僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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黒炎を纏い走る黒龍

セメントス主導の下の授業、本日は仮免試験前に課された必殺技の開発の続行が内容。既に完成されているものはそのクオリティの上昇を、出来ていない者は開発を続行する事になっている。

 

「龍牙お前も手伝ってくれねぇか!!お前の超パワーの必殺技で俺の硬化を更に高めるのに協力して欲しいんだ!!」

「後でいいか、俺もちょっと試したい事があるから」

「おう!!んじゃ砂藤に爆豪、緑谷!!俺の事を存分にサンドバックにしてくれ!!」

「その言い方やめろよ!!?なんか誤解招きそうで嫌だぞ!?」

 

切島も切島で死穢八斎會の一件で強敵とぶつかったと聞いた、ファットカムと共にその相手を打ち破る事は出来た物の自らの最強の硬化である安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)をあっさりと突破されるほどの破壊力を持った相手だった。それに負けない為の特訓を行いたいらしい、その意気込みも素晴らしいから是非とも協力したいが龍牙も龍牙で自らが至る事が出来た地平に慣れなければいけない。

 

「それで龍牙君、見て貰いたい全力ってどんな感じなの?パンチとかキックみたいなのが出来たの?」

「ふむ、ならばまた新しい名を考案すべきだな」

「常闇ちゃん、気持ちは分かるけどまずは龍牙ちゃんが見せたいものを見てからにしましょう」

 

蛙吹の言葉もあって龍牙はいよいよ自らが至った最強形態とも言うべき状態へと至る事にした。仮免の時点では酷く不完全、余りにも力を余剰エネルギーとして放出し続けていた。次はリューキュウとの手合わせで行ったドラグブラッカーとの完全なる意志の統合、あの時点では統合する事は出来たがまともに戦う事が出来なかった。だが今ならそれらを全て総合した状態を作り出す事が出来る。

 

「―――行くぜ、ブラッカー」

『グオオオオォォォォ……』

 

戦いの時ではないからか、普段よりも静かに大人しく影から参じる黒龍は軽く吼えると激しい黒炎の竜巻となって龍牙を囲んでいく。それらが収束し一本の線のようになった直後、それらが弾けてそこには向こう側へと立った龍牙の姿があった。

 

「これが闇炎龍の新たな姿……!!」

「凄い、カッコいいっ……!!」

「ケロォッ……凄い、力をビシビシ感じちゃうわ……!!」

 

近くにいる三人は余計に龍牙から伝わってくる力の波動を感じていた。その場にいるだけであらゆるものを自らの領域に引きずり込んで同化してしまうかのような圧倒的な存在感と全ての物を捻じ伏せて無へと返すような力強さ、そして何より今まであった威圧感が薄れ、何処か神々しさすら纏うようになっていた。

 

「凄い凄い!!これが龍牙君が見て欲しいって言ってた奴なんだね!!」

「いや、正確にはこの状態で出せるようになった技だな」

「さらに、上があるのか!?」

「見ててくれ」

 

腹部に力を籠めるかのようにすると猛々しい雄叫びと共に龍牙の胸の龍が叫びをあげながら新たな力を得たドラグブラッカーが飛び出した。それは龍牙の上空を旋回しながら今か今かとその時を待ちわびている。そして龍牙は跳躍するとその背中に飛び乗るとドラグブラッカーは一気に加速しながら変形を開始した。胸部に格納してたタイヤを飛び出させながら身体を折り、もう一方のタイヤを作りながら地面に降り立った。

 

『バ、バイクになった!!?』

 

3人だけではなく体育館γにいた全員がそれらに目を奪われた。当然だろう、龍牙の更なる進化とドラグブラッカーの超変形と言っても過言ではない展開を見過ごす訳が無い。そしてそれに驚きつつも龍牙の考えを読んで標的用の人間サイズの物を作り出した。それを確認するとドラグブラッカーは一気に加速しながら咆哮を上げる。

 

『グオオオオオォォォォッッ!!!!』

 

勢い余ってウィリーのようになりながらもそのまま鎌首をもたげ、標的の周囲へ黒炎の火球を降り注がせていく。それらが着弾によって起きる爆風と爆炎で完全に逃げ場を奪いながら突撃していき、最後には浮かせていた前輪ごと身体全体で押し潰すかのように標的を潰した。

 

「……如何、かな……?」

『カッコ良すぎ!!』

 

龍牙は少し不安げに振り向きながら問いかけるのだが、返って来た事は大喝采に尽きた。他人から見たらどのように思われるか分からなかった龍牙だったが如何やら心配のし過ぎだったと胸を撫で下ろした。

 

「おいおいおいなんだよ今のすげぇの!!?つうか龍のバイクってイカしすぎだろ!!」

「ドラゴンライダーかよ!?お前もうドラゴンライダー・リュウガに改名しちまえよ!!」

「ドラゴンライダー・リュウガ……なんかカッコいいなそれ」

 

とそんな風に言われて龍牙は口角を上げながらバイク形態のドラグブラッカーから降りた。すると皆何処かうずうずしているようにそれを見つめていた。振り向きながらもしかして……と龍牙が問いかけてみる。

 

「もしかして乗ってみたい?」

『勿論!!』

 

とほぼ全員からそれが返ってきた。如何やら焦凍も興味があるのか背伸びをしながら見つめている、唯一声を出していないのは爆豪程度だろう……が心なしか、気になっているようなようにバレない様に視線を向けたりしている。と皆に乗って貰うのもいい練習になるのではと思ったのだが―――此処でセメントス先生から一言が。

 

「水を差すようで悪いが龍牙君、それは完全にバイクだよね」

「あっそっか俺免許が……完全に忘れてた……」

「いや前以て申請を出して貰えれば個性による操縦はある程度許可される、以前八百万君が個性把握テストではバイクを使っていたらしいけどその時も相澤先生は何も言わなかったんだ」

 

そう言った事もあるのでこの場でのドラグブラッカーに乗る事の許可はあっさり通り、今後も確りと運用する許可も貰う事が出来た。これで名実ともにドラゴンライダーを名乗る為の一歩を踏めたという物だろう。この後の龍牙は操縦の熟練の為と称して乗りたい面子を後ろに乗っけて走る事になった。その中にはちゃっかりセメントス先生もいたりした、実は乗りたかったとの事。

 

「凄い凄い!!龍牙君やっぱり凄いよ~!!」

「おしっもうちょっと飛ばすぞっ!!」

 

と葉隠は龍牙の背中に抱き付きながらもドラグブラッカーに乗ってその時を酷く満喫していた。彼女にとっては予想外だがとても濃密で幸せな時間が生まれていた。余談だがこの後……飯田、爆豪、緑谷のスピードを出せる面子で簡易的なレースを行ったりとこの時間は大盛り上がりだった。




そろそろピクシーさんを出そうと思ったりしている今日のこの頃。

でもあの人出すと色んな意味でやりたい事が出てきて内容に困る。

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