喫茶店から車を走らせた僕達は途中コンビニよったり、高速道路に乗ったりしてしばらく。
遊園地につきました、まる。
ちなみに運転席が一ノ瀬湊、助っ席が四ノ宮椿、運転席の後ろが橘悠希、助っ席の後ろが僕という感じ。きっと前なのは変なおふざけが見えないように、という配慮?なのか。僕はなにもしないけど。
途中悠希がふざけそうになって僕もそのふざけにのりそうになりつつなんとか止めたり、湊が僕に渡していたクイズみたいなのを出してみたりといい暇つぶしができた。ありがとう、湊。
僕も少しは提案手伝ったとはいえ、こういう時は助かるよ。
いや、僕の小さめな庭で湊と共にそういうのを作ったりしてるから…どうなんだろ?
悠希に気づかれないようにするのが大変だね!
「あ、そうだ。チケット発券してくるから待っててね」
それぞれが分かったみたいなことを言うと湊は走っていった。
「そういやよくあの移動中、ふざけるの我慢したよな葵」
え?そりゃあ…
「下ネタとかも混ぜてふざけようにも椿がいるじゃないか。逆に引かれる」
(…変なとこ真面目ってどういうことだよ)
「でも、なんか後ろで遊園地についたらあれしよう、これしようとか相談してなかった?聞いてる限り、ふざけそうなんだけど」
もちろん、といわんばかりに頷いたのは悠希だった。ちょっ、まだ秘密って言ったよね?
「えっ?する気満々だよ。計画通りに動かないのが俺だから」
(いやいや、自慢げに言うものじゃないよ?ほら、なんか組み合わせると危険だと言われた片割れのはずの葵すら遠い目をしてる。……あ、でも少し気になる)
なんか大丈夫かな……下手したら、椿がふざけ要員になりそうな予感がするんだけど。そうなるとあれか。
僕はツッコミ
いや、僕の不老不死要素目立たな過ぎない?もうどう見ても、聞いても普通の人間だよ?
「あ、気になるか?じゃあ、ちょっと葵にも内緒で……」
「うん、聞く聞く。私もたまにはふざけてみたいし」
ちょっと待とうか、君達。小声で話してるつもりだろうけど、聞こえてるからね。
それにこんなとこまで来て悪ふざけとかはさせないからね?
なんてふざけようとしている2人を止めようとしたりなんてうだうだしてたら、湊が戻ってきた。
「あー…うん。やっぱり葵、お前はツッコミ役だけやってればいいんじゃないかな」
戻ってきて早々の一言がそれかい。僕は皆のツッコミ役じゃないんだぞ。
僕だってふざける時はふざけるよ。それこそ頭を花畑にでもしてやろうかと。
……収集つかなくなりそうだからやめた。
「ほら、湊がそんなこというからさっきから私達のことを葵が呆れた半目で睨むみたいに見てくるんじゃないの!酷くない!?」
「俺達はちょーっとふざけようとしただけなのになー?」
「いや、君達がよくするのは度を越したおふざけ。僕がするのは運転とかにも支障をきたさないほどの下ネタとか言葉によるおふざけ」
(あー、確かに。悠希よりはふざけないけど、俺ほどふざけるのを我慢しているわけでもない。…もういっそのこと、そのふざけるのをやめてツッコミをしていてほしいね)
「あ、でも葵も酒が入るとすごいよね」
「言うんじゃない、もうすぐ20歳になる椿よ。それに湊と悠希もそうじゃないか」
わざとらしく、そういうと少し笑いをとれたのか笑われた。
いや、今のはそういうつもりじゃないんだよ?なんか違う。
「ぷふっ、湊も酷いってよ。ならたまに酒でも飲みあうか?」
(ぐっ……否定はしないが、酒は危険なんだよな。俺と唯一のツッコミ役にもなれる葵すらふざけすぎるはめになるし、次の日大変なんだよな)
な、なんか湊が気難しそうな顔を…。
とりあえずここは話をそらした方がぶなん、なのかな?
「とりあえずさ、湊が皆で事前に払ったチケットを持ってきたんだから入ろうよ。悠希と椿も」
「ふーむ…ツッコミが似合う葵に言われたんならしょうがない。ということにしよう」
「おお、本来の真面目な葵に……。そうだね、悠希。ちょっと湊のことからかいすぎだし、行こう?」
……ホッ、みたいな顔をすると湊が僕の顔を見て“ありがとな”みたいな小さなジェスチャーをしてきた。
はいはい、ふざけるのは後回しにしますよ、と。
そりゃ椿もふざけるとなったら余計に大変そうだしね。まとめの湊、ツッコミの僕でどうにかしていくか。
そう思った僕は急に冷静になった椿を先頭に皆で遊園地の中に入った。
……あんまり変なおふざけはしないように見とかないとね。
おおー……前にも来たことがあるとはいえ、なかなかに広い遊園地だよなぁ。
「さてと、入ったはいいけど最初はどこへ行こうか。俺的にはジェットコースターかお化け屋敷だな」
(え、ええー!?どっちも絶叫系じゃん!どうしよ…。コーヒーカップの方が私は楽しめるんだけどなぁ)
あれ?なんか椿がどこか嫌そうな顔に……あんまり絶叫系得意じゃないんだっけ?
「悠希、そこは定番のジェットコースターとかじゃないか?葵と椿が乗れるかどうかはともかくとして」
(お、お願い葵。葵から私が苦手って言ってもらえるかな)
あー…椿の方をまたチラッと見たら、まるでお願いするような…。はいはい、なんとなく察したから話すか。
「僕は平気だから乗るけど、椿は絶叫系苦手だから乗らないって。その近くにいればいいよね?」
悠希、君はあからさまに残念そうにしないの。まだ時はあるんだから別に平気でしょ?
「あー、さすがにジェットコースターは無理させられないしな。ただし、お化け屋敷は同伴な」
「そんな〜〜!?」
「大丈夫、僕がついてるから」
「なんで葵は怖がらないのー?むぅ〜〜……」
そんなすねたような顔で言われてもなぁ。死んだり、病気になるよりはなんとも……。それにお化け屋敷って怖がらせるのが目的なわけだし、なんだかなぁ。
(そういえば葵ってなにかと落ちついてるんだよなぁ。だからズルい……)
「ならとりあえず行こーぜー」という悠希の一言でジェットコースターに向かい始めたけど、すっごい椿から羨望の眼差しが向けられてるような。どーゆーことなんだろ。
そういうことで、ジェットコースターのところに並んでいる。並ぶ前に椿と皆とで少し話したんだけど、ホント苦手なんだなぁ…と改めて実感した。仕方ないね。
「遊園地なだけあって雰囲気あるよな。ふざけたくなるんだが、ダメか?」
「仲間うちだけでふざけるとしてもあとでにしないか?他にも行く予定の場所あるし」
遊園地遊び尽くすつもりなの!?
と思わずツッコミそうになったけど、口には出てないよね?
「こりゃあ椿が聞いたら前々からツッコミに向いてると思ったんだよね、とかって思われそうだな」
「へぇ、そうなのか。でも確かにふざける時よりもキレがいいというか、なんというか…。やっぱり葵は面白いな」
(なにせツッコミ部分だけ口に出てたもんな。無意識だろうとは分かってるけど、ツッコミ担当してもらおうかなぁ…)
この反応…つ、つまり…
「……どうしても僕がツッコミの方がいいの?」
「だって俺以外に常識あんのお前だけっぽいし」
「いや、あるだろ。俺のふざけに対して色々つっこんでくれて楽しいし」
あ、はい。確定なんだね。しょうがないね。
と、話してたらいつの間にか乗る番になってる。それで乗る場所は…僕と湊が前から二番目で、悠希が僕達の後ろか。
感想としては結構楽しかった。前の方もありだね。真ん中よりも楽しかったし。
出口から出たのはいいけど、椿は……と
「おっ、いたいた。待たせたなー」
「お待たせー」
「自由落下決めてきたわ」
あれは自由落下じゃないだろ、と言いたいが放っておく。
(なんの自由落下だし…。むしろそっちの方が怖そうだけど、平気なのかな悠希は)
「とりあえずお化け屋敷行こうか。すでに2人共行きたそうにしてるし」
それにほぼほぼ同時に頷く僕と悠希。
変なとこでシンクロするのは大体ゲームで共闘したり、やりあったり、邪魔し合ったりしてるせい。悠希の方がうまかったりするけど、別に今はいいか。
「え、ええー!?どうしても行くの!?」
「比較的並ばない今のうちってね。ほら行くよ」
(そーいや葵がお化け屋敷のことを知ってるっぽかったけど、黙ってるのか?それともまた進化でもしたから言いにくいのか。……ありえそうだな)
ん?今度は悠希がこっちを見てるけど、どうした……?
よくわからないまま、僕達はお化け屋敷へと向かった。見た目は廃屋…というより廃病院だったけど。
結果を言えば、椿が僕と悠希の片腕をつかみ、歩きにくくなったりした。
湊がもちろん“「怖いなら途中退室してもいいんだよ?」”と聞いていたけど、まさかのプライドで続行。
んで、出てきた頃には号泣。
(やりすぎたな…。悠希達とは後日に遊○王とかで埋め合わせするとして、あとは……)
なにかを考えた湊によって、あとは普通に楽しんだのち、昼食をとってからいつもの場所へ行って少ない時間をゲーセンとかでついやした。
車で送ってもらえるのをいいことに最後にド○キホーテで健全な子どもに見せられない18なガチャを悠希としようとしたら湊に止められた。
ケチ。
2人でそんなこと言ってたら僕には軽いデコピンが、悠希には男同士の悪ふざけとも言えることをされていた。
……でもあれ、羽交い締めみたいで痛そうだったけど、いいのかなぁ。まあ、いいんだけど。よくあるらしいし。