僕のヒーローアカデミア~ビヨンド・ザ・リュウガ~   作:魔女っ子アルト姫

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ある種、作者のフェチが漏れている。


別の戦い方を知る黒龍

一時的にプッシーキャッツ事務所へとインターンに訪れる事になった龍牙、タイミング的に他のメンバーが出払っている時に訪れた為にピクシーボブが指導員の立場に入り、彼女の下でインターンを行う事となった。手始めに事務所の案内をされると早速インターンを始まる事になった……のだが普段であれば近場の観光地までの道のりや山間部の休憩所や緊急対応センターなどを訪れるパトロールを行うのだが、他のメンバーが出払ってしまっている状況なので緊急性の高い出動要請が来ない限りは待機となる。なので事務作業などを行う事になったリュウガ。ピクシーボブとしては折角来て貰ったのに申し訳ない気もしたのだが彼はそんなことする事もなく書類を片付けていく、それも他の事務員が驚く速さで。

 

「ピクシーさん、こっちの資料の纏め終わりました。第4番のファイルに閉じておきますね」

「お願いね、それじゃあそっちの緊急対応マニュアルチェックをお願い。隣の方にチェック用の奴を用意してあるはずだから」

「分かりました」

 

プッシーキャッツ事務所が行うのは単純な山間部での救助活動だけではない。山間部における緊急事態発生の場合における対応マニュアル作成に各自治体が制作したマニュアルの査定や修正案の提示なども含まれている。本来は専門の行政機関などが行う事になるのかもしれないが、プッシーキャッツは長年の実績の影響でそれらの一部を任される立場にもあり、正式な災害対応マニュアルとして採用もされている。自然災害における救助活動において重要な立ち位置に立っているヒーローチーム。

 

「(凄い……俺でも分かるように纏めてある上に災害ごとに適した動き方がこんなに事細かに……)」

 

龍牙もそれを見ていると思わず喉を鳴らしてしまう。自然災害はどれも恐ろしいものばかり、今でこそ人間は個性という超常的な力を手にしているがそれでも自然の力に勝つ事が出来ない。自然が巻き起こす現象の力はそれほどまでに恐ろしく強大、それらに真っ向勝負を挑めるのは現役のオールマイト位だろう。そんな災害から人々を救うための動き方が記されている。

 

大雨、大雪、洪水、土砂 、地震、津波、火山噴火。これらの被害が出た時にどのような動き方をすればいいのかというのがマニュアルとして完璧に纏めるというのは尋常な事ではない。これらにそってチェックするだけで修正すべきか所などが簡単に露わになる。

 

『リュウガ、貴方はプッシーキャッツ事務所できっと学ぶ事がある。それは貴方にとっては大きな意味になるし大きな転機にもなる。貴方の個性の活かし方、それを見つけるには丁度良い機会だわ』

 

リューキュウから告げられた言葉、それの意味の真意が理解出来た気がする。戦闘力という面では自分はもう既に十分なレベルに到達している、ならば次に鍛えるべきは技術や知識、経験になる。そして現段階で得るべきなのは誰かを助けるヒーローとして様々なケースを知っておくべきだとリューキュウは判断したのだろう。龍牙の力ならば知識や方法を知るだけでも十二分に対応する事は出来る、加えて持ち前のタフネスを考えると救助活動では非常に有利になる。

 

「(……これも一つの戦いなんだ、これも戦いの一つ)」

 

誰かを救う為の戦い、救う為に今まで起った災害のデータを洗い出した上で最適なマニュアルの構築。それがどれだけ難しいなんて少し考えただけで分かる事、それをプッシーキャッツが救助活動の現場でそれらを経験してそれらを基にしながら過去のデータと総合しながらこの出来たのがこのマニュアル。凄いとしか言いようがない。

 

「あっそうだリュウガ、その火山噴火のマニュアル部分だけど新しくデータを更新してあるからそっちもチェックしてね」

「分かりました」

 

それでいながら新しいデータが出たら即座に修正すべき部分を修正し反映させていく。それが他のヒーローが出したデータなど気にしない、これは多くの人の命に直結する重要な物なのだから自分達のプライドを絡めるなど意味がない。寧ろ新しくしていく事でより人の為になると思うだけ。

 

「―――良し、これで終わり……チェックに回しておきますね」

「お願い」

 

纏めたデータを他の事務員へと回してチェックをお願いする、同時に目の前でテキパキと仕事を片付けながら次の物の準備を、次の次に備えをし続けているプロとして活動しているピクシーボブが視界に入る。凛々しくも鋭い瞳で様々なデータを見ながら的確に報告書に打ち込みながらも大規模災害の想定に関する意見書を仕上げていく。

 

「ここはそうね、もう少し効率化出来る。そうなると全体の見直しは……12%、いや10に抑えられる。なら早急にやるべきね、その方向で調整すると……よし報告書は終わりだからこっちに集中出来るわね」

 

龍牙の中ではピクシーボブは何方かといえばミッドナイトやMt.レディに近い印象を持っていた。親しく良くしてくれるお姉さん、そして自分の理解者の一人という物が強い。故か何処か距離が近く姉のような印象を持つ―――が今目の前の姿は完璧なまでに仕事を片付けるその道のプロフェッショナル。出来る女としての風格を纏う彼女の姿の印象は姉ではなく―――憧れの対象であるギャングオルカに近い何かがある。

 

「(カッコ、いい……)」

 

そこまで真剣な表情でスムーズ且つ効率的に仕事を片付けていく姿は圧巻である上にそれが酷くクールに映る。気付けば龍牙は手を止めてしまい、ピクシーボブの仕事姿に目を奪われた。そして、集中を一旦区切り汗を指で拭いながら髪を揺らす姿に僅かにトキメキを覚えるが、自分のやるべき事を思い出し慌てて目をそらしつつ書類に向かう。

 

「ふぅっ……如何リュウガ、疲れてないかしら?」

「だ、大丈夫です!全然大丈夫です!!」

「そう、流石ね。それじゃあもう少し頑張ってから休憩にしましょうか」

 

 

「(さっき龍牙君私見てたわよね、何か気になる部分でもあったのかしら……もしかして思わぬ形で誘惑出来たとか……!?おっと行けない、彼にああいった私が仕事に集中しなくてどうするのっと)」




ちょっと葉隠さんとは別の攻め方になるピクシーさん。
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