僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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リューキュウから見る黒龍

「龍牙君たちネットニュースに出てるよ~!!」

 

リューキュウ事務所での活動を終え一旦学校へと戻り勉学へと勤しむ事になった。インターンと言えば毎日毎日という訳ではないので勉強模倣もしっかりやらなくてはいけない。そんな日、教室へと足を運ぶとそこではスマホを見つめながら大興奮しているクラスメイト達の姿があった。ネットニュースには先日のヴィラン退治の一件が掲載されており、そこにはリュウガ、ウラビティ、フロッピーの事が載せられていた。

 

「ええっ~本当だ!!でもちょっと恥ずかしいかも……」

「どこから撮られてたのかしらねこの写真……」

 

そんな風に言いつつも二人は何処か嬉しそうにしている、世間が自分達の働きに対して正当な評価をしてくれたというのが堪らなく嬉しいのだろう。ネットニュースでは新進気鋭の超新星、リューキュウ事務所に現る!とデカデカと掲載されている。

 

「もうMt.レディみたいにファンついてるかもよ!!キュートでルックスも抜群って書かれてるし!!」

「羨ましい~!!龍牙君も凄い書かれてるよ!!」

 

規模的には最後の一撃を決めた二人の方が大きいがリュウガの事も確りと掲載されていた。

 

「ドラグーンヒーロー・リューキュウの元に現れた黒き龍騎士リュウガ、その牙は敵を砕く無双の刃!!凄いカッコいいよ龍牙君!!」

 

活躍が掲載されそれに対するコメントもかなり好意的且つ応援するものが多いのだが、一番目立つ自らの写真は傍から見ると本当にヴィランにしか見えない。夕焼けの空の下に積み上げられた自らの牙で粉砕した資材の残骸、それらを踏みしめながら瞳を光らせている姿が撮られていた。どっからどう見てもヴィラン、大目に見てダークヒーローなのは確実だろう。憧れ且つ愛しの龍牙の活躍に胸が躍って酷くご機嫌な葉隠。彼女からしたらこの悪役のような写真でも愛しの彼の活躍写真でしかない。

 

「んでさ、肝心の龍牙は今日来てないのか?」

「うん。今日もリューキュウ事務所だよ」

「龍牙ちゃんがなんだか忙しそうだったわね」

 

龍牙の姿は教室にはなく、今日もリューキュウ事務所にて活動を行っている。リューキュウが直接スカウトしただけあって本格的なサイドキックとして活動を行っているのかもしれない。麗日と蛙吹は経験もまだ浅いので、身体を休めるという意味でも今日は雄英に来ている。

 

「龍牙君今日はいないのかぁ~……そっか……」

 

それを聞いて酷く落胆してしまう少女、葉隠。この記事を見せながら本人からいろんな話を聞いたり折角だからサインを貰ったりとかもしたいと思っていたのだが、インターンならば致し方ないと胸にそんな思いをしまい込みながら席に着く。

 

「龍牙君に会いたいなぁ……」

 

近くに居られている筈なのに憧れの彼は酷く遠くにいる、手を伸ばしてもその手は空だけを掴み取り虚ろとなる。彼の力になりたいと叫んでも何も出来ずにただ祈る事しか出来ない自分に僅かな自己嫌悪をしながら、少しだけでもいいから隣に居たいと願う彼女の思いは龍牙へと届くのだろうか……。

 

 

「悪いわねリュウガ、まだまだ人手が足りてなくて」

「いえ師匠の事務所だとこういうのも仕込まれましたから」

「素直に助かるわ」

 

リューキュウ事務所に葉隠の愛しの彼の姿はある。先程もまたヒーローの出動要請を受けてリューキュウとねじれちゃんと共に出動しヴィランを確保してきたばかりだが、席についてヴィラン確保における報告書の作成に取り掛かっていた。事務員こそ確りいるが独立してまだ日が立っていないからかサイドキックが確保しきれていないのがリューキュウ事務所が抱える問題の一つ。

 

「本当に凄いよねリュウガ君!ねえねえなんでそんなに凄いの?お師匠さんってそんなに厳しいの、気になる~!」

「こらねじれ、貴方も自分のを書いちゃいな」

「はぁ~い……後で撫でさせてね!」

「……もうご自由にどうぞ」

 

完全に諦めの境地へと達しているリュウガに何か悪い事を押し付けてしまった感があるリューキュウは苦い笑いを浮かべた。

 

「(でも改めて彼の力は凄い物がある……長年ギャングオルカに扱かれてきたというのも伊達じゃないのも頷ける……)」

 

先日のウラビティとフロッピーでの動き、そして先程の現場。絶えぬ事なく研磨し続けてきた牙と叩き潰され、吹き飛ばされながらも得てきた経験が発揮する戦闘力は凄まじい物だった。今回対処したヴィランは全国指名手配されている凶悪犯、ショッカーと呼ばれる衝撃波を操るヴィラン。両腕から凄まじい衝撃波を放つヴィランだが、リュウガはそれを真正面から受け止め時間を稼ぎ、その間にリューキュウとねじれちゃんが確保した。そして本人は直ぐに病院へと行かせようと思ったのだが……

 

「師匠の超音波に比べたら全然ですよあれ。師匠のはもっと身体の奥の底に響いて根本から破壊にかかりますから」

 

と平然と答えたのには驚いた。ショッカーの力は並のプロでは敵わない程、それすら軽々と超えるギャングオルカにも驚きを感じるが、逆に今まで何度も何度もその超音波を身体に刻んできた龍牙にも驚いた。このインターンに当たってギャングオルカと話をした、その時に彼の保護者である事や今までどんな訓練をしてきたのかを聞いたりはしたが……ハッキリ言ってドン引きするような内容だった。自分だったら絶対に続けられないと自信を持って言えるそれを龍牙はずっと続けて来ていた。それにも引いた。

 

『リューキュウあいつを、龍牙をよろしく頼む。俺はあいつに厳しく接する事しか出来なかった……師としてしか接せられない愚かな男だ……だからあいつを宜しく頼む……!!』

 

世間的に見ればランキングでは自分が上だが様々な物を見ればギャンクオルカの方が遥かに上、経験も事務所の規模も。そんなギャンクオルカが自分のようなまだ若いヒーローに頭を深々と下げながら頼んできた。これも驚いたが直ぐに理由は分かった、弟子としてもだが息子として本当に愛されているのだと。

 

『……任せてくださいギャンクオルカ、ドラグーンヒーロー・リューキュウの名に懸けて誓います。私は彼を守ります、そして彼にも知って貰います。彼が志すヒーローとはいったいどのような物なのかという事を』

『頼む……!!』

 

これは言うなればオルカなりの愛情表現、酷く不器用なオルカが示したヒーローという物を理解してもらう為の。自分の個性と龍牙の個性はどこか似ている所がある、指導するにしても自分ならば適任だろう。

 

「リュウガ君、ヴィランの名前って何だっけ、ゲルショッカー?」

「ゲルが余計です」

 

だから導こう、彼の夢へと進む為の道の先へ。そして教えてあげよう、君を支えてあげる存在がいるという事を……。

 

「(それに……ちょっと好みだしね♪)」

「リューキュウさん報告書終わりました、先輩終わりました?」

「後ちょっと待ってね~」

「終わったらご飯にしましょうか、今日は中華にしようかな」




ねじれちゃんは何かどっちかと言ったら龍牙をひたすらに撫でようとしたりして、愛でようとする感じにしようかなと思ってます最近。そしてなんか昨日

リューキュウが龍牙をリードして抱きしめてキスするとかいう恋人みたいなことしてる夢を見ました。疲れてるのかな……。
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