僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
グラウンドβ、雄英にある施設の一つで此処では市街地を想定したビル群などが多くある。建物の内部などを利用した戦闘訓練などが行われるのだが、今はとある元プロヒーローと一人の雄英生の激戦の場となっていた。そのヒーローは……僅か1年の間に伝説を打ち立てたビルド、それに対するは黒い龍の戦士、リュウガ。その二人がぶつかり合っていた。
「ほっと、よっ!!」
軽いフットワークを行いながら距離を詰めてくると思いきや、右足にある
「そらそらどんどん行くぞぉ!」
左脚に
「それでも俺は負けない!」
「おおっ!!?」
兎で跳躍してからの戦車の無限軌道で相手を削り込むかのようにする蹴り、それを真正面から受けつつビルドの脚を掴む。攻撃を受け続けていた龍牙が攻勢に打って出る、そのままジャイアントスイングの要領で投げ飛ばしてやるが空中で制動を利かせてビルドは見事に着地しながら再び、ホップスプリンガーで跳躍しながら飛び込むような打撃を打ち出すのだが、今度はそれを受けながらも龍牙は身体を沈みこませてビルドを地面へと叩き伏せる。そしてさらに龍頭を打ち付けようとするが、ビルドは左脚で地面を蹴ってその場から離脱する。
「こいつ……もう慣れたのか」
「高い機動力と強固な装甲の双方を持つ、だけどそれだけ。決め手に欠ける、師匠の方がよっぽど強烈な攻撃をする」
ビルドの基本的な形態であるラビットタンクフォーム、ウサギの跳躍力と戦車の頑丈さを兼ね備えた形態。跳躍力と無限軌道も時には強力な武器になりえるのだが、それ以上の攻撃を受け続けてきた龍牙にとっては攻撃を当てるのが少し厄介な相手にしか過ぎない。自らの頑強さに物を言わせたカウンター戦法で攻略出来る相手だと龍牙は思っている、それは正解であるしラビットタンクは何方かと言ったらビルドの戦法の起点の意味が強い。
「ふぅむ……やるな、ならこれならどうかな」
高い機動力と防御力を兼ね備える、それは相手の情報を収集するにはもってこい。だからこそ戦兎、ビルドはこのフォームを愛用する。自らの名前のようでもあるというのもあるが―――何かを創造する為の下地を形成するには持って来いの姿だからだ。ボトルを外し、新しい物を装填しレバーを回していく。
〈
〈
〈ARE YOU READY ?〉
「ビルドアップ!」
そして最初と同じように二つの要素が一つになり、ビルドの新しい姿が顕現する。それは不死鳥とロボット、それらが組み合わさった全く別のフォーム。
〈
紅蓮の不死鳥と正確無比のロボのベストマッチフォーム、フェニックスロボ。この姿ならばどうだろうかと思ったのだろう。そして戦兎はゆっくりと向かって行きながら巨大な左腕となっている
「おらぁっ!!」
「むぅん!!」
先程よりも重量も威力も格段に高い攻撃に龍牙も流石に地面を更に強く踏みしめて耐える、凄まじい威力に加えて衝撃も凄まじい。打撃としては相当なクラスの威力だ、以前受けたオールマイトのスマッシュほどではないが師の一撃に匹敵するほどの威力だ。それでも問題ないと言わんばかりに、巨大な腕を払いのけて龍頭の一撃をビルドへと炸裂させる。
「うおっ……!!」
黒炎を纏った一撃がビルドの一部を削り取るように決まった、赤い装甲が抉られていくがその部分の装甲に赤い炎が灯った。
「っ!!」
それを見た龍牙は咄嗟に後ろへと飛び退いた。何が起こるのかが分からない、故に警戒した。そしてそれは起った。自らの龍頭で破壊した装甲の部分が炎によって修復されていき元の通りになってしまったのだ。修復、というよりも炎によって再生したかのような光景に龍牙は僅かに顔を顰める。
「先程の防御力程じゃないけど、あんな力があるなら実質的にはそれ以上の防御力があるに等しい。加えて師匠並みのパワーを出せる左腕の剛腕……かなり厄介な姿だ」
「ふふん、それだけじゃないぞ」
そう言うとビルドの背中から炎の翼が出現して身体が宙へと浮かび上がった、炎の翼を用いて飛翔を行う事すら可能にする。攻撃、防御、機動力に長けている姿、ある意味相当手強い姿に龍牙は少しだけ顔を顰めるのだが……即座に嬉しそうな表情を浮かべ直した。こんな相手に自分の力を試せて、自分の力を見て貰える。こんな機会なんて滅多に存在しない。
「この受難に感謝を……戦兎さん、貴方に俺が一体これから先、どれだけ食い下がれるのか……試させて貰います」
「思いっきり来いよ龍牙、受け止めてやる」
『ゴアアアアァァァッッッ!!!』
龍牙の足元からドラグブラッカーが飛び出していく、それらは蜷局を巻きながら威嚇のような声を上げるが龍牙はその背に飛び乗るとそのまま宙へと浮かび上がっていく。そして―――直後、ドラグブラッカーは勢いよく加速していきながらもビルドへと向かって行く。ビルドも一気に加速しながら迫ってくる黒龍と激突していく。赤い炎に包まれた不死鳥と黒い炎を吐きながら相手を仕留めようとする黒龍。
「だああああぁぁぁぁっっ!!!」
「はぁぁぁぁっっ!!」
空中で激突し続ける不死鳥と黒龍、それは次第に更に激しさを増していく。互いが放った炎がぶつかり合い、爆発を引き起こす中で二人は戦い続けている。龍牙は黒龍の上に居ながら冷静にビルドを見つめながら時折、飛び出すように跳躍し剣で斬りつけたりをしながらも、黒龍の上に乗り直すなどを繰り返しながら空中戦をして見せる。全く退かない両者の戦いはまだ終わらない。
「―――悪いな校長、無理を言っちまって」
「僕としては問題はないよ。でも良いのかい、多分だけど相手にしてくれるとは限らないよ」
「それでも良い……戦兎に会いたいから此処に来たんだから」
……やっぱり凄い面倒臭いよこれ。まあ自分から進んでやってるんですが……。