個性ソビエト   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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発狂中☆グロテスク表現注意

≪本当に死にかけることで個性というものは進化するのだな≫

 

「いや、進化しなければ死ぬ事が確定しまったのに、能力が有ったが為に個性が生存のために昇華したというところか」

 

 裂けた星野鈴の腹から腸の様なピンク色の太い管が背中に引っ付いた男がパイプを咥えて実体化した

 

「人体錬成……個性とは不思議な物だな……ふむ、銃を創ることはできても体を変化させることはできないか……出せる物は体重の半分以下に限りそうだな」

 

「……ほう、人事権も一時的にだが掌握できたか。ならば今はこいつらが必要だろう」

 

 スターリンは化け物を睨みながら4名呼び出した

 

 1人は自身の主治医の男

 

 1人は毒入りの小人と呼ばれた男

 

 1人は死後英雄と呼ばれた男

 

 1人は料理人の孫と呼んだ男の4名

 

 

 

「医者よ、呼び出して直ぐに悪いが横で発狂している少女を出来る限り治せ、血液型はAB型のrhプラスだ」

 

「……何が何やら分かりませんが書記長の御命令と有らば」

 

「小人と餓鬼、スパイは手伝え、あの化け物を狩るぞ」

 

「おう? おう! 久しぶりに直接殺せるなぁ!! 武器は……なんだこれ!? 念じたら出てきやがる!!」

 

「…………ヨシフオジさんか。わかった」

 

「後でお話しさせてもらいますからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん? んん……いかんいかんわたくしとしたことがお兄様に気がつかないなんて……落ち着かなければいけません痛?」

 

 眼下に広がっていたのは餓鬼の様に腹を膨らませた子供達の群れだった

 

 足は骨となり、生きたまま私は食べられていた

 

 アドレナリンが大量に出ていた事、気絶により痛覚が飛んでいた為に気がつくのが遅れてしまった

 

「「「ヨクモエサニシテクレタナ」」」

 

「「「オナカスイタタベルタベル」」」

 

「「「ユルサナイユルサナイユルサナイ」」」

 

「ひ、嫌……嫌嫌嫌!! 死にたくない!! お母様!! オール・フォー・ワンお義父様ぁぁああ!!」

 

 星野鈴が大量に取り込んだ死骸の残留意識を無意識に集めた物で、死因がほぼ餓死か狼の化け物に喰われるかなのでとにかくお腹が空き、異形を怖がる

 

 しかし、怖がるよりも空腹の割合が大きくなると生きた人でも容赦なく食い殺す

 

 そして星野鈴に取り込まれていく

 

 技名は『ホロドモール』

 

 使用後は血痕しか残らない技で、発狂から回復した星野鈴は切り札として隠すことを決める技だった

 

 

 

 

 

 

 

 

「チィ!! 化け物め銃が全く効かねぇなぁ!! おい!! ポーカーフェイス野郎!!」

 

「あぁ、関節を外した筈だが何故あそこまで動ける?」

 

「……? なんだこの違和感は?」

 

「先輩?」

 

「ポーカーフェイス君、いや、後輩君かな? 料理人の孫君は酷いからね……眼が見えてないかもしれないよあの化け物」

 

「そういうことならくらえ!!」

 

 小人は粉末の香辛料を化け物に投げ、距離を取る

 

「化け物苦しんでやがるな、嗅覚が弱点か?」

 

「おい、貴様ら避けろ!! 餓鬼が後ろから突っ込むぞ!!」

 

 苦しんで足が止まった化け物を後ろから壁の様に大量の餓鬼が被い込んだ

 

「GRRRRR!! アォ──ーン」

 

 最後の遠吠えをした後、抵抗虚しく化け物は背骨等の大きな骨と大量の血痕を残して食われてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 化け物が消えると餓鬼の群れも肌色の液体となり次々に溶けていった

 

 お腹が空いただの死にたくない等と口にしながら

 

 そんな光景を見てもスターリン含め5名は動揺することなく医者の指示に従ってが鈴の治療を進めていた

 

「しっかし死んだと思ったら生き返ってるったぁ不思議な事も有るもんだな」

 

「えぇ、そして何故か少女を助けないと死ぬと体が反応してしまいますね」

 

 小人と英雄が話す

 

 ポーカーフェイスの料理人の孫は話を聞く事と治療に専念し、スターリンはパイプで味を楽しみながら鈴に輸血

 する血を作っていた

 

「書記長さんよ!! これはどういうこった? あんたを崇拝してたのに殺されてよー、起きたら化け物居るしなんだここは? 地獄か?」

 

「我々が生きていた世界の未来だと思われる世界だ」

 

「個性なる超能力を世界の人口の約8割が所有している。今助けている少女は名前を星野鈴と言って、超能力いや個性という特異体質によって擬似的なソ連を体内、脳内に創り出している、ソ連に有った物、人、現象をカロリーかエネルギーを消費することによって体の外側、つまり現世に産み出すことができる」

 

「彼女の個性の名前をソビエト社会主義共和国連邦という」

 

「母なる大地って感じか? ソ連の名前を冠してるわりにゃーボロッボロだな」

 

「……まるで末期のソ連だな」

 

「いや革命初期でしょうな」

 

「同志の皆様に医者の儂が意見を言うのはなんですが、いつの時代も祖国はボロボロな気がしますが……」

 

「「粛清」」

 

「ひぃ!!」

 

「遊びはよせお前達、まぁ纏めるとこの少女こそが今は我々が護るべきソ連ということだ」

 

「……しっかしこの背中に繋がっている管……餓鬼みてぇーな奴以外皆についているがなんだこれ?」

 

「私も始めて見たが恐らくエネルギーを送り続けてるパイプだろうな。不思議な事に管と管が絡まったりすることが無いのが気になるがな」

 

「そう言えば化け物と戦っているときも絡まりませんでしたね。腕くらい太い管なのに不思議ですね」

 

「……重ねてみたらくっついた。直ぐに離れるが」

 

「こりゃスゲェ!! 正に非科学的な超能力、超常現象だぜ、おっと共産主義的思考なら科学で解明できない現象は無い筈だから……」

 

「無理に考える必要はない。というよりも我々は彼女の個性が産み出している幻想だ。主義主張有るが、我々はそれらを置いて彼女を立てなければならない」

 

「まるで王政ですね」

 

「王政か……王の様に振る舞えれば楽だろが、こいつは小市民でしかなく、精神破綻を繰り返さなければ前に進めない病人でしかない……そして自分を制御するために我々の様な精神体や別人格に制御を乗っ取られることを心配して最終的に妥協する小娘……王に見えるか?」

 

「正に飾りだな」

 

「しかし、今回で私いや、我々は体を得る方法が確立できた。大きな一歩だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気がつくと知らない白衣を着たおじさんが目の前にいた

 

「おお、気がつかれましたか」

 

「うん。……化け物は?」

 

「貴様自身が倒したではないか」

 

「失敗作!? なんで体がある!!」

 

「おいおい、実体化させたのは貴様だぞ星野鈴よ」

 

 まさか

 

「ここに居る人全員私が?」

 

「そうだ、まさか人体錬成をするとは……神の領域に踏み込んだな」

 

「え、……全員戻れ!!」

 

 スッと体の中に全員の意識が入っていき、脱け殻となった体がドロッと液体になって溶けた

 

≪な、言っただろ≫

 

「ひひ、ひひひ……」

 

 4人分の人格が増えた……そして自分には分かる……異物が2つ入ってきたことを……

 

 {食べ過ぎですわよあなた。わたくしの体と魂ごと食べるだなんて}

 

 [復讐してくれてありがとう]

 

 あぁ、めんどくさい事になったなぁ……

 

 




スターリン以外名前を出す気は有りません(問題になるから)

料理人の孫さんは似た何者かですはい(察してくださいな)
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