僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~ 作:魔女っ子アルト姫
緑谷との一件も終わって寮へと戻った龍牙と緑谷、そして何故かミルコや戦兎まで一緒に寮まで行っていた。戦兎は戦兎で暇なので寮でゆっくりさせて貰いつつデータの整理とぶっ壊されたパソコンのデータ修復を試みるという事で、ミルコは折角雄英に来たのだから雄英生徒のレベルを知りたいとの事。
「おい私と手合わせしたい奴いるか、これから暇だから相手してやるぞ!!」
「おいマジかプロヒーローのミルコさんに相手して貰えるとかマジかよ!!」
「はいはい是非お願いします!!」
「邪魔だクソ髪!!俺が先だ!!」
「俺も是非お願いします」
「おうそれじゃあお前ら三人相手してやるからこれから直ぐに演習場に来い!!」
と切島、爆豪、轟を伴って演習場へと駆けて行ってしまった。尚、上鳴や峰田は見学目的でついて行ったが明らかに目的はミルコのコスチュームを間近で見たいという邪な欲求だろう。下手に熱心に見つめていたらミルコからお前らも混ざれ!!と言われて強引に模擬戦をさせられそうだな、と内心で龍牙は思いつつミルコを見送った。尚、その懸念は現実のものとなって二人はボコボコにされた。そんな最中、部屋でのんびりとしている龍牙は戦兎に尋ねる。
「戦兎兄さん、このような場所にいてお仕事などは宜しいですか」
「ああ良いんだよ良いんだよ別に、俺の研究に期限とかそういうの無いから。俺がやりたいと思った研究とか実験するのが仕事、その結果として新しい技術とか理論を完成させたりしてるだけ」
疑問に対しても適当に答える戦兎、適当ではあるがこれが本当なのだから困る。実際依頼されて研究などをする事もあるがそれらは速攻で終わらせて自分のやりたい事を優先していくのが戦兎流。その結果として世間で使われている技術の多くが生み出されている。下手に何かを命じて研究させるよりも自由にさせた方がクォリティが高い物を作る出すのが戦兎なのである。
「そう言えばよ、もう直ぐインターンが再開するって話龍牙聞いた?」
「えっ再開されるんですかインターン」
「らしいぞ、先生がそんな話してた」
それを聞いた龍牙としては嬉しさでいっぱいだった、もっと経験を積める、師に望まれた次代を担うだけの存在になる為にはもっともっと経験や力を付けなければならなくなってくる。その為にもインターンでの活動は必須になってくる。それにまたリューキュウ事務所で動けるのはそれなりに嬉しさもある、ねじれにほぼ常時に頭を撫でられ、ヴェノムがそれを見て呆れつつも笑い、それらを見ながらリューキュウが微笑む。そんな一場面も自分が望んでいる物なのかもしれない。
「いい顔しやがって、インターン先でよっぽど人に巡り合えたか」
「ええ、そりゃもう本当に良い人達に」
「そっか」
戦兎はそんな笑顔を見てから改めてパソコンに向かい直し、復旧作業を進めていく。嬉しそうにしている弟、きっと他にも温かさを感じられる場所があるんだろう。もう龍牙にとっての本当の家族というのはそれら、温かさをくれる人達との絆その物。それらに比べたら血縁者なんて取るに足らないのかもしれない、少なくとも今はきっとそう思っている筈。
「龍牙、お前さナックルに使うボトルの属性でリクエストってあるか?」
「う~ん……パッと思いつくのは電気とか氷ですかね、モンハンでもありますし」
「まあベターな所ではあるけどそれが妥当だよなぁ……確か演習場に行ったメンバーにそれらが使える個性を持った生徒いた筈だしお願いしてみるか、あっそうだ忘れるところだった」
そんな風な会話をしていると戦兎が急にある事を思い出したように懐を探り出した、何かを探しているのか暫く何処に行ったのかと呟きつつ探し続けていると漸く見つかったのかそれをテーブルの上に叩きつけるように置いた。
「何ですかそれ」
「喜べ龍牙、この天っ才物理学者である戦兎お兄さんが日々ヒーロー目指して頑張り続けてるお前に対してプレゼントを用意してやったぜ」
「チケット……」
「ちっちっち、唯のチケットじゃないんだなぁこれが。なんとこの天っ才物理学者が主演を務めた映画のプレミアムチケットだぜ」
「えっ兄さん俳優も兼業してたんですか?」
「ンなわけねえだろ」
話を聞いて見るとこれは所謂過去に上映された映画を現代の要素を盛り込んだ上で再構成した物、それは所謂アクションヒーロー物だがそこに推理の要素を盛り込んだものとの事。警察もヒーローもお手上げな迷宮入り確実な事件を天才物理学者である主役が周囲を振りまわしながらも解決へと導いていくという物、ある意味戦兎にピッタリすぎるものなのである。
「俺は出るつもりなかったんだけどさ、一回研究の過程で貸しを作っちまった相手が如何してもって頼むからそれを帳消しする約束で出る事になったんだよ」
「へぇっ~……それで面白いんですかこれ」
「演じた側の俺にそれ言われてもな、ぶっちゃけ俺見てないし」
演じてはいたがそれは見る側の視点ではないので何とも言えない。加えて戦兎は試写会などには一切顔をだしていない、あくまで演じる事だけに対して貸しが使えたという事なのでそれ以降の事は完全に無視しているとの事。相手側もそれを了承した上で話を持ち掛けたらしいが、本気でやられるとは思っていなかったのか後処理に苦労したと電話が来たが知らんと一蹴したらしい。
「それペアチケットだからだれか誘って行って来いよ」
「でもいいんですか貰っちゃって」
「良いんだよ、というかなんで俺が自分の映った映画を見なきゃいけないんだよ。運動会で自分が映ったビデオって進んで見たいかと思うか、それと同じだ」
戦兎からすれば見たくないという事なので有難く貰っておく事にする。そしてペアチケットという事なので戦兎はもう一人誘えと言って来るのだが、誰を誘えばいいのかと迷っていると助け舟が出された。
「葉隠ちゃんいるだろ、今回無理言って緑谷との戦いには来ないでくれって遠慮して貰ったんだからその埋め合わせに誘って来いよ」
「成程それは良い案ですね」
「(お膳立てはしてあげたからあとは頑張れよ、葉隠ちゃん♪)」
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