僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

214 / 327
死闘を繰り広げるツクヨミと黒龍

「りゅ、龍牙君……!!」

 

雄英の寮の共有スペースではほぼ全員が集まってTVに釘付けになっていた。TVでは今現在九州に起こっている事件の生中継が放送されている。一方では№1と№2であるエンデヴァーとホークスが、一方ではリュウガとツクヨミが脳無と思われるヴィランと戦闘をこなっている様子が報じられている。エンデヴァーとホークスは激しい戦闘が空中で行われており、一方地上ではリュウガとツクヨミが。

 

「二人が九州に行ってたのは知ってたけど、まさか戦ってるなんて……!!」

「つ、梅雨ちゃんあれって、龍牙君と常闇君が戦ってるのって……!!」

「ええ、きっと龍牙ちゃんが死穢八斎會の時に戦ったって言うのと同じ奴よ。ごつくなってるけどきっと同じ」

 

それを聞いて皆が一斉に思い出すのは龍牙の身体の事だった。彼の身体に古傷として残る程の攻撃を放つ脳無、癒えているが腹を二度も貫いたというヴィランと今再び会敵している事実に皆が不安を手にしてしまった。再びそのような怪我を負えば死に迫ってしまうのでは……という不安が過る。だがそれを払拭したのは意外な人物。

 

「あいつが二度もそんなへまするか、寧ろボコボコに伸すに決まってる」

 

爆豪だった、爆豪は龍牙の勝利を疑わない。それは決勝の舞台で直接交えた経験からか、ライバルとして認めているからこそかは分からないが爆豪は何も疑わない。きっと勝つと信じている、そんな言葉によって皆も龍牙と常闇の強さを思い出してきっと大丈夫だと希望を持ち始め、応援をし始める。

 

「大丈夫だよね龍牙君、信じてるよ、信じてるからね!!」

 

 

―――そんな気持ちを砕くように、先程とは姿を変え始めている脳無が画面に映り込んだ。

 

 

「よく目に焼き付けて消えろ、これが俺の本当の姿だぁ!!!」

『ゴアアアアアアアア!!!』

『グオオオオオオオオ!!!』

 

蜷局を巻いていたドラグレッダーと銀のサイが咆哮を上げながら自ら光に包まれながら脳無へと吸収されていく。それを見た時、龍牙は龍騎が龍を食らった時を連想する。だがそれはあっているようで違った。あの時のように龍の特徴が身体に反映されていく、というよりも純粋に吸収したそれらを使用して自らの肉体を急激に強化しているようだった。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ―――……!!!」

 

身体は一回り大きくなり四肢は太くさらに発達していく、オールマイトやヴェノムよりも更に一回り巨大となった脳無。先程の特徴を残しながらも更なる進化を遂げたそれを見た龍牙と常闇は言葉を失っていた、これが本当に先程まで自分達が戦っていたのと同じものなのかと疑いたくなってくる。そしてそれは凶悪な笑みを浮かべながら、最後に剥き出しなっている牙を収めるようなマスクを展開する。

 

「さぁぁ……始めようかっ―――!!」

 

直後、姿が再び掻き消えたように脳無が動いた。だが先程の突進などよりも遥かに速度が速い、それを思わず目で追ってしまった。そして、さっきに敏感な龍牙は感づいたが遅かった。

 

「常闇後ろだぁ!!」

「なっ―――!?」

 

背後からのそれに常闇は反応出来ない、咄嗟に黒影が独自の判断で防御を厚くするがそれを易々と貫通するような飛び蹴りが炸裂しビルの外壁へと激突する。クレーターのように凹んでしまった外壁の中央にいる常闇は全く見えなかった脅威が今、自らを追いつめている現状についていけていない。直後、両手を組んだ鉄槌(ダブルスレッジハンマー)が襲い掛かる。隕石のように地面へと叩きつけられる常闇、一瞬意識が飛びそうな物を引き戻したのは追撃のスタンプ。殴られているという事実に送れながら気づき、思わず苦悶の声が溢れた。

 

「ぐあああああああ!!!」

「如何した、ヒーローというのはこんな物かぁ!?」

 

―――だあああああああああぁぁぁぁ!!!!!

 

刹那、脳無は迫ってくる気配に気づいたのか顔を上げる。そこには黒炎を纏い流星のように迫ってくる龍牙、出し惜しみなどしていられるかと言わんばかりの黒炎脚。それが猛スピードで迫る、それに気付いたのか常闇は両腕で脳無に組み付いて逃げられないようにする。

 

「構うな俺ごとやれ!!!」

 

そんな事言わなくてもお前ならわかっているだろがな、という静かな信頼を燃え上がらせる。その思いに応えるように龍牙は一切の加減をすることなくそのまま迫っていく。回避をしたくても常闇に拘束されて回避は出来ない、ならば―――と言わんばかりに脳無の片腕に装甲が集中し巨大な龍頭が出現し、それは爆炎を纏いながら迫ってくるそれへとぶつけられた。

 

ド ラ ゴ ン プ レ ッ シ ャ ー デ ィ ス ト ピ ア

 

DRAGON PRESSURE(ドラゴンプレッシャー)

DYSTOPIA(ディストピア)

 

「ゼアアアアアアアア!!!!」

「だああああああぁぁぁ!!!!」

 

爆炎と黒炎が激突する、巨躯を誇る脳無へと挑みかかる黒龍は絶叫を響かせながら更に力を込めていく。そこに遠慮の文字などはない。此処でこれを倒さないとただでは済まなくなる、事実死にかけた経験があるだけに龍牙は全力だった。迸る黒炎は辺りへと伝播して幾ほどに出力を高める。だがそれを受けても脳無は全く揺るがない、それ所か逆に龍牙を押し込み始めている。

 

「させるか……!!深淵闇躯(ブラックアンク) 夜宴(サバト)!

 

押し込まれている友を助ける為に常闇が咆える。周囲へと溢れ出している黒炎を糧にして黒影は更なる力を手にしていく、龍牙が何の打算もなく黒炎脚を放ったのは常闇の気持ちを理解しているのもあるが敢えて周囲に黒炎を溢れさせるほどの超高出力で放ったのもそれらを常闇に吸収させる為。それらを用いて共に反撃の狼煙を上げる為。黒き炎と闇の巨爪、それの同時攻撃。一人では押し込めない、だったら二人で攻めればいい。

 

「「だああああぁぁぁぁぁっっ!!!!」」

 

二つの闇が交差して悪龍の重圧を押し退ける、爆炎が爆ぜその先の身体へと攻撃が突き刺さった。悪龍は後ろへと押し退けられるが、大したダメージにはなっていない。爆炎が爆発反応装甲(リアクティブアーマー)のような役割をしてしまったのかもしれない。それでも二人はまだまだ戦う意志を見せる、差し伸べられた手を取って立ち上がった常闇と共に龍牙は構えを取った。

 

「まだ行けるか」

「無論だ。お前から受け取った力、無駄にはしない」

「なら俺もこっからは全開だ……ビヨンド・ザ・リュウガ、行くぜ!!!」

『ゴアアアアアアアァァァァ!!!!』

 

黒炎と共に姿を現す黒龍は龍牙と一つになり、一つの姿となってその姿を露わにする。これこそドラゴンライダー・リュウガの真の姿。それらと肩を並べるツクヨミ、それらは勇ましい程の姿で巨悪に立ち向かう。

 

「行くぞ常闇ぃ!!」

「行くぞ龍牙ぁ!!」

 

To BE CONTINUED……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。