「向かうのは炭鉱跡地……こっちにしよう」
≪万が一が有る……燃料は持っていけ≫
「戦闘が有り得るから液体燃料は危険、石炭は入手困難だからプロテインと木炭で代用する」
「行こう」
炭鉱跡地には直ぐに着いた
封鎖されているとはいえ、地図が有れば侵入できる作りになっており、若者達の肝試しの場として使われていたのかスプレーの落書きが多数有った
「こんだけ人が出入りした形跡が有れば違うのかな?」
炭鉱は下に道が続いている
ただ直感が上に何かが居る気がした
「上にも穴が有る……」
ライトを生成して明りをつけるとポツポツ上に向かう穴が有ることに気がついた
酸素が薄くなる可能性も有るので酸素ボンベは持参していたが、予想以上に空気が薄い
いや
「薄いというよりガスか? 腐臭? なにこれ?」
酸素ボンベと繋がっているマスク越しにもわかる悪臭
上に行けば行くほど強くなる
明りで何か有るか確認しながら進むが特にこれと言った物はなく、ただただ悪臭が広がっていた
「行き止まりだ」
上に繋がる複数の道を調べても、最後は一本道になって行き止まり
下に行く道は探索していないが、勘がまだ上に何かありそうだと感じていた
「……んー思い出せ……夢の怪物は……血の線……あ、床下? いやでも上に繋がっているんだからそこから下に降りたら普通に入った場所らへんに出そうだけど……マジかぁ……」
明らかに偽装された岩や窪みが触ってみるとあり、動かすと人工的な排気管が出てきた
「やっぱり炭鉱が当りか……一応歌舞さん達に連絡を……あ、圏外……」
≪行かないのか?≫
「いや、報告しないと不味いかなぁと思って」
≪……呑気な事を言っている場合では無さそうだぞ≫
「え?」
振り返ると遠くから近づいてくる足音が聞こえた
隠れ……いや、無理……通路が狭すぎて隠れても直ぐに見つかる
あえて堂々としていれば……
「……あー、駄目ですよこんなところに来ちゃ」
紫色のつなぎを着た女性が足音の正体だった
「お嬢さん学生? 駄目ですよイタズラでも入ってきたら……崩落の危険もありますからね」
「あの……すみません管理の方ですか? 歌舞さんから許可を貰って入ったのですが」
「歌舞……でも危険ですからね~、ささ、帰りましょうねー。出口まで案内しますから」
手を掴まれて思いっきり引っ張られた
ライトの光で一瞬見えてしまった
顔を左目から顎まで引っ掛かれた様な傷痕を
「狼の化け物」
バン
「何故知っている?」
硬い何かで殴られた……石? いや、なんか違うそれよりは柔らかい
「あー、そういうこと、あなた……ここの事知っちゃったの」
ナイフが飛んでくる
≪受け止めるなよけろ!!≫
失敗作が叫び、私は間一髪避けた
顔ギリギリを避けた時に頬っぺたに液体が付着する
≪恐らく毒だ、慎重に拭き取れ≫
「たまに居るんですよここに侵入してくる裏の人達がさぁ、どうせお義父様の情報が知りたいのでしょ? でも残念逃がしませ~ん」
パンパン
「……おいおいおい発砲? 個性か!! 随分危険な個性だ事」
正当防衛だよね? 人に撃ってしまったけど……
≪地下に逃げるぞ、ダイナマイト設置して人工的に崩落を起こす≫
高速生成からの体表面鉄鋼化……点火!!
「ゲホゲホッゲホ」
崩落によってどこかはわからないけど空洞に私は上手く入り込んでいました
「いきなり攻撃してきたけどなんなの……」
≪おい、どこから貴様はあの女を警戒していた?≫
「そもそもこの場所は歌舞さんの管理区と言っていたし、管理人が居るなら言われるはずだし……あと臭かった」
≪臭い?≫
「腐臭と微かに獣臭が混じった臭いが近づくにつれてした……普通の人ならここの臭いが体についてるんだろうなって思う……たぶん」
「私は料理を楽しみながら食べるんだ。……匂いって料理に不可欠で、嗅いだり食べたりしていたら普通の人よりは敏感になるの……あと獣臭はたぶん体を数日あの人洗ってない」
≪なに?≫
「小学校の時に育児放棄されてた子も同じ臭いがしたの。その子は1週間に1回シャワー浴びてるくらいだったけど……」
≪臭いは盲点だった。私は立ち振舞いで気がついたが……あれは人を殺している迷いが全くない……そして恐らく近接戦が苦手だろう≫
「なんで?」
≪奴は足を庇いながら戦っていた、間をとるために殴ったが、それ以外はナイフを投げていた。普通ならナイフで切りかかった方が確実に殺れるからな≫
「毒を塗ったナイフ……ん? なんで殴った時にナイフで刺さなかったんだろう?」
≪……確かに。個性とやらの制約か?≫
「基本的に個性に制約は無いことを前提に動かないと……でも気になる。なんで一撃で決めない?」
「狼の化け物って言って反応したのも気になる……やっぱり居るんだ夢に出てきた化け物」
≪……どうする? 戦うか、脱出するか≫
「脱出一択……どう出るかかな問題は……」
考えている途中で近くから音がする
足音?
それにしてはやけに重い音が……
≪(不味い!! 奴だ!!)≫
≪伏せろおぉぉおお!!≫
失敗作が叫ぶと同時に私は頭を下げた
立っていたら頭が取れていただろう……洞窟の壁をブチ抜いてきた
≪人殺し云々思っているほどひまではないぞ!! 早く発砲しろ!!≫
「言われなくてもやりますよ!!」
もう生存のために戦い始めた
明らかに殺しに来ている野獣が目の前にいたら怖くて引き金を引きますよね……
ダダダダダダ
古くさい重機関銃に腕を変化させ、の100発銃弾を化け物にブチ込んだ
重いため撃ちながら地面に叩きつけてしまったが、それでも反動を堪えて100発を撃ちきった
内蔵している冷却水が水蒸気となり視界か不良になるけれど、流石にこれだけ撃てば
プシュー
「あれ?」
重かった右腕がいきなり軽くなる
その拍子に後ろに倒れてしまう
顔にビチャっと真っ赤な液体がかかる
「あっ血だ……腕がぁぁああ!?」
重機関銃にした腕ごと化け物は鋭い鉤爪で切断
≪冷静を保て!! 死ぬぞ!!≫
「死!?」
あれだけ死にたいだの言っていたのに、絶体絶命になると死にたくなくなるもので、私はがむしゃらに物を生成して逃げ出した
手榴弾にガソリン、プロパンガスの入ったボンベなんかとにかく危険な物をがむしゃらに……
右腕をAK-47に変えて血を止めた
腕の再生はできないことはないけど、いつ現れるかわからない化け物を考えると怖くて仕方がないため武器にした
一番の問題は血を流しすぎた事
血はカロリー消費で作れる
保存する容器も作れる
輸血の道具と知識がないから間違えて刺したら不味いと思ってできなかった
そして持ってきたプロテインも尽きた
「ヤバイ……本当に死ぬ……」
意識がボンヤリとしてきた……ヤバ、立ってられな……
クチュ
「クチュ?」
≪!? 馬鹿視るな!!≫
「何……これ?」
逃げてきた場所
そこは恐らく倉庫だ……化け物
一面に人の死骸が広がっていた
白骨化したものや一部腐っている者、首だけないのや下半身だけないのとか……500は超える亡骸がそこにはあった
「死んで……る。全部死んでる」
腐臭とアンモニアのガスが溜まっていたのはこの大量の死体が原因だというのは明らかだった。
「見つけましたよ!! よくもわたくしを崩落に巻き込みましたね!!」
石を浮かせながら近づいてくる女性の顔はこめかみの血管を浮き立たせ、まるで般若でした
「敵……敵敵敵敵敵!?!!」
「ん?」
「吸収、合併、併合、進行」
私はまた発狂したようだ
というか目の前に発狂している自分とそれを後ろから見て客観的に考えている私が居る……
精神が割れたか。
ははっ……また壊れたか……
おうおう、発狂している私よ訳のわからない言葉を発しながら銃を乱射するんじゃぁない
岩で防がれてるぞー
般若の顔をした女性がじりじりと近づいて来るけど……あ、あ~あ……ナイフが足に刺さった
やっぱり見ている私は痛みがないか……失敗作が呼び掛け続けてるけど発狂した私は痛みで逸れどころじゃ無さそうだね……あ、狼だ。
ハハハ……詰んだ
「ハァ……ハァ……ハァ……」
「無駄だね。もう毒が全身に回りはじめてもうじき死ぬ。いや~顔に気がつかなければそのまま帰れたものを……」
「さて、奴が来る前に片付けないとわたくしまで倒されてしまいますからね。昔はあんな化け物でも理性がある優しいお兄様だったんですけどね」
ズル……ズル……
「おやおや? 何処に行くのですか? そっちは死骸しか有りませんよ……!?」
食べてる? 死骸を食べ始めた!?
……あぁ、発狂してるのね可哀想に……可愛い顔をしているのに……腐肉なんて食べ始めたら貴女まで化け物の仲間入りね
……まぁ毒で直ぐに死ぬでしょ……
目の前に大きな獣の手が有った
気がつかなかった不味い!?
わたくしは防御することもできず、体を壁に叩きつけられた
「GRRRRR」
痛いなぁ……恐いなぁ……だから食べなきゃ
なんでもいいから食べないと……死んじゃうなぁ
≪おい!! しっかりしろ!! おい!!≫
ザク
「あ、お腹裂けちゃった……切腹みたい……」
無意識に腹を鉄鋼に変化させていたが、アルミホイルを裂くように簡単に切り裂かれた
血と内臓がでろ~んと飛び出した
「ハハハッ……死んだなぁ……」
食べ続けなからそう呟いた
これ表現大丈夫かな(汗)
駄目そうなら表現変えますのでよろしくお願いいたします