秋が近づいてきたからって小さめな庭で焼き芋を作ろうとしていたら、女性の姿が見えた。
という少し年老いたその女性って……か、母さん!?
「あらぁ?今日は掃除も終わったから暇だし、なんとなく散歩しようとしたらあおいと会うなんて。珍しいこともあるものねぇ」
珍しすぎるわ。それこそビックリするほどに。
「それで、落ち葉を集めてるってことは焼き芋でも作るのね?なら、つい先日買ったこの安納芋を使うといいわ」
と言いつつ、母さんがうっすらと紫色の少し太くて長いものが入ってると分かるビニール袋を差し出してきた。
「あ、ありがとう……」
受け取れ、と言わんばかりの渡し方につい受け取るとニッコリ笑う母さん。
お、同じ女性なのに母親と来るとこうも圧力が違うのか……。なにが違うんだろうな。
まあ、いいか。とにかくありがたく焼かせてもらおう。それがいい。
さて、そうとなればアルミホイルでつつみに行こーっと♪一服なんて後回しにしてでも焼き上がるのを待たなきゃな。
あ、ついでに間違えて自分も焼かないように気をつけないとね。前科持ちで、看護師の
「そりゃあ、僕だって眠かったんだからしょうがないさ。それに焚き火が暖かそうな布団みたいなものに見えるのは自然現象だろうに。ケチだよなぁ」
とか呟きながら僕はもらったばかりの芋を手に、せかせかと焼き芋の準備をするのだった。
パチパチ
心地よい焚き火の音をバックに……待つのが長く感じるから早く焼けないかな。
いや、確かにさ。早く焼く方法なんて他にあるだろうけどね?やっぱりたまになら落ち葉で焼いて食べたるなるのも分かるよね?ね?
「……お前ん家から良い匂いがすると思ったら焼き芋でも作ってるのか?」
振り向かなくても分かる、悪友の声。
僕の家からさほど遠くないとはいえ、来たのはコンビニでもよろうとしたのか。
「なんだ、悠希か」
「え?悠希違いだろ?」
「どこからどう見ても橘悠希でしょ。人違いみたいに言うんじゃないよ」
それを聞いてなのか、笑い声がする。
試しに振り返ったら少し日焼けした、黒い短髪の青年。というか
秋だからかフード付きの長袖を着ている。チラッと見える半袖はキャラシャツか?…まあ、長袖でほぼ見えないからいいとして。
「え?その方が面白いだろ?ってなわけでふざけた。因みに焼き芋って半分貰ってもいいか?」
(案外からかいがいがあるしな。やっぱりボケるにはツッコミがいなきゃな。友人らにはツッコミがほとんどいないし、苦労してるだろうがな)
「え、えぇー……確かにそうだけど、君の友人には君みたいな人が多いじゃないか。むしろツッコミが少なすぎて追いつかないよ。それこそ一服しにくいほどに」
「いやぁ、それほどでも」
「褒めてないよ!?」と大きな声で言ってから僕はため息をつく。
刹那主義というわけじゃないし、そこまで考える必要はなさそう…というかするの面倒だし。
っと、そろそろ焼き上がるかなー。
「へぇ、火だけ消すって葵もある程度焼いたら余熱で残りに火を通すタイプなんだな」
「あー…そうか。悠希もたまに食べるんだったね。今回とかは別だよ。少し良さそうなのを選んで贅沢に焼くだけだし。いつもは買ってるからなんとも」
(あぁ、なるほど。普段は買うタイプか。あっちもあっちでたまーに美味しいのがあるし、楽だからいいよな)
ん?そういえば珍しく悠希が肩下げカバン持ってるな。
どこかへ遊びに行く予定だったとか?
「んじゃあ、待ってる間遊ばね?」
と言って小さめな庭から入れる居間の方を指さす。
「…スマフォとかのゲームじゃダメ?」
「ん?別に構わないぞ。ちょうど数十分ほどは時間をつぶせるようなものがいいだろうし」
その後20分近くはスマフォゲームとかをしてたんだけどさ。あれ?
僕、一服するの忘れてない?
……ま、いっか!
その後、悠希と一緒に焼き芋を食べてから湊さんと遊○王をしている今日暇な人を1人呼んで遊んだ。
後半無双してる奴がいたせいで、一服するひまもなかった。というか違うゲームもしたから結局は楽しかった。
ふぅむ、また今度なにかしらでゲームとか仕入れておくか。
冬はとある場所にも行くし、資金調達はしておかないとね。
よし、色々とやらかすぞー。