僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
今年も精進してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
終了した一次試験、先着100名という狭き門を潜り抜けた龍牙たち1-Aの皆。次なる試験へと気持ちを既に切り替えていた。次々と条件を達成した者が待機場となっている説明を受けていた場へと戻ってくるのだが、中には龍牙の脅しによってビビりまくっていた者も多くおり、龍牙の姿を見たとたんに情けない声を出して、身体を小さくさせて視線から逃れるように隠れる。確かに脅しはしたがそこまで怯えるのかと思いつつ、緑谷の言葉通りにこれを長所に生かす為にはどうするのかという事を思案するのであった。そんな中で漸く先着100名が出揃ったのか第一試験が終了となった。
『え~一次試験突破をした皆さまおめでとうございます。それでは手早く次の試験への御話しへと移ろうと思います。ではモニターを見てください』
目良の言葉に従うように皆の視線がモニターへと向いていく。そこには先程まで合格者が駆けまわっていたフィールドが映し出されている。自分達が合格を勝ち取ったフィールドを見つつ、各自が少々浸る中でフィールドの各所が一斉に爆破されていき、火を噴きながら瓦礫と化していく。
『えっなんで!!?』
「瓦礫の山になっていく……これってもしかして」
『皆さんの中にはもう察した方もいると思いますので次の試験を説明します。次の試験でラストになります、皆さんにはこの被災現場でバイスタンダーとして救助演習を行って貰います。一時選考を突破した皆さんは仮免許を取得した物と仮定して、どれだけ適切な救助を行えるか試させて頂きます』
概要はヴィランによる起こしたテロが発生、被災現場各所に要救助者としてHELP US COMPANY、通称HUCの皆さんが準備を行っている。受験者は仮免を取得している事を仮定してそれらを如何に適切に救助する事が出来るのかという試験になる。それらを聞いて龍牙は思考する、今度の試験は単純にそれを見ているのかと。師匠であるギャングオルカには戦闘力を重視して、根津にはヒーローとしての心構えや活動で必要な事を教え込まれている。それを今回に当てはめるとするならば……今回見られるのは単純なレスキュー活動ではないと断定出来た。
「この場にいる全員での協力か、戦闘訓練を思い出せって事だな」
「そうか、その場でいるヒーロー達で連携を組む……!!」
龍牙の呟きを聞いて緑谷が動いた、待機している全員に声を掛けて早急にレスキューの計画を立てる。個性によっては救助や手当に向いている者がいる。それらに分ける事でより的確かつ早急なレスキュー活動に繋げる事にする、緑谷の言葉を受けて話し合いが進められて行く中で爆豪は面白くなさそうにしていた。暴れられない事が不満なのだろうか、龍牙はある事を思いついて言う。
「爆豪、お前さヴィランが来たらぶっ飛ばしてくれないか」
「ンだよヴィラン野郎、どういう意味だ」
「いやさ、今回の想定ってヴィランが起こしたテロだろ。それだったらヴィランが襲ってくるかもしれないからそれに備えてくれよ。後は空に居ながら要救助者の場所を教えてくれ。それだったら楽勝だろお前なら」
「ったりめぇだ舐めんなカスが。言っとくが場所を教えるだけだ」
「ああそれでいい」
そんな風に悪態をつく爆豪だが明らかに嬉しそうに笑っている。本人からしてもレスキューなんてまともに出来るとは思えない。ならば向いている方向に向かせた上でその範囲で出来る事をやらせればいい。適材適所とはよくできた言葉である。そして―――
『ヴィランによる大規模破壊のテロが発生!!規模は〇〇市全域、建物倒壊により傷病者多数。道路の損壊が激しく救急先着隊の到着に著しい遅れ。到着するまでの救助活動はその場にいるヒーロー達が指揮を執り行う、一人でも多くの命を救い出す事!!START!!!』
試験が始まる。
「峰田、瀬呂、麗日。三人はドラグブラッカーに乗れ!!救助という点なら個性がとんでもなく役に立つぞ!!」
「お、おうサンキュ!!」
「おおっ一度乗ってみたかったんだよな!!男の夢だぜドラゴンライド!!」
「宜しくねドラッカー君!」
「ドラグブラッカーな麗日!ドラッカーってなんか不吉!!」
「龍牙君火をお願いできる!?明かりが欲しいんだ!!」
「分かった!」
「龍牙これ退けられるか!?俺こっちの瓦礫を支えるから!!」
「任せろ!!」
「ふむっ……奴は自分が出来る事を随分理解しているな、己の完璧な力のコントロールが出来ている」
試験を見つめているプッシーキャッツ、虎は龍牙のレスキュー活動の仕方を見て素直に良い評価を示した。龍牙は直接の救助には絡まずにサポートを行う事、自分の怪力や炎などで他を活かす。そしてドラグブラッカーは他の現場に必要な人材を送る為の機動力や要救助者を迅速に避難させる為の脚にもなっている。そしてそれらを長時間行い続けても平気な顔で動き続けるスタミナ、潤滑剤としてこれ以上ない適役といえる。
「普通に欲しいわね、龍牙君……」
マンダレイの言葉に虎とラグドールも同意した。プッシ―キャッツは基本的に山岳部での救助活動を主にする。そこで最も物をいうのが対応力そして体力、山岳は足場の悪さなどもあり体力を大いに使うのでスタミナが重要視される。それを考えると龍牙のような存在は酷く欲しい、加えてドラグブラッカーで空の移動も出来るので避難や救助が恐ろしい程に迅速になる。
「流石龍牙くん……ああぁっ益々惚れちゃうわぁ……♡」
「おい本当に大丈夫かお前、本当に清い付き合いとやらをする気あるのか……」
「あるに決まってるじゃない!!言ったでしょ、龍牙君を口説き落とすのは私だって!!葉隠ちゃんには絶対に負けないわ!!」
『年下を恋のライバル視するのか……』
と素直に引いている三人だが、その時、大爆発と共にフィールドの一部が吹き飛んだ。
『ヴィランが現れ追撃を開始、現場のヒーロー候補生達はヴィランを制圧しつつ救助を続行してください』
「さあ如何する、全てを平行して出来るか……戦うか守るか、助けるか逃げるか、どうするヒーロー……!!」
爆破で吹き飛んだ壁の奥から影が現れ、それは空に向けて威嚇めいた咆哮を放った。そこにいたのは―――ギャングオルカ、龍牙の師でありヒーローランキング10位に名を連ねる超実力者。オールマイトが全身全霊を振り絞って倒した巨悪・オール・フォー・ワンを一時的とはいえ圧倒した男がこの試験においてヴィラン役としてその姿を現した。だが―――ヴィラン役は一人ではない。
「ぁぁぁっっ~……さあ餓鬼ども、祭りの始まりと行こうか……!!」
そうもう一人、ギャングオルカの隣に立つ男がいた。それはヴィランよりも凶悪で残虐なヒーロー、王蛇。その二人がフィールドへと足を踏み入れた。
「さあひよっ子共……俺達相手に如何立ち回る……」
「見せてみな……お前らの祭りのやり方を……」
「「さあ、行くぞ」」
「師匠と王蛇さんって……何の冗談だよこれ」
難易度激増。