病気になるけど不老不死   作:篠崎零花

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if 病気にもなる不老不死(笑)がもしタバコもやっていたら
if1話 喫煙家の不老不死


僕は病気にもかかる不老不死。それでかつ、自他共に認める愛煙家でもある。

いや、誰に説明してるんだろうなこれ。自分でも分からない。まあいいか。

 

 

なんて思いつつ、ちょっとしたDIYで家の小さめな庭に作った喫煙所で僕はよく吸うセブンスターの箱を開け、1つ手に取った。まだ1つしか吸ってないよ、なんて誰に言うわけでもない言い訳を考えながら火をつけて吸い始める。

 

「……ふぅ。それにしても僕も病気になりやすくなるとかなんの皮肉なんだろうな」

 

 

そう呟くとメールが。なになに?

 

“そろそろ健康診断を受ける頃じゃないか?不老不死ちゃん by天神(あまがみ)(りく)

 

 

この担当医師の言い方よ。僕の名前を知っててわざとこういうんだから意地悪とも思うよね。

ふざけてるから、ってのが真実だけど。でもメールではやめないかい?

 

まあ、健康診断には行くけど。

 

 

 

 

そう考えて、僕は吸っていたタバコを消して灰皿に捨てた。

もちろん、病院に行く準備をするためってのもあるけどね。

やれやれ、不老不死なのに健康診断とは不思議だよね。しかも毎回タバコをやめるようにとあるし。いいじゃないか、タバコはしっかり喫煙所で吸うし。

 

さすがにお酒とタバコ両方を同時にやったことはないけど……と、いい加減健康診断の予約なりなんなりしにいかないとあの担当医からの説教を受。けそうだし、早めに行こう。

 

面倒だけどねぇ…

 

そうぼやきつつ、準備をして比較的近くの病院へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、何事もなく家についた僕は家の前に来ている2人に思わず笑った。

 

「いやいや、悠希。知り合い連れてくるのはいいけど、事前に教えてくれないと困るよ」

 

「いやぁ、たまにモ○ハンで一緒になるし、気づくかなって思ってな」

 

「それは無理だよ!?」

「気づくのは無理だな」

 

(ふ、2人していう必要はないんじゃないか?でも、俺自身ふざけるのが楽しいからやめないが)

 

とりあえず家にでもあげるか。どうせ僕がよく喫煙する場所は中にはないんだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで、あげたはいいけどなにをしにきたんだろうか。

 

「悠希、友人なんか連れてきてどうかしたの?」

 

「どうもこうも、久しぶりに遊ばないかと。大丈夫だ、つい最近初心者マークのとれた俺が運転するから」

 

「お前はスピード出しすぎるんだよ。高速道路で110キロ出すバカは普通しないだろ」

 

それを聞いて逆に不安になった。色々と大丈夫?

 

(ほら、言わんこっちゃない。悠希の女友達が心配そうな顔をしてるじゃないか。まあ、俺も運転免許があるから交代できるし、危なそうだったら交代するか…)

 

 

 

っと、そういえば自己紹介まだじゃない?

突然来たのにこれだから忘れそうになった。…忘れてた気もするけど。

 

「そういえばまだ自己紹介してなかったね。僕は篠崎葵だよ。君は?」

 

「あー、そうだったな。なんかこう、悠希の友人ならではの雰囲気があったからつい忘れてたわ。俺は一ノ瀬湊だ。宜しく」

 

「うん、宜しくね」と僕も返した。

比較的真面目そうな人だな。悠希の友人はなにかとゲーム関連でおかしなことになってるから、唯一の普通……なのかな?ゲームの腕前を知らないから分からないけど。

というか朝ごはん食べたの?僕は喫煙前に食べたけどさ。

 

 

「それで、何か用?あと朝食は?」

 

「お前は人の母親か。……俺は食べてきたが、湊は?」

 

「さすがに食べてくるさ。そういう葵さんはどうなんだい?」

 

え?そりゃあ

 

「タバコ吸う前に食べたよ。もちろん吸う場所は小さな庭にある未だに試行錯誤中の喫煙所なんだけどね」

 

「1日で下手したら1箱や2箱あけるくせに律儀だよな。というかその喫煙所、試作何個目だよ」

 

 

(…うん、俺だけじゃないよな、気になるの。んで、聞かれた瞬間すごく面倒くさそうな顔をしたな。やっぱり結構手間かかってんのかね)

 

 

それは……だね。うん、かなり。

数えてないだけでも結構作ったんじゃないかな。最初は怪我もしたし、喫煙所として機能しなかったりと。

 

その時の怪我は酒の一気飲み(じごうじとく)とかの影響でないけど、想像以上に大変だった、とだけにしておいてる。誰だ、家に喫煙スペース作ろうとか考えた奴。

 

 

……僕か。

 

「あ、あー…そこまで大変だったんだな。俺もそういうちょっとした物作りとかをできる範囲でするが、あれは……うん。分からなくはないな」

 

「確かに湊はそういうのも好きみたいだもんな。だから分かるのか」

 

「まぁな」と頷きながら答えるのが聞こえた。

几帳面なのかなぁ、と内心遠い目。いや、僕だって少しは真面目だと思うよ?たぶん。

 

「ま、それはさておき。遊びに来たの?あとアニメの再現とかいい?」

 

「タバコを吸うシーンの方が少なくないか?最初は吸ってないのも知ってるが、あれだとお前死ぬ可能性あるだろ。……あ、お前は平気なんだったな」

 

(はあ?再現で死ぬようなのあったっけか。一応俺もアニメは見てるんだけどなぁ。そもそも葵さんのなにが平気なのやら)

 

あー…そうか。湊さんは知らないけど、僕と悠希はよく僕の家で酒を飲んでは二日酔いになったり、下手すればどちらかが病院へゴーをしている仲だからね。ついでにお互いの家でお泊まりも。

 

確か、そのいつも通りの飲み合いしている時に勢いあまって“僕が病気にかかる不老不死”だと口を滑らしたのがきっかけ。それからは友人の中で悠希とその友人達だけが知っている。

 

 

「ほら、僕って特殊な訓練受けてるから」

 

「それはねーよ」

 

(どういう話をしてるんだか。楽しそうに笑いあってるし、気にしてなさそうだから別にいいんだけどさ。……というか特殊な訓練ってなんだよ)

 

「それよりも遊びに行かないかと誘いに来たんじゃなかったっけか?」

 

あ、忘れてたと言わんばかりの表情を浮かべた悠希。

えっ?悠希のことだからてっきり遊びに来ただけなのかと……。

 

 

「そうだったっけ?」

 

「ちくわ大明神」

 

「そうだよ…って葵さんはなに呟いてるの」

 

「ん?ふざけただけだよ。よくあるでしょ?」

 

湊さんから「そんなのよくあってたまるか」とツッコミをもらった。ナイス。

 

「とりあえずいつもの場所へ遊びに行こうか。またゲーセンとかが多くなりそうだけど」

 

「いつもの…ってよく行く場所でもあるの?」

 

あるとしても、出来れば喫煙スペースが近くにあればいいんだけどね。

いや、ないならないでいいけど。

家に帰れば吸えるし。こだわる必要はない、と心の中でキリッとしてみるけど逆にむなしくなった。やめよう。

 

(そういやこいつのこと、湊にお酒を飲んだりしたことがあるとしかいってなかったな。あとでタバコもやってること教えとくか。んで、葵が不老不死ってのは黙ったままの方が面白そうだな。なにせ病気とかになるし、後々楽しませてもらえそうだ)

 

「ん?あぁ、基本的にゲーセンとかカラオケとかな。スマフォゲームもあるが、あっちは歩きだからなあ」

 

「カラオケはあんまり行かないだろうに。……今日は平気?」

 

そう言いつつ半目で悠希の方をチラ見していた湊が、今度は僕の方を向いて聞いてきた。

んー、灰皿洗ったりするのはあとでいいから平気としか。

 

「そうだね、仕事とかに余裕あるし行くとするよ。ちょっとばかし家にいすぎたような気がするからね」

 

「あれ?不老不死のお前って内職だったっけか」

 

確かに体質的な問題で普通の仕事場にはいつづけられないけどさ。

原因不明のやつらしいしねぇ。

 

「……それはいいから」

 

 

そう、僕が呆れたような声で返すと悠希はハッとした表情になった。

正直いって、嫌な予感しかしない。

 

 

「あ、そうか。お前、吸血鬼だったんだな!」

 

「誰が石仮面つけたっていった!?」

 

ぷっ、という笑いをこらえたような声が聞こえたけど、違うからね!?本当だからね!?

そう思いつつ、湊さんの方を見るも“こうも仲がいい人達の会話を聞いてると面白い”みたいな感じだった。何故だ…!

 

(やっぱり友人がその友人達とふざけているのを見聞きしてると笑いをこらえるのも大変だね。……おっと、もうこんな時間か)

 

「楽しそうにしてるとこ悪いけど、そろそろ行かないか?9時になることだし」

 

「楽しそうって……はいはい」

「へーい」

 

湊さんのその一言に僕達は各々の返事を返すと家を出た。もちろん鍵は僕が閉めるから最後に出たのは僕だけど。

湊さんの車に乗せてもらうと、そのまま目的地へと進み始めた。

やれやれ、何事もなければいいんだけど。

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