僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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変化を得た清純と黒龍

「ねぇねぇ透ちゃん、顔見せてよ~!!今度一緒に服見に行きたいからさ」

「駄目で~す、私の素顔は簡単には見せたりはしません♪」

「ケロケロ、透ちゃんったら」

 

文化祭も終わった後の休日の事、インターンも未だに休止中な為にほぼ全員が揃った状態での休日を寮で過ごす事になっているのだが、そんな中で起きているの葉隠の素顔に対する追及やら見せて欲しいという声の嵐だったりする。

 

「マジで頼む葉隠様!!もう一度天使の如きご尊顔を御見せください!」

「願わくばそのお姿を写真に収めさせてください!!」

「だ~め♪だって上鳴君と峰田君、それでなんか行けないことする気でしょ。なんか複製して販売とかしちゃいそうだし」

「「どんな風に思わせてんだよ俺達!!?」」

 

文化祭のミスコンに出場した場で素顔を見せた葉隠。透明で隠されていた本当の姿は誰もが見惚れる程の絶世の美少女である事が判明してから葉隠ファンが急増したのである。それはA組の二人も例外ではなかった、彼女がねじれや絢爛崎といった優勝候補に張り合って3位に入賞出来たのも納得出来るという物。

 

「峰田ちゃんに上鳴ちゃん、日頃の行いって大事よ」

「だな。特に峰田からとはいえ平気で教室でエロ本云々って言ってればそりゃ信用だってなくなるだろうよ」

「「ガッデェエエエエエムッッッ!!!」」

 

因みに今現在葉隠の素顔を捉えた写真を求める声は急増している、ミスコンの場でも素顔を見せたのはアピールの時のみで入賞を祝う場でも透明のままだったのでその素顔を捉えた写真などは皆無。彼女も基本的に素顔は見せる気はないのか、いつも通りに過ごしているので写真を取れない。なので絵心がある生徒が心に刻まれている姿を描いた絵が人気を博している……とか、いないのとか。

 

「なんで透ちゃんは今まで通りにいるん?別に素顔でもいい気がするけど」

「う~ん私もそう思うんだけど、こっちのほうが落ち着くっていうのかな。あっちはなんか余所行きの正装をしているような感じがしてリラックス出来ない感じがするの」

「家の中だとラフな私服でいたい、みたいな感じ?」

「そう、それに近いかも!!」

 

耳郎の例えが一番的を得ているとビシィッ!!と指をさす、まあ分かって貰えてはいないだろうが……一人を除いて。

 

「「っつうかよ、龍牙もしかしてミスコンの前に葉隠の素顔見てたんじゃねぇのかぁ!!?」」

「んっ?」

 

ソファでくつろぎながらスペイン語の教本を読みながらノートには翻訳の文章を書いている龍牙、そんな彼へと二人が詰め寄るのだが肝心の本人は肩を竦めながら受け流すように如何だか、とはぐらかす。

 

「誤魔化すんじゃねぇぞゴラァ!!」

「葉隠様の言葉に確りあったじゃねぇか!!」

 

―――行きます、龍牙君見ててねっこれが私のオリジン!!

 

「一人はずっと見ていてくれたってのも確実にお前だろ!!!」

「お前、前から何故か葉隠様の手の位置とか分かってたもんなぁ!!?」

「いやそれは関係なしに何となくで分かってたし」

「「猶更どうなってんだテメェは!!?」」

 

それに関しては本当に分からない。もしかしたら龍牙には感覚的に相手の体温を感知して位置を把握する能力があるのかもしれないが、真偽は定かではない。葉隠としてはそんな事の事実は如何でも良くて、愛しの彼は自分がどこに居ても確りと透明な自分を受け止めてくれるのが嬉しくてしょうがない。

 

「頼むお前からも見せてくれるように頼んでくれぇ!!」

「願わくばマジで写真を取らせて貰えるように!!俺達親友じゃねぇかぁ!!」

「ええっ~……そこまでして女性の顔写真を望むって何か……理解出来ない、引くわ」

「「なんでだよ!!?」」

 

龍牙的には二人がそこまでして葉隠の顔写真を望んでいるのが理解出来ない。所謂写真集的なものも良く分からない龍牙には致し方ないだろう。余談だが、Mt.レディが自分の写真集を渡そうとした事があったのだが良く分からなそうに首を傾げるのでそれ以降龍牙にそういう系統の物を持っていくのをやめたという。

 

「やっぱり龍牙ちゃんって紳士よね、二人も見習ったらいいと思うわ。そしたら透ちゃんも見せてくれるかもしれないわよ」

「う~ん……考えとく」

「「マジか!?」」

「んで見せる気あるのかい、葉隠さん」

「ないよ♪」

 

可愛らしく舌を出して笑っている葉隠にずるい子だな、と肩を竦める龍牙。そんな彼を見つつ蛙吹はやっぱり龍牙には葉隠が確実に見えているんじゃないのか?と思うのであった。そんな龍牙の頭の上ではドラゴンが時々欠伸をしながら昼寝をしている。もう見慣れた日常の一ページになりつつある。

 

「そう言えば龍牙君、戦兎さんってもうI・アイランドに戻っちゃったの?」

「いや一応まだ日本にいるらしい、なんでも片付けたい事が出来たとか」

「へぇっ~」

 

戦兎が片付けたい事、その内容を知っている龍牙は心の中で大丈夫なのだろうかと少しだけ不安になった。戦兎の用事とは―――コンビを組んでいた元ベストマッチパートナーのミルコとの事だった。龍牙としては喧嘩を目の前で見てしまったいるので何とも不安になってしまう。また大喧嘩でもしているのではないかと……。

 

「ふっっざっけんなミルコテメェ!!このノーパソに何のデータが入ってたと思ってんだぁ!!?」

「だから悪かったってさっき謝ってんじゃねぇか!!」

「それで謝ってると思ってるのかお前!!龍牙の為に開発しようと思ってた新アイテムのデータとあいつの個性に関するデータが入ってたんだぞ!?あれがどんだけの価値があると思ってんだぁ!?」

「また龍牙龍牙……!!!テメェは俺と龍牙どっちが優先何だ!!?」

「お前なんかに比べたらあいつの方が大事に決まってんだろうが!!!」

「ンだとぉテメェ!!!」

「「おう上等だ表出ろぉ!!!」」

 

―――懸念通り、戦兎はミルコと大喧嘩をするのであった。

 

そんなこんなが起きている中、相澤が一人の少女を連れて寮へとやってくる。それは龍牙にとってはどこか似ている少女との邂逅だった。

 

「という訳で―――今日からこの子、壊理ちゃんを雄英で預かる事になった」




自信が付いたのかちょっとヤンチャになったかもしれない葉隠さん―――可愛い。

葉隠さんカワイイヤッター! 
   ↑
言いたいだけ。

次回は壊理ちゃんとのコンタクト。

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