個性ソビエト   作:ゆっくり霊沙

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普通すぎる試験

 3人とレオンさんはナイトさんに言っていましたが、10人くらい引っ張ってきました

 

 なんでも

 

「次の試験たぶん協力系でしょ、で、雄英生と縁もできるし、今から協力した方が特でしょ」

 

 と考えた人が数人とその回りにいた友人達で10人に増えたらしい

 

 で、私はその間にレオンさんが予想する次の試験についての話と、2人の黒服のスタッフに協力を依頼した

 

 ……運転免許

 

 いつも雄英内で個性を使用しているから忘れがちだけど、公道を無免許でトラック走らせたら犯罪行為

 

 一発でアウト

 

 なので中型免許を持ってる黒服のスタッフを探して聞いてみたところ、普通にO.K.貰えた

 

 勿論古いトラックなのでカロリー消費して創って運転してもらうのは勝手が違いすぎて故障しまくるのがわかりきっているので、私がトラックに変身して動かす形です

 

 ……免許持ちのスタッフさんにはハンドル握ってもらうだけです

 

 今流行りの全自動車……

 

 はい、ネタは良いとして私がなるトラックはZIS-5というカチューシャに改造されてるトラックですが、そのままだと乗り心地最悪なので30分かけて改造します

 

 最近できるようになった技というか個性の応用ですが、まず私がなりたい物(大抵戦車だったり装甲車だったりしますが……)を創り出します

 

 次に作り出した物を改造や増設を行います

 

 例ですが、今回のトラックに金属のテツパイプを10本創り出して、荷台部分に溶接(私がやると粘土遊びみたいにくっつけたりできます)して分厚い布をくくりつけると荷台が幌(軽トラにテントみたいなのくっつけてるのがイメージしやすいかも)に早変り

 

 内部にソファーと衝撃吸収用に毛布と枕(座布団があれば良いのに……ソ連製なんか無いもんなぁ)を敷き詰めて改造修了

 

 ナンバープレートは……と黒服のスタッフに聞いたら警官の方が来て特例車両と幌にデカデカと書かれた

 

(慣れてるから毎年似たような試験があるんだなぁ……そして、私みたいな考えの人も居るんだろうなぁ)

 

 そう思う鈴だった

 

 

 

 

 

 

「次の試験は水難事故の救助か密入国者への対処だと思いますよ」

 

 ガソリンを飲みながらレオンさんの話を聞く

 

「ゴボゴボ……水難事故はわかりますが密入国者への対処はどうしてですか?」

 

「千葉だとまず無いけど日本海側だとけっこう大陸からの密入国があるんだよ。大抵治安の良い日本に来て仕事を見つけたいっていうものだけど、薬物の取引や密輸だったりもするからヒーローの仕事になるんだ。それ抜きでも密入国者を捕まえたら密入国者の国に返すのがルール、自力でまず戻ろうとしないからヒーローは警察や海上保安庁と協力して密入国者の逮捕協力、その後は政府や保安庁へ投げる……それで終わり」

 

「可愛そうとか思う人には向きませんね」

 

「そうだろうね。ただそういう仕事もヒーローはしなければならないとわからせるために仮免に仕込むことがあるらしいんだ。ナイトがそういうの詳しいから今度聞いてみなよ。あ、私の電話番号はこれだから」

 

「あ、どうも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆を乗っけてて思うけど皆協力しようと努力してるんだなぁって思う

 

 うちらのクラスみたいに派閥で蹴落としあったり、大福んとこみたいに引っ張らないとついてこないみたいじゃなくて、個々で出来ることを探しながら協力しようとするのがなぁ……

 

≪……代わろう≫

 

 ポーカーフェイスがいきなり車の支配権に割り込んできた

 

 たぶん善意なんだろうけど、いきなり介入してくるのはやめてほしい

 

 ……車ではなくて、体だと思うとぞっとするし、まだ信じられるほど付き合いも長くないし……

 

≪情報交換は必要だ。まかせろ≫

 

 ……ありがとうポーカーフェイス

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぐにょんと荷台の床から私が生えてくる

 

 皆ぎょっとするが車の運転を別人格に半分任せたと言うと質問攻めにされた

 

 質問攻めは言い過ぎかもしれないけど、私はそうとらえる位質問された

 

 というかこっちも質問した

 

 そこのお姉さん(たぶん3年生だよね……発育良いし、大人っぽいし)……個性【人魚】? よく試験受けに来たね? 

 

「ん? あぁ、私? 私は大学生で今20歳よ。学科で仮免修得が必要だから受けに来たの」

 

「へ、へぇ……となると何人か大学生の方も?」

 

「隣の千代ちゃんは大学生だよ、他は高校生でしょ皆」

 

「人魚っていう個性良いですね若々しくて」

 

(この黒服のスタッフ25歳らしいけど見た目50代だし、やっぱり個性って当たり外れが酷いなぁ)

 

「でも雄英か~、俺らも記念受験したよな2年前」

 

「したした。全員落ちて、地元に戻ってカラオケで泣きながら熱唱したよな」

 

「男4人泣きながら熱唱は草」

 

「おう、ナイト、名前はカッコいいのに見た目かわいい系男子、お前もどうせ記念受験したんだろ?」

 

「してないんですぞwww進化のタイミングと重なって提出した書類と容姿が明らかに違うって突っぱねられましたぞwww」

 

「うわぁ、そりゃドンマイ」

 

「ポケモンということはまだ姿変わるんだろ? サーナイトになるんか?」

 

「せめてエルレイドにしてやれよ」

 

「石が見つからないのですぞwwwというか存在してない気がするのですぞwww」

 

「「「ドンマイ」」」

 

「我の事はいいのですぞwwwそれよりも雄英について聞く以外ありえないwww」

 

「さっきも言ったけど私は精神病患者で、多重人格者、鬱病というのもわかった上で聞いてね……除籍者多数の派閥争いで学級崩壊が私のクラス、隣のクラスは金持ちばっかりで例外の子がリーダーやってなんとかクラスの形を保っている感じ」

 

「あ、私達の学年が飛び抜けて低いだけだと思うよ。谷間の世代だし……」

 

「行きたい気持ちが一瞬で失せましたぞwww」

 

「うへ、そりゃ酷いわ」

 

「ノーコメント」

 

 ……親睦は深まったかな? 

 

 運転をしてない黒服のスタッフがジーッと監視してる感じがするけど

 

 

 

 

 

 

 

 約2時間で地図の場所に到着しました。

 

 いやぁ~渋滞してなくて良かった~

 

 到着と同時に乗っていた黒服のスタッフが

 

「最終試験です、沖合いに難破した船の作業員の救助を行ってください、また救助後の対応も採点基準になります」

 

 と言われた

 

 乗ってきた人達と役割を決め、捜索班、救護班、連絡班の3つにレオンさんが指示を出して割り振られ

 

 私は救護班にされた。

 

 されたは正確じゃないね、立候補した

 

 13号先生と訓練しながら言われた

 

「星野さん、君は災害時には他人が手の届かない場所を担当した方が良いでしょう」

 

「どうしてですか?」

 

「救助に直接行くヒーローは多くいます、後方で簡易のテント設営や救助した人の応急措置をするヒーローも多くいます。しかし物資の運搬、応急措置後の病院への搬送、野次馬への対処等は目立たないためやる人が少ないのが現状……ヒーローと言っても役割が集中してしまうのはよろしくありませんよ」

 

 って……

 

 今回は施設設営の人が少なかったので私が立候補しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……4時間名一杯救助活動及び補佐をして試験は終わりました。

 

 結局550名近くが合格し、私も仮免を受けとることができました

 

 ただ、私は仮免と一緒に封筒が渡され、また一次試験が行われた会場まで戻らなければならなくなったので、協力してくれた先輩達と別れ、黒服のスタッフ数名と試験用のミニバンに乗り込んで海の会場を後にしました。

 

 


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