僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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喜びの中の日常の黒龍

龍牙が正式に鏡家との絶縁が決まり、これにて本当の意味で過去との決着がつけられた事になった。溜め込んできた物も清算したからか酷くスッキリしたような晴れらかな気分で翌日を迎える事が出来た。普段よりも元気よく身体が数段軽くなったような足取りをする龍牙に皆が首を傾げて、何か良い事でもあったのだろうかと思う。その真実を知るのは葉隠だけであり、彼女だけはそんな姿を透明の内側で笑顔で見つめるのであった。

 

「んでよ踏陰、こんな感じのを出せるように成った訳だ」

「これは、闇炎龍の重火器……!!」

「なんか勢いだったんだけど出せるようになったんだよ、名前如何したら良いと思う?」

「ドラゴニックバスター、などどうだろうか」

「何それカッコいい、よしこれでの必殺技はそれでいこう」

 

ヒーロー基礎学でも新しく身に着けて技の研究や出来る幅を詳しく調べたり、常闇に名前の意見を聞いたりしている。他にも龍牙はドラグブラッカーの爪や尾を利用した鞭などを新たに作り出せるようになっている事が明らかになり更に選択肢が充実する事になった。

 

「龍牙、とてもいい事があったのか」

「んッ分かるのか」

「ああ、闇に光が差している。今は光と闇を纏っている」

「そうか……いや過去との決着がついたんでな」

 

事情を把握出来ない常闇にも龍牙の変化は読み取れる、だが敢えて踏み込みはしない。親友にどんな変化があろうとそれを追求するほど野暮ではない、彼にとっては機嫌が良いのであればそのままさせてやるが一番だと思う。

 

「そうか、だが時との因縁は険しいものだ、本当に終わったと確信するのは早いのではないか?」

「言いたい事が理解出来る、だが今回ばかりは確信していい。もう過去は手を伸ばせない」

「―――そうか、それは良かった。ならば我と軽く手合わせをしてくれ、深淵闇躯の精度を高めたい」

「分かった、俺も新技をバンバン使って慣れておきたい」

 

今回のヒーロー基礎学は龍牙にとっては非常に有意義で意味のある時間となった、自分の新しい力の研究と友との友情がまた深まったのを感じた。そんな日の終わり、先日休んだ分の復習を部屋でしている龍牙。致し方ないとはいえ一日授業を受けないだけでも進んでいる部分は当然ある、分かるとはいえ確りやっておくべきだと机に向かっている。

 

「龍牙君、紅茶入ったよ~。少し小休憩入れたら?」

「有難う葉隠さん、そうだねちょっと休憩しようかな」

 

前以てノートを取って貰うようにお願いしていた葉隠に授業についての話を聞きつつも共に復習をしていた。そんな彼女は頑張っている自分に気を利かせて紅茶を淹れてくれた様なのでこの辺りで一旦休みを入れておく事にする。

 

「俺の部屋に招待したのになんか悪いね、淹れて貰っちゃって」

「いいのいいの、だって龍牙君が復習したいって誘ってくれたんだから。勉強を取り戻したいって凄い真面目だし私も協力したいもん」

「頼もしいよ」

 

ドヤ顔を浮かべながら胸を張っている葉隠に龍牙は微笑みを浮かべる、彼女のこういった姿を見ていると不思議と元気が出てくる。

 

「なんだか葉隠さんには世話になってばっかりだな。迷惑とかになってないかな」

「迷惑なんてとんでもないよっ!!ヒーローを目指す者として誰かのお役に立つなんて誇らしいもん!」

「ははっ成程、流石」

 

再び力強く立ちながら胸を押し上げるように腕を組みながらドヤ顔を浮かべる葉隠、実際ヒーロー云々に嘘はないのだがそれよりも龍牙の為になれるという部分が凄まじく重要なのである。愛しの彼の頼みとあれば断る理由なんて皆無、そして何より―――龍牙の部屋で二人っきりで居れる、ピクシーボブには絶対に出来ない彼女だけに許された絶対的な権利に彼女は優位に立っている優越感に浸りながら龍牙と共に居れる空間に酔いしれている。

 

「ねえ龍牙君」

「んっ如何かした?」

「ううん呼んでみたかっただけ~♪」

「そうか、それじゃあ俺も葉隠さん」

「な~に♪」

「俺も呼んだだけだよ」

 

龍牙は自分の行いに自然に乗ってくれたりもするのでこんな風に自然に誘導すれば恋人たちが出来るような事もやってくれる、これもピクシーボブには出来ない事だと思っている。そんな背徳感にも似たものを感じつつも幸せを感じている時に龍牙の携帯が鳴り響いた。それを聞いた瞬間に葉隠はまさかピクシーボブだろうかと警戒するが龍牙はそんな事知らずに手に取って確認してみると根津からであった。

 

「はい」

『龍牙かい、今大丈夫かな』

「葉隠さんと復習中ですけど、まあ大丈夫です」

『実は手紙が来てるんだよ、僕宛だったけど内容は君に宛てての物だったよ』

「俺に、ですか」

 

態々根津校長を通して自分へと送られる手紙、それに関して全く見当が付かない。あるとしたら何かのスカウトや取材の申し込みという事だろうか、それならばそう言う事になるのではないかと思ったのだがどうやら見当違いだったらしく根津は否定した。そして正解を口にする。それも喜ばしい知らせだった。

 

『戦兎からさ、君用に開発してた新アイテムがあと少しで完成するってさ。だから今度雄英でその調整の許可と君への連絡だね』

「おおっそれは楽しみですね!!」

 

その知らせに龍牙は素直に喜び、これからもどんどん精進していけることについての喜びを吐露する。これからこそが自分の人生の新しい1ページになっていく事だろう。そしてそれは―――龍牙にとってもまた新しい戦いの始まりを告げる物でもある。




此処からは、多分なんだろう、葉隠さんとピクシーさんがメインになるのかな……それともまた番外編でも書くか……う~ん……悩む。
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