がんばったね。えらいね~~」

 

 姉妹たちも一緒にヴィヴィオをよしよしして、そんなわたし達にヴィヴィオはふにゃ~~って甘えてくれます。とっても可愛い妹さんです。わたし達の気分はおねーさんで、末っ子さんにとっては同じ年頃の仲の良い友達みたいな感じなのかな。

 

 そんな感じで子供たちみんなで食事を摂ったら、後は自由時間。

 

 312番と412番の双子の姉妹は病院の敷地内にある公園で、アイナさんに見守られながら一緒に駆け回ったり、ブランコを漕いだりしています。

 

 199番の妹は、その傍で日向ぼっこをしていて。末っ子の500番とヴィヴィオは一緒にボール遊びです。両手で抱えるような大きさのゴムボールだから怪我する心配もないの。それに、その近くで守護獣モードになったザフィーラさんが付き添ってくれてます。

 

 ここは管理局専用の病院なので敷地内で一般人の立ち入りは禁止されています。マスコミさん対策なんだとか。

 

 わたしはまだまだリハビリが必要なので、病院内の散歩コーナーを歩いたりしています。ベッドの上で握力用のボールを握ったり、とにかく身体を動かすことに慣らしていかないといけません。

 

 健康状態もばっちり、もうすぐ退院できるよってシャマル先生も笑ってお墨付きをくれました。

 

 そしたら、念願の海鳴に帰ることができます。

 

 わたし達の憧れの、記憶にあるおとーさんとおかーさんに。おねーちゃんとおにーちゃんに会うことができる。そう考えると、そわそわしてしまって日課の散歩も落ち着かなくなるくらいです。

 

 それと、これを知っている事は皆には内緒にしているのですが。わたし達のオリジナルであるなのはさんが、とっても参っているみたいなのです。

 

 だから、海鳴の実家に帰るのは、わたし達の希望もあるけれど。彼女の自宅療養も兼ねてるんだと思います。どんなに秘密にしていても心の繋がりを通して、とっても悩んでいるのが分かっちゃうの。その、こっちが一方的に感じちゃうといいますか、そんな感じで。

 

 だから、姉妹たちも、何となく察しているのか。そのことに対して、しーーってしながら何も言わないようにしています。なかなか会いに来れないのは、わたし達に対して負い目もあるんでしょうけど。最終決戦の後遺症も影響してるんだと思いますし。その後で、わたし達と心が繋がっちゃったから、とっても辛くて悲しかったと思うの。

 

 ゆりかごに突入して、幾重にも張り巡らされた防衛戦力と罠を突破して。玉座の間で娘のヴィヴィオと命を削りあうような戦いをして、四番さんを遠距離砲撃でぶち抜いて。星の光で大好きな娘を、聖王の宿命とゆりかごの呪縛から解放して。自力で脱出できないくらい消耗してしまって。

 

 そのあとに、わたし達のことがあって。

 

 うん、こうして考えてみると、とんでもない過密スケジュールといいますか。戦いに戦いの連続で、いつ倒れてもおかしくなかったといいますか。

 

 それでいて、わたしを抱き上げてくれた時に、泣きながら満面の笑顔を浮かべていてくれたのだから。とってもすごい精神力の持ち主だと思います。全部抱え込んで、心配かけないようにって。

 

 それが、なのはさんの良いところで、とっても悪いところでもあるのですが。

 

 だから、故郷の海鳴で自宅療養と一年間の強制休養なんだそうです。ヴィヴィオにママ、だいじょうぶ?って支えられて。お母さんだから頑張らないとって三日で立ち上がって。それからすぐに仕事に取り掛かっちゃうような人なので。はやてちゃんの怒りと心配の部隊長権限が発動してしまったそうな。

 

 だって、悩んでいるの隠しながら、疲れているのも誤魔化しながら、三日後に「やっほーー、お見舞いにきたよ」なんて病室に現れるものだから。そりゃあ、はやてちゃんも、フェイトちゃんも怒るのは無理ないと思います。

 

 ちょうどお見舞いに来ていたスバルさんも、「なのはさん。一週間は安静にしてって言われてませんでしたっけ……?」って引きつった笑みを浮かべてたのが、とっても印象に残ってるの。

 

 あの瞬間、姉妹たちの思いはひとつでした。

 

 お願いだから休んでいてほしい!!

 

 その後、末っ子さんとヴィヴィオが、「ママ、無理しちゃだめ……」「ねーちゃ、休もう?」って泣き出して、とっても大変だったのですが。まあ、長い話になるので割愛です。もう、大変だったとだけ。

 

「ああ、いたいた。元気そうな感じで安心したよ」

「あっ、はやてちゃん!」

 

 そんな風に考えながら歩いていたら、記憶にあるはやてちゃんよりも成長した。大人なはやてちゃんと出会いました。どうやらお見舞いに来てくれたみたいです。管理局の制服姿がとっても似合ってます。

 

「お仕事大丈夫?」

「とりあえずいち段落したから、休憩もかねてお見舞いに来たよ~。もうすぐ、フェイトちゃんと、なのはちゃんも来るから、良い子で待っててなぁ」

「うん。ありがとう、はやてちゃん」

 

 はやてちゃんは、わたしたち姉妹にも気さくに接してくれるお姉さんです。わたしにとっては幼い頃からの友達みたいな感じで、記憶にあるよりも大人な姿を除けば、気軽に相談できる相手でもあります。

 

 なんでかな?

 

 はやてちゃんなら何話しても受け入れてくれそうな包容力が、そうさせるのかな?

 

 そんな風に思っていると、わたしの目線に合わせて屈んだはやてちゃんにぎゅうって抱きしめられてしまいました。

 

 だから、わたしも思わずといった風に抱きしめ返してしまいます。

 

 なにか不安なことでもあった? 大丈夫って。

 

「……ごめんな。あの時助けてあげられなくて」

「もっと早く駆けつけてれば。わたしたちがゆりかごをちゃんと止められてれば……」

 

 それは、はやてちゃんの心に重く圧し掛かった後悔でした。

 

 でも、常に先手を打たれて後手後手の状況で、それでもスカさん達をあそこまで追いつめて。それで、街にも大した被害が出なかったのは、機動六課と地上本部を始めとする局員さんたちの奮闘があったからです。

 

 そこは素直に誇ってもいいと思うの。

 

 わたし達は、わたし達の想いに従って行動しただけなんだから。あの時、困っている人たちを放っておけなくて。ゆりかごを食い止めるために星の光を集めたのも、たくさんの人を守りたいってそう思っただけで。

 

 たぶん、同じ事が起きたら、何度だって同じ選択をすると思うから。

 

 そこに後悔とかはあんまりないの。ただ、ちょっとだけ辛くて、悲しくて、心残りがあっただけ。

 

 もしも、逃げ出したりしたら、きっと、もっと大きな後悔をしたと思うから。

 

 だから、姉妹みんなで力を合わせて立ち向かっただけなんだ。

 

「もう、そのことは言いっこなしって言ったよ? わたしも、姉妹たちも後悔なんてしてません」

「だから、悲しそうな顔をしないで? わたしも、姉妹たちもみんなが笑ってくれるのが一番嬉しいから」

「うん、ごめんなぁ……」

「もう、しょうがないなぁ。はやてちゃんは」

 

 わたしの事を抱きすくめて、泣き出してしまいそうなはやてちゃん。ちょっぴり大人な女性に見えるけど、まだまだ19歳の女の子なんだよね。もうすぐ大人になるとしても、まだ成人してもいない女の子なんだ。

 

 部隊長として、皆のことを背負っていかなきゃならない責任。天涯孤独の身になってしまって、だからこそ家族になってくれた守護騎士のみんなが大切で。その育んだ絆を守るために、管理局の局員さんになって。闇の書の罪滅ぼしの名目で、多くの人を救ってきた。

 

 もちろん、そこには誰かを助けたい。役に立ちたいっていう、はやてちゃんの想いもあったと思う。

 

 だけど、それでも苦難の度に傷ついて、転んだりしてる。

 

 悲しいことがあって。辛いことがあって。落ち込んだりしてる。

 

 たぶん、フェイトちゃんもそうだし。おっきな私もそう。

 

 それでも、前を向いて歩いて行けちゃう強い人たちだから。だから、何度でも立ち上がって、傷ついた心のキズを見て見ぬ振りをして。それでも誰かを助けようって頑張っちゃう優しい人たちだから。

 

 せめて、わたしの腕の中くらいは泣いてくれてもいいよって思うんだ。

 

「わたしの事は気にしなくていいよ? 辛くなったら我慢とかしなくていいから」

「少し休んだって、誰も怒らないよ」

「今はいっぱい泣いてくれてもいいから、ね?」

「だいじょうぶだから」

 

 そんなことを言ったら、はやてちゃんは、わたしの肩に顔を埋めて。身体を震わせてた。

 

 情けない大人だなんて言わないであげてほしいの。誰だって辛いときは泣きたくなると思う。どんなに我慢しても涙が出ちゃうこともあると思う。

 

 なのはお姉ちゃんも、フェイトちゃんも、はやてちゃんも、姉妹たちも、ヴィヴィオも。わたしの知ってる人たちは皆大切な人たちで。どこか放っておけないんだ。

 

 だけど、わたしはもう、何の役にも立たないから。せめて帰る場所だけでも守ってあげたい。疲れて帰ってきたみんなにおかえりって言って迎えてあげたい。温かいお風呂に入れてあげて、ごはん食べさせてあげて。お日様によ~く干しておいたお布団でゆっくり休めるように。

 

 そんな風に過ごすのが、わたしの夢、なのかな?

 

「……なんだか、キミにそうされると、妙な安心感を感じてしまうなぁ」

「えへへ、これでも皆のお姉さんですから」

「ありがとうな。だけど、私は責任ある大人で部隊長さんやから。あんまり弱いところなんて見せられへん」

「この事はお姉さんとの秘密にしといてくれると嬉しい。本当は年少組(子供たち)を守るのが年長者(大人)の役目なんやから」

「うん、でも、甘えたくなったら。いつでも甘えてくれていいんだよ?」

「あはは、皆がキミを守りたいって言うのもわかる気がするな」

「???」

「気にしなくてええよ? ただの独り言や」

 

 そんな感じで、はやてちゃんにリハビリに付き添われながらお話ししました。

 

 もう気付いているかもしれないけど、まだわたし達の名前を決めてません。

 

 ううん、何となく思いついてはいるんだけど。まだ、心の中では自分も『なのは』だって思ってたりします。だから、新しい名前に慣れそうにないというか。番号で呼ばれているのに慣れてしまったというか。

 

 ううう~~~。

 

 改名する人って、こんな感じなのでしょうか?

 

 何だか複雑な気持ちです。

 

 そんな感じで悩みつつも、はやてちゃんと色んな話をしました。

 

 帰り際にベッドの上に腰かけてた、はやてちゃんにぎゅううって抱きしめられて。思わず「はにゃ~~~~!!」ってなってしまったのは内緒です。こう、両手をわたわた動かして、鳥みたいに羽ばたいてしまったといいますか。慌てて変な動きをしてしまったといいますか。

 

 とにかく、不意打ちさんは卑怯なのです。

 

 えへへ~~って笑ってる姿が、どこかアザラシの赤ちゃんを思わせる笑顔だったって。思わず可愛くなってしまって、抱きしめちゃったんだとか。

 

 もう、そんなに笑ったりしてないですよ。

 

 えへへ~~~。

 

「また、時間を見つけたら会いに来るからな~~。今度は守護騎士のみんなも一緒や」

「リィンもみんなに会いたがってたから、そん時はよろしくしてあげてな?」

「うん! またねっ、はやてちゃん」

 

 そうして、仕事に戻っていったはやてちゃんを見送って。

 

 疲れた身体をベッドの上で休ませて、外でいっぱい遊んでいる妹たちを見守りながら。

 

「遊びに来たですよ~~」

「おはよ~~みんな元気にしてた? 遊びに来たよ」

「フルーツの盛り合わせ買ってきたから、あとで食べてね?」

「リィンちゃん、いらっしゃい。スバルちゃんに、ティアナちゃんもありがとう」

「スバスバに、ティアティアだ~~」

「スバスバに、ティアティアなの~~」

 

 それからも、多くの人がお見舞いに来てくれて、そんな優しい人たちに見守られながら、リハビリを何度も何度も頑張って。健康状態に問題がないか、検査もたくさん繰り返して。そうして頑張っていって。

 

「……だいじょうぶ?」

「うん、だいじょうぶだよ~~」

「ようやく皆と走ったり、遊んだりできるから」

「だから、大丈夫!」

「あんまり、無理しないでください」

「うん、心配してくれて、ありがとう」

 

 姉妹たちに心配されながらも、ようやくまともに歩けるようになって。

 

「なのなのなのなのなのなの!!」

「なのなの? なのなのなのなのなの!!」

 

「あれ大丈夫なの?」

「うん、自分らしさを考えるために口調から変えてみたいっていう試みらしいよ?」

「あと、ティアも口調がうつってる」

「えっ、うそぉ!?」

 

 みんなの名前を一生懸命考えて。お互いに名前を呼ぶ練習をして。

 

 そうして少しばかりの時が過ぎて行って。

 

「あのね。渡航許可とか、いろんな手続きが終わったから」

「ようやく、みんなで帰れるよ」

「ずっと行きたがってた海鳴の町に」

「だから、一緒に帰ろう?」

 

 そんなフェイトちゃんや、なのはさんの言葉を聞きながら。

 

 わたし達は、ついに念願だった海鳴の街に帰ることができるんだ。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 引率はなのはさんとフェイトちゃんがしてくれました。はやてちゃんは部隊長さんなので何かと忙しくて、自分が抜けると大変だから、その、一緒に行けなくて、ごめんなぁ……って謝っていました。

 

 なんだか、申し訳ない気持ちでいっぱいです。だから、ミッドチルダが落ち着いたら、姉妹みんなで八神家に遊びに行くという約束を交わしました。

 

 転送ポートを潜り抜けると、すぐに海鳴の街です。

 

 姉妹たちみんなと、まだ幼くてお母さんが必要なヴィヴィオと一緒に。あれほど来たかった故郷の街に訪れた私たち。

 

 そこから車で移動しながら、移り変わる風景を横目に。だけど、みんなで興味津々な様子で街の様子を見ていました。それに、何だか懐かしさを感じてしまって。だから、わたしは運転しているフェイトさんにお願いして、ある場所まで連れてきてもらって。

 

 そう、記憶にある海鳴臨海公園に寄ってもらって。

 

 姉妹たちも、ヴィヴィオも、六課の訓練所から見た海の景色とは違った風景に見とれています。

 

 海の音。肌を撫でる心地よい風の感触。どこか見覚えのある町。車と人が行き交う喧噪。何もかもが懐かしく感じる。

 

 そして、記憶にあるフェイトちゃんとお別れをした場所で。橋の上の海が見える場所で。わたしは手すりに駆け寄って、広大な海と青空を見渡したんだ。

 

 わたしの記憶にある。お気に入りの場所のひとつ。だけど、記憶の中にあるだけで、行ったことも見たこともないはずなのに。

 

 なんだか、胸の奥が締め付けられるような切なさを感じて。ああ、帰ってきたんだなって思ってしまって……

 

 たくさんの姉妹たちにも、この光景を見せられたらなって思ってしまって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 わたし、ダメな子だ……

 

 笑っていてねって。約束したのに………

 

 泣かないでって、どうか幸せになってねって。約束、したのに……

 

 なんでかな……?

 

 涙が、止まらないよ……

 

 そうして、甦るのは懐かしい思い出の記憶。

 

――あはは、なんだかいっぱい話したいことがあったのに。

――フェイトちゃんの顔見たらね。忘れちゃった。

 

――わたしは、そうだね。わたしもうまくことばにできない。

――だけどうれしかった。

――まっすぐむきあってくれて

――うん、友達になれたらいいなっておもったの。

 

――でも、今日は、もうこれからでかけちゃうんだよね。

 

――そうだね、少し長い旅になる。

 

――また、会えるんだよね。

 

――少し悲しいけど、やっとほんとの自分を始められるから。

 

――来てもらったのは返事をするため。

 

――えっ……?

 

 フェイトちゃんと、『わたし』が何度もぶつかり合って。そうしてようやく分かり合えて。

 だけど、ちょっとだけ悲しいお別れをすることになって。

 

――君が言ってくれた言葉。友達になりたいって

 

――うん……うん!

 

――わたしにできるなら。わたしでいいならって。

――だけど、わたし。どうしていいかわからない。

――だから、教えてほしいんだ。どうしたら友達(家族)になれるのか。

 

 だから、『わたし』は……

 

 わたし、あの時、何て言ったかな……?

 

 確か……

 

――かんたんだよ。

――友達になるの家族になるの。すごく簡単。

 

 

 

 

 

 

 

  なまえをよんで?

 

 

 

 

 

 

「ひっぐ、えっぐ……」

「なまえをよんでねって」

「いつか、ほんとの名前を呼び合おうねって」

「約束……」

「あなたとか、きみとかじゃなくて……」

「数字でも……番号でもなくて……」

「わたしたちの、ほんとのなまえ……」

 

 口にしたのは思い出の言葉。

 

「っ……」

「ごめん。ごめんね……」

 

 フェイトちゃんと、なのはお姉ちゃんに後ろからぎゅって抱きしめられて。それでも、涙が止まんなくて……

 

「ずっと、ずっとね……心の支えに、してたんだ……」

「家族や友達が、泣いていると、悲しいからって……」

「大好きな物語に、そう教わったから……」

「だから、ずっと笑ってた……みんなに笑っていて、欲しかったから……」

 

 高町『なのは』の、優しい家族との思い出だけが、わたしの心の支えで。

 みんなのために頑張らなきゃってずっと思ってて。

 そんな、わたしを姉妹みんなが一生懸命支えてくれてて。

 

「ほんとは……みんなと一緒に……見たかった……」

「こきょうの、海鳴に帰ろうって、やくそくしたときに、ね……」

「一緒に、海鳴りの、町を見ながら……手を繋いで帰ろうねって……」

「おうちに帰って、せめて、ひと目だけでも、いいから……」

「おとーさんと、おかーさんに、会おうねって……」

「困らせちゃうかもだけど……、せめて、優しい家族に会おうねって……」

 

 そう、やくそく、したのに……

 

 だけど……みんな…………

 

 もう……いなく、て……

 

 いなく……なっちゃっ、て……

 

 だから……わたし……

 

「ッ……うん……うん……」

「辛かったよね。悲しかったよね……」

「だけど、もう、我慢しなくていいんだよ……」

「無理して、笑ったりとか、しなくていいから……」

「泣きたいときは、たくさん泣いていいから……」

「だから、我慢しないで、ね?」

「いい子……だから」

 

 大好きな姉妹(お姉ちゃん)たち……

 

 『なのは』(わたし)は、もう『なのは』じゃなくって。

 

 これからは、新しい自分を始めていかなきゃだけど……

 

 だけど、今だけは……

 

 今だけは、みんなのために……

 

 泣いていいかな……?

 

 

 

 

 

「あああぁぁぁぁあああぁぁぁ!!」

「お姉ちゃん!! お姉ちゃん!!」

「うあああぁぁぁああん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、わたしはフェイトちゃんと、なのはお姉ちゃんに抱きしめられながら。泣いている二人に強く抱きしめられながら。

 

 一緒になって姉妹たちを想って泣いてくれるヴィヴィオと妹たちのそばで。

 

 あの日からずっと流さなかった。たくさんの涙を流して泣いた。

 

 ずっと、ずっと泣き止むまで。

 

 ずっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さようなら。

 

 大好きだよ。お姉ちゃん。

 

 どうか向こうの世界でも。

 

 元気でいてね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 なんだか、とっても緊張します。

 

 そんなことないと思うけど、いつかのプレシアさんみたいに、違うって受け入れられなかったらどうしようとか。

 

 最初の言葉は何にしようとか。そんなことばっかりで。

 

 なかなか、勇気が湧いてきません。

 

「ねーちゃだいじょうぶだよ?」

「怖いなら、いっしょに行こう?」

「わたしたちずっといっしょだから」

「「ねーー♪」」

 

 うぅぅ。まだまだ幼い姉妹たちに励まされてしまうなんて。

 

 お姉ちゃんとして情けない限り……

 

 ううぅぅ――

 

 そうして悩んでいるわたしの手を引いて。高町家の敷地に入る為の引き戸に一緒に手を掛けて。

 

 それを一気に開いて、ずっと言いたかったこの言葉を言うんだって。みんなで頷いて。

 

 だから、せーので引いて。

 

 ただいまって言うんだ。

 

「じゃあ、いくよ」

「せーの!!」

 

 そしたら記憶とあまり変わらない、おとーさんとおかーさんが。

 

 おかーさんがわたしの目線に合わせて屈みながら、とっても嬉しそうに両手を広げてくれて。

 

 おかえりって。会いたかったよって言ってくれて。

 

 だから、わたしは……

 

「おとーさん! おかーさん!」

「会いたかった!」

「ただいま!!」

「おかえり!!」

 

 おねーちゃんたち。

 見てるかな。

 

 わたし、やっと帰ってこれたよ。

 

 わたしたちの、帰りたかった場所に。

 

「それじゃあ桃子おかーさんに、あなたたちのお名前を教えてくれる?」

「うん!」

「わたしの――わたしたちのなまえはね?」

 

 今日この日。わたし達が『なのは』じゃなくて、それぞれの自分になった日。

 

 わたし達は、わたし達と姉妹たちの夢と願いを叶えるための人生の旅に出たんだ。

 

 それが、あの日生きてねって願ってくれた姉妹たちとの約束だから。

 

 だから……

 

 行ってきます! お姉ちゃん!!

 




これでこの物語はおしまいなの。
これからは皆で悩んだり、幸せになったりするお話が始まるけれど……

だけど、しばらくの間、お別れになっちゃう。

だから、わたし寂しくないように歌うね?

あの日、姉妹たちに歌ってあげた優しい歌を。
姉妹みんなが大好きで、わたしもずっと好きだった。

あの思い出の曲。

わたしがたくさんの勇気を貰った曲

~Little wish~lyrical step~♪

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。