僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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明白な透明と狙われていた黒龍

「えっと、葉隠さん」

「っ~……!!」

 

思わぬ形、予想も付かない結果だった。リューキュウの元へと戻った龍牙を待っていたのは透明な姿ではない葉隠の姿、しかもその姿が絶世の美少女と言うに相応しい程に可憐で輝いている。そんな葉隠だが、今はリューキュウの事務所に一時的に匿われている。事故に近いとはいえ彼女はライフルによる狙撃を受けてしまっている、その保護の為と怪我の経過を見る為。調査にはヴェノムとリューキュウが行い、龍牙はその護衛として事務所に戻るように言われたのだが……応接室では顔を帽子で隠した葉隠がソファで蹲っている姿を見つめる龍牙と言う何とも珍妙な光景が広がっている。

 

「あの葉隠さん、紅茶とか用意したけど飲める……?」

「今はまだ無理ぃ……!!」

「えっと俺なんか嫌なことしちゃった……?」

「違うぅっ……」

 

ずっとこのようなやり取りが続いているだけで龍牙も参ってしまっている。何とか彼女をもてなそうとしても肝心の彼女はソファから動かず、顔をうずめている現状が続いている。如何した物かと龍牙は困っているのも葉隠は理解している、だが彼女とて今の状況はいっぱいいっぱいで如何したら良いのか分からない。

 

葉隠が撃たれた弾丸は死穢八斎會の一件で話された個性を破壊する弾丸、それを受けてしまった葉隠は自身の個性因子が傷ついてしまった。それによって起こったのは彼女の個性である『透明化』が使用不能になってしまった、常に発動している異形系に分類される彼女の個性、それが正常に発動しなくなってしまった。つまり、普段透明になってみえない自らの姿、自分ですら見た事が無い本当の自分と図らずも対面する事になったのだ。

 

「うぅっ……」

 

自分でも分からない姿、病院などの検査でボディラインなど顔の形程度は把握する事は出来ていたが実際に自分の物だという認識は何処か薄かった。だが今日、初めて自分の姿を見る事が出来た。どんな姿なのかと想像することは少なくなかったが、改めてこうして見て見ると自分も中々悪くないなという気持ちがあった半面、不安な気持ちも大きかった。

 

 

―――龍牙はどんな風に思うのだろうか。

 

 

それが何よりも不安で致し方なかった。彼は自分が透明でありながらも変わらない付き合いをし続けてくれていた、それは逆に姿は見えてしまったらどうなるか分からない事にも成り得る。変わらない付き合いが出来なくなるかもしれないという不安があった、会いたくはなかった。そんな気持ちがあったのだが

 

「心配する事ないわ、リュウガなら確実に悪い事なんて言わないし寧ろ褒めてくれる。私が保証してあげるわ」

 

彼のインターン先であるリューキュウの後押しもあって、勇気を出して彼の前に出た。そして彼の言葉は……自分を褒めてくれていた。今まで何度も見えないのに自分を褒めてくれることは幾度もあったのに嬉しさが桁外れだった。嬉しい、嬉しすぎて頭が沸騰な程に。でも、それを如何受けとめていいのか分からない、だから顔を上げて彼の顔を見る事が出来ないのだ。だがいつまでもこうしているのも迷惑だという事も分かっている。だから勇気を出して……顔を上げて、龍牙を見つめる。

 

「あ、あの龍牙君……その、私の姿って、どうかな……変じゃないかな……?」

「なんでさ」

「いやだってその……」

 

赤くなった頬を隠すように顔を俯かせ指を胸の前で弾くようにしている姿を見て龍牙は察する。自分からの印象をどう思っているのかという事だろう、なので龍牙は素直に言う事にする。

 

「そうだね、ある意味俺の予想通りだったよ」

「えっ!!?りゅ、龍牙君ずっと見えてたって事なの!?」

「いや見えてなかったよ。何となくそこに居るって言う漠然とした感覚はあったけど」

 

透明な姿は龍牙にもそうとしか見えない。だが感覚的に彼女がそこに居るという物は感知できていた。それだけでハイタッチなどをしたりするのはそれはそれでとんでもない事なのだが。龍牙は彼女の隣に座りながら言った。

 

「でもずっと俺には映ってたのかもね、葉隠さんの身も心もガラスみたいに透き通って綺麗な所が俺には分かってたのかも」

「っ~……!!!」

 

それを聞いて葉隠は顔を真っ赤にさせながら帽子を深く被って顔を全力で隠す、今の顔は絶対に見られるわけにはいかない。こんなににやけている顔なんて絶対に……だが、それでは先程の自分と同じではないと思いながら必死に顔を上げながら笑顔を作って笑い返す。

 

「有難うね龍牙君っ……!これからも仲良くしてね♪」

「勿論、当然だよ」

 

そんなこんなをしているとリューキュウとヴェノムが戻ってくるのだが、リューキュウは戻ってきた時に顔が赤いが嬉しそうにしている彼女を見てははぁん……と声を出しながらニヤニヤしながら二人を見つめたりもしていた。そして当事者でもある葉隠にも事情を話しを通すのが道理だと、彼女も交えた報告会が行われる事になった。尚、ヴェノムを見た葉隠は

 

「ピィヤァッ!!?ビックリしたぁ!!?」

「おい人の顔を見てそれか」

「あっごめんなさい……突然だったからつい……でももう大丈夫慣れたから」

「ならよし」

「ウラビティとフロッピーもそうだったけど慣れるの凄い早いわね」

 

 

「まあ結果から言うとだな……結局白で成果ゼロだった。無駄骨って奴だ」

「そこはいいのよ、次の候補地を調べればいいだけの話だからね。問題はリュウガを狙ってきた奴の方」

「おう、確り締め上げて情報は取ってある」

 

どうやら調査予定の拠点は又もや外れだったらしい、龍牙もそこを気にしていたので結果が分かって少しだけ安心する。が、問題は何故撃たれるような事になったのかという事。それについてはヴェノムが自己流の脅し方で尋問をしてたっぷりと情報を得たらしい。一体何をしたのだろうか……。本人曰く、交渉らしいがそれも怪しい所である。

 

「結論から言うとだな……そこの嬢ちゃんは事故で撃たれちまったって事だ」

「つまり、間違えて撃たれちゃったって事なんですか……私」

「極論から言えばそうね、奴らが狙っていたのはリュウガ、貴方よ」

「俺ですか……」

 

葉隠が撃たれてしまったのも本来龍牙に命中させるはずの個性破壊弾のコース上に偶々、透明という個性を持つ彼女が入ってしまい、それに狙撃を行う男が気付けずにトリガーを引いた結果として命中した。本来は龍牙に当てるつもりで、個性が使えなくなった所を実弾で撃ち貫いて仕留めるのが本来の計画だったのだという。明確な龍牙に対する殺害の計画、それを聞いて葉隠は血の気が引いたような表情をしてしまう。一歩間違えたらあそこで龍牙が死んでいたかもしれない……それを考えれば致し方ない。

 

「そいつらは単純に金で雇われたって言ってたぞ、仲介人を複数通じての依頼で報酬も破格だったら引き受けたって言うヴィラン。だが仲介人を通じてからか、誰が依頼を出したかは不明」

「でもこれだけは確か―――リュウガ、貴方の命を狙っている何者かがいる。それは確実。これからは調査に赴く時は基本ヴェノムとのツーマンセルを基本にして、ヴェノムもリュウガのフォローをお願いするわ」

「任せろ」

「分かりました」

 

何者かに狙われていることが明らかになってしまった龍牙、だがそれでも彼は止まるつもりなどない。今回の事件の調査では龍牙の力は必要不可欠。ならば守る為の対策を張って守りを万全にしていけばいい。ヴェノムならばその辺りも完璧に対処出来る、だが一体誰が龍牙を狙うのだろうか。その事についても調べなければならない……。




あれ、改めてそれ考えると峰田の奴……シャルロットの部屋に正面突破したって事になるのでは!?あまつさえ、匂いを嗅いでやがったのか……!?アウト過ぎる……!?
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