個性ソビエト   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ここから先は恐ろしい事が起きる可能性が有ります

心の準備をお願いします


体内革命
始まりは覇王


 ~北海道~

 

 空港からバスに乗って2時間半、5月なのにちょっと肌寒いなぁ~と感じる北海道

 

 古着屋さんで埃を被って、50代でも着ないようなコートに、夜逃や難民に見間違えられる様なキャリーケースに特大の円柱タイプのスポーツバックを荷綱で固定したものを右手に、左手には戦闘服という名の学校指定の体操服が予備含め3組みと小物が入ったバックを持った怪しい長身の女性……完全に不審者です

 

 死にたくなるなぁ……

 

 落ち込んで更に鬱になる前に地図を拡げ、道の駅を探す

 

 バスの運転手さんにこのバス停から歩いて10分位と言われてるので、パッと見では見えないですが、教えてもらった場所と地図を頼りに向かいます

 

 

 

 

 

 

「あった」

 

 古いのかなとか、汚いのかなとか考えていましたが、凄く綺麗で、テラスで数人の女性の方が談笑しながらコーヒーを飲む場所や公園なんかがある憩いの場っていうかんじでした

 

 自動ドアをくぐり、中に入ると受付のお姉さんが居ました

 

 なんか気が弱そうに感じましたが、私を見ると

 

「わぁ、本当に来てくれた! お待ちしていました星野さん、ここの道の駅の職員兼グランドスラムのサイドキックをしている安田仁菜(やすだ にな)と言います。本当に来てくれてありがとうございます」

 

 と可愛らしい声で自己紹介をしてくれた

 

「雄英高校から来ました星野鈴です。数日間ですがよろしくお願いいたします」

 

「あぁ、私には良いから、私達のヒーローを紹介するからそこの扉から入ってきて、荷物は受付室の中に置いておくから安心してね」

 

 手をパタパタしながら説明してくれる

 

 凄く可愛い

 

 栗毛の髪色にちょうど真ん中の髪の毛だけ薄いピンク色のボブカットの髪型に垂れ目、160センチちょっとにボンキュボンの体系

 

 胸に銀色で花柄のペンにセンスの良い職員服

 

 改めて……凄く可愛い

 

 そんな女性のサイドキックを雇っているヒーローグランドスラムは……

 

(性別は女性で婚約していてお子さんも1人居るヒーローだ……うん、イメージが湧かない)

 

 現在女性ヒーローは婚期が遅れているのが現状で、トップになるほどその傾向が強い

 

 ヒーローをやると名を上げなければならず、テレビ露出が増えて、人気タレントやモデル業といった副業ができる

 

 これが女性ヒーローは特に多く、その為浮わついた噂やスキャンダルで副業の給料は勿論、本業であるヒーローとしての世間の人気が落ちる可能性が有るため余計に遅れる

 

 東京だとミッドナイトみたいなベテランに片足を突っ込んだ人が女性ヒーローの先輩としているので中々先輩を差し置いて幸せになって良いのだろうか何て考えている女性ヒーローも居ると聞く

 

 そんなヒーローが居るなか10代で結婚していてなおかつ子供も居る何て女性ヒーローでは絶滅危惧種だ

 

 コンコン

 

「歌舞ちゃん入りま~すよ」

 

「あぁ、入りたまえ!」

 

「失礼します!!」

 

 安田さんがヒーローグランドスラムと書かれたドアを開けてくれたので私はお辞儀をして目を会わせる

 

 ゾワァァァァ

 

 !?!? 

 

 覇気と言えば良いでしょうか、黄金の輝きを持ったオーラが目の前の人物を包んでいるように感じました

 

「おお!! 見えるかい!! っと失礼、僕の名前は和田歌舞(わだ かぶき)、和田でも歌舞どちらでもけっこう。個性は【覇王】、ヒーロー名はグランドスラムと言ってるよ。気分を悪くしたならすまない」

 

「い、いえ雄英高校1-A所属の星野鈴です。個性は【ソビエト社会主義共和国連邦】です。長いので【ソ連】でも【ソビエト】でも構いません。ヒーロー名はレッドリングです。和田さん、数日間ですがよろしくお願いいたします」

 

「よろしく鈴」

 

「はい、よろしくお願いいたします!」

 

「ちょっと今書類を片付けるから仁菜と一緒に館内を1周回っていてくれたまえ」

 

「はい」

 

「鈴ちゃん行こうか」

 

「はい、失礼しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グランドスラムさん……いや、和田歌舞さん凄く綺麗でした

 

 茶色に近い金髪で、職員服に紫色と緑色の楯形の刺繍がされていて、オーラが背中からこうゾワァってなっていました

 

 顔は可愛らしいではなく美しいって感じで、綺麗って言葉でしか表せません

 

「安田さん、和田さんって凄く綺麗な方なんですね……資料やネットで調べても顔写真がわからなかったので……ちょっと不安で」

 

「あ~歌舞ちゃんはあんまり写真とか映像に写りたがらないから……実際会ってみてどう感じました?」

 

「凄く綺麗な方だなぁって」

 

「本人にも言ってあげると喜びますよ」

 

 受付室の中に置いておいた荷物を再び持って、受付室から出ると、エントランスホールの真ん中にある階段をのぼって2階に行く

 

「2階は基本的に宿泊施設になっているの。だいたいは職員の緊急時の休憩室になってしまうんですけどね」

 

 大部屋3部屋に1人様の小部屋が5部屋、各部屋にトイレとテレビ、ベットと小さな机と冷蔵庫と金庫が設置されていた

 

 私は1人部屋の201号室に案内されて数日間ここで寝泊まりしてもらいますよと言われた

 

 2階の他の施設は喫煙ルームと娯楽室があった

 

 娯楽室には雀卓とビリヤード、ダーツが設置されていたくらいで、私ができるのはダーツくらいかな何て見て思いました

 

「娯楽室だけど基本的に外の駐車場の1部もつかった朝市で、業者の方が昼食後に談笑する場所だから」

 

「そうなのですか」

 

「1階に戻りますよ」

 

 階段を降りて1階に戻り、続けて案内される

 

 テラス付きのレストラン、温泉施設、郷土歴史室、小さな図書館という名の図書室、事務室、多目的ホール

 

「バイトを含めて12名でこの施設は運営されてます。一応トップが歌舞ちゃんですが、県営なので県から派遣された役員の方が3名います。郷土歴史室のガイドをしている松下さんとボイラー技士の曙さん、司書の小林さんですよ」

 

 松下さんは気の良さそうなお婆さんでふくよかな体系の方

 

 曙さんはひょろっとしてるオジさん

 

 小林さんはメガネをかけたメチャクチャマッチョの人

 

「レストランは歌舞の旦那さんがシェフをしてます。バイトの方3名は朝市の手伝い以外はほぼこちらで働いてますね」

 

「あとは職員ですけど、私の旦那と私と歌舞の友人の」

 

 ヒョコ

 

「成田未知(なりた みち)だよ! よろしくね」

 

 150センチくらいの女性が事務室から顔を出した

 

「いやぁ本当に来てくれてありがとうね!! 私と仁菜が雄英体育祭を見ててピピと来るものを感じたから呼んでみたけどまさか本当に来てくれるとは」

 

「あれ? 和田さんからじゃないんですか?」

 

「歌舞はその時熊が出たから退治に猟師の方と出掛けててね、まぁ戻って来た時に映像見せたら同類の感じがするとか言って雄英宛に書類をいきなり書き出したね」

 

「そうだね~」

 

「僕の話かい?」

 

「あ、和田さん」

 

「さっきはああ言ったが歌舞でいいぞ」

 

「私も未知も下の名前で呼んでくださいな~」

 

「じゃあすみません、歌舞さん、仕事の方は……」

 

「なーに、僕にかかればすぐに終わるさ」

 

 

 

 

 

 多目的ホールに移動した私と和田歌舞さん、安田仁菜さん、成田未知さんは1つの長机に2:2になるように座る

 

 私の横は未知さんで、対面は歌舞さん、その横に仁菜さんといった感じ

 

「さてと改めて自己紹介をしよう。ヒーローグランドスラムだ。意図的に情報を隠しているからネットにもあまり情報が無かったろ」

 

「はい。……そもそも何故私が指名されたのか謎でした」

 

「指名した理由かい? それはだね……鈴、君に何かが居るのが見えたからだ」

 

「何か……ですか?」

 

「そうだ。軽く調べてパニック症候群、うつ病……そして多重人格。あっているね」

 

「はい」

 

「鈴、今僕の目には君から赤色のオーラが見えるんだ」

 

「……え?」

 

「君からは僕が金色のオーラに見えるのだろ? ……金色は正義感を意味している」

 

「あ、赤とは」

 

「血だよ……そこが不可解だった、僕は昔だけど赤色のオーラを見たことが有った……今はオールマイトに逮捕されてタルタロス(脱獄不可能と呼ばれている刑務所)に居たんだ」

 

「た、タルタロス……ということは死刑囚」

 

「あぁ、当時のことは連続放火殺人犯として記録にある……ただ捕まえてみたら意思疏通の出来ないドラッグ中毒者というオチでタルタロス収容後人知れず処刑されたよ」

 

「何でそんなにその犯罪者に詳しいのですか?」

 

「見えるんだよオーラが僕には個性【覇王】が見せてくる」

 

「【覇王】ですか」

 

「たまに人という器には不相応な個性が出現することが有る。君もそうだろ。個性【ソビエト】何て聞いたこともない……国名の個性もヒーローバンクにある個性データには無い……オールマイトの個性は不明だけどたぶん違う」

 

「……そう……ですか」

 

「個性の話は一旦置いておく……オーラだけど変色する、今は赤色だけど違う色にもなる……でも驚いているんだよ。赤色でここまで精神が強いのは」

 

「いや、弱いです……いつも負けそうになりますし」

 

「何にだい?」

 

「失敗作に……」

 

「鈴ちゃん……失敗作ってなに?」

 

「……私の個性のデータは渡して有りますよね……そこの人をトレースすることができるのですが、最初に呼んだ人物です……それがずっと中に居るのです」

 

「名前は有るのかい?」

 

「中の人物は自分の名前を言うことは有りませんが……たぶん言動から初代書記長ヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・スターリンだと思われます……ただ、書籍や歴史書のような疑心暗鬼な面は見えません」

 

「……凄まじいのが出たね、それは強烈な赤色のオーラになるな」

 

「歴史上の偉人じゃない!! うわスッゴ!!」

 

「そんな人物を抱え込めば精神病にもなりますねぇ……」

 

「よし、わかった。とりあえずその人と対話を私達がすることはできるかい?」

 

「できません!! 体を取られてしまいます!!」

 

「お、おう。そうかい……でも赤色のオーラの原因はわかった。次だ。特殊な個性……この話をしよう」

 

「個性には基本的に3種類のタイプが有るよね。異形、発動、変型……改めて言うことじゃないけど一応言っておくよ。これにそれぞれの複合個性も有るよね」

 

「はい、私は発動と変型の複合型です」

 

「僕の【覇王】という個性も発動と変型の個性に当たるんだ」

 

「【覇王】は人を焚き付ける何か……一般的にはカリスマをオーラとして目で見ることができること、強力なパワーを生み出す肉体増強の変型個性とこの楯と杖を1年に1組生み出す発動の個性だよ」

 

 楯と杖と呼ばれた現物は自宅に保管してあるからと写真を見せてもらった

 

 杖は木製の年期が入った杖から、とても大きな宝石で散りばめられた金属製のステッキなど様々だけど、長さはだいたい80センチから1メートルの間だった

 

 楯は木製、金属製と様々だったが、大きさもバラバラで2メートル超えから手首に付けられる小型の物まで様々だった

 

「この楯や杖にはランダムに能力が付与されてる。愛用しているこの宝石がついている杖と小さな手首に着ける楯だけど杖は触れた物を一時的に任意の貴金属に変換できる……楯は光り輝く半透明な1メートルの楯を目の前に展開できる、なんて感じだ」

 

「ちなみに仁菜の個性が【シルバー】だ。銀を体重の3倍まで操れる」

 

「相性が良いんだよね~」

 

「とまぁ、複合型個性だと強いけれど子に個性の発展が阻害されやすいという性質もあるととある個性学者が発表した様に、【覇王】が発展することなく私の子は【士師】というオーラが見える能力だけを継承したんだ」

 

「だから複合型個性の鈴ももし結婚していて子ができても国名の個性になる可能性は低いと考えていい」

 

「……と話が逸れた。まず私の目的であった赤色のオーラの確認は済んだ。次に余り居ないであろう複合型個性の性質と欠点を教える事も済んだ……まぁこれはただのお節介だけどな。昔僕自身が複合型の個性で理解者を探して高校に入学するまで苦しんだから……っと失礼私情だった」

 

「次だ。学校側から個性の探求を目的としていると聞いている……これに関しては未知が詳しいから力になれると思う」

 

「はいはーい、鈴ちゃん! 私の個性は【不老】なんだ具体的には20歳で死ぬまで成長が止まる個性なんだけど、こんな個性普通わからないでしょ。だからそういうわかりづらい個性の判別に特化した個性判別師っていう副業をしているんだ。……まぁこんな個性と職業柄で歌舞に守ってもらわないといけないんだけどね」

 

「そもそも僕もヒーローになるつもりは無かったんだ。だけど友人を守るために18から勉強して2年で習得したんだ」

 

(さらっと歌舞さん言ってるけど2年で習得って天才の部類だと……というかベテランって嘘じゃん、どんだけ情報操作してるんだこの人達)

 

「だから今日は残った時間は未知と個性把握テストをしてもらう。明日は5時半から朝市の手伝いをしてからパトロールを行うよ」




ヒーローグランドスラムと親友2人の名前の由来解る人には解るかな?
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