一次試験の会場に戻り、私を待っていたのは……知らない人だった。
予想だと壁の会の会長さんかな? なんて思ってたんだけど、記者っぽい人が待っていた。
「どうも私は集瑛社で働いています気月置歳ですよろしくね」
「は、はい! よろしくお願いします」
いきなり名刺を渡されたので慌てましたが、私も個性で名刺を出そうとしたら、国内パスポートと書かれた薄い本が出てきた……テンパって間違えたぁ!!
「し、失礼しました。こちらでした」
そもそもソ連製のパスポートなんて文字もロシア語の適当な人のコピーなので私のですらないんですよね……
調べた物がそのままできるから……
最初のハプニングは有りましたが、その後は普通にインタビューになりました。
≪……気付いていると思うが気をつけろ≫
失敗作が警戒しろと忠告してきますがそんな気にするほどでも……なんて甘ったれた事は考えていません
(≪≪≪なぜ私が受かった情報をタイムラグ無しで知ることが出来たのか≫≫≫)
元々新聞を扱っていたスターリンこと失敗作、情報の大切さを別人格達に教育されている私、勿論教師役のポーカーフェイスや小人、スパイも目の前の人物がそれだけ力があるとわかっています
冷と燐は隠れながら周囲を見てきてもらってますが、明らかに人の数が少ないと通信を貰っていますので更に怪しいですね……ここに着く直前に会長からお祝いしたいから何か欲しいものとか有りますか? なんてメールが来てたので会長の関係者でもないでしょうし……
少し喋ってみて分かったこととして
(相手への配慮が無いなこの人)
私が精神病なことをストレートに聞いてくるし、今のヒーロー社会についてしつこいくらい聞いてくるし……
「個性の解放による社会~」
(個性の……解放……)
ドン
「それは許されません。抑圧こそが正解です。今は解放等と考えられるほど社会は成熟していない……あ、すみません」
「……いえ、ありがとうございました」
記者の人はそう言って取材を切り上げて部屋から出ていった
直ぐに職員の方が来て試験はこれにて完全に終了だと言われて、私は帰路につきました
「デストロダメでした。彼女は抑圧が正解と断言しました」
『なるほどわかりました』
「ただ気になることをいっていました」
『なにかね?』
「今は解放を考えられるほど社会は成熟していない……と」
『ふむ……見限るのは早いな監視は最低で良いだろう、誰かしら接触させ、そこで判断しよう。同志になる可能性が有るのならば残しておきたい』
「なぜ彼女に凝るのですかデストロ、この時期に接触は不自然かと愚考しますが」
『彼女は初版を持っているらしいとの情報を得てね、初版でなくても政府に回収漏れの増版は持っているのは確実だ。明確な意思がなくその本を子供の身で入手は困難だよ』
「では次の接触は切り込む形で」
『あぁ、万が一戦闘になっても困るから幹部ではなく構成員の誰かにやらせる……そうだ、カウンセラーか同じくらいの学生が良いだろう』
「わかりました。同志デストロ」
壁の会の会長さんがご飯奢ってくれるとの事なので遠慮なく頂きました
いやぁ美味しかったです千葉駅地下のどんぶり屋さん……5000円分も食べちゃいましたよ
会長さん的には回転しない寿司屋とかに連れていきたかったらしいですが、お給料的な面や前の会合での開催費でお財布が寂しいらしかったので1万円以内でと言われたので安くて美味しくて量が食べられるとこと言ったらここを紹介されましたよ。
「いやぁしかし目出度い。おめでとう星野鈴君、1年生での仮免は本当に快挙だ!」
「はい! ありがとうございます」
「で、この後はどうするんだ? 仮免があるからインターンかな?」
「正直わかりません。学校側からの指示もあるでしょうし……それに私よりも先輩達が絶対優先されると思うので……」
「そうか、いや、私経由でインターンを斡旋しようかと考えていたが」
「私の考えだとまだ自分の実力も知識も足りてないので申し訳ありませんがお断りします……今回の試験でよくわかったので」
「わかった。また今度にしよう」
「ありがとうございます」
「んーどこにも記事無いか。だとしたらやっぱりあの記者探るために来た感じかな」
雄英に帰ってから1週間
新聞や雑誌を読んでもどこも私や大福の話題は無く、オールマイト特集だとか、政治家の失敗を扱き下ろすまぁいつものが記事で、普通の日常が続いていた。
個人的には中間の勉強と個性を伸ばすための勉強でアップアップしていますが……
んで、岡部帝王先生が副担で1-Aに来た位がクラスの変化ですかね
……めちゃくちゃ岡部帝王先生可愛くて優しくて好き
相澤先生は私のこと信用してないってわかるから話しづらいんだけど、帝王先生は親身になって聞いてくれる……ただ帝王先生ヒーローでの活動期間の短さと女性なのにパット見男性にしか見えない容姿がけっこう気にしてるらしくて、大福がそこをけっこう突っ込むとしょんぼりするからNG
……帝王先生……男装を好むから男性にしか見えないんですよ。
戦闘服で教師をしないといけないのが雄英ですけど、私服の写真を見せてもらったらすごく綺麗な女性に見えるので気にしすぎですよ……
{あぁ~ギ・モ・ヂ・イ~}
[いやぁ悪いね鈴、温泉行きたいってねだって]
……私も確かに行きたかったから良かったけどね……毎日ぶつぶつ駄々こねるのはもうやめてほしいんだけど……
あんたらの声シャットアウトできないから凄まじく辛いの
クスクス笑ってる小人、お前もだよ!
雄英から外出許可貰う苦労とスーパー銭湯代稼ぐためにまた大食いチャレンジ数回してようやくだよ
軍資金4万無いと全員分の入館料、更衣室代、食事代の面倒見れないとかさぁ……
移動費は1人分だけど他が私を入れると8人分……
うん、死にたい
ズーンって効果音が付くぐらい館内着を着て休憩室にあるソファで座っていると、ふと気がついた
(なんか危ない人がいる……)
刺青があるとかそういうんじゃないんだけど、雰囲気が私に似ているような……何て言うか殺気とかを内包しているような……
私は他の人格が久びさに体内に居ないので安眠を取るため危ない人から離れて、別の階にある個別ソファに受付から毛布を借りて爆睡した
「もし、そのお方、少しお話をしませんか?」
「あ?」
鈴が寝たから僕も漫画読んだりして燐から目を離したら鈴が殺気を内包してる人が居るから関わらないようにって連絡来たけど、それを無視して会話してる!!
やめようよ変なことに関わるのは……鈴の胃がまた荒れるよ……
「ずいぶん鍛えられてますのね……あら……素敵な手」
「気持ち悪い奴だな」
「あら、いきなり女性に向かって気持ち悪いは失礼ではなくて? でも許すわ、だって良い香り……血の匂いがするもの」
「……ヒーローか」
「いいえ私は違うわ」
「……ヴィランか」
「ヴィランだとしても余程の馬鹿以外は自身をヴィランだと言わないのではなくて?」
「……」
あぁ、なにやってんだよアイツ……
「何か喋っていただけなければ会話ができませんことよ」
「ヒーローとは何だ?」
「ヒーローですか? わたくしはヒーローについては良くも悪くも思っておりませんことよ。所詮人、いつか死ぬ者ですもの」
「オールマイトは「オールマイトと言えども人」……」
「あぁ、なんとなくわかりました。貴方オールマイトが大好きなんですね。そしてオールマイトが居なくなることを恐れているどうでしょうか? あったりしますかね?」
「……ヒーローは」
「ヒーローとは見返りを求めず、自己犠牲をもって得られる称号でなくてはならない!」
「この社会には贋物が多すぎる……誰かがそれを正さなければならない……全ては正しき社会の為に」
「見てられないなこれ以上は……燐、踏み込みすぎ」
「あら、冷聞いていたの?」
「おじさん、いや、お兄さんか、ヒーロー殺しのステインでしょ興奮して喋るのは良いけど人払いも大変なんだからやめてよね……もぉ」
ステインが興奮していたのがわかったので、燐とステインがいる空間を切り取って私の体内に移した
鈴はあともう少し切り取るだけなら家1建分の広さを切り取って体内に移せるけどある意味個性を借りてる僕だと頑張っても10㎡くらいしか切り取れないんだよね~
鈴だと監視下に置くだけだとビル全て見張るのもこなせるようになってるけどさぁ~
「ここからは僕も聞きたい、良いかな」
「……」
新しい登場人物を前か後で書いてほしいとの意見が有りましたのでここに
気月置歳(きづき ちとせ)個性【地雷】
触れた物を起爆装置に変える
集瑛社専務及び異能解放戦線幹部
初登場ヒロアカ23巻 原作キャラ
ステインは次回詳しく紹介