僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
―――私、鏡 白鳥は兄を尊敬している。それは昔からずっとだった。
「はぁっ!!」
「ムゥン!!」
正確な攻撃を正確に防御したうえでそれを流す、その上で背後を取りながら首へ一撃を入れる。前のめりになった所に下から蹴りを入れて押し上げる。今度は押し込むような蹴りで体勢を崩す龍牙。膝カックン何て目じゃない程の力で押し込まれた膝は曲がってしまい、体勢が崩れて倒れこんだところに龍頭での追撃を入るがそれを咄嗟に回避しながらカポエラの要領で腰を持ち上げながら足を回し、龍牙を退かしながら身体を持ち上げる。
「流れが良すぎる……悔しいけどカッコいい……!」
「来い、お前の本気はこの程度か」
経験値の差が此処までの実力の格差を感じされるのかと、思わず身体が強張る。流れるような一連の動作にまともに対応が出来なかった。最後の攻撃をギリギリで回避するのが精いっぱい、だが今の一連の攻撃でも兄が本気で相手をしてくれている事が分かり思わず口角が上がってしまう。
「まだまだぁっ!!」
勇んで飛び出しながらもその手には盾ではなく薙刀のような物が握られている。それを回転で生まれる遠心力を加えて振り回して龍牙へとぶつける、そしてそのまま押し込めるようにするが鎧の強固さからか刃はそれ以上深く入らない、故にそのまま殴りつける力を込める。
「ふんにゅぅぅぅうううう!!!!」
「固執しすぎだ!!」
意地でも薙刀を使ってやると言わんばかりに攻撃してくる彼女に対して、龍牙は薙刀を刃ごと握り潰すように握り込む。そして必死に力を込めている白鳥ごと龍牙を持ち上げてそれを地面へとたたきつけ、そのまま地面を抉り削るかのように腕を振るう。
「わぁあああああっっ!!?ぐっうぐっ……なんて力ぁっ!?」
「分かっていて挑んだのだろうがぁ!!」
「離すぅ!!!」
再び振り回されようとした時に手を離すが、それでも反動を受けてか地面を数メートル抉りながら吹き飛んでしまう。美しい羽根は薄汚れ、純白は汚されている。それなのに白鳥は笑みを浮かべながら剣を支えにしながら立ち上がった。
―――分かっていた、兄はとっても強い。自分なんかよりも遥かずっと先にいる、自分が積んできた物なんかよりも遥かに多く物を経験していたんだ。だからこそ兄は強い……いや、ずっと昔から分かってた。個性があるのに使えない、無個性だと周囲から言われたりしていたけど、お兄ちゃんは負けなかった。それでいて平然と個性を使う私の事を凄い、綺麗だと言ってくれた。
「ブランウィング!!」
『クエエエエエッッ!!』
天より来訪する白き翼に己を乗せながら宙へと浮く、それに続くように龍牙の足元からも黒龍が姿を見せる。龍牙の身体を持ち上げるように出現した黒龍は唸り声をあげながらも天へと昇っていく。
「今度は空中戦か」
「―――全てをっありったけをっ!!」
『クエエエエエエエエッッッ!!!』
「ゴアアアアアアアアァァァアアアア!!!!』
白い閃光と黒い炎が空中で何度も激突する、火花を散らしながらを空を泳ぐように駆けて行く。強い羽ばたきと共に散っていく羽、それらを剣の一閃の風圧で吹き飛ばして飛び礫のようにぶつけるが黒龍の尾の一撃でそれら全てが黒炎に包まれて燃え尽きる。
『ゴアアアアアアッッ!!!』
その咆哮と共にドラグブラッカーの周囲には黒炎弾が出現し、再度の咆哮と共にそれらが自立した意識を宿したかの如く加速しながら此方へと迫ってくる。ブランウィングは白鳥の指示よりも早く加速して回避運動へと移るが、黒炎弾は完璧にホーミングしているのかピッタリと背後を取ってくる。
「急速上昇、その後急降下!!」
素早く指示を飛ばすとその通りにブランウィングは急上昇していく、その後をピッタリと着いてくる黒炎弾を確認しながら一気に地面へと急降下していく。ぐんぐん迫ってくる地面だが加速はやめない、隕石のように激突しそうなビジョンが浮かぶがそれでもいい。そしてギリギリの所で身体を持ち上げさせて身体が掠るギリギリの所で持ち直すと黒炎弾は流石に急すぎる転換についていけないのか、地面に炸裂した。
「やったっ!!」
「まだまだ」
「ッ―――!?」
前からの声、そこには龍頭を構えていた龍牙が居た。自分が急上昇と急降下の間に先回りされていた。完全に自分の思惑何て予測された上で先に行動されていた、そして龍牙はそのまま黒炎を纏った腕を振るった。
〈
ブランウィングを貫通するような爆炎が白鳥ごと巨鳥を吹き飛ばしていく。その一撃でブランウィングは光となって四散してしまった。ダメージが蓄積した事で白鳥の内部へと戻ってしまった、それでもまだ彼女は動けると思って翼を広げようとした時だった。全身を完全に拘束されてしまった、打ち上げれた彼女をドラグブラッカーが銜えこんでいた。そしてそのまま周囲のビルへと白鳥をぶつけていき最後には黒炎と共に吐き出して地面へと叩きつけられてしまった。
「うぐっ……がぁっ……駄目、反射、出来ない……!!」
白鳥も母の個性である反射が受け継がれている、継がれているが彼女自身は攻撃を基本的に回避していくスタイルなので相性が悪く余り使いこなせていない。食らってしまった物を反射しようとも試みるがスタミナや体力もそこまでない彼女の反射上限は酷く狭く、非常に噛み合っていない。
最早立ち上がれない程に蓄積してしまったダメージ、激しい痛みの中で見たのは眼前にて立ちはだかる兄の姿だった。ハッキリ言って自分はあしらわれていた、全く相手にもなっていない。自分の行動すべてが見透かされていたようだった。
「―――まだやるか」
「意地悪な、お兄ちゃん……」
もう勝敗何て決しているだろうに、俺の勝ちだと言い切ってもいいのに、それなのにまだやれるならばとことん付きやってやると言っている。やっぱり変わっていない、自分の中にあった幼い兄、優しい兄の姿と全く同じ。
「もうやめもうだめ動けない。参ったよお兄ちゃん」
「そうか、如何だった俺の力は」
「……もうお父さんお母さんよりも強いんじゃないの?」
それが感想を聞かれた白鳥の素直な感想だった。両親の力を把握している白鳥は龍牙の方が遥かに強いように感じられる。攻撃力に防御力、機動力に持久力なども半端ではない。加えて戦闘経験なども豊富なので相手の先読みなどもしてくる、仮に龍牙に通用する攻撃を放ったとしても、耐えきった上で反射で相手にも同じだけダメージを与えて追撃までするだろう。
「師匠にはまだまだ未熟だって怒られてるけどな、ほらっ手貸してやるからばっちゃんの所いくぞ」
「……おんぶしてよ」
「子供かよ……」
「良いじゃない可愛い妹のお願いなんだから、お兄ちゃんは妹のお願いを聞いてあげるもんだよ」
「そういう物かぁ?」
そう言いつつも龍牙は倒れこんでいる白鳥を担ぎ上げるとそのまま背中に乗せてそのまま歩き出していく。なんだかんだ言いつつも要望を聞いてくれた兄に感謝しつつも大きな背中に包まれる白鳥は酷い安心感を覚えてしまった。
「(……同じクラスだったら良かったのに)」
つい、そんな事を思ってしまう。そうしたら一緒に居られる、兄妹として一緒に居られなかった分を直ぐにでも取り戻せれるのに……自慢だっていっぱいしてしまうかもしれない。今までは自分の事もあった、何処かぎこちなかったかもしれないがこれから妹として兄に接しようと彼女は心に誓う。
「ねえお兄ちゃん」
「何だ」
「……ううんなんでもない、早くリカバリーガールの所に連れてってよ」
「はいはい」
漸く、二人は元の兄妹に戻れたのかもしれない。
白鳥はこれから出番増えるかもなぁ、今まで影薄かったし。後、偶に彼女と龍牙のCV誰と言われますがなんでそこ気になるのよ。
個人的には白鳥は下屋則子さんです。
龍牙?……全然考えてませんよ、ご自由な方の御声で再生してください。