病気になるけど不老不死   作:篠崎零花

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今回は少し文章が長めです。


3話 不老不死の友人の誕生日

まだ春の真っ只中だというのに、僕達は僕の家でトレーディングカードゲームをしていた。

それで、朝食後からさっきまでFPSゲームをしていたのはここだけの話。あとなんか変なものぶん回された。

そういう男が使う18な物は外で振り回さないでよ?と内心思った。

 

 

ちなみに今いるのは一ノ瀬湊、橘悠希。

んで、男が使う18な物は悠希が持ってきた奴らしく、ド○キホーテのガチャで当たったらしい。僕の家に置いていかないでよ、とだけ願っておこう。というかあとで言う。

 

「昨日今日なのに来ていいと言われるとは思わなかったよ。約1名おかしなものを持ってるけど」

 

「いやぁ、確かに自分の家に置いていかれたら困りそうだねぇ」

 

「おー、なら今度湊の車に乗る時でも振り回すわ」

 

「そ、それはやめろ?!」

 

あ、笑ってた湊もさすがに真顔になった。というか対戦してるの君達でしょ。

いくらもう決着つくからってそれは、ねえ。湊が青眼で悠希は機光竜だからってねえ……。いや、僕も調整中を含めれば3つあるけど、湊のとは違って何故か妨害系しか来ないし。機光竜を恐れるのは分かるけど、少しは来てよと。

 

それはいいか。思考を今に戻そう。

「ところで、悠希はバトルフェイズの最中でしょ?忘れてないよね」

 

「忘れてないさ。リミカをあと1枚使うんだからな」

 

さっきも使ったよね、そのリミカ。2枚目だよ?

完全にオーバーキルだよ。なにせ湊に伏せカードは残されてないんだし。一応青眼の精霊龍と青眼の亜白龍がいるし。墓地にもそこそこいる。禁止カードに行って辛いカードもあったらしいけど、仕方ないね。

そもそもなんで遊○王をやってるのか僕も分からない。確かFPSをやった後モ○ハンするとか言ってなかったっけ?

でも想像はできたかもしれない。なにせデッキを持ってきたと最初に言われていたから。

ちなみに新マスタールールだったりする。

 

 

(俺も色々としたのに今回は負けるとかさすがだよ。ほんと、その男が使う18な物さえ持ってこなければな。それのせいでなんか台無しな感じがする)

 

(湊が呆れてる、か。なんとなく察しはつくが、楽しいからやめないんだけどな!)

 

ま、楽しそうだからいいんだけどね。僕も楽しいからいいんだけど。

だからあえて止めない。酷ければ止める。

 

ーーーそういや、それを抜きにしてこの2人は何故僕の家に来たんだろう。遊びに来ただけなのか。

すっかり聞き忘れていた気がする。

 

 

「ねぇ、そういやいつもみたいに用もなく遊びに来たわけじゃないんだよね?」

 

「ん?ああ、よく用もなく遊びに来たことがあるから仕方ないな。…あれ、湊。なんか用あったっけか?」

 

(葵の家に行く途中確認しただろうに……。俺が言うか)

 

「遊びに来たのもあるが、椿が今度20歳になるだろ?その祝いも兼ねて国内旅行はどうか、ってね」

 

小旅行とかそういうやつかな。

 

「あ、それ何泊する予定なんだ?あと時期とか。場合によっては俺も運転できるが?」

 

「スピード出しそうな予感がするからお前はなし」

 

「湾岸とか頭文字とかやってるらしいしね、危なそう」

 

「確かに否定はしないけど、お前ら俺のことをどんな目で見てるんだよ!?」

 

「「スピード狂予備軍」」

 

ハモった。

というか考えること一緒なんだね。

 

 

(そりゃあそうなるよな。普段から“免許をとったら高速道路でスピード出す”とか言ってるし、その悠希の友人は最高130キロ出したとか言ってたし、可能性はなくはないからな)

 

呆れてるのかなんなのかは分からないけど、半目で悠希の方を見てるね。うん、湊。僕もきっとそんな感じで悠希を見てると思うんだ。

性格的にありえそうだからね。死んだら元も子もないんだよ?熱中症で1度死んだことある僕が言えたことではないけど。

 

 

「とりあえず悠希と交代はなしにしない?さすがに危ないというかなんというか……

 

「んだな。さすがにそれでオービスに照らされてもたまったもんじゃない。なにせ俺の車だし」

 

「ひっでー扱いだな、俺。確かに湊と交代するなり借りるならしようかと思ったが」

 

そう思うんなら笑いながら言わんでも…。

まあいいや。元の話に戻そう。その方が早そうだし。

 

 

 

 

「とりあえず椿の誕生日を祝うってことだよね?まだ日にちがある気がするけど…」

 

「あー、まあね。でもほら、早めの方がどこぞの誰かさんを巻き込みやすいからね」

 

悠希をチラチラ見ながら言ってるあたり、もはや隠す気ないよね。

というか計画を立てておいても壊しにかかってくる人をどう巻き込みやすいのやら。

 

(それにふざける奴にも“一応”教えていた方が安全そうだからな。…関係なさそうだとしても、ね。結局ふざけるだろうし。というか葵のその顔、呆れてるのかなんなのか。よく分からんな)

 

「あ、場所ならUFOキャッチャーがたくさんあるあの場所かユニバーサルなスタジオとかいいんじゃね?それかハ○ステ○ボスはどうだ?」

 

え、えぇー……と引いた感じに呟いたら湊とかぶった。だって一つ目は普段行く場所の延長線上でしかない気しかしない。

 

「おいおい、お前なぁ……。なんで葵の家に来たのか分かってるのか?」

 

(あれ、遊びに来たのがメインじゃなかったのか!?これから湊もそうなってくのだとばかり思ってたんだが…違ったのか。こいつが真面目気味だからか?!)

 

驚きの顔をしている悠希に、呆れたように“はぁ……”とため息をつく湊。

案外仲がいいのかもしれない、なんて関係ないことを考える僕はきっと悪くない。

 

あ、そうだ。

「ならさ、前とは違う遊園地とかどうかな」

 

「おっ、それいいね。どこ?」

 

そう聞かれた僕は湊達に調べながら教えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば気がついたら一ノ瀬湊って人と名を呼び捨てにしていた。友人の友人はまた友人って?

どんな理屈だよ。まあ、僕は気にしてないし、相手も流してる感じだから別にいいか。

 

 

 

あれから数週間、椿ともしっかり遊んだりしつつ、ラ○ンでその初めて行く遊園地?の場所を調べた僕達は湊の運転でそこへ向かっている。高速道路も使って、ね。

 

あ、そうだ。まだ向かってる最中だし、少し道が混んでるからあえて僕のこと話しておくかな。

さらっと冗談気味に言えば気づかないでしょ。

 

 

「ねぇ、ちょうど渋滞気味だからいうんだけどさ。僕って不老不死なんだよね」

 

(葵もなかなか変な冗談いうよね。春になる前に2、3日前後も風邪で寝てたっていうのにさ。私が主に手伝ったの忘れてないよね?)

 

いうなり苦笑された。いやいや、そこは笑うって場面でいいんだよ?冗談気味に言った意味がなくなるんだけど!?

 

「葵にしては変わった冗談だよな。湊の幼なじみから春分の前に風邪を引いたって聞いたばかりだぞ」

 

「そうそう、そうなんだよ。葵ったら、なにをどうしたのか風邪を引いてさー。病院に行くから症状が和らぐまでしっかり看病したのにねー」

 

「あぁ…うん、そだね…」と返したものの、我ながらどうしたものかなぁと。

そうか。冗談として笑われるんでなく、苦笑されてるのはほぼ最近に風邪を引いたからか。

まったく、泣けるよ。

 

「そこまで聞くと不老不死なのか、ってレベルの話に感じるが…なにか確認する手立てとかないのか?」

 

「えっ?硫酸プールとかじゃないのか?」

 

「……りゅうさん……」

 

(ちょうど私の後ろにいる葵の顔をバックミラーで見たら呆然とした感じの表情になってる。確かに硫酸とか結構痛そうだもんね…。それ以前に)

 

「それってさ、悠希。プールも溶けちゃいそうだけど…」

 

「いや、椿のつっこむとこはそこじゃないと思うんだが?」

 

「湊もそこじゃない。硫酸プールとかどんな冗談なのかなって。さっきのは冗談に聞こえるようにした確信犯の僕が原因だけどさ」

 

「おふざけなら、そこまでするに決まってるだろ?なんなら崖の上からでも……」

 

「あっ、遠慮いたします」

 

思わず半ば棒読みでそう答えると、他の皆が笑いだした。

いうタイミングでも、悪かったのかな……としか思えない。いや、風邪引いた僕も僕なもんだから余計だね。

 

「……ってあれ?高速道路降りるの?」

 

「うん、そうだよ。んだから結構遠くまできたけどね」

 

そう聞いてるとだいぶ長い間話していたような気もする。…短くも感じる?

いや、たぶん途中からあんな冗談を混ぜた自分のせいだろうけど。やってしまったのなら仕方ないけどねっ。……ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとまず、ワンデーパスを椿を除いた全員で買って中へ入った。想像よりも広い、かもしれない?

いや、無意識にとはいえディ○ニーラ○ドと比べちゃダメだね。

 

「おぉー……ここがよ○う○ランド?」

 

「そうみたいだね。ちょっと僕も年甲斐なくワクワクしてきたよ」

 

「いや、お前いくつだよ…」

 

「せ、精神年齢はやや高めみたいだもんね?仕方ないんじゃないかな」

 

椿が驚き混じりに言ったことに対し、悠希に呆れられた。湊は…うん、その、フォローありがとね。僕自身の見た目の年齢若干忘れてたし。知り合って間もないのに凄いとか、思ってないよ?……はい、思いました。

 

(あぁ、確かそんなこと湊に教えてたっけか?やけに大人びてる時があるとかどうとかって。忘れかけてたわ)

 

「とりあえず、こっちいこ?」

 

その椿の一言に僕以外の誰かが「そうだね、主役もそういうことだし行こうか」ということになって遊んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後。……遊び疲れた。

ほんと何時間遊んだんだろうね。もう分からない。

悠希もさすがに洗濯機の音ゲーか二対二のMSなどの対戦ゲームしか遊べないとか言ってきた。

 

余裕あるじゃない。

 

「んで、高速に乗って戻ってきたわけだけどさ…………葵と悠希はそんなにお酒飲んでるの?確かに夕食で椿を祝おうって話にはなってたけどさ」

 

「え?祝うんなら景気よく、だろ?」

 

「それにどんよりしてるよりはマシだもんねー」

 

(いや、そうなんだけど。そんな2人と1人に祝われて嬉しいって思ったけど。お酒類飲みすぎな気がする。二日酔いするから椿も気をつけるんだよ、と言ったわりに……。これって私に言えないんじゃないの?)

 

「……倒れないでよ?あと二日酔いも気をつけてね。ったく、さっきまで一気飲みはダメだの飲みすぎはいけないだの言ってたのにしょうがない人達だね」

 

「逆にこの2人を反面教師としてさ、お酒はほどほどにするっていうのを覚えたら?…あ、俺はまだお前達……いや、君達を送るのが残ってるから飲まないけど」

 

「ほんとそーゆーとこは律儀だよな。助かるぜ。あ、これ俺の車代な」

 

笑いながら、といっても十分他の人達で賑わっている飲食店で悠希が対面に座る湊に手渡した。あ、僕も渡そ。

椿の分もついでに。

 

「あ、僕もはい。椿の分もあるから」

 

「えっ。いや、自分でだ「今日が誕生日の人は黙って払われてればいいんだよ」」

 

(うん、なるほど。今更というか改めて悠希の知り合いについて考えるとほんと色んな人間がいるなぁ…と思えるよ)

 

「というか葵…お前さ、いつもより飲んでね?平気なの?いや、飲み足りないならまだいくけど」

 

「んー、やめておくよ。これ以上飲んでどっかの担当医に小言を言われたらたまんないからさ」

 

「あぁ…そうか、お前そろそろ健康診断を病院に予約しにいくんだもんな」

 

2年あまり付き合ってる悠希だけは納得したように頷いているけど。

と、おや?湊も納得したように見えるような。

 

「悠希と違ってそんなに飲んでないってことかい?」

 

「俺と違ってってどーゆーことだよ!?」

 

「アハハハッ、確かに湊からよく友人の悠希が酒飲み過ぎてそろそろ肝臓が危なそうだって言ってたもんね」

 

……あー。むしろドクターストップ、もといドクターオーダーされそうだね?

それより本来はドクターオーダーっていうとかよく分からないね。英語は難しいわ。

 

 

 

皆、お腹がだいぶ膨れたということで今回はお開きになった。

最後、椿は優先的に帰してもらい、悠希は僕の家でお泊まりすることになった。というか泊まる宣言された。

確かに椿達よりは家が近いとはいえ…やれやれ、仕方ないな。

 

「まっ、単純に飲み足りないだけなんだけどな。悠希とその幼なじみの椿には内緒な?」

 

それ、家にあがってから言うことか。

あと少し千鳥足気味だよね。大丈夫?お酒だいぶ飲んでたし、仕方ないのかもしれないけどさ。それに僕よりも飲んでたし。

 

「……それはいいけどさ、それ以上飲んでまた病院行きになっても知らないよ?前回もそれで夜中に救急車呼んだんだからね」

 

「あー、あの件は悪かったな。でもうまいのが悪い」

 

(一気飲みして落ち着いてられんのは自分家(じぶんち)か葵の家だけだからな)

 

それを聞いてため息ついてたらもう台所に行ってる。ほんと、僕の家に自分が飲む酒を持ってくるなんて悠希の家じゃないんだからさ。

……あー。とりあえず、明日は二日酔いかなぁ。

 

そんな重い気持ちで、僕は楽しそうにリビングでまた酒を飲み始める悠希の近くへと向かった。

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