個性ソビエト   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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保須市 後編

「連れてきましたよ忍者」

 

 黒霧から4人の人影が現れる

 

 脳無と頼んだ3名だ

 

「へぇ貴方が死柄木ねぇ……よろしく」

 

「ファミリーとして働かせてもらう」

 

「ボスの後継者って聞いたからもっと凄みのある奴だと思ったんだが……まぁこれからの伸び代はありそうだな火火」

 

 上からNo.7の死神、No.10の巨人、No.12の紅炎

 

 死神は鎌を体から生やし、鎌か身体に触れた相手の生命力を任意で吸収し、自身を強化することができる個性を持つ女性

 

 巨人は体を巨大化させることができ、20m程の大きさになれる男性

 

 紅炎は紅色の鮮やかな炎を操り手足から炎を噴射することで飛んだりすることもできる個性を持つ男性だ

 

「薄いピンクの服着た売女に筋肉マッチョな変態に悪魔みたいな笑顔の男か……おい忍者これがお前の言う仲間か?」

 

「あぁ、そうでござる。ファミリーの精鋭ナンバーズでござる」

 

「ナンバーズねぇ……お前ら俺の役に立て……手始めにこの保須を地獄に変えろ」

 

「「「それが命令であるのならば」」」

 

「よし行け……行ってステインの活動を妨害してこい」

 

 

 

 

 

 

 

 夕方のちょうど仕事終わりの時間帯……戦闘開始の狼煙が上がったのは紅炎が通りかかったサラリーマンや仲良く歩く少女とその母親を交差点でいきなり燃やした

 

「ギャァァァ」

 

「熱い熱い!!」

 

「ママァァァ」

 

 悲鳴が上がり民衆はパニックを起こして逃げ惑う

 

 逃げ惑う中次々と火柱を上げて人を燃やしていく

 

「始まりの狼煙はあげてやったぞ! 火火……お前らやるぞ」

 

 逃げ惑う民衆の中5人ほど首が飛び、首から血を噴水みたいに吹き出しながら倒れる

 

「火と血のときたら次は瓦礫かしら?」

 

 ドガンとビルが崩壊する

 

 巨人がビルを蹴って崩壊させ暴れまわる

 

 ビルの中に居た人々が瓦礫に埋まり引き潰される

 

「ざっと今ので30人ってところか? 紅炎火力上げろ! 火の海にするぞ」

 

「火火……了解」

 

「あらあらお姉さん逃げちゃダメよ」

 

 女子高生だろうかパニックになった民衆に押し倒されて怪我して動けなくなっているところを首をハネた

 

 また脳無も暴れ初めて場が混沌とし始めた所にヒーロー達が駆け付けた

 

「貴様らヴィラン! 人の命をなんだと思っているんだ!!」

 

「許さない」

 

「遅いんじゃないか? 火火」

 

「少し遊びましょ」

 

「直ぐに壊れるなよ」

 

 

 

 

 

 

「ちっ! ……余計な事を……」

 

 ヒーロー殺しことステインは表通りの惨状を悲鳴と爆炎から苛立つ

 

「まだ戦力を隠していたか……」

 

「ヒーロー殺し! お前は必ず俺が倒す!!」

 

「まずはそいつを助けろよ」

 

 ヒーロー殺しは斬りつけ路地裏に転がしているヒーローを指差し、地面に転がるインゲニウムの弟を踏みつけていた

 

「目先の私欲を満たそうなどヒーローから最も遠い行いだ……だから死ぬんだ」

 

 そんな事を言っているが、今回の騒動と自分の活動が連動していると思われると自身の活動の意味が無に帰す可能性が高いと思い始めていた

 

 あの忍者みたいな奴も動いていた場合自分が殺したのではなく彼が殺した可能性もあるとも考えていたが、偽者をみすみす見逃すほどお人好しでもなく、踏んでいる少年も転がっているヒーロー擬きも殺して正義を執行する

 

「じゃあな社会の供物」

 

「黙れ黙れ! お前は何を言ったって兄を傷付けた犯罪者なんだ!!」

 

 ドゴンと自分が何者かに殴られて吹き飛ぶ

 

「助けに来たよ飯田君!」

 

「緑谷……君……!?」

 

 

 

 

 

 

 

「おおおお!? まさかまさかの最悪やな……既に60名近くが死亡とかやりすぎちゃう? ヴィランども」

 

「いやー、まさか応援呼ばれたから来てみたけど……凄いなこれは」

 

 保須市の中央エリアが脳無と4名のナンバーズが暴れまわっていることにより夥しい数の死傷者が出ており、白神大福とデスメガネは現場に駆け付けるとこの惨状にとにかくヴィランを倒さなければと思い行動を開始した

 

 結局白神は前年お世話になったデスメガネの所にインターンし、新技の開発やパトロール活動をしていた矢先に保須市にて大規模テロが発生と聞いて飛んできたのだが、予想以上の惨劇に驚いていた

 

「白神……いやホワイトウーマン、戦闘行動を全て解禁する……死なないように」

 

「わかった」

 

 大福は一番近くに居た巨人の足を殴り付けて転倒させ、ヒーローVSヴィランの戦闘は第二ラウンドに突入する

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒーローばっかりになってきたな火火」

 

「雑魚らは殺したから一定以上の強さの奴になってきたね……でもそろそろ撤退しないと包囲されるよ」

 

 忍者が持たせた通信札を使い連絡を取り合うナンバーズ

 

 忍者は撤退時の支援をするため軽く初撃に参加した後は物陰に隠れて支援に徹していた

 

「さてさてヤバいのが出てきたぞ」

 

「エンデヴァーと白神大福が出てきた。現在巨人と白神が交戦中」

 

「おお、巨人が吹き飛んでるの初めて見たでござるな……撤退の布石をしておいて良かったでござるな」

 

 忍者はナンバーズの3名に飛雷神の術に必要なマーキングしたクナイを渡していた

 

 これが有れば瞬時に移動できるがマーキングできる数が5つまでという制約が存在するためあくまで予備であり、余裕があるならば黒霧で脱出したいと考えていた

 

 まぁ更に予備を備えてはいるが

 

「巨人の加勢に行け死神、エンデヴァーは俺が止める」

 

「紅炎負けるんじゃないわよ」

 

「火火、俺を誰だと思ってやがる」

 

「ナンバーズ最弱じゃない」

 

「No.6までは似たり寄ったりだろ、火火、俺は大人だから最後の席を埋めているだけだよ」

 

「そういうことにしといてあげるわ」

 

 紅炎はエンデヴァーの居る場所に移動し、激しい火炎戦が始まり、死神は巨人の加勢に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!? 想像以上に強い」

 

「当たり前でしょ雄英生をナメるな」

 

 巨人は膝をついて大福と会話をする

 

 大福も時間稼ぎができるならば場が有利に動くため話し合いに応じる

 

 巨人が腕を振るうが、居合い拳で弾き飛ばす

 

「くそ、相性が悪い」

 

「相性云々より大雑把すぎるねん……む」

 

 大福の横を大鎌が空を斬る

 

 大福は大鎌に気がついた瞬間に鎌の腹の部分に居合い拳を当てて横に軌道をずらした

 

「あら? 気がつかれましたか?」

 

「焦った……全く殺気が無いし存在感も薄かったから気がつくのが遅れたやん」

 

「死神すまない助かる」

 

「紅炎よりも貴方の方が確かに弱いかもしれませんね巨人……」

 

 大鎌が音もなく振るわれるが、大福は既に自身を中心とした半球体状に居合い拳のバリアを張っており大鎌は簡単に弾かれる

 

「あら? 足元がお留ですよ」

 

 大鎌が足元から生えてくる

 

 大福はその奇襲をジャンプすることで回避したが、その瞬間居合い拳のバリアが解除された

 

 横から巨人の平手打ちが飛んできて大福は弾き飛ばされた

 

 ビルに突っ込み、ビルはその勢いで倒壊する

 

 瓦礫を拳圧で吹き飛ばし再び姿を現す

 

「なかなかええコンビネーションやん」

 

「どう倒しますか」

 

「死神やるぞ」

 

「わかりましたわ」

 

 巨人が死神と呼ばれた女性を掴むと大福に向かって放り投げる

 

 高速で突っ込んできた死神に大福は居合い拳(大)で砲撃の様な一撃を発射する

 

「かかった」

 

 死神は縦に高速回転を始め全身から鎌を生やして居合い拳(大)の拳圧を回転することで避け、腕に鎌が深々と刺さる

 

「エナジードレイン」

 

 刺さった瞬間に大福の生命力を吸収しようとするが、大福は左手でそれを払う

 

「10%ってところですかね。上質……いや極上の生命力をお持ちで」

 

「体が重い……体力を持っていきおったな」

 

「体力ではありませんわ。貴女の生命力をいただきましてよ……生命力は寝れば回復しますが短時間に大量に失えば死にましてよ」

 

「血液みたいなもんか」

 

「そうですわね」

 

「自然治癒250倍……」

 

 大福の斬り傷がみるみる塞がり血が止まりかさぶたとなる

 

「良いこと教えたるもう鎌は効かんで」

 

「あらどうでしょうかね」

 

 死神から鎌が投げられるが、ガキンと音がして鎌が砕けた

 

「表皮250倍や……この状態ならダイヤモンドよりも硬いで」

 

「なかなか便利な個性ですこ!?」

 

 死神が喋っている間に顔面と腹部に3発居合い拳が入った

 

「この状態でも居合い拳は打てるんやで……さて、射程距離は幾らかな」

 

「10……いや25mは離れてましてよ……拳圧どこまで飛ばす気ですの」

 

「死神援護居るか」

 

「瓦礫を投擲して少しでも注意を……他のヒーローが集まってきましたわね」

 

「そこまでだよ君達。ここの周囲の避難は完了した。後は君達を捕まえるだけだ」

 

「デスメガネの言うとおりだ! お前達は包囲されている!!」

 

「ヒーローが10……20は居ますわね。腕利きが多いようで……やはり日本のヒーローの質の高さは飽和時代と呼ばれるだけあって優秀な様で……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方エンデヴァーと紅炎は激しい激戦を繰り広げていた

 

「火火……さすがNo.2ヒーローのエンデヴァー……火の扱いが上手いこと」

 

「敵に誉められたくもない」

 

 おかしい、これ程の炎使いのヴィランならば既に指名手配されていてもおかしくない……なのにコイツの姿を見るのは始めてだ

 

「火火、火炎玉」

 

「む!」

 

 紅炎は火球を指から放つがエンデヴァーはそれを炎の壁で防ぐ

 

「生ぬるい……温度が低いんじゃないか」

 

「炎使いはお互いにキャパシティがあるでしょ……温度が上がりきらないようにこっちも必死なのさ火火」

 

 手に火を灯しブースターにすることでと紅炎はエンデヴァーに飛び蹴りを放つ

 

「甘いな幾らか速いが目で追える」

 

 エンデヴァーは脚部を掴むと勢いそのままに地面に叩きつけた

 

「甘いのはそっちだぜ火火」

 

 ゴウっと紅炎から火柱が上がる

 

 先程よりも熱い一撃がエンデヴァーに襲いかかるが、エンデヴァーは難なく耐える

 

「ちっ!」

 

 バク転しながら紅炎はエンデヴァーから距離をとり離れる

 

 指から再び火炎を上空に向けて放つ

 

「何処に撃っている」

 

「さあね!」

 

 足に着火して高速回転蹴りにラリアット、エンデヴァーの服を掴んで地面に叩きつけようとするが、エンデヴァーは腰にてを回してホールドする

 

「甘かったな」

 

「火火、と思うじゃん」

 

 先程上空に放った火球が放物線を描きエンデヴァーに直撃する

 

「ぐう!?」

 

「おらよっと!」

 

 腹部に両足を揃えて火炎を放射し、エンデヴァーを引き離す

 

「火火、おっとと暖まりすぎたな……のぼせて来やがった」

 

「ずいぶんとキャパシティが低いようだな」

 

「いつもは冷却スーツを着用するんだがあいにく今日は急だったものでね……そろそろか」

 

「なに?」

 

 ぐわんと黒い霧が紅炎の後ろに現れる

 

「1時間が経過しましたので回収に来ました」

 

「サンキュー黒霧さん……じゃあなエンデヴァー! 次はお互い全力でやろうぜ」

 

「待て逃がすか!!」

 

 黒霧の方が早く、黒い霧は消えてしまった

 

 場に残されたのは大量の炎と瓦礫の山、それに焦げた死体だけだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼヒューゼヒュー」

 

「うぐ……」

 

 大福はその後死神が先程の3発で脳震盪を起こして動けなくなり、カバーに入った巨人に居合い拳(大)を叩き込み地面にうつ伏せに倒し、その上に体重250倍で乗っかることで巨人を動けなくしていた

 

「さて、お前らの目的はなに? こんな大量殺人して一生監獄か死刑だと思うけど」

 

「そいつぁ言えないねぇ……」

 

「そうでござるなそれは言えないでござるよ」

 

「まだいたの」

 

「あぁあぁ2人ともなんと無様な格好して……巨人個性解除するでござるよそれじゃあ運べない」

 

「いや、個性解除したら潰れるからな」

 

「全く仕方がないでござるな……飛雷神の術」

 

 次の瞬間大福の真ん前に忍び装束の男がワープし、強烈な蹴りで大福は数メートル吹き飛ばされる

 

「個性解除」

 

 巨人が人型に戻ると忍び装束の男は死神と巨人だった男に触れるともう一度飛雷神の術と言って瞬時に消えてしまった

 

「逃げられたか……」

 

 周囲に居たヒーロー達はまだヴィランが居ないか、逃げ遅れた人やまだ助かりそうな人を探して散る

 

「おい! 路地裏にヒーロー殺しが居るから応援くれ! いや捕まってるんだが逃がすとまずい」

 

 そう言われて大福は路地裏に向かって走り出す

 

 

 

 

 

 

 

 その後翼の生えた脳無が緑谷少年を連れ去ろうとしたところを捕縛を解いたステインが脳無を殺害し、こう言い放った

 

「偽物が蔓延るこの社会も……力を振り撒く犯罪者も……粛清対象だ……ハァ……ハァ……全ては正しき社会のために」

 

 エンデヴァーと大福、デスメガネ等他のヒーロー達も続々と集まりヒーロー殺しステインを取り囲む

 

「偽物……正さねば……英雄を取り戻さねば!! 来い! 来てみろ偽物ども俺を殺して良いのは本物の英雄(オールマイト)だけだ!!」

 

 凄まじい威圧感に皆動けなくなった

 

「……気を失って……いる?」

 

 ステインはここで気を失い完全に無力化されたが最後の咆哮はこのヒーロー社会に大きな爪痕を残すこととなる

 

 ヴィラン連合、ファミリー、そしてヒーロー殺し

 

 各々の思惑が交わった結果の大惨事は保須市半壊、死傷者179名、建物全焼25棟、全壊13棟、半焼半壊11棟という記録にも記憶にも残る一大事件となった

 

 ヒーロー側はステインの逮捕と脳無1体の死骸の確保のみで主犯4名を逃すこととなり、脳無が居たことによりヴィラン連合の名前が売れることとなる

 

 結果的にヴィラン連合は手駒を1つと動かしにくいステインだけ失った代わりに大事件を起こせるという実績を残し、ファミリーは日本のヒーロー達のレベルを確認することができた

 

 ヴィラン連合の勝利である




白神のヒーローネーム初公開・・・だよな(前に出した記憶がないのと資料の紛失)

ヴィラン連合の戦力確認

メインメンバー 死柄木 黒霧

支援団体ファミリー

死柄木の支援者 ワン・フォー・オール 殻木球大

使用可能脳無 6体 (雄英襲撃の対オールマイト用脳無健在)

うーん、強いな
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