僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
「活瓶 力也の拘束お願いします!!」
「承知しました!!対ヴィラン拘束具を装着するんだ!!この巨体だ、ありったけ使え!!」
「んだこの糸ぉ……!?離せってんだぁ!!」
「『出来るもんならやってみろってんだ……』」
ヴェノムに完全に拘束されている活瓶、触れてから息で相手の活力を奪い取り巨大化する個性。だが触れる事さえ出来なければそれすら出来ない、触れないように腕の部分を重点的に縛り付けてやる。その上で警察が特殊拘束具にて完全に動きを停止させようとする。リューキュウとヴェノムの力で完全に動けなくなっている、現状ではもう何も出来ないだろう。そして―――
「『お前、薬のにおいがするな。昔仕事で嗅いだ匂いだ、口の部分も重点的に塞いでやる』」
「ッ―――!!!??」
「ヴェノム、貴方もしかしてこいつが個性のブースト薬を使ってるって分かるの?」
「『昔に匂いを嗅いだ、気持ち悪かったけどそれを覚えてる』」
活瓶は恐らく個性をブーストさせる薬を自身に投与している、それには恐らく個人差があって活瓶にはまだ効果が現れてはいない。だがそれも時間の問題だろう。なのでヴェノムは生命機関に支障が出ないレベルに口と鼻を塞いでおく。これでブーストされたとしても活力を吸うなんて無理、寧ろ規則正しく少しずつ呼吸をしないと酸素を全く取り込ない事になるので実質的に活瓶を完全に無力化に成功した。
「『これでこいつは完全に無力化だ』」
「リュウガちゃんとヴェノムちゃんのお陰であっさりだったわね……」
「いや終わってない」
「『そこで俺を、いやリュウガを見てる奴出てきやがれ』」
ヴェノムは身体を元に戻し龍牙に身体の主導権を返しながら、頭だけを覗かせるような形態になりながら振り向いてそこで此方を観察し続けている者に対して言葉を掛けた。それに応じるように八斎會の敷地から一つの影が壁を乗り越えてくる。それは赤で統一された服装をしながら赤いパーカーで顔を隠している奇妙な男。男は仰々しい礼をしながら何処か礼儀正しい声で挨拶をする。
「どうも御機嫌如何でしょうか、先日は私の部下がご迷惑をおかけしたようで大変失礼致しました」
「部下……?」
「貴方、何を言っているの……」
「お忘れでしょうか、それとも記憶する価値はなかったでしょうか。黒鏡 龍牙さん、貴方に向けて銃を向けた男は私の部下です」
そう、結果的に葉隠の個性の成長点となった出来事の事件。龍牙を殺害する意図をもって行われた計画、ライフルを持っていた男とヴェノムが確保した二人、それらは目の前にいる男の部下であると発言している。
「教育が行き届いておらず申し訳ございません、今度は確実に貴方だけを狙いたく思いますのでどうかご容赦ください」
「つまり、今この場で俺を殺す……そう言いたいのか」
「仰る通りで御座います」
明確な殺意を言葉にする男にリューキュウ達も構えを取る、目の前で仲間を殺すと宣言されて黙って見ているなんてことは絶対にありえない。それでも男は余裕のある態度を崩そうとはしない、ヴェノムの存在もある事を理解していながら確実に龍牙を殺そうとしているのは一体何なのか、謎だらけな男は少しだけ笑うと龍牙に礼をしながら呟いた。
「しかし今の状況では十分なもてなしが出来かねます、そしてお邪魔もさせて頂きます」
男は一枚のカードを取り出すとそれを投擲した。投げられたカードは宙を舞っているが、突如一気に加速すると活瓶の拘束具を一瞬で貫いてしまった。直後、活瓶は一気に息を吸い込んでいくと周囲の人間の活力を一気に吸い出していく。
「ヴェノムの読み通りにブーストさせてる……!!?」
「そちらの対処をお勧めしますよリューキュウ様」
「リューキュウ、あいつらは俺とリュウガで何とかしてやる。そっちは任せる、乗ってやろうじゃねぇかリュウガ」
「……罠にはまりに行くような物だと思うがな」
活力を一気に吸い込んで巨大化し一気に脅威となったそれに対応するにはリューキュウの力がいる、だがそれと同時進行で此方の援護は出来ないだろう。ならばいっその事、こちらはこちらで対処して乗り越えていくしかない。それが最適解、ヴェノムもいるのだから何とか切り抜けるしかないと龍牙が部分展開で個性を発動させていく。それらを見ながら男は笑った。
「いやはや……見事な個性ですな。これはご依頼が来るわけだ」
「……誰が俺を殺そうとしている」
思わず、問いかけた。何故自分が狙われなければならないのか龍牙は全く分からない、ハッキリ言っていい迷惑。そのせいで葉隠が弾を食らってしまう事があった、結果的にいい結果に転がってこそいるが撃たれているという事実は変わらない。男は少しだけ戸惑いながら、言葉を作った。
「貴方も知っている方ですよ」
「俺が知っている……!?」
「ええ……では私もそろそろ準備させて頂きますよ……」
その言葉を皮切りに、男の雰囲気が一変した。隠れている瞳が爛々と輝き始め、全身が赤い炎に包まれていく。炎は轟々と唸りを上げて全身を焼き尽くしながらその色を身体へと刻んでいくのだが、その光景を見て龍牙は言葉を失ってしまった。
「そんなっ……あれって、まさか……!?」
「……マジか」
火柱の中で紅い瞳が輝く、そして炎が四散するとそこに立っていたのは―――真紅の龍だった。何処かくすんでいる赤と銀だがその姿は今の龍牙と瓜二つな姿をしていた。それは邪悪な咆哮を上げると右手に剣を、左手には龍頭を構えながら一気に攻めってくる。その攻撃を受け止めた際、赤い龍はその瞳で龍牙を睨みつけながら叫んだ。
「さあ始めようか……!!」
何故マスクなのかって?映画を見ればわかる。
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